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コンカッション

今日の気になる映画ニュース。

第89回アカデミー賞授賞式で作品賞の誤発表が起きた問題で、
ミスした担当者2人を授賞式から出禁にしたそうです。
作品賞は『ムーンライト』でしたが、『ラ・ラ・ランド』と発表され、
『ラ・ラ・ランド』陣営が檀上し、喜びのコメント中に訂正されたわけですが、
担当者はプレゼンターに作品賞の結果が書かれた封筒を渡すはずが、
間違って主演女優賞の結果が書かれた封筒の予備を渡してしまったみたい。
誰にでも起こり得るイージー・ミスなので、ちょっと可哀想な気もしますが、
オスカー受賞は人生を大きく変えるほどの影響力があるので、
『ラ・ラ・ランド』陣営の落胆を思えば出禁くらいでは甘すぎる気もします。
気丈に振る舞う『ラ・ラ・ランド』のプロデューサーが逆に痛々しくて…。
ただ私は、プレゼンターも不注意すぎて同罪だと思うんですよね。
プレゼンターは俳優ウォーレン・ベイティと女優フェイ・ダナウェイでしたが、
開封して異変に気付いたベイティが、ダナウェイに見せると、
彼女がそのまま読み上げてしまったらしく、彼女の確認ミスではないか。
なんでもプレゼンター2人は授賞式前にどちらが発表するかで揉めていたらしく、
ベイティはリハーサルにも参加しなかったそうで、そんな2人の関係性が、
今回のミスに繋がったような気もするし、彼らも出禁にするべきです。
ただ私的には『ムーンライト』がオスカー受賞したこと自体がミスだと思います。

今日も映画の感想です。

コンカッション
Concussion.jpg

2016年10月29日日本公開。

全米ボックスオフィス初登場7位で興行的失敗と言われた本作。
たしかにウィル・スミス主演のコロムビア配給作品なのに残念すぎる成績です。
レビューも悪くなく、不当に低い成績のように思えますが、
北米四大スポーツの中でもダントツの人気を誇るNFLの伝記映画だけど、
選手が主人公のスポーツ映画ではなく、その裏側に迫った内容で、
ある意味ではNFLを批判的に描いている作品であるため、
NFL大好きなアメリカ人客からボイコットされたのかもしれません。
その成績不振もあってか、ソニーが日本での配給を諦め、
映画雑誌『キネマ旬報』が配給することになったため、小規模公開となり、
あまりに小規模過ぎて、私も観に行くのを断念せざるを得ませんでした。
まぁNFLの人気がない日本ではNFLを批判する内容でも受け入れられるけど、
そもそも人気がなさ過ぎて、NFLを題材にした映画では客入りも見込めないか。
しかしレンタル開始されると、そこそこの入荷本数にも関わらず連日貸出中で、
私もレンタル開始から2か月ほど待って漸く借りることが出来ました。
こんなに人気があるなら、もう少し公開規模が大きくてもよかったのに。
映画雑誌がわざわざ配給に乗り出すくらいなので、面白さはお墨付きです。
以下、ネタバレ注意です。

2002年、ピッツバーグ・スティーラーズの元NFL選手マイク・ウェブスターは、
殿堂入りした名センターだったにも関わらず、50歳の若さで認知障害を患い、
ホームレス生活を続け、自傷行為を繰り返し、挙句にスタンガン自殺。
ピッツバーグで働くアルジェリア人病理学者オマル博士が
ウェブスターを検視するが、脳のCTスキャンするも異常は見当たりません。
普通なら「事件性なし」の単なる自殺で検視終了するところですが、
オマルは「この若さで異常がないのに認知障害なんて異常だ」と疑問を持ち、
脳細胞の標本を採り、勤務時間外で精密検査します。
自腹で2万ドルも使って精密検査するんだから研究熱心ですよね。
そんな人が遺体相手の監察医なんて勿体ない気がしてしまうけど、
逆に情熱がないと務まらない仕事かもしれませんね。

顕微鏡スライド検査をすると、アメフトでの激しいタックルを受け続けたことで、
脳にキラーたんぱく質が出来、神経を圧迫して認知障害を引き起こし、
自傷行為に走らせることを発見、その症状をCTE(慢性外傷性脳症)と名付け、
神経医学の権威デコスキー博士と恩師の監察医ウェクト博士との連名で
医学雑誌に論文を発表するのです。
その直後に、元NFL選手ストゼルジックがハイウェイを逆走して事故死、
同じく元NFL選手ロングも不凍液を飲み自殺し、CTEの存在を裏付けます。
しかしNFL連盟は専属の脳神経外科権威マルーン博士を通じ、
「CTEなどオマルとかいうヤブ医者の誤った推論だ」と発表します。
うーん、詳しい症状まではわからないけど、あんな激しいタックルを繰り返せば、
脳障害が起こるだろうことは素人でもわかりそうなものですけどね。
NFL連盟が保身のため反発するのはわかるけど、ファンも批判しますが、
命懸けのスポーツとわかった方がファンは楽しめる気がするけど、
たしかに相撲も知らない外国人に「相撲は肥満で健康に悪い」と言われたら、
正論とわかってはいても「うるせえ、黙ってろ」と思うかもしれません。
NFLに無知なオマルは真実を教えてあげて感謝されると思ってたみたいですが。

オマルの自宅には、マルーン博士から「撤回しろ、潰すぞ」、
ファンからは「女のスポーツにする気か、解剖するぞ」と連日抗議の電話が…。
しかしスティーラーズの元チームドクターで引退選手研究所ベイルズ医師から
「君は間違ってない」と電話を受けます。
ベイルズ曰く、ここ数年でCTEで死んだ元スティーラーズ選手は12人もいて、
これ以上かつて仲間が死ぬのは見過ごせないので協力したい、と言い、
CTEが疑われる拳銃自殺した元選手ウォーターズの遺族を紹介します。
CTEはCTスキャンでは見つからないので病理解剖するまでわからないので、
証明するための症例を集めるのも大変みたいです。
これで症例は4件となり、それを持ってNFLの犬・マルーンに面会。
マルーンは「NFLは雇用を生み、寄付をし、地域に貢献している」と開き直り…。
それは事実かもしれないけど、劇中では新スタジアム建設のために
増税されていることも言及されていたので、地域にとっては一長一短か。

マルーンが聞く耳を持たないので、オマルは記者会見を開き、
ウォーターズの自殺の原因はCTEであると発表し、
更にベイルズも賛同する発表をして、NYタイムズの一面に。
NYはNFLよりMLBの方が人気だからNLF批判記事も載るのかな?
これを受けてNFLコミッショナーの弁護士タグリアブーが退任します。
彼は元7大タバコメーカーの顧問だったらしいですが、
健康被害を隠蔽するのが得意な弁護士なんでしょうね。
新コミッショナーのグッデルはNFL健康安全会議を開き、
オマルも招待され、発言の機会が与えられることになるのです。
グッデルは正義感の強い改革派のコミッショナーのようですね。
と思ったら、会議当日にオマルの出席は禁止されてしまい、
代わりにベイルズが壇上するも、CTEは証拠不十分だと一蹴されます。
うーん、NFLの闇は根深く、トップ交代くらいでは意味がないようですが、
更に驚いたことに、FBIがオマルの恩師ウェクト博士を微罪で起訴し、
彼のもとで監察医をしていたオマルも離職を余儀なくされます。
まさかFBIまで圧力をかけてくるとは、CTE隠蔽は国家ぐるみか。

オマルももはや打つ手なしで、ピッツバーグを離れ、
カリフォルニアで監察医として働くことになるのですが、
そんな折、元選手デイブ・デュアソンが拳銃自殺するのです。
彼はオマルを批判していた元選手でしたが、彼の遺書には
「オマル博士に献体する」という旨が書かれていて…。
彼も認知障害で悩み、CTEを認めざるを得なくなったのでしょう。
市長候補でもあったデュアソンまでオマルが正しかったと認めたことで、
NFL連盟も観念し、オマルをNFL脳震盪委員会会議に呼びます。
壇上したオマルはアメフトは素晴らしいスポーツとオベンチャラしつつ、
選手は危険を承知しておくべきだ、と提言するのです。
NFLもCTEの存在を認め、脳震盪問題に取り組むことになります。
でも脳震盪を避けるようにルール改定されたら面白味はなくなるだろうし、
治療できる病気でもないし、遺族に金を出すくらいしか対策は無理かな。
その後も元選手ジュニア・セアウが自殺しているみたいだし、
NFL保険数理士曰く、元選手の28%がCTEを患うらしいし…。
でもNFLの犬・マルーンがプレイ人口減少を懸念していたけど、
健康被害を気にする人がアメフト選手になるとは思えないから大丈夫でしょ。
CTEが認められたところで、良くも悪くも何も変わらない気がします。

オマルは功績が認められ、ワシントンD.C.の監察医長官のオファーを受けるが、
断ってカリフォルニアで監察医を続けたみたいです。
やっぱり恩師がFBIに逮捕された件で政府を信用できなくなってるのかな?
(恩師は起訴を取り下げられたみたいですが。)
監察医長官になると現場からは離れるみたいなので、それが嫌なのかも。
もしかすると政府もオマルを現場から遠ざけたくてオファーしたのかもね。

それにしても最近のウィル・スミスは、またよくなりつつありますね。
全く作品の成績や評価に結びつかないのが気の毒ですが…。

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