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正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官

シルバーウィーク2日目が終わりましたね。
ボクは明日から普通に出勤なんで、いつもの週末と変わりません。
いつもどおり映画館行ったり、フラフラしたり、ダラダラしたり。
でもちょっといつもより遠出して"水都大阪2009"のイベント会場に行きました。
どうやらライトアップがメインのイベントだったみたいで、
昼間行っても子供の遊び場ばかりで見るべき物は少なかったですが、
目玉展示物のひとつ巨大ラバー・ダック(a.k.a.巨大アヒルちゃん)は
思った以上に巨大でかわいくて癒されました。
かわいい顔に似合わず、この巨大アヒルちゃんのコンセプトは
"政治的意味合いで分割される国境など、この世に存在しない"というもの。
でもこの世には政治的意味合いで分割される国境も国籍もあるんですよね。
今日はそんな映画の感想です。

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官

2009年9月19日日本公開。
ハリソン・フォード出演。現代アメリカの移民問題を描いた社会派ヒューマンドラマ。

多様な人種、さまざまな事情を抱えた移民が集まってくるロサンゼルス。移民局I.C.E.のベテラン捜査官マックス(ハリソン・フォード)は不法就労者の取り締まりが任務だが、彼らの立場に同情的なため、つい彼らの事情を気遣ってしまう。そんなある日、同僚の妹が殺され遺品の中から偽造グリーンカードを見つけた彼は、独自の捜査に乗り出す。(シネマトゥデイより)

ボクはほぼ娯楽映画専門ですが、久しぶりに社会派映画を観に行きました。
もちろん、ハリソン・フォードが主演に釣られて。
なんでも、"大作の主演以外は嫌っ!"みたいなスタンスだったはずの彼なのに、
脚本に惚れ込んで、初めてメジャー以外の作品に出演することになったのが本作。
これはよっぽどの作品なんだろうな、と。
なので本作のテーマである移民問題とか不法就労には特に興味はありませんでした。
でも観終わって、ちょっと関心が湧いてきたかな?

基本的にあたりまえですが密入国者や不法就労者は大嫌い。
知り合いにも何人かいるし、そんな悪い人じゃないし、不法かどうかも知らないけど、
外国人の出稼ぎ労働者(非熟練労働者)も好きじゃありません。
今年もフィリピン人一家の強制退去報道で、そこのお嬢さんが在留特別許可を求めて、
涙ながらに記者会見してたけど、強制退去は妥当だし、自業自得だなと思ってました。
そのお嬢さんは日本で生まれ育ったらしいのでちょっと気の毒だったけど、
その両親に対しては娘を盾に在留しようとする最低な輩で、同情の余地はありません。
本作のハリソン・フォード演じるマックスは、ボクと逆で不法滞在者に同情的。
でも移民局の捜査官で、そうゆう輩を日々排斥するのが仕事で、
職務と信念のギャップに苦悩する男です。

本作は国籍もバラバラな7人の移民の話が、時に交錯しながら同時進行する群像劇。
ハリソン・フォードは主演というよりも、バラバラな話を繋ぐ役割です。
全然絡んでない話もあるし、ハリソン・フォードを目的で観に行くと拍子抜けですが、
個々の話もちゃんと見所があり、いろいろ考えさせられるテーマなので面白いです。
なので7人の移民たちの個々の話の感想を短めに。

メキシコから国境を越えて来た不法就労者ミレヤ(アリシー・ブラガ)が
移民局に逮捕されて、幼い息子を残したまま強制退去となったため、
再密入国に向かうが行方不明になる話は、
彼女はメキシコからの移民で、単純な出稼ぎ労働者なので、
アメリカ的に一番ベタな移民で、アメリカの移民問題の象徴となる話です。
彼女を強制退去させたマックスが責任を感じて彼女を捜索するストーリーで、
ハリソン・フォード的には本作のメインとなる話ですね。
悪徳密入国ブローカーの恐ろしさが描かれてます。

マックスの相棒ハミード(クリフ・カーティス)はイランから帰化したアメリカ人だが
父親の市民権獲得ももうすぐ取得する予定のある日、
突如、ハミードの妹ザーラ(メロディ・カザエ)が殺害される話は、
特に移民問題とは関係なく、彼女を殺した犯人を捜すミステリーサスペンス。
でも移民問題と関係ないこの話が、移民問題がテーマのこの映画のメインぽいです。
それってどうなんだろう?って思うけど、あまり社会派に偏りすぎてもシンドイし、
娯楽要素の強いこの話のお陰で、かなり観やすい映画に仕上がってるのかも。

女優を目指しロスに来たオーストラリア人クレア(アリス・イヴ)は、
舞台の大役を得るためにグリーンカード(外国人永住権)が必要になるが、
偶然であった悪徳移民判定官にその弱みを掴まれ肉体関係を迫られる話は、
グリーンカードを取得するためには移民は何でもするってテーマだけど、
そのテーマがどうとかゆう前に、クレアの全裸シーンが満載で、
作品中のお色気シーン担当って感じですね。
社会派で重めな作品でちょっと疲れますが、目の保養になります。

南アフリカ出身、ユダヤ系移民ギャビン(ジム・スタージェス)は
ミュージシャン志望で、生活を安定させて音楽で成功するために、
ユダヤ教の宗教的指導者を装いグリーンカード取得を目指す話は、
単身で永住権を得ることのハードルの高さを描いたストーリー。
クレアにしてもそうだけど、貧困のためとか難民とかならまだ同情の余地はあるけど、
ショービジネスでの成功のためにインチキするような輩はどうしようもないです。
同じような立場のクレアとギャビンは真逆の結末を迎えますが、
いかにグリーンカード交付の判定が曖昧か、それもテーマかな?

ナイジェリア出身の孤児アリークは、母親は瀕死状態、父親には認知を拒否され、
養護施設に保護され、養子にしてくれるアメリカ人の養母の登場を待つ話は、
アメリカでも自国に退去させられてもにも生活できない子供の移民の現状がテーマ。
親の都合で不法移民になってしまうかわいそうな話です。

韓国人移民一家の高校生ヨン(ジャスティン・チョン)は市民権取得式典を目前に
悪い友達に唆され、リカーショップに強盗に入ってしまう話は、
移民の誰しもがアメリカ人に帰化するのを望んでいるわけではなく、
特に黄色人種は、たとえ帰化しても差別され続けることを示唆した話。
もっといえばアジア系移民は治安の悪化に繋がることを示唆しているような感じで
日本人のボクとしてもチクリとくるところがありますが、
まぁ日本の外国人犯罪グループもアジア人が多いし、否定は出来ません。

イスラム教徒のバングラディシュ人一家の長女タズマリ(サマー・ビシル)は
授業で9.11の実行犯を擁護する発言をしてしまい、
家宅捜索を受け、テロの危険分子として拘置されてしまう話は、
9.11以降のアメリカの、イスラム教徒、中東系への異常なまでの偏見を背景にした話。
まぁでも当然といえば当然で、ボクだって核開発や日本人拉致事件を肯定する
朝鮮系の人に会ったら警戒するし、非難します。
タズマリは強制退去させられ、家族はバラバラになりますが、
完全に彼女の認識不足が招いた自業自得な結果です。
とはいえ、彼女はこの件が元で将来的に過激派になりそうだし、
アメリカの過度な偏見は、わざわざ敵を増やしてるようなものです。

基本的にこの作品は移民に対する人権侵害を糾弾する目的だと思うけど、
まぁ法治国家ですからね、どんな事情でも不法行為はダメで、
それがもとで迫害を受けたとしても自業自得。
そんな人権侵害を減らしたいのなら、もっと移民法や在留資格制度を厳しくして、
不法就労者等を水際で抑えてしまえばいいです。
そうすればフィリピン人一家の両親も入国前に食い止められたわけで、
お嬢さんひとり日本に残して強制退去なんて悲劇も起きなかったはずです。
まぁそれはほぼ単一民族の日本の場合で、本作はアメリカの移民問題。
アメリカは移民の国だし、もっと複雑な問題ですけど、
日本みたいな比較的恵まれた国に住んでると、アメリカなんかに住みたくないし、
アメリカなんかに移民したいという人の気持ちもよくわからないかも…。
まぁそれも今のところの話で、日本も少子化や労働格差の問題で
外国人労働者が増えることになるだろうし、本作も他所事じゃなくなるかも?

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