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エスター

映画界はサマーシーズンが終わると娯楽超大作はあまり公開されなくなって
映画賞狙いの文学作品、芸術作品みたいなものが増えるらしいのですが、
秋はなぜかホラー、スリラーもたくさん公開されます。
今年も『ソウ6』『スペル』『ホースメン』『ファイナル・デッドサーキット』
『戦慄迷宮3D』『携帯彼氏』などが一ヶ月の間に集中して公開されます。
中でもボクが注目してるのはスペインのホラー映画『REC/レック2』です。
今日はそんな"ホラーの秋"に先陣を切って公開されたホラー映画の感想です。

エスター
Orphan.jpg

2009年10月10日日本公開。
孤児院の少女を養子に迎え入れた夫婦が、
その日以来奇妙な出来事に遭遇する恐怖を描くサスペンス・ホラー。

子どもを流産で亡くしたケイト(ヴェラ・ファーミガ)とジョン(ピーター・サースガード)は悪夢とトラウマに苦しみ、夫婦関係も限界を迎えていた。以前の幸せな日々を取り戻そうとした彼らは養子を取ることに決め、地元の孤児院を訪問。そこで出会ったエスター(イザベル・ファーマン)という少女を養女として迎え入れる。(シネマトゥデイより)



ネタバレ厳禁の映画なんで核心は書きませんが、チョイバレはするかも…。
予備知識一切なしで、なんならホラーと知らないで観た方が衝撃的だし、
楽しめる作品だと思うから、今後観に行く人は評論、感想の類は見ない方がいいかも。
もちろんウチの記事も読まない方がいいですよ。

主人公・ケイト(ヴェラ・ファーミガ)は3度目の出産で流産し、
そのショックから酒におぼれ、アルコール依存症になってしまう。
それが原因(?)で幼い娘マックスを事故で失いかけたことあって、
カウンセリングや断酒会で、なんとか酒を断ってはいるが、
禁酒や流産・事故のトラウマから精神的にはかなり不安定な感じ。
(この辺の時系列はあやふやなんで違うかも。)
ケイトと夫のジョン(ピーター・サースガード)は流産で娘を失った悲しみを
和らげるため、孤児院から女の子を養子に取ることを決意し、
2人は孤児院で9歳のロシア人少女エスター(イザベル・ファーマン)に出会う。
エスターは歳のわりには大人びた話し方で、行儀もよく、感受性が豊かな少女で、
他の子とは違う魅力に惹きつけられ、2人は彼女を養子にします。
しかし引き取って暫くの間はケイトによく懐いてくれて、義理の妹の面倒見も良い
いい子だったエスターですが、次第に学校で問題を起こしたり、
彼女の周りで怪我人が出たり、実の子たちの様子がおかしくなったりと、
なにか妙なことが起こり始める。「この娘、どこかが変だ。」

ケイトはエスターの凶暴な本性に気付き始めて、実の子を守るためにも
何とかエスターの異常性を夫や周りの人に知らしめようとするんですが、
なにしろケイト自身がアル中で精神安定剤服用してるような状態ですから、
彼女の言い分なんて、夫やカウンセラーは聞く耳を持たないわけです。
もちろんこの手の映画でありがちな"実は主人公の被害妄想パターン"も考えられるから
観客の多くも、真相はどうなのか猜疑心を持つことになると思います。
でもケイトが彼女の経歴を調べてみると、やっぱり変なことだらけ。
前の養父の家でも火事があったり、人が大怪我してたり、
あげく彼女の出自が全く偽装であることが判明します。
(それでも夫は精神疾患の妻の言葉を信用しませんが。)
となると彼女は一体何者なのか、目的は何なのかってことに。
彼女が所謂サイコキラーなのは間違いないけど、単なるサイコキラーじゃなく、
そこに衝撃の事実があるわけです。ここが核心、ネタバレ厳禁です。
ちゃんと彼女の不可解な行動も、目的も説明が付く、なんとも興味深い真相です。
単なる精神異常とは括れない、何気に切ない正体です。

それにしても子役の子達がすごくいいです。
エスター役の子の演技力というか、持ってる雰囲気が半端ない。
上のポスターみたいな超怖い表情の時もあれば、すごく可憐な時もあったり。
観客に気の抜けない緊張感を与えることのできる才能ある子役だと思います。
長男ダニエル(ジミー・ベネット)や初めの犠牲者のクラスメイトの少女もいいけど、
ダニエルの妹マックス(アリアーナ・エンジニア)が特にいいです。
"ろうあ"の幼い少女という難しい役だけど、もう完璧。
あんな自然な子供らしい演技を出来る子役って見たことないかも。

スリラーとしてはよく出来てるし、ハラハラドキドキできる作品です。
エスターの不穏な一挙手一投足にはゾクゾクさせられるし、
ケイトの実の子2人がいつエスターの毒牙に掛かってしまうのか気が気じゃないです。
つい前のめりで観てしまうような、かなり面白い作品です。
が、難点を挙げるとすれば、序盤から妙にホラー的な演出が多いこと。
エスターの本性がわかるまでは、基本的に普通のドラマなのに…。
そんなところでホラー演出されても、スカシなのはわかってるのでドキドキしません。
それよりも徐々にホラー演出に切り替えて、徐々に不穏な空気を演出すべきです。
終盤のホラー演出も度を越えてるような気がします。
たしかにエスターはサイコキラーだけど、同じサイコキラーのジェイソンや
ブギーマンの如き不死身の殺人鬼みたいな演出はちょっと違うと思う。
特にラストなんて完全にジェイソンの十八番パターンで、
モンスター・ホラー映画として続編が作られるんじゃないかって思うくらいです。
まぁホラー専門の製作会社が作ったらしいので、行き過ぎた演出も仕方ないかな?
でもその製作会社、ダークキャッスル・エンタテインメントの新作がもう一本、
映画『ホワイトアウト』が今月中に公開されますが、それはホラーじゃないみたい。

ホラーの秋、一本目の滑り出しとしては上々の作品でした。
何気にこれ以上のものがなさそうで怖いんですが…。(ホラーだけに。)

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