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ソーセージ・パーティー

昨日、次期アメリカ大統領がドナルド・トランプに決まりました。
私もヒラリー・クリントンが当選すると思って疑わなかったので意外でした。
どちらもあまり好きではないのでどちらも支持していなかったし、
大統領選に全く関心なかったけど、日本の報道を見る限りでは、
日本にとって好ましくない方に決まったようですね。
でもここまで悲観的に報じられていれば耐性ができるので、
いざトランプ体制が始まれば意外とマシだったという印象になる気もします。
外交なんてのは大統領ひとりでやるものじゃないしね。

私にとってトランプ大統領の誕生で最も関心があるものは、
ハリウッド映画の内容が変化しそうなことです。
ハリウッド・セレブの大多数はヒラリー支持だったみたいなので、
ハリウッドはトランプ大統領を歓迎しない風潮になりそうで、
それは今後の映画作りにも大きく影響すると思うんですよね。
先達て第三弾が決定した『エンド・オブ・ホワイトハウス』など、
ハリウッド映画は大統領を守ったり、大統領が戦ったりする映画が多いが、
今後は逆に大統領のを倒すような映画が増えるかもしれません。
大統領を扱き下ろすコメディ映画とかもあるかもね。

ということで、今日もハリウッド映画の感想です。
女性蔑視や人種差別的内容も含まれるし、トランプ好みの映画かも。

ソーセージ・パーティー
Sausage Party

2016年11月4日日本公開。

コメディ俳優セス・ローゲンが製作・脚本・主演した
下ネタ満載のR指定大人向けコメディ・アニメ映画である本作。
ハリウッドのアニメ映画はファミリー向けが大半なので、
本作のようなR指定作品はかなり珍しい気がします。
「アニメは子供のもの」という意識が強そうなアメリカで、
ファミリーを動員しないでちゃんとヒットできるのかと思いましたが、
蓋を開けてみれば全米初登場2位、興収1億ドルちかい大ヒットで、
(R指定アニメでは劇場版『サウスパーク』を抜き歴代1位の成績。)
ハリウッド・アニメに新しい市場を開拓した印象を受けました。

でも同年公開のピクサーの『ファインディング・ドリー』は興収約5億ドル、
イルミネーションの『ペット』やディズニーの『ズートピア』は約4億ドルで、
やはりファミリー向けの方が大きく稼げるのは間違いないのです。
ただ大人は画よりも内容を重視するので、CGにそれほど拘る必要もなく、
製作費も普通のアニメ映画の3割程度に抑えられるため利益率は高いので、
スタジオにとっては楽に稼げる美味しいジャンルかも。
とはいえ、ディズニーやイルミネーションのような人気スタジオでは、
ブランドイメージがあるので今更R指定アニメなんて作れるはずありません。
本作はソニーのアニメスタジオであるSPAではなく、
普段からR指定コメディも手掛けているコロンビア製作なので
ブランドイメージを意識する必要もなく攻めた作品を作れます。
R指定アニメ市場はコロンビアのブルーオーシャンになりそうです。

私も珍しいR指定のハリウッド・アニメがどんなものなのか気になりましたが、
所詮はR指定止まりなので、そこまで過激な作品でもないだろうと予想。
ソーセージが主人公の物語ですが、ソーセージをナニに見立てた
比喩的下ネタがちょっと多いくらいだろうと侮っていたのですが、
使用済みコンドームとかタンポンのキャラも登場したりと、
ド直球な下ネタのオンパレードでビックリです。
ソーセージの比喩表現も、ちょっと掛ける程度ではなくかなり直接的で、
予想以上に卑猥な印象を受けました。
面白いんだけど笑うのを憚られるほどの下品なネタだらけで、
日本人はR指定コメディ慣れしてないので、劇場は静まり返っていましたね。
家族で観に行くのは論外ですが、恋人や友達と観に行くのも、
相当親しくない限り、変な空気になるかもしれません。
私は彼女と行きましたが、上映終了後ふたりで苦笑いでした。
ひとりで観に行くのが無難ですが、劇場は笑える雰囲気じゃないので、
ビデオリリース後に家で観るのが一番かも。

米国の映倫MPAAの指導で、成人指定からR指定に抑えるために、
あるキャラの陰毛を削除したらしいのですが、
たぶん本作は下ネタを全て削除したとしてもR指定は免れないでしょう。
下ネタの他にも、過激な暴力表現や差別的表現、薬物ネタなど、
レイティングに引っかかるネタがこれでもかと入っています。
これらの表現は実写コメディだとそれほどでもないけど、
アニメになるとなぜか過激さが増しますね。
やはり「アニメは子供のもの」というイメージとのギャップでしょうが、
こんな過激な内容で、よくR指定で済んだものだなと思うほどです。
日本でも小規模とはいえよく劇場公開できたものです。
まぁ日本の方が審査はザルなんだけど…。

イルミネーションの『ペット』はペット版『トイ・ストーリー』と称されましたが、
本作は言うなれば食品版『トイ・ストーリー』です。
実際に意識して作られており、ピクサーのパロネタも散見できます。
他にも『トップガン』や『ターミネーター2』など、いろんな映画のパロネタもあり、
それらを探してみるのも面白いかもしれません。
以下、ネタバレ注意です。

食品スーパー「ショップウェルズ」では、
棚に並ぶ食品たちが人間に買われることを待ち望んでいます。
食品たちはまだ見ぬ店の外が楽園と思っていて、
そこに連れ出してくれる人間を「神」として崇めているみたいです。
ただ商品の見切りを行う店員だけは「邪神」として忌み嫌っています。
袋入りソーセージの中の一本フランクは、隣で売られている
袋入りコッペパンの中の一本ブレンダに想いを寄せており、
いつか一緒に人間に買われ、彼女に挟まれたいと願っています。
ソーセージがコッペパンに挟まれるというのは、セックスのメタファーですが、
切り目入りコッペパンであるブレンタの縦割れの口が、なんか卑猥です。
それにしてもソーセージの横の棚にパン売ってる店なんて見たことないな。
紙ケースに10本差し込まれて売られているソーセージも見たことないけど。

ソーセージ消費量の高まる感謝祭前日、ついに女性客が
フランク入りのソーセージ袋とブレンダ入りのコッペパン袋をカートに投入。
沢山の商品の中から同じ客に選ばれるなんて奇跡ですね。
特にフランクの袋の中には出来損ないのソーセージのバリーもいるので、
避けられがちな商品だと思うのですが…。
(バリーは租チンのメタファーであると同時に小人症のメタファーらしいです。)
まぁ同じ客に買われても、それぞれ10本入り8本入りなので、
フランクとブレンダが合体できるかは更に運次第ですけどね。

その女性客はホットドックに付けるつもりか、ハニーマスタードもカートに投入。
しかしハニーマスタードは買われることを喜ぶどころか、
店の外に出たくないと、カートから投身自殺を謀るのです。
なんでも彼は返品された過去があり、店の外に出た経験があるのですが、
外は商品たちが思い描くような楽園ではなく、恐ろしいところだったそうで、
再び外に出るくらいなら死んだ方がマシだと考えたのです。
フランクとブレンダは袋から飛び出し、マスタードを助けようとしますが、
助けきれずに一緒にカートから落下してしまい、客はそのままレジを通過し、
彼らは買われず店に取り残されます。(マスタードは瓶が割れて死亡。)
ソーセージとパンが一本ずつ無くなったわけで、客は損しましたね。

マスタードの自殺の巻き添えでビデ(膣洗浄器)も落下してしまいます。
トイレでシャワー機能の横に付いてるビデ機能は見たことあるけど、
溶液の入ったノズル付きボトル型の携帯用ビデなんてあるんですね。
彼女も使ったことがないらしく、日本ではあまり一般的ではないのかも?
落下の衝撃で溶液が漏れだしてしまい、邪神によって廃棄されたビデでしたが、
ゴミ置き場にいたジュースの体液(中身)を吸い取って復活して脱出。
しかし店外に出る機会を断たれ、自殺騒動に関与したフランクとブレンダを
逆恨みして復讐を誓うのです。
ゴミ置き場から脱出できるなら、店からも自力で出られそうだけど…。

一方、女性客に買われたバリーたちは、さっそく料理されることになるのですが、
切り刻まれ茹でられる仲間を見て、彼らは戦慄するのです。
どうも商品たちは店の外で人間たちに大切に可愛がられると思っていて、
まさか人間に食べられるとは知らなかったらしいです。
返品されたマスタードはそれを知り、外に出るより死を選んだわけですが、
私は食品にとって人間に食べられることが幸せと思い込んでいたので、
食べられることを恐れているとは、まさかの展開でした。
バリーはひとりで窓から逃げ出しますが、人間には食品の声は聞こえないし、
食品が移動してもコロコロ転がってるようにしか見えないんだけど、
バリーが逃げ出すのを目撃した人間の目にはどう見えていたのか?
ソーセージがひとりでに窓から飛び出して不思議に思わないのか?

マスタードは自殺前に「外の真実は火酒に聞け」と言い残しており、
外の真実が気になったフランクは火酒に会いに行きます。
火酒はインディアンぽい格好ですが、高アルコール度数の長期保存食品で、
どんな食品よりも前から店にいるので、先住民のメタファーですね。
昔は店に並ぶ食品たちも人間に食べられることを知っていて、
阿鼻叫喚だったのですが、火酒は「店の外は楽園だ」というデマを流し、
食品たちの恐怖を取り除いてあげようとしたようです。
今やその真実を知っているのは昔から店にいる長期保存食品だけです。
楽園だと思っていた外で殺される運命なんて『アイランド』みたいですね。
火酒から真実を聞いたバリーは店中の食品に知らせようとします。
報せても阿鼻叫喚に昔に戻るだけで意味ない気がするけど…。

一方、キッチンから逃げ出したバリーは店に帰ろうと街を彷徨い、
「ショップウェルズ」の紙袋を下げた人間の男を見つけて、ついて行きます。
その男は薬物中毒者で、家に帰るなり売人から買った「バスソルト」を注射。
ラリッた彼はなんと食品たちと話すことが出来るようになります。
彼自身は薬物による幻覚だと思っているみたいですが…。
彼の家にはポテチなど他の食品たちもいましたが、
その中に車椅子に乗り、合成音声で話す天才のガムの姿も…。
どうみてもスティーヴン・ホーキング博士のパロディですが、
障害者を噛み捨てられたガムのメタファーに使うなんて過激です。
しかし噛み拉かれて吐き捨てられたガムがまだ生きてるなんて、
食品の死の概念がよくわからなくなりますね。
半分かじられたピザもまだ生きてるみたいだったし…。
バリーたちは喋る食品にビビる男を脅して店まで連れて行かせようとします。
しかしひと眠りして薬物が抜けた男は、再び食品と交信できなくなり、
バリーを煮て食おうとしますが、不慮の事故で小壁に掛けてあった斧が落下し、
首が切断されてしまい、バリーは事なきを得るのです。
小壁にガチで斬れる斧なんて飾ったら危ないのはわかりそうなものだが、
薬物中毒者に常識は通用しないか。

閉店後、店内放送を使って店中の食品たちに真実を伝えるフランク。
しかし人間を神と信じる食品たちが彼の話を信じるはずもなく…。
ブレンダすらも神を愚弄するフランクに呆れる始末で…。
しかしフランクは人間の生首を持って帰ってきたバリーと再会し、
店の外の真実を聞いて確信し、神を殺せることも知ります。
そうこうする間に朝になって店は開店、客が入ってきますが、
バリーは持ち帰った「バスソルト」を爪楊枝の先に付けて、
弓矢のように客や店員を射て、人間たちをラリらせます。
ラリッた客たちは喋り動く食品にパニックを起こし、
手当たり次第に食品たちを食い殺しはじめ、
食品たちがフランクの言ったことが真実だったと気付き、
みんなで協力して店内の人間たちを攻撃し、殺し合いになります。

ビデは邪神のケツに刺さり、邪神をコントロールし、フランクに襲い掛かります。
フランクはビデを引き抜こうと、邪神の股間に飛びつきますが、
股間にソーセージがぶら下がっている状況が滑稽ですね。
他の食品たちとも協力し、邪神ともどもビデをぶっ殺し、
店内の人間も全員ぶっ殺し、食品たちは自由を手に入れます。
フランクは晴れて愛しのブレンダとセックス、…じゃなくてホットドックになります。
いや、ただ挟まれるだけじゃなくてブレンダの割れ目にズボズボ差し込む様は、
完全にセックスそのもので、かなり卑猥な映像です。
メキシコ人ぽいタコスやムスリムぽいラヴァシュ、ウディ・ラレンぽいベーグルも
2人のセックスに参加し、店の食品たちも大乱交パーティを始めます。
なんかもう、そにかくやりたい放題な凄まじい映像でした。

これでハッピーエンドかと思いきや、火酒とガムに呼び出されたフランクたちは、
店の外の真実よりも驚愕の事実を告げられるのです。
なんとフランクはセス・ローゲンという人間の俳優が演じるアニメのキャラで、
この世界は人間によって作られたアニメーションの中だったと…。
フランクたちは人間を殺すため、現実世界に行くポータルに飛び込みます。
まさかのメタ展開でしたが、あまりにも突拍子がなさすぎて、
「何だこのオチ?」と思ってしまいました。
でもこのオチだと続編の作りようがないため、潔い気もしますね。
…と思ったらセス・ローゲンには続編の企画もあるみたいで、
どうも『ロジャーラビット』のような実写とアニメの融合にするつもりだと…。
たぶん実写になると、性的表現は控えめにせざるを得ないだろうから、
本作の最大の売りが活かされなくなるので、やめた方がいいかも。
他にも更なるR指定アニメ製作の案があるみたいですが、それは歓迎です。

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