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ハードコア

昨日の気になるアメコミ映画ニュース。

アメコミ映画『ヴェノム』の全米公開日が来年10月5日に決まったそうな。
この報を聞いた時には「え、製作してたの?」と驚いてしまいました。
2007年に公開されたサム・サイミ監督の『スパイダーマン3』に登場したヴィラン
ヴェノムを主人公にしたスピンオフ映画ですが、
サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズは4作目の製作が中止され、
リブートとなる『アメイジング・スパイダーマン』シリーズが開始されており、
その時点で旧シリーズのスピンオフ企画も当然中止されたものと…。
『アメスパ』もスパイダーマンの『アベンジャーズ』(MCU)合流が決まり、
完結を見ぬまま2作目で打ち切られてしまって、再リブートであり
MCU16作目となる『スパイダーマン/ホームカミング』が今年公開になるけど、
『ベノム』がどんな立ち位置の作品になるのかが気になります。
まさか今更サム・ライミ版シリーズのスピンオフではないと思いますが、
再リブート・シリーズ、つまりMCUの中に組み込まれるのかどうか、
それとも完全なスタンドアロンとなり再リブートとも絡まないのか。
もしMCUになるなら、MCU20作目となり、MCU初のヴィラン主人公の誕生です。
まさか『アメスパ』の中止されたヴィラン・スピンオフ『シニスター・シックス』も
企画はまだ生きているんじゃ…。
ヴィランチーム「シニスター・シックス」のひとりとなる予定だったヴァルチャーが
『スパイダーマン/ホームカミング』のメイン・ヴィランとして登場するし、
「シニスター・シックス」にはヴェノムも加わるという噂もあったし…。
今後もマーベル系アメコミ映画の動向には目が離せません。

今日も映画の感想です。

ハードコア
Hardcore Henry

2017年4月1日日本公開。

第40回トロント国際映画祭でミッドナイト・マッドネス部門で上映され、
同部門の観客賞を受賞した本作ですが、かなり注目されたみたいで、
ライオンズゲート、ユニバーサル、そしてSTXによる配給権争奪戦が起こり、
STXが1000万ドルで競り落としたみたいです。
製作費200万~300万ドルくらいの低予算作品ですが、
トロントの評判を受けてかSTXは3000館規模で全米公開するも、
全米ボックスオフィス初登場5位と低迷し、3000館規模の公開作として、
史上ワースト5位のオープニング成績になってしまったようです。
それを受けて公開館数が一気に500館まで減らされますが、
このも史上4番目の落ち幅となる不名誉な記録だそうです。
STXにしてみれば期待ハズレもいいところでしょうが、
ロシア(米ロ合作)映画がアメリカ市場で成功するのは難しいのでしょう。
しかし観客の投票で決まるトロント国際映画祭の観客賞は、
お偉いさんが数人で決める他の国際映画祭の賞とは違って、
本当に客が楽しめる映画が選ばれることが多く、私も信頼しています。
実際に本作は客目線での娯楽を追求した、かなり楽しめる作品でした。
なにしろPOV(主観撮影)映画ですからね。

よく低予算ホラー映画で使用されるPOV方式ですが、
アクション映画で使用されるのは珍しく、実験的です。
一部シーンにPOVを取り入れているアクション映画なら間々あるが、
本作は全編POVのアクション映画ですからね。
ホラー映画でのPOVはファウンド・フッテージである場合が多いので、
登場人物の手持ちカメラの映像という体裁で、ビデオカメラで撮れらますが、
本作はほぼ全編ウェアラブルカメラ「GoPro Hero 3」を主演役者に取り付けて、
主人公の見ている景色を観客も見ることになるという、
これぞ本当のPOV(主観)とでも言うべき一人称の映像になっています。
さながらFTSゲームを見ているような感じですが、ゲームとは違って実写です。
それにしても昨今のウェアラブルカメラの画質って綺麗なんですね。
「GoPro Hero 3」なんて家電量販店でも売ってる一般的なものなのに、
大スクリーンに耐えられる映像を撮れてしまうんだから凄い時代です。
もう映画撮るのに高価なカメラは必要ないんだな。

内容はかなりグロくてちょっとエロいため、エログロ苦手な人は注意です。
主人公が残忍な方法で敵を殺傷するシーンが多いですが、
普通の映画ならちょっとグロイくらいの殺傷方法でも、POVで見せられると、
本当に自分が殺傷しているような臨場感、とまでは言わないまでも、
衝撃度が3割増しくらいになっている気がします。
一方エロは、一度に数人の女の子に迫られるようなシーンがあるのですが、
なんだか5割増しくらいで興奮しちゃいますね。
そんな映像が特徴的な、絵的な面白さを追求した作品ですが、
ストーリーはZ級SF映画並みに無茶苦茶で、基本コメディです。
展開に合わせて有名な楽曲をBGMに使用していますが、
その楽曲のチョイスが絶妙で、盛り上がるというか笑ってしまいました。
以下、ネタバレ注意です。

主人公が目を覚ますと、どこかの研究室のベッドに
左手、左足を失った状態で寝かされていました。
記憶も失っていましたが、妻と名乗る女性科学者エステルから、
自分がヘンリーという名前だと教えられ、左手足に義肢を溶接されます。
声も出ないので、人工声帯を取り付けることになるのですが、
声を選んでいる最中に謎の超能力者エイカンの襲撃を受けて…。
声が出せないのは、観客がより主人公に同化できるようにする演出かな。
主人公ヘンリーの主観映像なので、主人公の顔が映ることもほぼなく、
それも客が主人公に同化しやすい状況を作っている気がします。
それならいっそ「ヘンリー」なんて名前もない方がよかったかもね。
主人公の顔が映らないので、誰が演じてても客にはわからないわけで、
ヘンリーのキャストはエンドクレジットでも出ませんが、どうも監督を含め、
俳優、スタントマン、カメラマンなど10人によって演じられているようです。
ヘンリーの眼球はカメラになっており、観客はその映像を見ている設定ですが、
ぜんぜん瞬(まばた)きしないな、なんてのは無粋なツッコミですね。
ホラーオムニバス『V/H/S ネクストレベル』の一編「Phase I Clinical Trials」で、
やはり眼球がカメラ化された男のPOVがありましたが、
それは瞬きまで再現されていて正直見辛かったし…。

エイカンに襲われたヘンリーは妻エステルと研究所から脱出しようとしますが、
研究所は飛行船内だったみたいで、脱出ポッドに乗り込んで落下。
ハイウェイ上に着地しますが、どうもそこはモスクワのようです。
着地地点にエイカンの傭兵部隊が駆け付け、妻は捕まってしまい、
ヘンリーも撃ち殺されそうになりますが、謎の男ジミーが現れ彼を助けます。
味方だと名乗るジミーと逃げますが、途中でパトカーに停められて…。
なんとパトカーの警官もエイカンの手下だったみたいで、
いきなり発砲されて、ジミーは頭を撃ち抜かれて死んでしまい…。
重要人物そうな味方キャラが急に殺されてしまったので驚きましたが、
ヘンリーが警官から逃げるために路線バスに乗ると、
そこにさっき死んだはずのジミーがホームレスの恰好で乗り込んで来て…。
サイボーグや超能力者が存在する世界なので何が起きても不思議じゃないか。
ジミーは「エイカンの右腕スリックを殺せ」と住所が書かれたメモを渡しますが、
その直後、火炎放射器を持った傭兵にまた焼き殺されてしまいます。
またどうせ出てくるのでしょうが。

ヘンリーはメモに書かれた建物に侵入し、スリックを発見します。
スリックは野外に逃げ出し、ヘンリーは後を追いかけますが、
このチェイスではパルクールが使われ、主観のパルクールはなんか凄いです。
橋の欄干を走ったりするところも凄いけど、エスカレーターのところが特に凄く、
途中でぶつかって派手に転倒した一般人女性がどうなったか気になります。
ヘンリーに追いつかれたスリックは、口止めでエイカンに狙撃されて頭部崩壊。
スリックはヘンリー同様サイボーグのようで、ヘンリーは彼の胸を引き裂いて
心臓に取り付けられたチャージポンプを奪います。
なんでもスリックを演じるアンドレイ・デミエンティエフが、主にヘンリーを演じ、
この戦いの時は別の人にヘンリー役を任せていたみたいです。
せっかく主演なのに顔が映らないのは可哀想だから、
顔が映る他の役も与えて一人二役にしてあげたのかな?

チャージポンプを手に入れたヘンリーはジミーから連絡を受けて、
指示された売春宿に行くと、絶倫のジミーが乱交中で…。
しかしそのジミーは糸が切れたかのように倒れてしまい、
部屋の奥から研究者っぽい恰好のジミーが現れ、「私の研究所に行こう」と。
足元には絶倫の全裸ジミーの体が転がっているので、
やはりジミーは沢山いるみたいです。
売春宿を襲ってきたエイカンから「お前の妻は移送中だ」と聞かされ、
売春宿から出たヘンリーは、また別のヒッピー風ジミーの協力を得て、
バイク(サイドカー)で妻が囚われた移送車を追います。
そのチェイス中にジミーは事故ってまた死にますが、
ヘンリーは移送車に跳び移ることに成功し、妻と再会するのです。
しかし傭兵のユーリ隊長に殴られて意識を失い、妻を奪還することは出来ず…。

道路脇でダウンしているヘンリーをまた別のジミーが蘇生させますが、
エイカンの戦車と軍用ヘリから襲撃され、またジミー死亡。
ヘンリーは戦車とヘリを破壊して、ジミーに指示された研究所に向かいます。
彼は野生の馬を捕まえて移動手段にしようとしますが失敗。
やっぱり裸馬に乗るのは素人には難しいのでしょうね。
ヘンリーはギリースーツのジミーの案内で研究所に到着しますが、
そこにはオリジナルのジミーがいて…。
やっぱりこれまでに出会ったジミーたちはクローンだったみたいです。
いや、クローンといっても自律しておらず、オリジナルが遠隔操作しているので、
クローンというよりもアバターで、一度に一体しか動かせません。
アバターの中には「原型ベイビー」と呼ばれる赤ちゃんもいるのですが、
体は赤ちゃんなのに顔だけジミーでかなり気持ち悪いです。
オリジナルは半身不随で車椅子なので、アバターを使っているのですが、
もともとはエイカンの元で働く科学者でしたが、
死体を使ったサイボーグ超人兵士計画に反対したため、
エイカンに半身不随にされ、復讐を誓ったみたいです。
ヘンリーもサイボーグ超人兵士として作られましたが、左手足だけではなく、
『ゴースト・イン・ザ・シェル』の少佐ばりのほぼ全身義体のようです。

ヘンリーの眼球の映像はエイカンにも送信されていることがわかり、
ジミーの研究所の場所が敵にバレてしまいます。
路線バスで左手首の追跡装置を抉り出したはずなのに、
行く先々に追手が来たのは眼球の映像で筒抜けだったからですね。
エイカンの傭兵部隊が研究所を襲撃してきますが、
ヘンリーはジミーのアバターたちと協力して、オリジナルのジミーを守りながら、
研究所からの脱出をはかりますが、傭兵のユーリ隊長を倒せましたが、
オリジナルのジミーが負傷し、死んでしまうのです。
ヘンリーはエイカンの会社の高層ビルに乗り込み、エイカンに会います。
そこには妻エステルもいましたが、なんと彼女はエイカンの恋人(妻?)で…。
どうやらサイボーグ兵士にエステルが妻だという偽の記憶を与え、
兵士が妻の言いなりになるようにしているみたいです。

エイカンはサイボーグ兵士軍団をヘンリーに差し向け、屋上に逃げます。
ヘンリーは彼を追いかけながらサイボーグ兵士軍団と戦います。
特に強化されたサイボーグ兵士を殺し、胸からバッテリーの抉り出し、
自分に装着することでヘンリーはパワーアップし、更にアドレナリンも注入し、
サイボーグ兵士軍団を次々とぶっ殺します。
そしてエイカンに追いつくも、超能力者の彼の念動力の前には
強化されたヘンリーも手も足も出せません。
なぜエイカンが超能力を使えるのか本作中には全く説明がありませんが、
なんでも本作の前日譚的漫画『ハードコア・エイカン』で説明されているとか。
私は読んでないので結局わからないままですが…。

劣勢のヘンリーでしたが、隙を突いてエイカンの頭に有刺鉄線を巻き付け、
そのまま顔面を捩じ切って彼を殺し、彼の生首を持って、
逃げようとしていたエステルのヘリに飛び乗ります。
エステルはヘンリーを撃つが、彼の義肢で跳弾して自ら被弾。
彼女は命乞いするも、ヘンリーは無情にも見殺しにするのです。
そこで本作は唐突に幕を下ろしますが、戦いに勝利したヘンリーも
充電とかで自分の体を維持することは出来ないので、近々死ぬかな。
…と思いきや、エンドロールの途中で、
ジミーから「もうひとつ頼みたいことが」的な通信を受けて…。
続編を示唆した演出でしょうが、史上ワースト5位のオープニング成績では
続編製作なんて出来るはずもありませんね。
個人的にはなかなか面白かったので残念なところもありますが、
全編POVのアクション映画なんてのは珍しいから面白いのであって、
続編とか何度も見せられてもすぐに飽きそうな気もします。
これで終わりでよかったかもね。

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