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カムイ外伝

洋画は最近観た作品の8割以上が面白いと思ったけど、
邦画は6割くらいイマイチな作品だと感じています。
なのでちょっと邦画を観に行くのが怖くなってきました。
でも洋画って面白いけど、その面白さが安定してるので、ある意味面白くない。
逆に邦画は当たりハズレの差が激しいので、その博打的な感覚が面白くて、
洋画以上に楽しみに観に行っちゃいます。
でもやっぱりハズレを引くとムカツクんですけどね。

カムイ外伝
カムイ外伝

2009年9月19日公開。
白土三平の原作漫画を『血と骨』の崔洋一監督が実写化したアクション娯楽大作。

鉄の意志を持ち、見事な剣の腕前を持つ忍者カムイ(松山ケンイチ)は、おきてにがんじがらめにされた忍びの世界に閉口してそこから抜け出す。かつての仲間、大頭(イーキン・チェン)やミクモ(芦名星)はそんな彼を裏切り者とみなし、執拗(しつよう)にその後を追う。ある日、漁師の半兵衛(小林薫)を助けたことでカムイはその家族に歓迎されるが…。(シネマトゥデイより)


少しでも流行った漫画やアニメ作品はすぐにドラマ化、映画化されるご時世です。
でも粗方の良作は手を付けられてしまって、この商売はもう限界な気がしますが、
そんな中で次に目を付けられたのが往年の人気漫画たちです。
今年も『MW』『釣りキチ三平』『ヤッターマン』など、
「何で今更?」って感じの往年の作品が実写映画化されました。
たぶん本作もそんな作品のひとつでしょう。

白土三平の原作漫画『カムイ外伝』も『カムイ伝』も読んだことないので、
原作がどんな物語か知りませんが、以前聞いた話では、
部落差別とか唯物史観とか、ややこしいテーマを描いた社会派な漫画だとか。
唯物史観については意味がわからないのでコメントはできませんが、
メディアが避けて通りたがる同和問題を描くなんて、大らかな昔ならいざ知らず、
今そんなことできるのかと興味が湧き、しかも喜劇作家のクドカンが脚本ってことで、
一体どんな映画になるんだと楽しみに観に行きました。

でも実際は『MW』で同性愛設定が描かれなかったように、
本作も部落問題なんかに触れずに、無難な忍者活劇映画になると予想してたました。
ところが冒頭から「非人」なんて放送禁止の差別用語が出てきたりして、
意外と踏み込んだ内容になっているような気がします。
まぁ原作ファンにしてみたら全然まだまだ甘いんでしょうけどね。
しかしそんな軽いジャブにも、事なかれ主義のテレビ局は尻込みしちゃって、
メジャー邦画では珍しくテレビ局が製作に関わらない作品になりました。
昨年似たような理由でテレビ局が関わらなかった映画『デトロイト・メタル・シティ』も
主演は本作同様、松山ケンイチでしたね。
というか彼の主演作ってテレビ局が関わってないことが多いような…。

今やテレビ局のバックアップがないと邦画の興行的な成功は難しいのにね。
そういう意味ではテレビ局に頼らない映画作りは映画人としての男気を感じるし、
頑張ってほしいけど、肝心の出来はどうなんだろ?
まずプロデュース段階でのスタッフの選び方が間違ってるような…。
なんで監督が崔洋一なんだろ?
彼の監督作を全て観たわけじゃないけど、ミステリーが得意な人ですよね?
あとは偉そうな辛口コメンテーターのイメージしかないけど、
ワイヤーとかCGとか多用するようなアクション映画が撮れるとは思えず…。

残念ながらその懸念は的中して、ワイヤーアクションやCGの出来は最悪です。
鹿や鮫、馬など動物はCG丸出しだし、船上や海中のCGも悲惨な感じ…。
なのに島での話がメインだから、その海でのシーンが多いのが何とも…。
特にガッカリしたのは、冒頭の森での忍者バトル。
木から木へピュンピュン跳び回りながら戦う忍者らしいアクションシーンですが、
ワイヤーの使い方が悪いのか跳び回るというよりも浮いてます。
しかもこのシーンは主人公カムイの代表的な必殺技のひとつ「飯綱落し」を
再現したいだけなので、物語としてはあんまり必要ないかも…。
それ以降カムイは飯綱落しどころか、派手な空中殺法も使わないし…。
でもCGやワイヤーを使わないアクションシーンはかなりバイオレンスで、
エグくて痛そうで、なかなか良かったです。
四肢が切り落とされたり、大量の血が噴出したり、
飯綱落しで首が折れて脊椎突き出したり、ソリッドスリラー並みのエグい演出。
これほどとは予想してなかったんでちょっと度肝を抜かれました。

脚本をクドカンにしたのも完全に人選ミスじゃないかな?
宮藤官九郎は好きな脚本家ですが、本作にはクドカンらしさが全くない。
クドカンは独特のノリで、稀についてけないくらい独創的な脚本書く人だけど、
本作の凡庸さは半端なく、誰でもよさそうな当たり障りのない脚本…。
コメディじゃないとここまで平凡な人だったなんてちょっとショックかも。
阿部サダヲとか荒川良々とか、クドカンファミリーが皆無なのも原因かも?
あ、でも土屋アンナ演じるお姫様(?)のキャラだけはクドカンぽかったかも。

キャストはクドカンファミリーじゃなかったのは残念だけど、かなり豪華です。
主演カムイ役の松山ケンイチはキャラクター俳優の異名を取るほど
漫画キャラの演技には定評がありますが、本作でもいいカムイっぷり。
動きも忍者っぽくて、アクションも頑張ってたと思います。
ヒロインの元女忍者スガル役は『ラスト・ブラッド』に続いて、
なぜか血みどろアクション女優の道を進み始めた小雪。
『ラスト・サムライ』でハリウッド・デビューしたり、綺麗なお姉さん路線で
順風満帆かと思いきや『ゲゲゲの鬼太郎』出演したり、よくわかんない人ですが、
少なくともアクション映画は向いてないと思うなぁ…。
悪者殿様・軍兵衛役の佐藤浩市は、はじめ誰かわかりませんでした。
なんか作中の扱いも微妙な感じだし、スッキリしない感じ。
伊藤英明演じる渡り衆・不動も、小林薫演じる漁師・半兵衛も演技はいいけど、
なんか行動に不可解な点があるし、やっぱりプロットが悪いのかも。
プロットといえば、長い作品を映画化するのに仕方ないのかもしれないけど、
ナレーションで設定の説明しまくるのは映画としてはダメな演出です。

崔監督は続編も考えてるらしいし、ボクも作ればいいと思うけど、
あんまり世間の評判が芳しくないようでちょっと無理そうかな…。

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