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クリミナル 2人の記憶を持つ男

最近の気になる映画ニュース。

現地時間の一昨日、第89回アカデミー賞の受賞作が発表されましたが、
その一日前には恒例のゴールデン・ラズベリー賞の受賞作も発表されました。
最低映画の祭典、通称ラジー賞ですが、最低作品賞を受賞したのは
『Hillary's America: The Secret History of the Democratic Party』。
ヒラリー・クリントンと民主党についてのドキュメンタリー映画らしいです。
この映画は大統領候補だったヒラリーを批判する内容だったらしく、
オスカー同様、トランプ大統領誕生の影響を受けての受賞でしょう。
日本ではまず劇場公開されないし、ビデオリリースや配信もされなさそうなので、
日本の映画ファンとしてはあまり面白味のない受賞結果でした。
ここは順当に、期待を裏切ってくれた『バットマンvsスーパーマン』が受賞して、
DCEUを立て直す機会になってくれるとよかったのに…。
まぁ『バトスパ』も最低助演男優賞、最低脚本賞など四冠なので、
とりあえずザック・スナイダーは責任を取りDCEUから退いてほしいです。

今日も映画の感想です。

クリミナル 2人の記憶を持つ男
Criminal.jpg

2017年2月25日日本公開。

全米ボックスオフィス初登場6位と低迷し、評判もイマイチだった本作。
本来なら日本での劇場公開は見送られても仕方がない成績、評価ですが、
ケヴィン・コスナー主演だからか、当たり前のように劇場公開されました。
彼は日本では中高年を中心に根強い人気がありますからね。
劇場もロクに宣伝されているとも思えないにも関わらず、
中高年を中心にお客さんはけっこう入っていたように思います。
ほぼほぼコスナー目当てのお客さんでしょうね。
しかし今回は彼にしては珍しい悪人役(敵役ではない)なので、
『フィールド・オブ・ドリームス』や『ボディーガード』のような彼を期待すると、
裏切られるのは必至なので注意が必要です。
逆にレアな役柄だから楽しめる可能性もありますけどね。

全米で低評価だったのは、すでにコスナーの人気が落ち目なのもあるが、
やはり脚本の出来の悪さが原因ではないかと思われます。
邦題の副題でも明らかなように、2人の記憶を持つ男の物語ですが、
決して面白くないわけでもないけど、如何せんありがちな設定です。
最近で言えば『セルフレス 覚醒した記憶』がかなり似てますね。
(邦画だと『秘密 THE TOP SECRET』が近いが、本作よりも駄作。)
それだけ汎用性が高い設定なので、使うなとは言いませんが、
使うなら別の部分でもう少しオリジナリティを出してほしいところ。
本作のオリジナリティというか売りは「悪人コスナー」しかないですが、
その悪人っぷりも控え目すぎで、もっと無茶苦茶なサイコ野郎の方がいいです。
なんだかジョルディ・モリャ演じる敵のサイコ野郎どころか、
ゲイリー・オールドマン演じるCIA支局長の方がサイコだと思える程度です。
以下、ネタバレ注意です。

無政府主義者ヘイムダルが、通称「ダッチマン」という凄腕ハッカーを雇い、
世界中の緊急コマンドシステムを遠隔操作し、核ミサイルを自由に発射できる
「ヴィジランテ・コード」を作らせるが、意外と良識があるダッチマンは、
核ミサイル発射ボタンがアナーキストの手に渡ることを恐れて、
CIAにヴィジランテ・コードと引き換えに自分の身柄保護と1000万ドルを要求。
CIAロンドン支局の諜報員ビリーがダッチマンと接触し、
CIAが1000万ドル用意できるまで彼しか知らない場所に匿います。
しかし金が用意できて、ビリーがそれをダッチマンに受け渡しに行く途中で、
裏切者ダッチマンを探すヘイムダルの部下に尾行されているとわかり、
彼は金をある場所に隠しますが、その直後に捕まって拷問を受けます
家畜を屠殺する電殺棒での悲惨な拷問ですが、終ぞ口を割らずに死亡。
ビリーは諜報員の鏡ですが、殺すまで拷問するなんて敵も拷問が下手だな。
電殺棒なんか使えば死ぬことくらいわかりそうなものだが…。
敵はビリーの遺体を放置して撤収します。

CIAはビリーの遺体を回収し、脳外科医フランクス博士を訪ねます。
博士は脳から記憶を取り出し、他人に移植する治療法を研究中で、
ダッチマンを匿う場所も金の隠し場所もビリーしか知らないため、
CIAは死んだビリーの記憶を誰かに移植しようとするのです。
急に300年くらい未来に飛んだようなSF技術が登場しますね。
ただまだ研究中で実用化はされてないため、人体実験も未実施で、
博士は「受容者が死刑囚であれば…」と承諾します。
人道的な理由もあるが、脳が未発達なサイコパスにしか転写出来ないとか。
なかなか条件が厳しく、実用化は無理そうな治療法ですね。
そもそも電殺棒を口に突っ込まれて死んだビリーの脳が、
無傷で済んでいるなんてありえない気がしますが…。
ちなみにフランクス博士を演じるのはトミー・リー・ジョーンズ、
ビリーを演じるのはライアン・レイノルズで、駄作のくせにキャストは豪華です。

CIAは感情がなく善悪の区別がつかない凶悪犯ジェリコを刑務所から連行し、
博士に施術させますが、ジェリコにビリーの記憶は移ってないみたいで…。
CIA支局長はガッカリし、ジェリコを再び刑務所に移送する命令を出しますが、
ジェリコは移送中に護送官を殺して脱走するのです。
脳が未発達の凶暴な男とは思えない機転の利いた脱走方法でしたが、
それもそのはず、失敗したと思われたビリーの記憶の移植に成功しており、
凄腕諜報員としてのスキルまで習得していたのでした。
ただ記憶は断片的に思い出す程度で、自分をビリーだと思ったりはしません。
でもなぜか例の金を回収しなくてはいけないという思いに取り付かれており、
ビリーの自宅に押し入り、金を詰めたバッグを探します。
自宅には隠してないのですが、隠し場所はまだ思い出さないようです。
なんか自宅の防犯システムのコードは覚えているのに、
金の隠し場所は思い出せないなんて、都合のいい記憶ですよね。

ビリーが死んだことを知ったダッチマンは、CIAに頼ることを諦め、
今度はロシアに1000万ドルと保護を要求します。
ロシアにヴィジランテ・コードが渡ることは絶対に避けたいCIAは、
(アメリカ的には無政府主義者よりロシアに渡る方が嫌でしょうね。)
ジェリコを再び拘束し、ダッチマン捜索の協力を要請します。
しかしヘイムダルが「空港にダッチマンがいる」という偽情報を流し、
真に受けたCIA支局長は、無用のジェリコを再び刑務所に移送するよう命じ、
移送中にテムズ川の可動橋の上でヘイムダルの部下から襲撃を受け、
その混乱に乗じてジェリコは再び脱走してしまうのです。
CIA支局長は騙されたわけですが、本当に短絡的な男ですね。

ジェリコは再びビリーの自宅に侵入し、負傷した足を自ら治療します。
傷の縫合まで出来るとは、さすがは凄腕諜報員のスキルを持つだけあるが、
凄腕スキルを持つ凶悪犯なんて、とんでもないバケモノが野に放たれましたね。
と思ったら、移植されたビリーの記憶が人格にまで影響を及ぼし始め、
ジャリコは徐々に感情を持ち、善悪の区別が付くようになります。
前回自宅に押し入った時はビリーの妻を拘束して暴れましたが、
今回は彼女にも手を出さず、自分に夫の記憶が移植されていることを説明し、
ビリーの娘と遊んだり、ワッフルを焼いたりして母子と交流し、自宅を去ります。
始めは警戒していた妻もジェリコの中に夫の面影を見たみたいですが、
こんな夫とは似ても似つかぬ厳ついオッサンに警戒解くの早すぎでしょ。
というか、ビリーの自宅なんて脱走したジェリコがまず行きそうな場所なのに、
なぜCIAが駆け付けてないのか謎すぎます。
ヘイムダルの方は一足遅くジェリコが去った後でしたが、自宅に部下を送り込み、
母子を人質に取ったのに、やはりあのCIA支局長は無能だな。

ダッチマンの居場所と金の隠し場所がロンドン大学だと思い出したジェリコは、
大学に向かいますが、ロシアの工作部隊とCIA部隊も大学に到着して銃撃戦に。
イギリスの大学構内でアメリカとロシアがオランダ人ハッカーを奪い合って
ドンパチするなんて恐ろしく迷惑な話ですね。
更にスペイン人無政府主義者ヘイムダルの部下の元ドイツ軍傭兵も参戦し…。
大学の図書館から金を回収したジェリコでしたが、ヘイムダルの部下に捕まり、
母子が人質になっていると知り、仕方なくダッチマンの居場所に案内。
部下はヴィジランテ・コードの入ったメモリを奪いダッチマンを射殺しますが、
その直後にジェリコに撲殺され、メモリはジェリコが回収します。
ジェリコは何度も顔面を殴打して撲殺しますが、ジミーの記憶の影響で
まともになったと思ったけど、やっぱり凶暴性は抜けきってないのか。

ジェリコは母子とメモリを交換するため、ヘイムダルの待つ空港へ。
CIA支局長は母子なんて見捨ててメモリをこちらに渡せと説得しますが、
ジェリコは当然無視し、ヘイムダルはメモリと母子を交換します。
セスナですぐに離陸したヘイムダルは、機内でヴィジランテ・コードを起動させ、
ジェリコやCIAがいる空港をターゲットにミサイルを発射します。
ところがミサイルはヘイムダルの乗るセスナに着弾し…。
ビリーが生前、一発目のミサイルは発射した者に向かうように、
ダッチマンに細工させていたみたいです。
一見素晴らしい細工ですが、ヘイムダルが上空だったからよかったものの、
もし街中で起動していたら大惨事になってたかもしれないので、
それなら単純に発射できないように細工したらよかったのでは?
とりあえずヴィジランテ・コード諸共ヘイムダルが自爆して一件落着です。

フランクス博士の計算では、移植された記憶は48時間で消えるはずでしたが、
ジャリコの中のビリーの記憶はなぜか定着し、元の凶悪犯に戻ることなく、
CIA支局長はビリーの代わりに彼を諜報員として雇うことを決めます。
うーん、スキルはビリーと同等かもしれないけど、如何せん歳だし、
ビリーに比べるとスペックはダウンしている気がしますね。
まぁ仕事上ビリーの代わりを務めることは出来なくもないでしょうが、
彼はビリーの家族である母子からも迎え入れられたようですが、
さすがに旦那の代わり、父親の代わりというわけにはいかないかな。
いくらビリーの影響を受けていると言っても、基本の人格はジェリコだし、
ビリーよりも一回り以上年上のオッサンを、同様に愛することは無理かな。
この記憶を移植する治療法は、不安定すぎて実用化は難しいけど、
悪人を更生する治療法としては使えるかもしれませんね。

キャストに興味がなければ、特に観るに値しない作品でした。
記憶移植ものSFとしては、先日ビデオリリースされた
『セルフレス 覚醒した記憶』の方がよく出来ているのでオススメです。

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