ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

光をくれた人

この頃、あまり映画を酷評しなくなった気がします。
最近仕事や私生活でストレスを感じることが多く、無性にイライラしていたので、
イライラを緩和するために睡眠時間を長めに取るようにしたり、
イライラ抑制効果のあるカルシウムやDHAを意識的に摂っているのですが、
その効果が映画鑑賞で発揮されているのかもしれません。
多少気に入らなかったり面白くない展開でもあまりイラつかなくなりました。
それが感想の執筆にも反映されているのでしょう。
ただ仕事中は依然としてイライラしっ放しですけどね。
仕事でイライラしすぎてイライラ耐性が付いただけかも?

今日も映画の感想です。

光をくれた人
The Light Between Oceans

2017年5月26日日本公開。

小説『海を照らす光』をマイケル・ファスペンダー主演で映画化した本作。
実力派俳優の主演作ながら全米ボックスオフィスは初登場8位で、
お世辞にもヒットしたとは言えない成績だったようです。
私もファスペンダー主演だから一応観てみようと思っただけで、
(あと今週末公開の映画に観たい作品が少なかったこともあり、)
普段ならあまり観たいと思わなそうな地味な恋愛映画という印象でした。
いや、地味というか観ずとも内容がだいたい予想できると思ったんですよね。
子供を流産した夫婦が他人の子供を拾って我が子として育てるという物語で、
予告編を観ただけで、だいたいどんな展開になるか見当が付きます。
本当の親が現れて、子供を返すかどうか葛藤するお涙頂戴の話に違いないと。
たぶん予想しちゃった人が多いから、わざわざ劇場に足を運ぶ人も少なく、
全米初登場8位に低迷しちゃったんでしょう。

でもいざ観てみたら、終盤の展開は意外と予想外だったと思いました。
予想してたのとちょっと違って、逆に泣くことも出来なかったくらいです。
ただその終盤まではほぼほぼ予想通りの展開だったため、少し退屈しました。
特に夫婦の馴れ初めなどで子供を拾うまでに50分以上使っていて、
もうちょっとテンポよく話が進まないものかと思ってしまいます。
馴れ初めに時間を使ってるわりには妻が夫を好きになった理由がわからないし、
正直あまり必要性を感じないシーンが延々と続いている印象でした。
全上映時間も132分にも及ぶが、もっと短く出来たんじゃないかと思います。
子供を拾ってからはそれなりにいいテンポで展開したと思いますが、
上映時間が長すぎて、せっかく面白くなる終盤で集中力が切れちゃうし…。
前半をもっとタイトにしたら、もっと楽しめる作品になったはずです。
以下、ネタバレ注意です。

1918年、第一次世界大戦から帰還した元軍人トムは、
僻地のヤヌス島の灯台守として働くことにします。
ヤヌタ島はオーストラリア南西端、パルタジョウズ岬の沖にある無人島で、
灯台と灯台守が住むための家が建ってるだけの寂しい場所です。
そんな孤独な場所でひとりで働くなんて気が狂いそうですが、
実際に前任者は孤独に耐え兼ねて情緒不安定になり崖から身投げしたとか。
でも過酷な戦場で心に傷を負ったトムは、あえて孤独になりたかったようです。
しかしいざ勤めてみたらやっぱり寂しかったみたいで、
3カ月ぶりにパルタジョウズに戻った折に若い娘イザベルとデートします。
デートはイザベルから誘ったのですが、彼女は「私もヤヌス島に連れてって」と…。
島には妻以外の女性は上陸させてはいけない規則があるので
これは逆プロポーズなわけですが、前述のように彼女がなぜこの灯台守を
求婚するほど好きになったのか全く描けてないんですよね。
着任時に一度会ってますが、まだ二度しか会ってない暗い中年男を…。
トムも驚いて断りますが、文通をすることになって二、三度やりとりした後に、
彼の方から手紙でプロポーズして結婚することになります。
孤島で女日照りのトムが優しくしてくれたイザベルを好きになるのはわかるかな。
しかしイザベルの両親、特に小学校校長の父親がよく結婚を許したものです。
どこの馬の骨かもわからん男だし、愛娘まで孤島暮らしになるのに…。

結婚後、ヤヌス島で新婚生活を始めた2人ですが、ほどなく妊娠します。
あんな何もない孤島では子作りくらいしか楽しみがなさそうですしね。
ところが嵐の夜、夫トムが灯台の番に行ってる間に妻イザベルが産気付き、
夫を呼びに嵐の中に飛び出すが、その無理が祟って流産します。
落ち込む妻を励まし、再び子作りに励み、またほどなく妊娠します。
しかし先達ての流産の影響か、今度は死産となり…。
うーん、やっぱり医者もいない孤島での子作りはリスキーなんですね。
妊娠が発覚した時点で妻だけでも本土(実家)に帰すべきだし、
特に一度目で失敗してるのに、二度目も同じ轍を踏むなんて…。

たぶんもう子供は産めないと悟り、妻は激しく落ち込みますが、
そんな折、沖から手漕ぎボートが島に漂着し、その中には男の死体と
生まれて間もない女の赤ん坊が乗っており、夫妻はその子を保護します。
夫は本土に報告しようとしますが、妻がそれを制止し、
死産になった自分たちの子供の代わりにその子を育てようと言い出すのです。
夫もその子を育てたいという気持ちはあって、ちゃんと報告して、
孤児として養子申請するつもりだったみたいですが、
妻から灯台守は養親として認可されないと指摘され、結局同意します。
たしかに孤島は子供を育てる環境としてはかなり微妙ですもんね。
その子にルーシーと命名し、父親と思われる男の死体は島にこっそり埋葬し、
自分たちが生んだことにしてルーシーを育てることになります。
拾った子を育てることは法的にはアウトかもしれないけど、
結局その子の命を助けたわけだから倫理的には責められないかもしれないが、
死体遺棄は法的にも倫理的にも完全アウトですね。
夫は手漕ぎボートまで海に流して証拠隠滅を謀りますが、
その際ボートの底に落ちてた高級そうなフクロウ型のガラガラを拾い、
ルーシーに与えるのですが、赤ん坊のオモチャにしては小さくて
誤飲しそうでちょっと心配になるガラガラでしたね。

ルーシーを洗礼するためにパルタジョウズの教会に行った際に、
夫トムは墓地で泣きながら歌っている女性を見掛けます。
気になってその女性が墓参りしてた墓碑を見ると、
「1923年4月26日 海に消えた夫フランクと娘グレース」と刻まれていて、
トムは彼女がルーシーの生みの親だと悟るのです。
その女性ハナ・ポッツは金持ちの家の娘でしたが、
夫フランクがドイツ人だったため勘当されていたみたいです。
(ハナとフランクの馴れ初めまで描かれてますが、正直蛇足だと思いました。)
フランクは生まれたばかりの娘グレースと手漕ぎボートで海に出た時に、
持病の心臓病で急死し、そのボートがヤヌス島に流れ着いたようです。
本当の母親を知り、罪悪感に苛まれたトムは、ハナの家のポストに
「娘さんは大切にされてます。夫君は神の御許で平安に。」という手紙を投函。
それを読んだハナは娘グレースが生きていることを知り、探し始めます。
娘を返す気がないなら死んだと思わせておいた方が親切だと思うけど…。

それから3年経ち、夫トムと妻イザベルと娘ルーシーの家族3人は
ヤヌス島で慎ましくも幸せに暮らしていました。
そんな折、灯台40周年式典がパルタジョウズで開かれることになり、
灯台守一家は当然参加し、灯台の篤志家としてハナも招待されます。
イザベルとハナは式典のパーティで初対面するのですが、
ハナの妹グウェンから「姉は夫と娘が海で行方不明になった」と聞き、
イザベルもハナがルーシーの本当の母親だと気付き動揺します。
そんな妻の様子を見て、夫トムは「もう打ち明けるべきだ」と提案。
しかし妻は断固拒否し、また罪悪感に苛まれた夫は、
またハナの家のポストに今度は例のガラガラを投函するのです。
ハナはそのガラガラの写真付きポスターを制作し、
3150ポンドの懸賞金をかけて情報提供を呼びかけます。
すると以前ルーシーがそのガラガラを持っているところを見たことがある
トムの知人の男がポスターを見て密告してしまうのです。
この男は一家と親しげだと思ったけど、懸賞金に目が眩んだのかな?
ほどなくヤヌス島にパルタジョウズ署の巡査部長が来て、一家を本土に連行。
トムは抵抗したり誤魔化したりもせず、フランクの死体まで掘り返して、
捜査に協力するところを見ると、こうなるとわかっててガラガラ投函したようです。
それなら自首しちゃえば手っ取り早いと思うんだけど…。

トムは妻イザベルに赤ん坊の隠蔽は「夫に強要された」と供述するように指示。
実際は妻が嫌がる夫を無理やり説得したのですが、
夫は妻の罪を被って彼女だけでも助けようと考えたわけです。
実際それは成功し、夫は拘留されますが妻は無罪で解放されます。
意外だったのは警察がフランク殺しまで疑っていたことですが、
夫が要らぬことをしたせいで娘ルーシーを取られたと考えた妻は夫を恨み、
どうやら「夫がフランクを殺した」と嘘の供述までしたみたいで、
夫は殺人罪にまで問われることになります。
自分の罪を被ってくれた夫に対して冤罪まで被せるとは酷すぎる仕打ちです。
そんなことをしたところで、ルーシーが帰ってくるわけじゃないのに…。
と思いきや、生母ハナのところに戻されたルーシーでしたが、
「私はルーシー、グレースじゃない!本当のママがいい!」とハナを拒否。
更にひとりで家出して行方不明になり、海岸で寝ているところを発見されます。
なんでも灯台を探していたみたいで、ハナは娘を愛するがゆえ
イザベルの実家を訪れ、「あなたに娘を譲ります」と告げるのです。
ただし「夫の罪を裁判で証言すれば」という条件付きで…。

一度冤罪を被せたイザベルにとって、そんな条件容易いだろう、
と思いきや、拘留中の夫トムからの手紙を読み、
彼が本当に自分を愛していることを思い出します。
そして彼女は自分が嘘を付いていたことを警察に告白し、彼女も逮捕されます。
でもこれでトムの殺人罪は晴れたが、無罪になるわけじゃないんですね。
まぁ彼はフランクを殺してなくても死体遺棄とかもしちゃってるしね。
2人とも投獄され、けっこう長いお務めになる見込みですが、
なんとハナが2人の刑の軽減を求めてくれ、懲役数カ月に軽減されます。
そんな優しいハナにルーシー、いやグレースも徐々に懐きはじめます。
まだ4~5歳の子なので順応力があるんでしょうね。
なんかけっこうドライだなと、なんとなく残念な気持ちになってしまいました。
ただ呼び名はルーシーに拘るので、グレースはミドルネームにしたみたいです。

それから25年以上経ったある日、トムの家に大人になったルーシーが訪れます。
あれ以来初めての再会ですが、ルーシーも結婚して子供を生み、
その子を元両親に見せに来たみたいです。
再会の少し前にイザベルは他界していたらしく残念でしたが、
会いに来るならなんでもっと早く来ないのか歯痒いです。
トムは今後もちょくちょくルーシーと会えることになりますが、
たぶんトムよりイザベルの方がルーシーに会いたかっただろうし、
まぁハッピーエンドなんだろうけど、ちょっと引っかかるものがあります。
ただ、立派に成長したルーシーを見ると、やっぱり子供にとっては
生みの親に育てられる方がいいのかなと思いました。
トムとイザベルもまた子供が授かってたらよかったのにな。
なお、トム役ファスベンダーとイザベル役アリシア・ヴィキャンデルは
本作がキッカケで交際が始まったみたいで、リアルではハッピーエンドですね。
でも、もう別れてるみたいなのでバッドエンドか?(まだ仲良さそうだけど。)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1821-e4e00d99
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad