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最後の追跡

今日の気になる映画ニュース。

『エイリアン2』の監督でもある巨匠ジェームズ・キャメロン監督が、
シリーズの生みの親リドリー・スコット監督の新シリーズに苦言を呈したそうな。
「あのシリーズは散漫になりすぎ」「今更新作を作る意義があるのか甚だ疑問」
などと辛口コメントをよせているそうです。
スコット監督のシリーズ最新作『エイリアン:コヴェナント』は5月に全米公開で、
まだ公開前からそんな批判しないでもいいじゃないかと思ってしまいますが、
たしかに同作はシリーズ一作目と前日譚『プロメテウス』を繋ぐ三部作の一作目で、
公開前から三部作構想とは大風呂敷を広げすぎな気もします。
(『プロメテウス』を含めて前日譚三部作というのなら納得ですが…。)
ただキャメロン監督の『アバター』の続編なんて四部作構想ですからね。
(もちろん四部作にシリーズ一作目『アバター』は含みません。)
『アバター』は大ヒットしたけど、製作の遅延でもう7年以上のブランクがあるし、
5年前の『プロメテウス』の続編『エイリアン:コヴェナント』よりも今更です。

以前キャメロン監督は『ピラニア』のリメイク『ピラニア3D』も批判しました。
彼はシリーズ二作目『殺人魚フライングキラー(ピラニア2)』の監督でしたが、
若手時代の監督作で納得できる出来ではなく、黒歴史化していたため、
『ピラニア3D』の登場で再び『殺人魚フライングキラー』が注目されるのが
我慢できなくて、つい批判してしまったのだろうと思われます。
今回の『エイリアン』新シリーズ批判も、実は根は一緒なのかもしれません。
キャメロン監督は自分が撮った『エイリアン2』に満足してなかったから、
『エイリアン』シリーズ自体続けないでほしいと思ったのかもしれません。
キャメロンVSスコットが勃発したら面白くなりそうだ。

今日も映画の感想です。

最後の追跡
Hell or High Water

2016年11月18日日本配信。

第89回アカデミー賞の作品賞にノミネートされた本作。
映画ファンとして主要部門ノミネート作くらいは観ておくべきだと考え、
ノミネート作が劇場公開されたら、なるべく観に行くようにしてますが、
本作は劇場公開されず、ビデオスルーすらもされないということで…。
というのも、動画配信サービスNetflixでの独占配信になっているからです。
Netflixは映画『アベンジャーズ』関連ドラマ『ディフェンダーズ』シリーズなど、
なかなか魅力的なオリジナル作品を多数配信しているので、
加入するのはやぶさかではない、いや、出来るものなら加入したいのですが、
如何せんウチのネット環境が動画に耐え得るものではなく物理的に無理。
(アパートの構造の問題らしいので私にはどうしようもなく…。)
でも作品賞ノミネート作なので諦めきれず、どうしようか思案して、
Netflixに加入している知人に頼み、見せてもらうことが出来ました。
私も物理的に可能であれば本作を観るためにNetflixに申し込んだだろうし、
オスカー関連作の独占は映画ファンの加入を促す訴求力がありますが、
なるべくなら独占は控えてほしいと思います。
HuluやAmazonも真似して、オスカー関連作独占の争奪戦になったりしたら、
オスカー関連作が日本で劇場公開されなくなってしまいそうで怖いです。
アカデミー賞には「ロスで一週間劇場公開」という選考基準があるので、
アメリカでは(小規模化もしれないけど)劇場公開されますが…。

で、今回は知人に何とか観させていただいたのですが、
いざ観てみると、なぜこれが候補入りするんだろうと思うような作品で…。
確かに「貧困の世襲」とか「プアホワイト」とか、
トランプ大統領誕生の要因でもあるアメリカの社会問題が盛り込まれ、
賢しら人が多そうなアカデミー会員好みかもしれませんが、
社会問題に対する作者の訴えが明確に描かれていないため、
それらの設定は単なる味付けで、基本的には単なるクライム映画です。
まぁ近年、オスカー候補の中に西部劇枠が(暗黙で)作られているので、
西部劇風現代劇の本作がその枠に収まったのかもしれません。
クライム映画として普通に楽しめる出来ではあるけど、それ以上ではない。
いずれにせよ本作がオスカーを受賞することはあり得ないと断言します。
もし万が一受賞したら、日本でオスカー作品が劇場公開されないことになるが、
そんなことになったら世も末ですからね。
以下、ネタバレ注意です。

主人公トビーの母親が亡くなり、彼らの土地が銀行に取られそうになります。
どうやら母親はリバースモーゲッジなる契約を銀行としているみたいで、
私は金融に疎くてリバースモーゲッジをイマイチ理解してはいないのですが、
なんでも土地を担保に銀行からした借金を毎月の年金という形で受け取る、
という日本ではあまり普及してないローン制度らしいです。
もちろん詐欺ではないし、その年金で生活できる借主もいるのでしょうが、
貸し倒れを予定し担保の土地で回収することが前提の貸し付けで、
土地持ちだが貧しい老人を狙った卑劣なローンという印象です。
トビーの母親は年金の分と固定資産税の肩代わり分を合わせて約4万ドルを
ミッドランド銀行に借金している状態で亡くなり、もし相続人の息子トビーが
期限内に全額返済しなければ、土地を担保として取られてしまいます。
親の借金を息子が返すのは当然で、それが無理なら担保を没収されて当然。
しかし最近この土地に石油が埋蔵されていることがわかったので、
実際は4万ドルどころではない価値があるはずです。
ミッドランド銀行がリバースモーゲッジ契約時に石油に気付いていたとしたら、
かなりあくどい悪徳銀行ですが、それは考え過ぎか?

貧困を世襲しないで済むように、自分の息子たちに土地を残したいトビーは、
銀行強盗で服役し出所したばかりの兄タナーに協力してもらい、
ミッドランド銀行の支店をいくつか襲う計画を立てます。
悪徳銀行から盗んだ金で悪徳銀行の借金を完済しようという計画です。
犯罪なのは間違いないが、ちょっと義賊的ですね。
襲うのは利用者が少ない小さな支店で、しかも更に利用者が少ない早朝を狙い、
奪うのも足が付かないように札束は避け、20ドル以下の紙幣に限ります。
さすがは経験者の兄タナーだけあって綿密な計画だなと感心しましたが、
実はこの計画は堅気だった弟トビーが考えたんですよね。
タナーは粗野な馬鹿で、トビーは冷静で賢い、真逆の兄弟みたいです。

ミッドランド銀行支店を二軒立て続けに襲い、難なく成功します。
いくら綿密な計画とはいえ、そんなコンビニ強盗より簡単そうに
銀行強盗を成功させるなんて、ちょっとあり得ない気がしましたが…。
まぁ奪う額も1万ドルに満たないので銀行強盗とは思えぬ微々たる儲けです。
三軒目は兄タナーが急きょ勝手にひとりで襲うのですが、
コイツは本当に馬鹿なので、ミッドランド銀行以外から奪うんですよね。
他行から奪った金で返済すると義賊にはならないのに残念です。
なんとか成功したものの、無計画だったのでちょっと危なく、
更に強盗の度に逃走用の盗難車を埋めて処分する必要があるので、
無駄な時間と手間と経費が掛かります。
信頼できる協力者が必要とはいえ、いくら兄でもこんな馬鹿では困るね。
タナーは分け前も要求しない弟想いの兄なので、トビーも注意し難いだろうな。
トビーとタナーは銀行強盗で得た金を持ってラスベガスのカジノに行きます。
現在約2万ドルなので、それを元手にギャンブルで倍に増やして4万ドル返済か。
と思いきや、現金をチップに交換し、そのチップをそのまま換金するのです。
なるほど、カジノは資金洗浄するのが目的だったのですね。
これもトビーの計画ですが、コイツ本当に堅気だったのか…。

4万ドルにはまだ足りないので、あと一軒襲う予定なのですが、
最後の小さな支店のはずが、タナーが「もっと大きい支店がいい」と…。
三軒連続強盗成功で気が大きくなってしまったんですかね。
トビーも仕方なく兄に従いますが、やはり小さな支店とは勝手が違い、
行員も客もけっこう多くて、警備員までいます。
てか、他の支店は支店長と受付ひとりとかで、警備甘すぎるだろ。
なんとか金は奪えますが、タナーが警備員をひとり撃ち殺してしまいます。
殺人までするつもりはなかったトビーはショックを受けますが、
住民の自警団が逃走車を追って、とにかく逃げることで精一杯です。
弟想いのタナーはこっそり金とトビーを降車させ、囮になって逃走車を走らせ、
警察や自警団を誘導して、ある丘に登って立て籠もります。
丘の上からライフルを発砲するタナーに警察も自警団も近づけません。
タナーはアホのくせにライフルの腕はプロの狙撃手並みで、
コマンチ族のテキサスレンジャーをひとり射殺します。
撃たれたレンジャーの相棒のベテラン・レンジャーのマーカスは怒り、
丘の裏側に回り、後ろからライフルでタナーを射殺するのです。
彼もまたプロの狙撃手並みの腕ですね…。

兄が命を犠牲に囮になってくれた隙に、トビーはカジノで資金洗浄。
その金でミッドランド銀行に返済します。
銀行も石油が埋蔵されている土地を奪えなかったのは悔やまれるだろうし、
支店が何件も襲われた後だし、その金の出所を疑いそうなものですが、
なんとトビーは取り戻した土地をミッドランド銀行に信託することで、
銀行の自分への疑いを逸らすのです。
金融に疎いので、信託についてもイマイチわかりませんでしたが、
手数料払って土地を銀行に管理してもらうということみたいですね。
銀行も手数料がずっと入るので、Win-Winの関係になるってことかな?
しかし、タナーを射殺したベテラン・レンジャーのマーカスは、
アホのタナーにこの計画は立てられないと考え、弟トビーの関与を確信します。
しかし、なんの証拠もなく、共犯を立証できずに退散。
双方「次、会う時に殺す」的なことを言い合って、本作は終了です。

石油が出る土地を手に入れたトビーだけど、すぐに幼い息子たちに譲渡し、
あんなに頑張ったのに自分自身は特に何も得してないんですよね。
息子たちは別れた元妻を住んでいるのですが、一番得したのは
何も手を汚さずに息子たちの油田からの収益を得られる元妻になるのかな。
主人公が私腹を肥やしてないことで、銀行強盗の義賊感は強まるけど、
元妻が一番得するって結末はなんかシコリが残る気がします。
とはいえ、ヨリを戻す展開も違うし、これがベターな落としどころか。

あえてNetflixに加入してまで観るほどのものでもありませんでしたが、
既に加入しているなら、せっかくの独占だから観てみてもいいかもしれません。
オスカーには絡みそうにないけど、ちょっとした話のネタにはなるかも。

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