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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

先月末、KICK THE CAN CREWの新アルバムがリリースされました!
KICKは私の一番好きな音楽グループなのですが、
KREVAとLITTLEの不仲(という噂)で2004年に活動休止してしまい、
ずっと活動再開されるのを待ってたんですよね。
このブログももともとはKICKを含むFG勢を応援しようと思って立ち上げた
日本語ラップのCD感想ブログで、たまに映画の感想を書いてたのですが、
(ブログタイトルはLITTLEのアルバムのタイトルのパクリです。)
CDが売れない時代になったためCDリリースが激減してしまい、
映画の感想ばかりになり、引っ越しを機に音楽の記事を全て非公開にしました。
今やウチのブログでMCUといえばKICKのメンバー雄志くんのことではなく
マーベル・シネマティック・ユニバースのことになってしまいました。
数年前からライブや客演などでKICKの3人が揃うことも多くなり、
2011年にはKREVAプロデュースでMCUとLITTLEでULも結成され、
復活は近いとワクワクしていましたが、そこからけっこうかかりましたね。
新アルバムはリリース日に購入しましたが、実はまだ聴いてません。
ちゃんと集中して聴ける時間を作って、正座してジックリ聴くつもりです。
単発にならないようにヒットしてくれたらいいな…。

今日も映画の感想です。

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ
A Street Cat Named Bob

2017年8月26日日本公開。

この前の休日に、暇だから何か映画でも観に行こうと思って観た本作。
本当は『関ケ原』を観ようかなと思ってたのですが、世間の評価が低すぎ、
別の映画にした方がよさそうだと、映画サイトで初日満足度ランキングを調べ、
かなり上位(ぴあ映画2位、Filmarks1位)だった本作をチョイスしました。
野良猫とホームレスの物語ですが、私は猫より犬派なので
楽しめるか不安もあったけど、本作は猫の可愛さだけが売りの猫映画ではなく、
人間ドラマとしてちゃんとした作品なので問題なく楽しめました。
なんでも実話が基になった小説が原作らしいのですが、
さすがは世界中でベストセラーになっただけのことはあります。
以下、ネタバレ注意です。

ロンドンでホームレスをしているストリート・ミュージシャンのジェームズは、
路上で歌って通行人から僅かな御捻りを貰って生活しています。
まだまだ若そうだしギターや歌も上手いので、音楽関係の仕事とか
ちゃんと働けそうな気もしましたが、やはり他にも問題があり、
薬物(ヘロイン)中毒患者で、ソーシャルワーカーのヴァルからサポートを受け
薬物をやめる更生の真っ最中です。
なんでもヘロインを解毒するメタドンという代替薬を処方されてますが、
メタドンも依存性の強い薬物らしく、一日一回必ず服用し続けないと、
ヘロイン以上に苦しい禁断症状に襲われるみたいです。
それだけ麻薬に手を出したら大変なことになるということですね。
メタドンを摂取してもヘロインを欲しなくなるわけでもないようで、
ある日もホームレス仲間のバズからヘロインを分けてもらって使用してしまい、
メタドンとヘロインを同時に使ったことで薬物過剰摂取で意識を失い、
病院に担ぎ込まれて、目覚めた彼は強烈な自己嫌悪に陥ります。
やめたいのにやめられない、薬物依存は恐ろしいです。

そんなジェームズを見兼ねたヴァルは、路上生活では更生できないと考え、
公営の無料住宅を世話してくれ、彼はそこに入居することになります。
無料住宅にはシングルマザー世帯や年金受給者など低所得者が
入居の順番待ちをしているのに、「特別な事情だから」と順番を割り込んで
ジェームズが入居したことは不公平だと思ってしまいました。
自業自得な違法薬物中毒患者が優先されるなんておかしいです。
水道を捻ればお湯も出る快適な生活をエンジョイするジェームズが
自宅で風呂に入っていると、台所から物音が…。
彼は泥棒かと思って恐る恐る台所を覗くと一匹のトラ猫が入り込んでいて、
ヴァルがくれたシリアルを貪り喰っていました。
貴重な食料を野良猫に食べられて、ジェームズは怒るかなと思いましたが、
なんと彼はその猫にミルクまでサービスして、一晩泊めてやることに。
私だったら問答無用で猫を追い出すと思いますが、
どうも彼は昔猫を飼ってたことがあるみたいで猫好きなんでしょうね。
猫もすっかりジェームズに懐いて、彼のベッドに潜り込んで一緒に寝ます。
私は猫は懐き難いので、よく懐く犬の方が可愛いと思っているのだけど、
こんなに懐いてくれる猫だったらちょっと可愛いかも。

翌日、ジェームズは猫の飼い主探しをしますが、首輪もしてないし、
やはり野良なのか飼い主は見つからず、仕方なく公園に放置します。
その後、いつものように地下鉄の出入口で路上演奏して帰宅すると、
あの猫が玄関先にいて、しかも怪我を負っており…。
すると動物好き(だけど動物アレルギー)な隣人女性ベティが、
「獣医に診せないとダメね」と無料の動物福祉病院を紹介してくれます。
そんな動物病院があるなんてロンドンは動物に優しいな、と思いきや、
ジェームズが猫を連れて行くと受付で「安楽死ですか?」と聞かれます。
どうもロンドンは野良猫が多いみたいで、保健所を兼ねた動物病院なのかな?
もちろんジェームズは治療を望み、ちゃんと無料で診察してもらうのですが、
お薬代は別料金みたいで、22ポンドも取られてしまいます。
一食3ポンドの自分の食事にも事欠く彼にとっては大金ですが、
泣く泣く支払いを済ませて帰宅し、隣人ベティにも報告に行きます。
動物と話せるっぽいベティは「この子はあなたに飼われたがってる」と言い、
猫の去勢をするように助言し、勝手にボブと命名してしまいます。
タイトルにも入る名前は意外にも主人公が付けたのではなかったのですね。
うーん、ボブか。猫の名前としては珍しい気がするな。

ジェームズはボブを飼うことになりますが、
ボブは仕事(路上演奏)にもついて来るようになります。
街中を歩かせるのは危ないので、ジェームズはボブを肩に乗せて移動。
それが「可愛い」と注目を浴びるようになり、路上演奏の客も増えます。
たしかに肩に猫乗っけてるのは珍しいし面白いとは思うけど、
演奏中はボブは足元で座ってるだけなので、そんなに面白くない気がするが、
客はボブに釣られて集まり、御捻りも弾んでくれるんですよね。
ボブのファンまで現れてネコ缶やマフラーをプレゼントしてくれたり…。
ジェームズは御捻りが増えて喜びますが、曲ではなく猫の可愛さで稼ぐのは
ミュージシャンとしてのプライドは傷付かないのか。
ジェームズもボブのお蔭で稼げたのは重々理解しており、
自分の物よりもボブの餌にお金を使いますが、本当に猫が好きなんだな。

ジェームズの路上演奏が盛況なのを見たホームレス仲間バズが、
金の無心をするために家にやって来ます。
ジェームズは「絶対食べ物以外に使うな」と念を押して金を渡しますが、
案の定バズはその金で売人からヘロインを購入し、過剰摂取で行き倒れに。
ジェームズは自分の渡した金でバズが死んだことを後悔すると同時に、
この二の舞は御免だと、薬物中毒からの更生を誓うのです。
これが本当に実話だとすると、かなり壮絶な体験ですよね。

クリスマスは隣人ベティと楽しく過ごしたジュームズ。
彼の両親は幼い頃に離婚しており、母は亡くなってますが、
父は再婚してロンドンに住んでいます。
父の再婚相手は義理の息子ジェームズのことを毛嫌いしているため、
父とも疎遠になっていて、この継母は心が狭いなと思ってしまうが、
薬物中毒の義理の息子なんて嫌われて当然か。
大晦日、ジェームズはボブを連れて思い切って父の家を訪れますが、
やはり継母から全く歓迎されず、更に腹違いの妹が猫アレルギーで、
彼は膠も無く追い返されてしまうのです。
ここまで上り調子だった彼の運勢も、この一件で一気に下り坂になり、
後日、路上演奏中に犬の散歩をしていた男に絡まれて騒動になり、
(この男は犬好きの風上にも置けないクソ野郎です。)
警察に捕まり、一晩拘留され、今後路上演奏することを禁止されます。
警察が他人の生業をそんな簡単に禁止していいのか…。
更に拘留中はメタドンを摂取できなかったため禁断症状が出始め、
釈放後に急いで薬局に駆け込むも、そこで隣人ベティと鉢合わせに。
いい仲になりつつあった彼女に薬物中毒がバレてしまいます。
もう踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂ですね。

路上演奏禁止されたジェームズは雑誌『ビッグイシュー』の販売員になります。
『ビッグイシュー』はホームレスの社会復帰を目的とした雑誌で、
日本でも大きな駅の近くでホームレスが売ってますね。
私は気になりながらもホームレスが怖くて買ったことはありませんが…。
(異臭がしそうな雑誌のタイトルもどうにかならないものか。)
『ビッグイシュー』がどういうシステムで成り立ってるのか知らなかったので、
この展開はかなり興味深かったです。
なんでも売り上げの半分程度がホームレスの取り分になるらしいですが、
ホームレスが出版社から雑誌を仕入れて売るシステムなのは驚きました。
仕入れた雑誌は返品できず、ホームレスの買い取りになるんですね。
てっきり売った分だけの報酬を受け取るものだと思ってたけど、
下手すると在庫の山になって、生活が余計に苦しくなりそうな…。
スティーブは無職だけどホームレスではないのに販売員になれるのが
ちょっと疑問ですが、猫を連れた販売員として評判になり、
トリビューン紙からも取材され新聞に取り上げられるほどです。
路上演奏とどちらが儲かるのかはわかりませんが、けっこう稼ぎます。
それにしても、こんなに売れるなんて『ビッグイシュー』って面白いのかな?
福祉目的なので内容なんてフリーペーパー並みだと思ってたけど。
他の販売員からすれば客を奪うジェームズは面白くない存在で、
「縄張りを荒らされた」とイチャモンを付けられ、彼は一カ月の販売禁止処分に。
他の販売員もその辺の野良猫捕まえて、彼の真似をしたらいいのにね。
まぁボブほど大人しくて懐く猫はなかなかいないだろうけど。

路上演奏禁止、雑誌販売禁止で収入がなくなったジェームズ。
僅かな貯蓄を切り崩し、こっそり路上演奏を行いながら暮らします。
こんな時でもボブの餌の購入を優先し、自分はゴミ漁りするんですよね。
ボブには家に棲みつくネズミでも獲らせてたらいいと思うのですが、
なぜか彼はネズミを食べさせるのは絶対に嫌みたいです。
彼の家に棲んでるネズミは可愛いからかな?
なんとか一カ月乗り越え、雑誌販売を再開できるようになりますが、
ボブを連れて自分の縄張りで雑誌を売っていると、ある母子がやって来て、
その猫を買い取らせて欲しいと言われるのです。
どうやらアホそうな子供にねだられた親馬鹿な母親なのでしょうが、
「あなたに飼われるより幸せに出来る」みたいな失礼なことをいうババアで…。
当然、ジェームズは「こいつは売り物じゃない」と拒否しますが、
ババアと言い争ってるところに、フレンチブルドッグが突っ込んで来て、
驚いたボブは逃げ、迷子になってしまうのです。
このブルドッグはドジなジジイの飼い犬で、散歩中に逃げ出したのですが、
本作に登場する犬と犬の飼い主はアホばかりで、犬好きとしては残念です。

ジェームズは必死にボブを探しますが見つからず、
そのうち帰って来るかもしれないと何日も自宅に引き籠るようになります。
そんなボブがいない辛い日々を送る彼は、またヘロインを欲し始め、
売人のところまで行くが、ギリギリのところで耐え、そのまま帰宅します。
てか自宅の窓から見えるところに売人がいるんだけど、
麻薬中毒患者の家としては最悪の環境じゃないか?
麻薬の誘惑に勝った彼に神様がご褒美をくれたのか、
その直後、ボブが家に戻って来るのです。
喜ぶスティーブはボブのためにも更生するためにメタドンの断薬を決意し、
3日間の激しい禁断症状を耐え抜き、完全な更生に成功するのです。
綺麗な体になって隣人ベティや父とも和解します。
スティーブはある出版社からのオファーでこの経験を執筆し、
そのノンフィクション小説が2012年に発売され、ベストセラーになります。
「誰にでもセカンドチャンスはある」というメッセージの小説みたいです。

うーん、なんか意外と簡単に薬物中毒を克服しちゃった感じですが、
この描き方だと薬物の抑止力にならない気がするな。
本作の原作は「十代のための最高の読み物」とかにも選ばれてるらしいけど、
正直「薬物使用者にはセカンドチャンスはない」という内容の方が、
薬物の抑止力になっていい気がするのですが…。
実際のジェームズは印税でボロ儲けして今もボブと暮らしているみたいですが、
薬物の再犯率は異常に高いので、今の幸せが続く限りは大丈夫だろうけど
今後も絶対に薬物に手を出さないとは言い切れないと思うし…。
ちなみに本作のボブは実際のボブが本猫役で演じているみたいです。
本当の飼い主ではないジェームズ役の役者の肩にも大人しく乗るし、
動物タレント顔負けの本当に人懐っこい珍しい猫ですね。
本作もなかなか面白く、オススメな作品でしたが、
今月末公開の犬映画『僕のワンダフル・ライフ』も楽しみだ。

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