ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

キングコング/髑髏島の巨神

昨日の気になる映画ニュース。

11月公開が決まったアニメ映画『GODZILLA -怪獣惑星-』ですが、
ちょっと懸念を感じずにはいられない状況になっています。
そもそもアニメという時点で懸念というか違和感はありましたが、
個人的に微妙だった庵野秀明の『シン・ゴジラ』の続編製作よりはマシかと
ある程度好意的に思うように心掛けていました。
『シン・ゴジラ』は日本ではヒットしたけど世界からは全く相手にされてないし、
ジャパニメーションとしてなら世界でも勝負できるかもと期待もしました。

しかし「三部作になる」なんて聞いてませんよ…。
『ゴジラ』初の三部作ですが、『モスラ』や『ガメラ』の三部作のように、
一作で完結する物語が3本作られるわけではなく、
ひとつの物語を3つに分けただけの3部作であることは想像に難くないです。
その物語が分割せざるを得ないような内容の濃い長編であるならまだしも、
東宝はヒットが見込める作品はすぐ分割し、2倍、3倍稼ごうとするため、
『GODZILLA -怪獣惑星-』にも白羽の矢が立ってしまったのでしょう。
(アニメ業界も三部作商法が大好きですね。)
もしかすると60分程度の中編が3本になる可能性もありますね。

端から前後編や三部作を謳う作品はライトな層から敬遠されるので、
三部作映画がヒットするのは極めて難しく、これも例に漏れなさそう。
第一部にはそこそこ客は入るかもしれないが、そこで見限られるでしょう。
なにしろ脚本が『まどマギ』の虚淵玄なので楽しい物語になるはずはなく、
鬱屈した後味の悪い展開になるのは想像に難くないです。
それどころか観客を置いてけぼりにするカオスな超展開も予想されます。
『エヴァンゲリオン』ファンを中心に絶賛される『シン・ゴジラ』同様、
『まどマギ』ファンからは好意的に迎えられるかもしれないけど、
怪獣映画ファンからは総スカンくらいそうな気がしますね。
いや、アニメファンと怪獣映画ファンって意外と親和性高いから大丈夫かな?
まぁヒットするのに必要なライトな一般客の動員は絶望的ですけどね。

ということで、今日はゴジラ関連作の感想です。

キングコング/髑髏島の巨神
Kong Skull Island

2017年3月25日日本公開。

本作は2014年公開のハリウッド再リメイク版『GODZILLA/ゴジラ』と
シェアード・ユニバース(世界観を共有すること)となる作品です。
言わば『アイアンマン』と『キャプテン・アメリカ』みたいな関係ですね。
2020年にはゴジラとコングが対決する『Godzilla vs. Kong』が公開予定です。
『アイアンマン』の一連のシェアード・ユニバース作品群は
「マーベル・シネマティック・ユニバース」と称されていますが、
『GODZILLA/ゴジラ』や本作のシェアード・ユニバースの正式名称は
「モンスター・バース」と決まったみたいです。
以前は「ゴジラ・コング・シネマティック・ユニバース」でしたが改称されました。
「ゴジラ・コング」ではゴジラとコング間のクロスオーバーのみだが、
「モンスター・バース」なら他の怪獣ともクロスオーバーできますね。
将来的にはゴジラとコング以外の怪獣のスタンドアロンも作られるかも。

「モンスター・バース」の存在は説明するまでもないと思ってましたが、
『GODZILLA/ゴジラ』の続編『Godzilla: King of Monsters』に繋がる伏線が、
本作のエンドロール後にあるのですが、それを見ずに退席する客が多く、
思ったよりも知られてなかったのかもしれないと感じました。
考えてみれば映画サイトや映画雑誌には常識のように載っているけど、
予告編やCMなど本作の宣伝ではほとんど語られていなかったかも…。
『シン・ゴジラ』の影響で、ゴジラ・ブームが到来しているので、
宣伝でゴジラ関連作であることを謳うのはメリットが大きいはずですが、
なぜ謳わないのか考えるに、エンドロール後のサプライズもあるでしょうが、
やはり配給会社が違うことがコラボ宣伝の障壁になっているのかも。
『GODZILLA/ゴジラ』も本作も米ワーナー映画ですが、日本での配給は
『GODZILLA/ゴジラ』は東宝、本作はワーナーが行っているのです。
だからワーナーの宣伝に東宝作品が使えなかったのかもしれません。
同一シリーズだから東宝が引き続き配給を請け負うべきだと思うのですが、
自社生まれのゴジラと違いコングにまで買い付ける義理はないってことか。
『Godzilla: King of Monsters』は東宝配給になるだろうけど、
『Godzilla vs. Kong』はどちらが配給するのか見ものですね。

キングコングことコングも、ゴジラに引けを取らない世界的人気怪獣です。
1933年のオリジナル版『キングコング』以来、何度も映画化され、
リメイク(リブート)としては3度目になるのかな。
私も2005年の2度目のリメイクはリアルタイムで観ましたが、他は観てません。
コングはそれほど興味があるキャラクターではなかったんですよね。
あ、でも1962年の東宝製作『キングコング対ゴジラ』はビデオ鑑賞しました。
私はゴジラファンなので、もちろんコングではなくゴジラ作品としてです。
(そのためゴジラ不在の続編『キングコングの逆襲』は観てません。)
本作も『GODZILLA/ゴジラ』から始まる「モンスター・バース」の二作目、
つまりゴジラ関連作であり、2020年に控える『Godzilla vs. Kong』への繋ぎ、
というスタンスでそこまで期待もせずに観に行きました。

…いや、ゴジラファンである前にハリウッド映画ファンなので、
全米初登場1位のハリウッド超大作としての期待感はありましたが、
いざ観てみて、まさかここまで楽しめる作品だったとは嬉しい誤算で…。
単なる繋ぎだなんて滅相もない、単独で十分楽しめる佳作です。
でも内心、本作をあまり褒めたくないという気持ちもあるんです。
それは本作を絶賛する日本の批評家の多くが、本作を持ち上げたいがために
私の好きな『GODZILLA/ゴジラ』を引き合いに扱き下ろしているからです。
たしかに『GODZILLA/ゴジラ』は問題点も多い作品ではありましたが、
本作が佳作になりえたのは、その問題点を学習したからです。
それにコングが復活できたのも、ゴジラが復活成功の前例を作ったからで、
本作はあらゆる意味で『GODZILLA/ゴジラ』のお蔭で存在しています。
『シン・ゴジラ』の時も似たような状況で、日本でゴジラ映画が再開できたのも、
ハリウッド再リメイクが決まったからに他ならないのに、
一部の『シン・ゴジラ』ファンも『GODZILLA/ゴジラ』を扱き下ろしていて…。
『シン・ゴジラ』は本作と違って佳作だとも思えませんけどね。
日本では『GODZILLA/ゴジラ』以上の高評価を受けている本作ですが、
米国ではほぼトントンくらいで、どちらも高く評価されているようです。
でも興収には差があり、本作は『GODZILLA/ゴジラ』の7割くらいになりそう。
ゴジラファンとしてはコングよりもゴジラの人気が高い喜びたいところですが、
「モンスター・バース」としては右肩下がりなので今後に不安を覚えます。

しかし興収が多少下がったことに対する不安なんて些末なことかも。
「モンスター・バース」の今後を揺るがす最も大きな不安は、
『GODZILLA/ゴジラ』公開後、本作を製作している間に、
製作会社レジェンダリー・ピクチャーズが買収されてしまったことでしょう。
しかも買収したのはパクリ遊園地でお馴染み、中国の大連万達集団です。
レジェンダリーは『ダーク・ナイト』三部作や『パシフィック・リム』などを作った
ハリウッド屈指の超有望映画製作会社だったので残念極まりないです。
中国人はアメコミ映画や怪獣映画が大好きなので目を付けられたんですね。
本作もすでに事実上の米中合作ですが、「モンスター・バース」の次作
『Godzilla: King of Monsters』は、もはやハリウッドからも出て、
中国の「青島ムービーメトロポリス」なる巨大スタジオで撮るのだとか…。
大連万達の王会長は「中国人の嗜好を無視すれば成功できない」と言い切り、
レジェンダリーは中国向け作品を製作することになります。
4月に日本公開予定の、マット・デイモンが万里の長城で怪獣と戦う映画
『グレートウォール』なんてその際たるものでしょうね。
本作は脚本も仕上がっていた撮影直前に買収されたので影響は少ないが、
今後の「モンスター・バース」の動向が心配です。
中国に買収されたら親中的になるだけでなく反日的になるのは不可避。
日本生まれのゴジラの処遇が気掛かりですが、いずれ万里の長城の怪獣に
ゴジラがフルボッコにされるような映画が製作されるかもしれませんね。
もちろん反米的でもあるので、アメリカ生まれのコングもフルボッコです。
以下、ネタバレの感想になりますが、冒頭から買収による反日演出が…。

太平洋戦争真っ只中の1944年、南太平洋のある海域上空で
P-51戦闘機が零戦とドックファイトの末、両者ある島に墜落します。
墜落後も脱出した米兵マーロウ中尉と日本兵の碇軍平は更に戦います。
零戦墜落が反日的演出ではなく、この碇軍平のキャスティングが反日的です。
日本のミュージシャンMIYAVIが起用されていますが、
彼は反日ハリウッド映画『アンブロークン』で鬼畜日本兵を演じた在日韓国人。
『アンブロークン』自体、上映中止運動が起こるほど日本で忌避される作品で、
わざわざ元凶たる鬼畜日本兵役で俳優ですらない韓国人を起用するのは
まさに日本の客に対する嫌がらせに他ならず、大連万達による反日的演出です。
ただ、大連万達によるキャスティングへの圧力は否めないが、
買収前に完成していた脚本自体は、非常に親日的なものだと思います。
わざわざ日本人キャラを用意してくれた時点でもわかりますが、
碇という役名も『エヴァ』の碇シンジに肖ったものであり、
本作の監督は日本のアニメやゲームが大好きな親日家らしいです。
キャスティングは監督の仕事ではないので仕方ないですが、
まさかMIYAVIが日本で蛇蝎の如く嫌われているという意識もなかったでしょう。
激しく争うマーロウと碇の前に巨大なサルの怪獣コングが現れ…。

29年後、ベトナム戦争撤退が決まった1973年、アメリカ。
特務研究機関「モナーク」のランダとブルックスは上院議員と面会します。
モナークといえば『GODZILLA/ゴジラ』で渡辺謙演じる芹沢博士が属していた
未知の巨大生物を調査する国際組織でしたね。
どうも1973年当時はアメリカの政府機関だったみたいですが、
地質学者ブルックスはここで地球空洞説について研究しているので、
未知の巨大生物に限らず、オカルト全般を調査する機関なのかな?
モナークの2人は前年にNASAが打ち上げた地球観測衛星ランドサットの
衛星カメラに映った南太平洋に浮かぶ未知の島「髑髏島」を調査するため、
上院議員に調査遠征隊の結成を直訴します。
オカルト機関なんて相手にしたくない上院議員でしたが、冷戦の折なので
「ソ連に先を越される」と煽られて、調査遠征隊の派遣を許可します。

表向きは資源調査ですが、モナークのランダの本当の狙いは、
髑髏島にいる未確認巨大陸生生命体、通称MUTOを発見することです。
なんでも彼は太平洋戦争中に沈没したUSSロートンの唯一の生存者ですが、
どうもロートンはMUTOに遭遇して沈められたみたいです。
もしかするとその時のMUTOはゴジラだったのかもしれませんね。
しかしMUTOがゴジラ含め未確認巨大陸生生命体全般を指す言葉になると、
今後『GODZILLA/ゴジラ』の敵怪獣MUTOのことを何と呼称すべきか悩みます。
髑髏島は船舶や飛行機の行方不明が頻発する魔の海域ですが、
1954年にその海域で水爆実験が行われており、ランダはその実験は、
MUTOを殺傷するのが目的だったのではないかと考えています。
その水爆実験と思われるエピソードは『GODZILLA/ゴジラ』でも語られており、
1954年に潜水艦ノーチラス号がゴジラを発見、核実験を装って核攻撃します。
つまりゴジラもコングと同じ髑髏島(の近海)出身ということになるのかな?
なんだかそれはちょっと違和感のある設定ですね。

上院議員は髑髏島調査遠征隊に米陸軍部隊を貸し出してくれます。
その部隊は今まさにベトナムから撤退しようとしていたヘリコプター部隊、
パッカード大佐率いる「スカイデビルズ」です。
大佐は敗戦で撤退することが不満だったので新しい任務に大喜びですが、
部下のチャップマン少佐、コール大尉、スリフコ准尉らは帰国が延び残念そう。
余談だけどパッカード大佐演じるのはサミュエル・L・ジャクソンですが、
彼はジャンル映画に顔出しすぎで、彼が出てると少し安っぽく感じてしまいます。
撤退するはずの部隊が秘密軍事作戦に行くと聞きつけ情報を聴きつけ、
反戦戦場カメラマンの女性ウィーバーは強引に同行することにします。
彼女が遠征部隊の紅一点になるのかなと思ったら、モナークからもう一人、
生物学者サンが同行するのですが、彼女は中国人女性です。
遠征部隊に2人しかいない女性の1人だけど、いなくてもいいような役柄で、
脚本には書かれてなかったのに大連万達が無理やり捻じ込んだのは明らか。
演じるのも『グレートウォール』のヒロインを務める中国人女優ジン・ティエンで、
おそらく大連万達イチオシのコネ女優なのでしょう。
今後、レジェンダリー作品は中国人キャストだらけになるだろうことを思えば、
ひとりくらい捻じ込むのは大したことではないが、どうせ出すなら役目与えろ。
ランドサット(つまりNASA?)からも科学者2人が送り込まれるし、
ただでさえ遠征部隊のメンバー多すぎで覚えるのが大変なんだから、
顔見世だけの役立たずなんて楽しさを阻害するだけの邪魔者だ。
結局大連万達は中国人の嗜好優先で物語なんてどうでもいいんです。

名のあるキャラだけで2桁の遠征隊ですが、ランダがもう一人追加します。
本作の実質的な主人公ジェームズ・コンラッドです。
元SAS(英陸軍特殊空挺部隊)中尉で、傭兵として雇われるのですが、
スカイデビルズが沢山いるのに、これ以上軍人増やしてどうするんだ…。
彼は単なる元軍人ではなく、トレッキングの達人らしいので、
未開のジャングルがある髑髏島調査には必要な人間かもしれないが、
この登場人物の多さはあまり観客に優しいとは言えませんね。
まぁちゃんと覚えておくべき遠征メンバーは彼とウィーバー、モナークの男2人、
パッカード大佐、チャップマン少佐くらいで、他はモブ扱いで差支えなさそう。
メンバーが多いということはそれだけ犠牲者が多いというフラグです。

彼らはバンコクの港から空母アテナ号で出航し、髑髏島を目指します。
髑髏島は常に暴風圏に囲まれているのですが、彼らは十数機のヘリで突入。
そんな嵐なら空母で突っ込んだ方が安全じゃないかとも思うのですが、
かなりの暴風にも関わらず、ヘリ一機たりとも失うことなく難なく突破します。
前人未到の未知の島なのにあっさり到着しすぎで唖然としました。
髑髏島には鹿とか野生動物が生息してますが、至って普通の動物です。
嵐で隔離された絶海の孤島なのに怪獣以外独自の進化はしてないのか。
スカイデビルズはヘリから地質調査用爆弾サイズミックを次々と投下。
地質調査もできるみたいですが、威力はほぼナパーム弾で、
人間のエゴで未開の自然を蹂躙するなんて許せませんね。
…と思ったのは私だけではなかったみたいで、怒れるコングが現れ、
反撃するスカイデビルズのヘリを次々と殴り落とし、痛快でした。
しかしやっと見つけた念願のMUTOを砲撃するなんて、死んだらどうするんだ。
新種はちゃんと保護しろよと思っちゃいますね。
いや、上陸直後の登場でやっと見つけたというほどの価値はないかも。
初っ端なから出し惜しみなく全容を見せつけてくれますが、
これはゴジラの全容が現れるまで1時間もあり勿体ぶりすぎだと批判された
『GODZILLA/ゴジラ』の反省を踏まえた展開だと思います。
コングの外観ですが完全に直立歩行しており、巨大なゴリラと言うよりは
ゴリラの着ぐるみを着た人間のようです。(『猿の惑星』のサルみたい。)
フルCGなのにあえて特撮怪獣映画のような着ぐるみ感を出してるのかな?
着ぐるみだった『キングコング対ゴジラ』のコングに近いような気がします。
ちなみに身長31.6mで『キンゴジ』のコングより少し小さめらしいですが、
ハリウッドの歴代コングの中では最大の大きさらしいです。
遠征隊のヘリは全機墜落し、隊員も相当数死んだと思われます。

ヘリはアチコチに墜落しますがパッカード大佐は生き残った部下十数名と合流。
更にモナークのランダ、ランドサットのウッドワードとも合流し、
西の山に墜落したチャップマンの救助に向かうことになります。
一方、元SASコンラッドは女性カメラマンのウィーバー、ランドサットのニーブス、
モナークのブルックスとサン、スカイデビルズのスリフコ准尉と合流し、
3日後に補給ヘリが来る島の北端のランデブーポイントを目指します。
2手に別れて話が進むので前者をパッカード組、後者をコンラッド組と呼びます。
生存者はチャップマン以外、どちらかに合流できたなんて奇跡的すぎます。

コンラッド組は沼で巨大な水牛スケル・バッファローに遭遇します。
かなり強そうですが草食なのか刺激しなければ害はないみたいです。
MUTOとはいえただの動物で、全部が危険なわけじゃないんですね。
パッカード組は竹林で巨大な蜘蛛バンブー・スパイダーに遭遇します。
その名の通り長い足を竹に擬態させた蜘蛛ですが、こちらは危険なMUTOで、
その足で隊員を串刺しにし、伸ばした触手で捕食します。
大佐の指示で隊員たちは蜘蛛の足を切り、胴体を落として頭を撃ち抜きます。
拳銃程度で撃ち殺されるなんて、意外と弱いかもしれませんが、
ゴジラと違って人間の武器が有効なMUTOはけっこう多いみたいです。
あのコングも、スカイデビルズの戦いで右腕を負傷して出血しており、
傷口を洗おうと湖で水浴びしていましたからね。
そこを湖に棲息する巨大なイカ、バーデビルに触手で締め付けられますが、
コングはゲソを引き千切ってモシャモシャ食べ始めます。
捕食するつもりが逆に捕食された大イカMUTOですが、
この元ネタは『キンゴジ』でコングを苦しめた大ダコかもしれませんね。

コンラッド組はジャングルの奥地で、島民イーウィス族と遭遇します。
サイケなボディペイントを全身に施した怖そうな部族で、お互い警戒するが、
そこに彼らが保護しているひとりの米兵が現れて仲裁するのです。
この米兵こそ1944年に島に墜落したマーロウ中尉だったのです。
どうも29年前、コングと遭遇したことで敵だった日本兵の碇と休戦し、
2人ともイーウィス族に保護されていたみたいです。
碇は6年前に死んだそうで、日本人キャラが死んだのは残念だが、
これ以上MIYAVIの面を拝まなくて済むのは有難く、複雑な気持ちです。
マーロウはコンラッドらに島民は無口で無欲な穏やかな部族だと説明。
たしかにボディペイントは奇抜だが、小柄で素朴そうな雰囲気です。
弱い部族なのでボディペイントも迷彩のために施しているのでしょう。
なんかアジア系ぽいのも多いし、ポリネシア人かもしれませんね。

イーウィス族の集落は外敵の侵入を防ぐ高い木製の壁に囲まれています。
コンラッドらは「コングの侵入を防いでいるのか?」と考えますが、
マーロウは「コングではなくスカル・クローラー対策だ」と説明。
クローラーは髑髏島の生態系の頂点で島民も捕食する獰猛なMUTO。
コングはその天敵であり、島民にとってはむしろ守り神なんだそうです。
つまり本来コングは人間を襲うことはないが、遠征隊ヘリを全滅させたのは、
サイズミックを投下されることで地下に潜むクローラーの親玉が目覚めるのを
阻むためだったらしく、やむを得なかったようです。
つまりコングは人間の味方となるヒーロー怪獣ということですね。
(人間だけでなくスケル・バッファローを助けるなど島の動物も守っています。)
『GODZILLA/ゴジラ』のゴジラも人間を無暗に襲ったりすることはなく、
人間の外敵となるMUTOを排除するために出現したヒーロー怪獣でしたが、
私はオリジナル版『ゴジラ』のように怪獣は人類の脅威であってほしいので、
コングが島民の守り神なんてヒーロー設定はちょっと残念だったかも。
ただ、いずれコングがゴジラと戦うことを思えば、コングがヒーローであるなら、
相対するゴジラはヴィランとなるわけで、ゴジラが人類の脅威になれるかも。
約30mのコングでは100m超のゴジラと相対するには小さいが、成長期らしく、
47年後の『Godzilla vs. Kong』までには100m級に成長するのかな?
クローラーは明らかにヴィランですが、碇もクローラーに食い殺されたらしく、
MIYAVIを排除してくれたクローラーは私的にはヒーローかも。

一方、西の山に孤立し、パッカード組の救助を待つチャップマン少佐でしたが、
彼が何気なく腰かけた大きな倒木は、なんと巨大なナナフシ、スポア・マンティス。
倒木に擬態し獲物が近づくのを待っているのか、と思いきや急に逃げ出します。
別にチャップマンにビビったわけではなく、クローラーの接近に気付いたようで…。
バンブー・スパイダーやイーウィス族も含め、島に擬態する生物が多いのは
みんなクローラー対策なのかもしれませんね。
チャップマンは敢え無くクローラーに丸呑みされます。
このクローラーは3m級でそれほど大きな個体ではないみたいですが、
初めて見たクローラーの全容はなかなかスタイリッシュでよかったです。
元ネタはオリジナル版『キングコング』の脇役のトカゲっぽい二足怪獣ですが、
髑髏が剥き出しになったかのような顔面は『千と千尋の神隠し』のカオナシ、
『ポケモン』のカラカラ、『エヴァ』のサキエルを参考にしたらしいです。
監督が日本のアニメやゲームが好きなのがわかるデザインですが、
全体像は韓国怪獣映画『グエムル』がモデルなので素直には喜べません。
しかしそれを差し引いてもカッコいい敵怪獣なのは間違いなく、
『GODZILLA/ゴジラ』のダサい敵怪獣MUTOとは大違いで羨ましいです。
あのMUTOもオリジナル版『ゴジラ』の脇役の巨大三葉虫がモデルですが、
同じ脇役から昇格した怪獣でもこれほど差があるとは…。

コンラッド組は帰国を望むマーロウを連れてランデブーポイントを目指すが、
徒歩では3日以内に島北端まで到着できないため、ボートで川を進むことに。
このボートはマーロウと碇がP-51と零戦の残骸、あと拾ったB-29から作った
エンジン付きボートで、グレイ・フォックス号と名付けられています。
グレイ・フォックスといえば、『メタルギア・ソリッド』のサイボーグ忍者ですが、
本作の監督の次回作が『メタルギア・ソリッド』の実写映画なんですよね。
彼は本当に日本のゲームが好きなんですね。
オーロラが煌めく夜が明けて彼らはボートで出発しますが、
何気にイーウィス族が寂しそうで、ちょっとジーンとしました。
マーロウは村のムードメイカーだったと思うし、別れが辛かったのかも。
出航して暫く進むと、なんとパッカード班と無線が繋がり、
照明弾で居場所を知らせて合流することになります。
合流地点に向かう途中、ボートが翼竜サイコ・バルチャーの群れに襲撃され、
ランドサットのニーブスが浚われ、空中でバラバラにされてしまいます。
バルチャーは以前にパッカード組とも遭遇してましたが、
大佐に一方的に狙撃されて逃げたので、無害なMUTOかと思ったけど…。
太古の翼竜の生き残りかとも思ったけど、狙撃された時に血が青かったので、
やはり単なる爬虫類の仲間ではないのでしょう。

コンラッド組とパッカード組は合流しますが、
パッカード大佐は「西の山にチャップマンを救出に行こう」と言います。
マーロウは「西の山はクローラーの棲み処で危険だ」と反対し、
早くランデブーポイントに向かうべきだと考えるコンラッドでしたが、
大佐の強硬な態度に折れて「とりあえず西の山へ…」と。
やはり彼は元SAS中尉なので、階級が上の者には弱いのかな?
我々観客はチャップマンがすでに死んでることを知っているので、
徒労に終わることはわかっており、大佐のことを馬鹿だと思ってしまいますね。

西の山に向かう遠征隊は、途中で巨大生物の骨が散らばる場所を通ります。
化石とは思えないトリケラトプスの骨まで転がっていましたが、
この髑髏島にはオリジナル版の髑髏島同様、恐竜も生息しているのかも。
その中にはクローラーに殺されたコングの家族の骨もあり、
ここは墓地なのかもと思ったが、どうもクローラーの骨捨て場みたいで、
先ほどチャップマンを食べた3m級クローラーが現れ、
チャップマンの骨(ドッグタグで確認)を吐き出します。
遠征隊はクローラーに気付かれて襲われ、何人か食べられてしまうのです。
まさかその犠牲者の中にモナークのランダまで含まれるとは意外。
遠征隊の立案者で最重要人物だと思ったのに、呆気ない最期ですね。
まぁ犠牲者の半分くらいは、大佐の命令で使った火炎放射器で、
地中から噴き出す可燃性ガスが引火して爆死し、大佐の無能さが浮き彫りに。
マーロウは碇から譲られた日本刀でクローラーに一太刀浴びせますが、
もし日本刀で怪獣倒せたら日本人として誇らしいと思ったけど、さすがに無理。
女性カメラマンのウィーバーが、クローラを誘い込んだガス溜まりに
ジッポライターを投げ込んで爆殺し、なんとか危機を脱します。
そこらの軍人や元軍人よりも頼れる民間人ヒロインですね。

ドッグタグでチャップマンの死は確認したにも関わらず、
パッカード大佐は西の山に行くことを諦めていません。
彼は部下救出なんて二の次で、本当の目的はチャップマンと墜落した輸送ヘリ
シースタリオンに積んである武器を回収してコングに復讐するのが目的。
島から脱出よりも、『白鯨』の船長よろしく復讐心に憑りつかれているのです。
大佐の部下であるスカイデビルズは嫌々彼に同行することになるが、
(ただランドサットのウッドワードは民間人なのになぜか自ら同行します。)
それ以外のメンバー5人はボートに戻ることになります。
しかし、ボートに戻る途中、迷子になってしまうのです。
コンラッドはトレッキングの達人として高額報酬で雇われてるのに情けない。
彼は高所からボートのある川を探そうと崖に登るが、そこでコングと遭遇。
しかしウィーバーが優しく撫でると、コングは大人しくなり…。
やっぱりコングは歴代コング同様、美女には弱いんですね。
シャイなのか歴代コングほど積極的にアプローチしませんが。
成長期らしいし、もしかするとまだ子猿なのかもしれません。

シースタリオンから武器を回収したパッカード組は、
地質調査用ナパーム弾サイズミックを何発も爆発させコングを誘います。
コングは島の守り神だと知っているコンラッドは、コングを大佐から救おうと、
ウィーバー、マーロウと共に西の山に向かいます。
いや、多少の武器を手にした程度で人間の一部隊が怪獣に勝てるはずない、
と思いきや、大佐はガソリンを張った湖にコングを誘き出し、松明を投入、
コングは火の海に包まれ、必死の反撃でウッドワードら数人殺すも、
力尽きて倒れ込んでしまうのです。
核兵器すら平気なゴジラとは違って、それほどタフな怪獣ではないんですね。
弱って倒れたコングに大佐の指示で沢山の爆弾が仕掛けられ、
大佐が起爆スイッチに手を掛けた時に、コンラッドたちが到着し、
守り神殺しを思い留まるように説得し、スリフコ准尉ら隊員も賛同します。
が、復讐の鬼と化した大佐に説得なんて通じるはずはなく、
再び起爆スイッチに手を掛けた次の瞬間、サイズミックで目覚めてしまった
30m級のスカルクローラーの親玉が湖から出現し、大佐を踏み潰します。
コンラッドたちは逃げ出しますが、弱ってるコングを置き去りにしちゃダメだろ。

と思ったら、クローラーもコングを無視し、逃げる人間たちを追って来ます。
弱った天敵を殺すことよりも優先するなんて、よほど人間が美味しいのかな。
でも男気溢れるコール大尉が自ら囮になって足止めしようと、
手榴弾を抜いてクローラーの行く手に立ちはだかりますが、
食べられて体内で爆発する計画のはずが、尻尾フルスイングをくらい、
ぶっ飛ばされた先でひとり爆発して無駄死にしてしまうのです。
クローラーは人間を食べたいわけでもないのか、或いは知能が高いのか…。
追われ続けるコンラッドたちは川岸まで追い詰められますが、
そこに回復したコングが駆け付け、クローラーとの怪獣バトルに突入。
さすがは霊長類、木を引っこ抜いて棍棒として使ったり、
廃船の錨とスクリューをメテオハンマーとして使ったりと武器を手に戦います。
しかしタフで獰猛なクローラー相手に徐々に形勢が悪くなり…。
そこに川上からグレイ・フォックス号に乗ったブルックスが現れ、
ボートに搭載された機関銃で援護射撃するのです。
なぜ脱出用のボートに機関銃を取り付けているのかは置いといて、
更にウィーバーも岩場の上から照明弾で援護射撃。
クローラーが気を取られた隙に、コングはスクリューをメリケンサック代わりに、
クローラーの顔面に強烈な鉄拳制裁をお見舞いするのです。
これがホントのコーク「スクリュー」ブローで、クローラーはダウンします。

しかし戦いの衝撃でウィーバーが岩場から川に転落し溺れてしまい…。
するとコングが右手で彼女を優しく掬い上げて助けます。
やはりコンゴと言えば右手に美女ですね。
ところが異常にタフな怪獣クローラーが再び襲い掛かり、
美女を握るコングの右手に長い舌を絡ませ、締め付けてくるのです。
美女を守りながらの戦いはさすがに分が悪いかと思いましたが、
コングは絡まった舌ごと内臓を引き抜き、クローラーを今度こそ屠ります。
美女ウィーバーも無事で、人間たちに返してやります。
生き残ったメンバーはボートで川を下ってランデブーポイントに到着し、
補給ヘリに救助されて島を去り、コングはドラミングと咆哮で見送ります。
帰国したマーロウ中尉は29年ぶりに妻子と再会し、めでたしめでたしです。
たぶん彼は戦死扱いのはずですが、彼の妻は再婚もせずに待ってたのか。

件のエンドロール後のシーンですが、
帰国したコンラッドとウィーバーが何故かモナーク施設に監禁され、
ブルックスから髑髏島での出来事を口外しないように警告されます。
ジャーナリストのウィーバーに口止めなんて無駄だと思うけど、
『GODZILLA ゴジラ』でもMUTOの存在が公になってなかったところを見ると、
隠蔽は成功したのかもしれませんね。
ブルックスは「地球の王(キング)はコングだけじゃない」と言い、
有史以前に地球を支配していた王がいると、ある太古の壁画を見せてくれます。
そこには四頭のMUTOの姿が描かれていたのですが、その四頭は怪獣王ゴジラ、
空の大怪獣ラドン、巨大な蛾モスラ(成虫)、そして三つ首竜キングギドラでした。
「モンスター・バース」の次回作『Godzilla: King of the Monsters』には、
この四頭の怪獣の登場が告知されており、それの伏線となるシーンです。
いずれ劣らぬ人気東宝怪獣たちですが、特にゴジラ以外の三頭が
ハリウッド(いや中国か…)でどのように描かれるのか気になるところですが、
中でも個人的にはモスラが好きなので、どんな立場で登場するのか楽しみ。
(あ、「怪獣には人類の脅威であってほしい」発言とは矛盾しますね。)
ここで注目されたら三頭のスピンオフの可能性もあるかもしれません。
この四頭は1964年の『三大怪獣 地球最大の決戦』と同じ顔触れですが、
同作のようにゴジラ・モスラ・ラドン連合対キングギドラではなく、
ゴジラが他三頭と連戦、或いは総当たりだと嬉しいかな。
もちろん他の東宝怪獣の登場も歓迎ですし、コングも顔見世するかも。

二日がかりで400行ちかい長文感想を書いてみましたが、
本作で結局最も興奮したのは、ラストのゴジラの咆哮を聴いた時でした。
大連万達のレジェンダリー買収で不安は尽きませんが、
今後も「モンスター・ヴァース」に注目していきたいと思います。
日本のゴジラ映画も頑張れ。

関連作の感想
GODZILLA/ゴジラ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1795-8a95fb2d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad