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マリアンヌ

今日の気になる映画ニュース。

つい一昨日、アメコミ映画「DCEU」シリーズ『ザ・バットマン』の監督要請を
マット・リーブス監督が固辞したというニュースが報じられました。
ワーナーは早く撮影開始したかったのですが、
リーブス監督は『猿の惑星:大戦記』のポスプロで忙しいと交渉決裂。
楽しみにしてたのに、これでまた公開日が延びるな、と思ったのも束の間、
今日になって一転、交渉成立したとの報が。
本来ならホッとするところですが、ゴタゴタの末の急転直下な成立で、
なにか釈然としないものを感じてしまいます。
一度は固辞したわけで、監督にとって『ザ・バットマン』の優先順位は高くないし、
固辞した理由である『猿の惑星』のポスプロが急に終わったとも考えにくく、
ポスプロがやっつけ仕事になったのではないかという疑念が湧きます。
(私は『猿の惑星』のことも楽しみにいているので。)
すんなり決まっていたら何の不満もなかったのですが…。

…いや、私は当初の予定通りベン・アフレックが監督するべきと思うので、
他の誰が監督になってもちょっと不満はあったかもしれません。
アフレックは主演、脚本、製作するんだから、ついでに監督もするべきです。
表向きは「演技に集中したい」という理由で監督を辞退しましたが、
監督と主演をした『アルゴ』はオスカーも受賞したし、彼なら両立出来るはず。
監督だけ他人に振るなんて、失敗した時の責任逃れに思えてしまいます。
まぁDCEUシリーズの既発3本は全て低評価なため、
予防線張りたい気持ちもわからないではないですが…。
とりあえずDCEUはザック・スナイダーを外さないとダメだと思うなあ。
オタクすぎる彼が関わると一般ウケしにくい作品になってしまうので。

ということで、今日も映画の感想です。

マリアンヌ
Allied.jpg

2017年2月10日日本公開。

ブラッド・ピット、マリオン・コティヤール共演のロマンス・スリラー映画ですが、
豪華共演にもかかわらず、全米ボックスオフィス初登場4位と微妙な出足で、
お世辞にもヒットしたとは言えない、低調な成績でした。
全米公開時期から察するに、アカデミー賞も視野に入れていたはずですが、
そこまで評価がいいわけでもなく、衣装デザイン賞のみでのノミネートに。
米ローリングストーン誌が選ぶ2016年のワースト映画で4位にもなりました。
そんなこんなで、私もあまり期待してませんでしたが、噂ほど悪くはないかな。
ただ予定調和で全く意外性のない物語だったのでスリラーとしてはイマイチ。
主演ふたりに華があり、そこに惹かれて飽きずに観ることは出来ましたが、
もし地味な俳優が主演だったら退屈極まりない映画になった気がします。
華だけが売りだから、主演ふたりのエレガントさしか評価されず、
衣装デザイン賞のみでのノミネートになったのも頷けます。

予定調和な物語だったのは脚本の問題というよりは宣伝が拙いからかも。
第二次世界大戦中、妻がナチスのスパイではないかと疑いを掛けられた
連合国側の諜報員が、妻の疑いを晴らすべく真相究明に奔走する物語ですが、
予告編などで妻がスパイであることを明言してしまってるんですよね。
「彼女は決して愛してはいけない美しいスパイだった」と…。
妻の正体を探るスリラーなのに、正体をネタバレするなんて何のつもりか。
それでは予定調和に思えてしまうのも当然です。
劇中では中盤くらいにその疑惑が持ち上がるのですが、
宣伝を見て本作を観に来た客は序盤から妻がスパイだとわかっているため、
その疑惑が出た時も驚けないし、真相がわかっても驚けません。
妻がスパイだと判明するまでの経緯をただ追ってるだけになり、
これではスリラーなんて言える代物ではありません。
たぶん広報としてはロマンス映画として売りたいと考えたのでしょうが、
完全にスリラーの演出なので、作り手と売り手の意識にズレがあるのでしょう。
もし予告編など宣伝で妻の正体の名言や示唆を避けていれば、
もう少し緊張感があって楽しめる作品になっていたのではないかと思います。
公式にネタベレされては今更だけど、以下、ネタバレ注意です。

第二次世界大戦中の1942年、連合国の諜報員マックスは、
仏領モロッコに派遣され、仏人工作員マリアンヌと合流します。
マリアンヌはディエップの戦いで独軍に壊滅させられた抵抗軍の生き残りで、
在モロッコ独大使を暗殺するため独大使館に潜入しており、
マックスは彼女の独大使暗殺計画に協力するため派遣され、
彼女の夫を騙って独大使館のパーティに潜入するのです。
マックスはマリアンヌも連合国側の人間だと信じていますが、
私は宣伝など前情報で端から彼女が二重スパイだとわかっているので、
彼女の独大使暗殺計画も茶番にしか感じられないんですよね。

マックスは燐鉱山を経営するパリジャンという設定で潜入するので
仏語が堪能ですが、マリアンヌに言わせると彼の仏語は
パリ訛りではなくケベック訛りが強いみたいです。
はじめはマックスを米国か英国の諜報員だと思っていましたが、
ケベック訛りということでカナダ空軍だとわかりました。
それにしてもマックスはあまり有能な諜報員ではない気がします。
潜入して敵に取り入らないといけないのに致命的に社交性がないし、
鉱山業者を装っているのに、異常なほどカードシャッフルが上手くて、
独軍高官に怪しまれ「燐酸塩の化学式書いてみろ」と試されるくらいです。
化学式はちゃんと勉強していたので誤魔化すことが出来ましたが…。
なによりマリアンヌを二重スパイと気付いてないので無能に思えます。
まぁ私もネタバレさえされてなければまだ気付いてないでしょうが…。

独大使館のパーティに参加して大使が現れたら銃を乱射するという、
お世辞にも名采配とは言えない強引な計画でしたが、なんとか成功。
なぜ二重スパイのマリアンヌが独大使を暗殺するのかですが、
どうも彼はナチスの反体制派で、独国からも暗殺指令が出ていたそうです。
危険な計画を乗り越えたマックスとマリアンヌは恋に落ちて結婚。
マックスの内勤が決まったロンドンで新婚生活を送り、娘も生まれます。
なぜカナダ空軍所属なのにロンドンで内勤するのか不思議でしたが、
カナダは英連邦王国だから王立カナダ軍の施設があっても当然か。
激しい空爆の中でマリアンヌは娘を出産しましたが、
あまり新婚生活や子育てに適した場所ではないかも。
そのわりには住民たちは呑気そうでしたが、空爆慣れしてるのかな?
マックスの妹もロンドン暮らしをしていますが、彼女はレズビアンです。
別にそんな設定、何の意味もない(というか妹の存在も不要)と思えるけど、
LGBTキャラを出せばアカデミー賞に絡めるとでも思っているのか。

出産から一年経ったある日、マックスは特殊作戦執行部から呼び出されます。
やっと内勤が明けて、新しい任務でも言い渡されるのかと思いきや、
上官から「君の妻は独国のスパイだ」と告げられます。
当然マックスは驚愕するし、普通なら観客もまさかの展開に驚くでしょうが、
私はここまで長かったけどやっと本題に入ったな、としか思いませんでした。
なんでもロンドンから連合国側の機密がベルリンへ送信されているのを傍受し、
その機密はマックスに伝えられているものばかりだったと…。
更に独軍捕虜を尋問すると、マリアンヌという仏国人レジスタンスは、
ディエップの戦いの際に殺したという証言が出てきたみたいで…。
かなり決定的な状況ですが、マックスは「そんなの嘘だ」と激昂します。
そこで上官はマリアンヌに嘘の機密を教えるように指示し、
その機密がベルリンに送信されるかどうか確認してみよう、と。
72時間後に結果が出るから、もし送信され妻がスパイだと判明したら、
「親密な裏切りルール」に則り自ら彼女を始末しろ、と命令します。
家に帰ったマックスは嘘の機密をそれとなくマリアンヌに伝えますが、
明らかに動揺しているため、彼女も「いつもと違う」と思ったみたいで…。
マックスは本当に諜報員かと思うほど嘘が下手ですね。

上官から嘘の機密を伝える以外何もするなと釘を刺されていたマックスでしたが、
やはり気になって自分でも調査を始め、マリアンヌの写真を持って、
ディエップ戦線の生き残り、サングスター大佐に会いに行くのです。
ところが、大佐は戦場で目を負傷したため盲目で写真を確認できず…。
彼は顔の半分が完全に崩れており、グロ注意です。
しかし彼女を知る抵抗軍ドラマールがまだディエップで戦っているはずだと
大佐から教えてもらい、ディエップ支援に向かう空軍パイロットに写真を預け、
ドラマールに会って写真を確認してもらって来いと命令します。
がパイロットの戦闘機は独軍の地対空砲火でハチの巣になったそうで…。
ディエップの戦いは連合国側が大きな人的損害を出して惨敗した奇襲作戦で、
敗因は連合国の作戦が漏洩していたかららしいのですが、
それを漏洩させていたのがマリアンヌだったということなのかな?
マックスにDデイ(ノルマンディー上陸作戦)で重要任務を与えるという噂があり、
この妻への疑惑も、そのためのテストではないかという可能性も考えますが、
前情報で真相が明かされているので、真相を突き止めようと頑張るマックスに
「そんなことをしても無駄なのに」と思ってしまいます。
真相を知らなければマックスと一緒にハラハラ出来たかもしれないのに。

写真を預けたパイロットの戦死で、マックスは自らドラマールに会いに行くことに。
ディエップ支援の戦闘機に搭乗し、ディエップの抵抗軍と合流しますが、
彼らから「ドラマールは独軍に捕まり投獄された」と言われます。
せっかく会いに来ても獄中では諦めるしかないだろう、と思いきや、
なんとマックスは抵抗軍数名を率いて監獄に押し入るのです。
無茶すぎるあり得ない展開ですが、監獄も看守が一人というあり得ない場所で、
ドラマールに接触でき、持参したマリアンヌの写真を確認させます。
写真を見たドラマールは「マリアンヌで間違いない」と断言します。
前情報でマリアンヌがスパイだと思い込んでいた私には意外な返答でしたが、
独軍は本物のマリアンヌに似た人物をスパイに仕立てたはずなので、
外見だけで真偽の確証を得ることは出来ません。
さらにドラマールを問い詰め、「彼女はピアノが上手い」という手掛かりを得て、
マックスは急いでロンドンに戻ります。
監獄を脱出する時にドラマールも脱獄させてあげたらいいのに…。

マックスは帰宅するなりマリアンヌにピアノを弾くことを強要。
しかし彼女は鍵盤に触ろうとせず「娘を殺すと脅されて」と自供します。
私としては「やっぱり」というか「知ってた」って感じで何の驚きもないけど、
たぶんマックスも覚悟はしていたでしょうね。
ただ偽マリアンヌは本物がピアノ上手いという情報は知っていたようで、
彼女ほどの優れた工作員が、ピアノの練習をしてなかったのは変です。
妻がスパイならば自ら始末するように命令されていたマックスですが、
愛する彼女と一緒にスイスかどこかに逃げることを決意します。
ただの妻なら殺せたかもしれないけど自分の娘の母だし、殺せないよね。
偽マリアンヌは例の偽の機密もベルリンに送信してしまったみたいで、
そろそろ特殊作戦執行部も真相に気付いて殺害指令が出る頃で、
彼らは娘を連れて空軍基地まで行き、戦闘機を一機失敬して逃げようとするも、
エンジン点火に時間を取られ、上官率いる空軍に包囲されてしまいます。
まさかエンジンのかかりの悪い機体を選ぶなんて、運がないですね。

万事休すの偽マリアンヌはマックスに「娘を頼む」と言い残して拳銃自殺。
上官はマックスが命令通りに妻を処刑したと報告を上げ、彼はお咎めなしに。
マリアンヌは偽者でしたが夫への愛は本物だったわけですね。
彼女は成長した娘宛てに手紙を遺していましたが、
彼女も自分が死ぬ運命なのは覚悟していたのでしょう。
まぁ夫があんなに動揺していたら、正体バレたと勘付いて当然か。
でも死後に読まれるその手紙にまで「マリアンヌ」と署名していて、
本名や国籍など独軍スパイであること以外の彼女の素性が気になります。
マックスも娘も亡き妻や母の本名も知らないなんてモヤモヤしそうです。
マックスがDデイに参加したかはわかりませんが、戦後カナダに帰国し、
娘とふたりで牧場を経営して幸せに暮らしたとさ、めでたしめでたし。

重ね重ね、前情報でのネタバレが残念な作品でした。

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