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ナイスガイズ!

今週末に日本公開となる『ラ・ラ・ランド』ですが、
もはやオスカー受賞を疑う余地のない状況になっています。
アカデミー賞史上最多ノミネートはもちろんのこと、
トロント映画祭、NY映画批評家協会賞、ワシントンDC映画批評家協会賞、
ボストン映画批評家協会賞、放送映画批評家協会賞、ゴールデングローブ賞、
ロンドン映画批評家協会賞、全米プロデューサー協会賞、英国アカデミー賞、
サテライト賞と、主だった前哨戦をほぼ総なめにしています。
面白くないほどの圧勝になりそうですが、アカデミー会員は天邪鬼が多く、
圧倒的前評判で絶対的大本命だった『アバター』を蹴ったこともあったので、
前評判が良すぎるというのも不利に働くかもしれませんね。
唯一の対抗馬はLA映画批評家協会賞や全米映画批評家協会賞、
全米脚本家組合省やゴールデングローブ賞を受賞した『ムーンライト』か。
黒人映画でゲイ映画という、知識人気取りが好きそうな内容だし、
万が一はあり得るけど、やはり万が九千九百九十九は『ラ・ラ・ランド』かな。
オスカー受賞作品なのでオスカー受賞前に観に行きましょう。

ということで、今日は『ラ・ラ・ランド』の主演俳優の主演作の感想です。

ナイスガイズ!
The Nice Guys

2017年2月18日日本公開。

本作はタイトルやビジュアルからはB級R指定コメディ臭が立ち込めているけど、
W主演はラッセル・クロウとライアン・ゴズリングという固めなキャスティング。
一体どんな内容なのかと観てみれば、たしかにR指定コメディに違いないが、
ハードなアクション、社会派なネタ、予想を裏切るウェルメイドな脚本、
ハイセンスな選曲の、超A級アクション・コメディ映画で、かなり楽しめました。
もちろんコメディとして笑いも盛り沢山です。
アメリカ公開時も観客からの評価は高かったみたいですが、
宣伝が下手なのか全米ボックスオフィス初登場4位という微妙な成績で、
もともとテレビドラマを想定して企画された物語だけに、
シリーズ化も出来そうな幕引きでしたが続編は難しいかもしれません。
以下、ネタバレ注意です。

1977年LA、人気ポルノ女優ミスティが交通事故死、半裸で発見されます。
ところが彼女の伯母の老女グレン夫人が、遺品整理に行った際に、
姪が家から車で逃げ去るのを目撃したと証言します。
死んだはずの姪を死後に見たなんて、なんだか不気味な話でワクワクします。
ところが老人ホーム暮らしのボケ老人の戯言と誰からも相手されず、
夫人はホームに出入りする私立探偵マーチを雇って姪を捜索させるのです。
マーチはミスティの部屋から逃げた女性の車のナンバーを割り出し、
夫人が目撃したのは姪ミスティではなく、アメリアという女性ではないかと考え、
彼女の周りを嗅ぎまわるのですが、アメリアの雇った用心棒ヒーリーに殴られ、
「アメリアを嗅ぎまわるな」と脅されたため、手を引きます。
脅されて引き下がるなんて情けない探偵ですが、マーチの主な仕事は
浮気調査やボケ老人相手の小遣い稼ぎが中心の三流探偵で、
彼の13歳の娘ホリーの方がよっぽどしっかりしていると思えるほどです。
いや、ホリーが歳のわりにしっかりしすぎている気もしますね。

アメリアの用心棒ヒーリーですが、彼は用心棒というかモグリの探偵で、
依頼を受けて他人をぶん殴るのが主な仕事で、言わばケンカ代行業かな。
ただ彼は他人の役に立ちたいという思いからその仕事をしているので、
殴る相手は中学生と淫行するロリコンやストーカーなどロクでなしが中心。
アウトローには違いないが、義賊的でかっこいいですね。
マーチのアメリアのストーカー扱いされて殴られたのでしょう。
ヒーリーが一仕事終えて(マーチをぶん殴って)自宅に帰ると、
アメリアを捜しているという謎の二人組の男に待ち伏せされ襲われます。
反撃して追い返しますが、依頼人アメリアの身が危険だと考えた彼は、
なんと殴った私立探偵マーチを雇ってアメリアを探させるのです。
「嗅ぎまわるな」と殴られた矢先に「探せ」と依頼され、マーチも驚きますが、
アメリアを見つければグレン夫人とヒーリーから二重に報酬が貰えるので、
おいしい仕事だと考えて依頼を受けます。
でもアメリア捜索にはヒーリーも同行するんですよね。
殴られて腕まで折られた奴と一緒の依頼なんて普通は断るけどな。

マーチはアメリア主催の抗議団体のところに行きます。
自動車の排ガスによる大気汚染に対し、行政やメーカーに抗議する団体です。
70年代のLAは自動車の排ガスによる光化学スモッグが深刻だったらしいけど、
これは時代背景を強調するためのちょっとしたキャラ付けかなと思ったら、
後々の展開に繋がる重要な伏線だったんですよね。
マーチが市庁舎前で座り込み(死んだふり)している抗議団体に話を聞くと、
そのひとりチェットから「アメリアは死んだ」と教えてもらうのです。
なんでも恋人のポルノ監督ディーンの家が放火され、2人とも焼死したと…。
チェットはディーンの映写技師だったみたいです。
ディーンはミスティの遺作『私に乗りたい?』を完成させたばかりだったそうで、
アメリアもそのポルノ作品に関わっていたわけで、グレン夫人の言う通り、
ミスティとアメリアが同一人物ではないかと思えたり、謎が謎を呼びますね。

マーチとヒーリーはアメリアは生きていると考え、
ミスティの遺作の製作者であるポルノ王シド主催のパーティに潜入し、
会場でアメリアかシドを見つけるため二手に分かれます。
いや実際は二手ではなく三手で、なんとマーチの娘ホリーが勝手についてきて、
勝手にアメリア探しを手伝ってくれるのです。
でもポルノ王のパーティなので、13歳少女には教育上よくない場所で…。
ところがいくら聞き込みしても何の手掛かりも得られないパパたちと違い、
ホリーは妹を偽る作戦で、すぐにアメリアを知る女性を見つけます。
しかしその女は例の謎の二人組の仲間で、ホリーは捕まってしまい…。
一方、捜索そっちのけで泥酔したマーチは、バルコニーから庭の林に落ち、
たまたまそこで顔面を潰された遺体を見つけるのです。
遺体の持つIDからシドだとわかりますが、なぜ顔を潰してあるのか不思議。
遺体の身元隠したいならIDも持ち去らないと意味ないのにな、と思ったら、
実はその遺体役が、なんとロバート・ダウニーJr.だったらしいのです。
『アイアンマン3』の監督なので、その繋がりで友情出演したのでしょうが、
ノンクレジットだし遊びなので、あえて誰かわからないように顔潰したのかも。
ホリーが捕まったと知ったヒーリーは二人組を倒して彼女を救出。
二人組の兄貴分の方は見逃してやりますが弟分は殺します。
なぜ兄貴分だけ逃がすのか不思議だけど、家を襲撃された時に
弟分にペットの魚を殺されたからその仇討かな?
弟分は「ジョン・ボーイがお前たちを探している」と言い残し絶命。
ジョン・ボーイはアメリア殺しのために雇われた殺し屋っぽいです。
やはり生きていたアメリアも見掛けますが逃げられてしまいます。

マーチとヒーリーは司法省高官カットナー女史から呼び出されます。
なんと彼女はアメリアの母親で、娘の捜索と保護を依頼されます。
彼女はポルノ撲滅と排ガス問題に関わっているらしいのですが、
ポルノ関係者の娘アメリアは母親が黒幕だと思い込んでいるみたいです。
その後、ヒーリーがパーティで発見したアメリアの手書きのメモから、
彼女が仲間と空港ホテルの最上階にいることがわかり直行。
しかし一足早くジョン・ボーイが来ており、彼女の仲間を殺しまくり…。
マーチたちは怖くて立ち去ろうとしますが、なんとか自力で脱出したアメリアと
たまたま遭遇して保護し、マーチの自宅で匿います。
マーチがビビるのはわかるけど、ヒーリーまで逃げるのは意外でしたね。
そこがアクション映画のありがちな主人公と違って人間臭くていいけど。

アメリアは「ポルノではなく実験映画を撮った」と主張します。
排ガス問題を引き起こした自動車メーカーを抗議する内容ですが、
ミスティなどポルノ女優の濡れ場もあるポルノまがいの実験映画です。
単なる社会派映画では誰も観ないからポルノにして注目を惹く作戦ですね。
なるほど『私に乗りたい?』はダブルミーニングになってるのか。
彼女は司法省の母親が自動車メーカーと癒着していて、
映画完成を阻止するために自分たちを殺そうとしていると思い込んでいます。
さすがに母親が娘を殺そうとは思うはずないだろ、と思ったのですが、
マーチがアメリアの保護を母親の秘書タリーに報告すると、
マーチとヒーリーの留守中にジョン・ボーイが家にやって来て…。
医者を騙って家に来たジョン・ボーイでしたが、しっかり者ホリーに見抜かれ、
彼女が時間稼ぎをしている間にマーチたちも家に戻って来て、激しい銃撃戦に。
なんとかジョン・ボーイを撤退させますが、銃撃戦中に逃げ出したアメリアは、
あろうことか撤退中のジョン・ボーンの車をヒッチハイクして撃ち殺されます。
いろいろ予想外の展開でしたが、まさかアメリアが死ぬことになるとは…。
アメリアを守る物語だと思っていたので、呆気ない殺され方に驚きました。
秘書の独断かなとも思ったけど、やはり母親の意志みたいで、
娘の命よりもデトロイトの利権が大切なんて、とんでもない母親ですね。

その後の調査で、グレン夫人の見た姪ミスティは
ホームシアターに映し出された『私に乗りたい?』の映像だと判明。
夫人の見たミスティはアメリアではなく、見間違えではなかったのですね。
ディーンの家が放火された際にフィルムも焼失したと思われていましたが、
複製をミスティが持っていて、死後それをアメリアが持ち出し、
抗議活動仲間の映写技師チェットに渡したみたいです。
チェットはその映像をモーターショーでゲリラ上映するつもりで…。
それに気付いたマーチたちは唯一の証拠品であるフィルムを押さえるため、
モーターショーに乗り込みます。
しかしモーターショーにはジョン・ボーイと二人組の兄貴分、
そして秘書タリーが先回りしていて、彼女にフィルムを奪われてしまいます。
しかしやはり勝手についてきたしっかり者の娘ホリーが大健闘で、
タリーのK.O.してフィルムを奪取し、父マーチに託します。
その後激しい争奪戦の末、ジョン・ボーイと兄貴分も倒してフィルムを守り抜き、

フィルムを証拠に司法相と自動車メーカーの共謀を暴いたわけですが、
裁判では証拠不十分という不当な判決で無罪になってしまいます。
やはり司法省を敵に回して裁判で勝てるはずないんですね。
たぶんアメリアの母親の娘殺し容疑は無罪では済まなかったと思うけど、
これで自動車による排ガス問題は解決しなくなってしまいました。
でもマーチは「いずれ日本製の電気自動車が流行するさ」と楽観的です。
それから40年経った今でも、まだ日本製の電気自動車は普及してないけど、
日本製のハイブリッド車がアトランプ大統領が怒るほどメリカを席巻しており、
マーチの先見の明はなかなか鋭いですね。
まぁ実際はハイブリッド車の上陸を待たずして、エンジンの性能向上や、
処理装置の標準化で、LAの排ガス問題は改善されたみたいです。

今回の一件を機にマーチとヒーリーは「ナイスガイズ探偵社」を作り、
一緒に私立探偵をすることになるのですが、本作を気に入ったので
彼らのその後の活躍も観たかったけど、興収が振るわなかったから難しいか。
こんな最高のバディにはなかなか出会えないのに残念です。

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