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ビニー/信じる男

今日の気になるアメコミ映画ニュース。

ワーナーが『ワンダーウーマン』でオスカー作品賞ノミネートを狙っているとか。
ロビー活動で猛プッシュするみたいですが、さすがに無理じゃないかな。
実現したらアメコミ映画初の快挙になるらしいけど、
あの『ダークナイト』ですら助演男優賞が限界だったわけで…。
(しかも候補者の死でお情けのノミネート、受賞のようなものだったし。)
まぁ昨今のハリウッドは性差別(女優軽視)が問題視されているので、
『ワンダーウーマン』は珍しい女性主演のアメコミ映画ということで、
(偽善的)意識高い系アカデミー会員から指示を集めて、
もしかしたらノミネートくらいはされるかもしれませんね。
どのみちオスカー受賞は不可能だと思いますが…。
それにしてもアメコミ映画がオスカーを狙おうという根性が気に入らないな。
業界人が政治的に決めるアカデミー賞なんて相手にせず、
客を満足させる娯楽を追及してこそのジャンル映画だと思うのですが。
アメコミ映画をオスカー狙いで作り始めたらブームは終焉するだろうな。

今日も映画の感想です。

ビニー/信じる男
Bleed for This

2017年7月21日日本公開。

本作は実在のプロボクサー、ビニー・パジェンサの伝記スポーツ映画です。
私は一昨日のファーストデーに観に行ったのですが、
まだ公開二週目だというのに、レイトショーのみの一日一回上映で…。
せっかくのファーストデー割引もレイトショーでは割引率は低く、
あまり得した気にはなれませんでしたが、そんなことはともかく、
洋邦の大作目白押しの夏休みシーズンに公開をぶつけたら、
こんな地味そうな伝記映画は冷遇受けるのも当然です。
内容は悪くなかっただけに、もっと注目してもらえるような閑散期に公開すべき。
まぁ全米ボックスオフィス初登場8位ではいつ公開しても注目されないか。
けっこう面白いのに初登場8位なんて不思議ですが、
題材のパジェンスがあまり有名なプロボクサーじゃなかったのかも。
スポーツに疎い私はもちろん知らない人物でしたが…。
以下、ネタバレ注意です。

1988年11月、プロボクサーのビニー・パジェンサは、
WBCのスーパーライト級王者メイウェザーに挑戦し完敗します。
計量当日まで減量しており、無理な減量が祟った感じですが、
試合前夜にカジノで遊んだり、恋人とHしたりしてたので、
そんな夜遊びしてなかったらもっと善戦できたかもしれませんね。
ついでに試合後に医者からケトーシスだと診断されます。
ケトーシスがどういう病気か知らないので、何とも言えませんが…。
彼のトレーナー兼マネージャーのルーも見放し「彼はそろそろ潮時だ」と発表。
ビニーは親馬鹿なパパとルーに抗議すると、新しいトレーナーを紹介されます。

紹介されたケビンは場末のジムのトレーナーという感じでしたが、
なんとマイク・タイソンの元トレーナーなので、名伯楽っぽいです。
ただお酒の失敗でクビになり、落ちぶれているみたいです。
ケビンはビニーを上の階級のボクサーとスパーリングさせてみて、
2階級ほど上げた方が実力を発揮できると考えます。
たしかに減量がキツそうだし、それはいい判断だと思いましたが、
ビニーのパパは不満を覚え、ケビンに抗議します。
親馬鹿どころかなかなかモンスターなピアレントですね…。
ただ、だからといってケビンをクビにするわけでもなく、
なんと自分がオーナーとなり新しいジムまで建ててくれるんですよね。
ジムの名前は「ファーザー&サン・ジム」で親馬鹿丸出しですが、
息子のためにそこまで出来るなんて、けっこうお金持ちなんでしょうね。

そんなパパがルーに掛け合い、ビニーのタイトルマッチが決まります。
相手はWBAジュニアミドル級王者ディレですが、
結局パパは自ら階級上の相手をブッキングしちゃったわけですね。
ただそれはルーがビニーに引導を渡すために仕組んだもので、
ビニーをデュレの噛ませ犬にしようと考えたみたいです。
ルーの真意に気付いたケビンは「打ち合うな、足を使え」と助言します。
ビニーは打ち合いを好むファイターですが打たれ弱いみたいで、
特にグラスジョー(顎が弱い)らしいんですよね。
彼の異名は名字とタスマニアデビルのカバン語「パズマニアデビル」ですが、
タスマニアデビルは顎が強い動物なのに皮肉な異名です。
彼のママは敬虔なクリスチャンだけど、息子がデビル扱いされて平気なのか?

ビニーはケビンの助言をしっかり守り、ディレを倒して新王者になります。
本作の前情報ではビニーは自惚れ屋とか宣伝されていたけど、
いざ観てみたらけっこう指示に従う素直な男ですよね。
パパは「次はスーパーミドル級王者デュランに挑戦だ」と息巻きますが、
そんな矢先、ビニーが交通事故を起こして首を骨折してしまうのです。
友人が運転するクルマでコーヒーを飲みに行ったビニーでしたが、
対向車がセンターラインを越えて正面衝突してしまいます。
まったくビニーに落ち度はない交通事故で気の毒な話ですが、
良いことがあった後は往々にして悪いことが起きるものですね。
あんな真っ直ぐな道路でセンターラインを越えるなんて居眠り運転か?

重傷で病院に担ぎ込まれたビニーは、医者から「もうボクシングは無理」
「歩けるようになるかもわからない」と診断されてしまいます。
治療のために最低でも半年は首を一切動かしてはいけないため、
頭蓋骨をボルトで4カ所固定し、4本の金属棒で頭を吊り上げる装具「ハロー」を
装着する手術を受けることになるのです。
頭蓋骨にボルトを捻じ込む手術シーンは痛々しすぎて見てられなかったけど、
ハローを装着したビニーの姿もまた痛々しかったです。
睡眠時も入浴時も装着したままで、一切首が動かせないのも不便そうで、
見ているだけでコチラまで肩が凝ってしまいそうでした。
ビニーは恋人に「なんか不気味」とフラれてしまいますが、もっと辛いことは
家族から優しくされることで「俺は障害者じゃないぞ」と憤ります。
気持ちはわからなくもないけど、立派な身体障害者だと思うけどな。

そんな中でも彼は復帰を望んでハローに耐え続けますが、
ルーには「防衛戦出来ないからベルトを返上しろ」と言われ、
ケビンにも「復帰は無理だからリング以外の人生を考えろ」と言われます。
しかしビニーはこっそりベンチプレスを始めるのです。
ハローに何かがちょっと接触しただけで激痛が走る状態なのに、
ベンチプレスを始めるなんて無茶すぎます。
もしバーベルがハローの上に落下したら死ぬんじゃないかとハラハラします。
しかし筋力も落ちてしまい、プレートなしのバーを持ち上げるだけでも一苦労。
数週間か数カ月休んだだけでそんなに体力落ちるものなんですね。
そこでビニーはケビンにトレーニングの協力を頼みます。
無茶な頼みに渋るケビンでしたが、どうせビニーはトレーニングを続けるので、
自分が見守ってやってる方が安全だと考えて協力してあげることにします。
ケビンも他にトレーナーとしての仕事もあるだろうに
復帰絶望的なボクサーに付き合うなんて奇特な人ですね。
ケビンは危険なベンチプレスを捨て、ダンベルやバイクで肩や足を鍛えさせます。
それでも無茶には変わりなく、家族には内緒でやっていたのですが、
とうとうパパに見つかってしまい、説教されるのです。
でもパパは不本意ながら息子の意志を尊重しトレーニングを続けさせますが、
単なる親馬鹿かと思ったけどけっこう理解のある父親ですね。

事故から半年経ち、ついにハローを除去することになるのですが、
なんとビニーは麻酔なしでの取り外しを望むのです。
頭蓋骨に固定されているボルトを外すわけで、絶対痛いに決まってます。
なぜ麻酔を拒否するのかわからなかったけど、もし試合をする時に
薬物検査で薬物反応が出たらマズいと考えたのかな?
このハロー除去シーンはハロー装着手術シーンに輪をかけて痛々しくて…。
その後、ビニーは首を鍛えるトレーニングも始めますが、
そんな半年程度首を固定しただけでそこまで回復するなんて人体の神秘だな。
ビニーは復帰戦の相手探しをルーに頼みますが、
そんな病み上がりを相手にしたがるボクサーなんて見つかりません。
もしまた首を痛めさせて障害でも負わそうものなら責任感じちゃいますもんね。
そこでケビンはビニーの復帰に向けたトレーニング映像をニュース番組に投稿。
そのニュースは大反響となり、マスコミがジムに殺到し、健在をアピールします。
それを見たルーは「これは金になる」と考え、なんとタイトルマッチを用意。
しかも相手は「石の拳」の異名を持つIBCスーパーミドル級王者デュランです。
IBCなんて聞いたことない団体なので、どの程度の価値があるのか知らないが、
デュランは何階級も制覇し、90勝以上している絶対王者みたいです。
そんな名ボクサーがなぜ病み上がりの挑戦を受けてくれるのか不思議ですが、
160万ドルのファイトマネーに釣られたのかな?

デュラン戦のゴングが鳴りますが、ビニーは1Rであっさりダウンを取られます。
デュランはあえてビニーの首から上を集中的に攻撃してきて、
王者のくせになかなか大人げない奴ですが、普通は「折れたらどうしよう」と
躊躇しちゃいそうなものなので、なかなか根性のある奴かもしれませんね。
その後は一方的な展開で、ビニーは圧倒され続けますが、
6R終了後のインターバルでケビンから「生き様見せろ」と発破かけられて、
7Rから人が変わったように善戦します。
6Rまでは慎重に防御していたのに、7Rからは積極的に打ち合うのですが、
結局ビニーは打ち合いの方が向いてるファイターだったわけで、
当初のケビンの「打ち合うな」という助言は間違ってたのかな?
名伯楽だと思ってたけどそうでもなかったのかも。

12Rを戦い抜き、勝敗は判定に委ねられるのですが、
私の採点だと前半6Rはデュラン優勢で後半6Rはビニー優勢だったので、
ダウン取られたビニーが不利じゃないかと思いました。
まぁ復帰戦で絶対王者相手にこれだけ善戦し、健在をアピールできたら、
もう勝敗なんて関係なく負けてもハッピーエンドだし、負けると予想したけど、
判定の結果、なんとビニーが勝利しちゃうんですよね。
予想外というか、ちょっと納得できない結果で驚いてしまいました。
疑惑の判定ですが、あまり描かれなかった後半6Rはよほど圧勝だったのか。
いずれにしても復帰戦でタイトルマッチに勝利するなんて出来すぎで、
普通なら避けられそうなご都合主義に思えてしまいますが、
本作は伝記映画で、実話と言うのだから出来すぎ展開も仕方ないです。
いや、それにしたってあり得ないだろと思ったので、
鑑賞後に実際のビニー・パジェンサの戦歴を調べてみたら、
実はデュラン戦は復帰から7戦目で、事故からもけっこう経ってるみたい。
他にも本作は史実といろいろ違うところがあるみたいです。
まぁ別に再現VTRを見たいわけじゃなく、あくまで映画を楽しみたいので、
よりドラマチックに脚色してくれるのは歓迎ですが、その結果
ちょっと出来すぎで納得できない展開になったのは残念かな。

でも十分面白かったので満足したし、
群雄割拠の夏休み映画の中でもオススメの一本です。

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