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オープン・シーズン4/ラチェット&クランク/父を探して

第44回アニー賞で1000館以下の小規模作品から選ばれる
長編インディペンデント作品賞を『レッド・タートル』が受賞したそうです。
フランス映画ですがジブリ共同製作なので吉報として報じられていますが、
対抗馬には新海誠の『君の名は。』や原恵一の『百日紅 Miss HOKUSAI』もあり、
列記とした日本アニメ映画もあったなかでの受賞なので全然吉報じゃないです。
そもそも長編インディペンデント作品賞自体が昨年から新設された部門ですが、
やはり『ズートピア』や『ファインディング・ニモ』、『カンフーパンダ3』などの
ハリウッド・メジャー作品と争わないと何も意味がないと思うんですよね。
候補5本中2本が日本映画、1本が日仏合作なんて、どこの国の賞だと。
でも『君の名は。』もあんな駄作に負けて、こんなショボい賞を逃すようでは、
アカデミー長編アニメ賞ノミネートを逃すのも当然だな。

ということで、今日は昨年度のアニー賞長編インディペンデント作品賞を含む
3本の外国アニメ映画の感想です。(すべてDVDで鑑賞しました。)

オープン・シーズン4/ラチェット&クランク/父を探して
Open Season Scared Silly Ratchet and Clank Boy and the World


オープン・シーズン4 おおかみ男とひみつの森
2016年10月4日レンタル開始。

『モンスター・ホテル』などでお馴染みSPAの代表的CGIアニメ
『オープン・シーズン』シリーズの第4弾となる本作ですが、
日本では第2弾からすでにビデオスルーだったので本作も例に漏れませんが、
製作国アメリカでも劇場公開が見送られ、ビデオでのリリースになりました。
正直このシリーズはあまり面白くないので当然の扱いとも言えます。
むしろ曲がりなりにも足掛け10年、4作目まで製作されたのが奇跡です。

一作目から面白くないのに、二作目、三作目と更に右肩下がりでしたが、
四作目の本作は原点回帰的内容で、少し面白くなったように思えます。
いや、その原点も面白くないので、回帰しても面白い作品とは言い難いけど。
どのように回帰したかと言えば、二作目、三作目には登場しなかった
一作目の悪者であるハンターのショーが再登場したことです。
熊のブーグらが住むティンバーラインの森は、現在狩猟禁止ですが、
ショーは森に狼男が現れたという噂を流し、狼男討伐の建前で狩猟を解禁させ、
ブーグたち森の仲間を狩りにやってくる、というストーリーですが、
そもそもタイトルの「オープン・シーズン」の意味は「狩猟解禁期間」。
でも二作目、三作目は全く狩猟と関係ないストーリーだったので、
タイトル的にも回帰したとも言えます。
そこに狼男という『モンスター・ホテル』的ゴシックホラー要素を加え、
面白くないながらもシリーズらしい、SPAらしい作品に仕上がっています。
たださすがにこれ以上の続編は見込めないでしょうね。

動物たちやハンターのショーが狼男を探したり恐れたりする物語なのですが、
狼男の正体は、鹿のイアンが見間違えられただけで、
それは序盤に明示されるため、存在しない狼男をめぐる内容には、
正直どうでもいいと思えてしまいます。
終盤まで狼男の存在を仄めかすような展開の方が楽しめたはずです。
まぁオチで狼男が実在していることが明らかになるのですが、
それはそれで、そんなファンタジーな展開どうなの?って思うし、
見た目も狼男というか化け狼って感じでしたしね。
あと、このシリーズはウザい性格のキャラクターが多すぎ、イライラします。
このシリーズが人気がないのはそのせいもあると思うな。

ラチェット&クランク THE MOVIE
2017年1月6日レンタル開始。

テレビゲーム『ラチェット&クランク』をCGIアニメ映画化した本作。
原作はそこそこ有名な洋ゲーなので未プレイの私も聞いたことはあります。
でも日本では本作が劇場公開されなかったことを考えると、
原作ゲームも日本人気は低いのかもしれませんね。
アメリカのゲームなのでキャラデザとかバタ臭いし、不人気も仕方ないか。
日本では年始にビデオリリースされましたが、なんでも昨年夏に発売の
原作ゲームのシリーズ最新作『ラチェット&クランク THE GAME』に、
本作のブルーレイが同梱されていたらしいです。
ゲームのオマケにハリウッド長編アニメ映画を付けるなんて太っ腹。
いや、それほど本作に価値がないと判断されただけかな?
日本ではゲームのオマケ扱いの不人気作品ですが、
全米ボックスオフィスでも初登場7位というイマイチな成績で、
原作ゲームは自国アメリカでも大して人気ないのかな?
まぁ単に本作の出来が悪いからかもしれませんが…。

悪い宇宙人ドレッグは、ズガガ銀河の惑星を次々と破壊。
更に彼は悪の科学者ネファリウスに協力を仰ぎ、
戦闘ロボット軍団を製造してもらうが、一台だけ欠陥品が出来てしまい、
欠陥ロボのクランクは工場を脱出して宇宙に逃げるも、ある惑星に墜落。
そこでヒーローに憧れる修理工ラチェットと出会い、
ドレッグの悪だくみを阻止するため一緒に戦う、という話ですが、
軽く調べてみた感じでは、原作ゲーム1作目に忠実な印象を受けました。
ゲーム最新作も1作目のリメイクらしいので、それを踏襲してるのかな?
主人公のラチェットはロンバックス族の最後の生き残りという設定ですが、
なぜ彼を残して種族が滅びたのかとか細かい設定には言及されなかったりと、
世界観についてはちょっと説明不足かなと思いましたが、
ゲーム原作映画にしては一見さんでも比較的わかりやすい内容です。
クランクは欠陥品のわりに完全品よりも高性能な気がしますが、
そもそもなぜ彼は他のロボと違ってドレッグに従わないのか。

ちょっと面白いなと思ったのは、ドレッグが惑星を破壊する理由です。
彼はなぜか気に入った惑星をバラバラに破壊するのですが、
気に入った惑星の破片を集めて組み合わせて、自分好みの惑星を作るのです。
惑星を破壊できるほどの力があれば銀河征服とか大きな野望を持てるのに、
そんなくだらないことを目的にしているところが滑稽ですね。
住民を批難させて無人にしてから破壊するのも悪者らしからぬ親切です。
まぁ故郷を破壊される住民にしてみればいい迷惑ですが。
ドレッグの計画は、どうせラチェットとクランクに阻止されるだろうと思いきや、
なんと5つの惑星を破壊し組み合わせ、悲願成就させちゃうんですよね。
ところがドレッグは協力者だったはずの科学者ネファリウスに裏切られて、
惑星破壊兵器を奪われて死んでしまうんですよね。
ラスボスだと思っていた彼がまさか仲間に殺されるとは意外な展開です。
本当のラスボスであるネファリウスもなかなかのサイコ野郎ですが、
どちらが魅力的な敵だったかと言えば、やっぱりドレッグだったかな。
最後はネファリウスも倒されますが、エンドロール前のオマケシーンで
ロボット化して復活し、ラチェットたちに復讐を誓うのですが、
全米最高7位では続編は見込めず、復讐は為されることはなさそうです。
まぁ原作ゲームの方ではあるかもしれませんが…。

父を探して
2017年1月11日レンタル開始。

昨年のアカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされたブラジルのアニメ映画。
この年度はアニメ映画が不作で、『思い出のマーニー』でも候補入りするほど
微妙なラインナップで、結果オスカーは順当に『インサイド・ヘッド』でした。
まあ毎年長編アニメ部門にはアート系作品枠みたいなのがあって、
本年度は『レッド・タートル』がそれに当たるでしょうが、昨年は本作でした。
絵はカラフルでシンプルで牧歌的なのですが、演出が前衛的で幾何学的で、
かなりアーティスティックなアニメ映画だと思います。
でもこういう実験的な作品は短編アニメで観る分にはいいのだけど、
長編だとちょっと辛いものがありますね…。
上映時間80分の作品でしたが、10分ごとに眠気に襲われ中断したので、
見終わるのに2日間もかかってしまいました…。(DVDでよかった。)

お洒落感溢れる作品なので映画通ウケするのもわかりますが、
私はファッションで見ているわけじゃないので、アート系より娯楽系が好き。
なので本作は嫌いなタイプのアニメ映画です。
英題は「Boy and the World(少年と世界)」で、かなり哲学的だし、
台詞もなく、絵柄も抽象的な印象ですが、物語はそれほど難解ではないです。
邦題の通り、「父を探して」少年が旅をするだけの物語です。
展開的にちょっと哲学的なところもあり、テーマ性も強いように思いますが、
結局作者が何を言いたいのかわからなかったし、伝わらないテーマなんて無駄。
(たぶん物質主義社会への批判だと思うけど…?)
以下、ネタバレ注意です。

ある日、農業をしていた父が突然出て行ってしまいます。
おそらく街に出稼ぎに行ったのでしょうが、幼い少年にはそれがわからず、
母に内緒でひとりで父を探しに家を出てしまいます。
途中で綿花畑労働者の爺さんや繊維工場従業員の青年に助けられながら、
街まで行くのですが、結局父には会えずに家に戻ることになります。
そして成長し、父と同じように出稼ぎに行くことになるのですが、
勤め先の繊維工場から機械化で解雇され、晩年は綿花畑で扱き使われ、
体力の衰えから解雇されて故郷に戻る、というような内容で、
つまり父を探す少年を助けた老人や青年は、少年の未来の姿なのでしょう。
クライマックスで鳳凰と大鴉のバトルとかあるけど、そこは意味不明でした。
…いや、全体的に意味不明で無駄なシーンが多かったかも。
本筋だけなら15分くらいの短編で纏められた気がします。
短編だったら私ももっと高く評価できたかもしれません。

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