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ジェーン

今日は久々に劇場鑑賞映画の感想です。
といっても、先週末に公開された映画ですが。

ジェーン
Jane Got a Gun

2016年10月22日日本公開。

オスカー女優ナタリー・ポートマン主演の本作ですが、
全米ボックスオフィス初登場17位という悲惨なスタートを切り、
製作費2500万ドルに対し、全米興収わずか150万ドルで大コケしました。
製作段階でのキャスティングの迷走などの影響もあるでしょうが、
コケ倒した最大の要因は、ナタリー・ポートマンを主演にしたことでしょう。
いや、ポートマン云々というよりは西部劇に女性が主演することか。

『アメリカン・ハッスル』の情報流出で、ギャラの男女格差が暴かれ、
ジェニファー・ローレンス筆頭に女性差別への批判が巻き起こったことで、
ハリウッドはフェミニズムに躍起になっています。
ギャラ格差もさることながら、特にアクション映画などでの
女優主演作が異常に少なすぎるという指摘を受けて、
女優主演アクション映画の製作にも尽力しています。
その端的な例が女性版『ゴースト・バスターズ』ですね。
今後『オーシャンズ11』などの女性版の製作も決まっているみたいです。
アメコミ映画では珍しい女優主演の『ワンダー・ウーマン』や、
『スター・ウーズ/フォースの覚醒』および『ローグ・ワン』が女性主人公なのも、
ハリウッドのフェミニズム・ブームの影響と無関係ではないでしょう。
そしてついに女性主人公の西部劇まで登場したわけです。

たしかに『スター・ウーズ/フォースの覚醒』は映画史上最大のヒット作となり、
女性主演のアクション超大作でもヒットできることを示したように見えるが、
実際は待望の『スター・ウォーズ』の最新作だったからヒットしただけ。
ハン・ソロことハリソン・フォードの印象は強く残っていても、
主演女優が誰なのか覚えている人がどれだけいるか。
女性版『ゴースト・バスターズ』も採算が取れなかったそうだし、
女優主演のスパイ映画『SPY』なども、あまりヒットできたとは言えません。
結局、客がアクション映画に求めているのは男なわけですが、
男臭い映画の最たるものである西部劇を女性主演にしたら、
客からそっぽ向かれるのも当然だと言えます。
女性の主演数やギャラが少ないのは女性差別などではなく、単に需要。
むしろ「オスカー女優の西部劇なのに大コケした」という事実は、
「やはり女優主演映画は儲からない」ことを立証してしまったことになり、
男女格差が更に大きくなることを後押ししてしまっている気がします。

まぁ本作が面白くなければ成績不振と主演の性別は関係ないけど、
女優主演という特異性以外かなり真っ当な西部劇なんですよね。
駄作だったら全米17位の作品が日本で劇場公開されるはずないです。
日本の西部劇ファンからも女優主演は歓迎されず、客入り微妙ですが…。
本当に女優主演という特性だけの真っ当すぎる西部劇なので、
駄作ではないけど何か物足りない印象もあるんですよね。
以下、ネタバレ注意です。

1871年、荒野のはずれで、夫ハムと5歳の娘ケイティと暮らすジェーン。
ある日、ハムが悪党ビショップの手下に撃たれて帰宅し、寝たきりに。
ハムはビショップの元手下でしたが、仲間を4人殺して逃げたらしく、
隠れて住んでいたのですが、追手が家まで来るかもしれないので、
ジェーンは娘を知人に預け、迎え撃つために用心棒を雇うことに。
彼女は知人のガンマン、ダンに用心棒を依頼するのですが、
ダンは「ダメ亭主に守ってもらえ」と拒否します。
彼は昔、ジェーンと交際していましたが、南北戦争で北軍として戦い、
故郷に戻って来ると、ジェーンはハムと一緒になり娘も生まれていて、
彼はそれがショックで、ジェーンの夫ハムのことも大嫌いみたいです。
それならわざわざジェーンの近所に住まなければいいのにね。
ジェーンはダンが帰ってくるまで戦死したと思っていたようですが、
どうもダンは南軍の捕虜になり、連絡も出来なかったそうな。
でもダンは北軍の英雄として有名だったみたいで…?

ジェーンは仕方なくひとりで戦おうと、街まで弾丸の買い出しに。
しかしそこでビショップの手下に見つかり、路地に連れ込まれ、
拳銃を突き付けられて夫の居場所を尋問されます。
そこにダンが助けに来て、手下が彼に気を取られた隙に、
ジェーンは手下を撃ち殺して、二人で街から逃げてジェーンの家に。
躊躇なく手下を殺したジェーンには驚きましたが、普段から狩猟しているとか。
なのでライフルの腕前はなかなかですか、拳銃は苦手みたいで…。
そのわりには拳銃で手下の頭を見事に撃ち抜いてましたよね。
結局ダンは今でもジェーンに未練があるので、助けることにしたのでしょうね。
善意のつもりが用心棒代を渡されて、ちょっとガッカリしてたし。
ジェーンはビジネスライクな関係を望んでいるみたいですが、
やっぱりダンのことよりハムの方が好きなのでしょうね。
それにしても弾丸代とか用心棒代とか、けっこうポンポン払ってるけど、
ハムとジェーンって逃亡生活のわりには金持ちなんだろうか?

ジェーンとハムの馴れ初めですが、
数年前、南北戦争でダンが戦死したと思ったジェーンは、
西部に移住することを決め、ビショップ所有の幌馬車に乗せてもらい、
そこでビショップの手下だったハムと出会ったようです。
その時、ジェーンは5歳くらいの幼い娘を連れていましたが、
ハムの娘ケイティなはずなく、どうもダンの娘メアリーらしいです。
南北戦争出兵後に生まれたので、ダンは娘の存在を知りませんが。
悪党ビショップはジェーンを娼婦にして儲けようと幌馬車に乗せ、
自分の街の売春宿に連れて行き働かせていました。
そんなジェーンを助けたのが、彼女に惚れていたハムで、
売春宿に乗り込んで、仲間を撃ち殺して2人で逃亡します。
彼女が売春宿で働く間、娘はビショップの弟ビックが面倒見てましたが、
無責任な男で、川で溺れさせて死なせてしまったみたいです。
うーん、なんか悲惨な境遇で重すぎますね…。
やっぱり主人公を女性にして、女性の悲劇を描こうとすると重くなりますね。

ダンと一緒に迎え撃つ準備をするジェーン。
ついにビショップの手下のひとりに家を発見されてしまいます。
ダンが銃殺し、口封じしましたが、なぜかビショップにも所在がばれて、
ある夜、ビショップ率いるギャング団に襲撃されるのです。
闇に乗じて奇襲をかけて来たのですが、夜に襲撃されると、
画面が暗くて戦いが見辛いのがイマイチでした。
ギャング団が庭に入るとダンが仕掛けたブービートラップ灯油爆弾が作動し、
庭中が火の海になるほどの大爆発が起きます。
なかなか派手な演出でよかったけど、ちょっとやりすぎ感がありますね。
あんな大爆発なら敵もほぼ全滅させられそうだけど、けっこう残ってるし。

ジェーンは寝たきりの夫ハムを床下収納に避難させますが、
そこでハムは衰弱死してしまうのです。
家から動けない夫を守るために逃げないで迎え撃つことにしたわけだけど、
こんなところで結局死んでしまうなんて…。
しかも戦って死んだのではなく、衰弱死ですからね。
もうビショップが攻め込んで来る前から死にかけてたし、
遅かれ早かれ助からない人を守るために命懸けで戦うなんてどうかしてます。
それほどハムを愛しているのでしょうが、娘ケイティのことも考えたら、
ここは絶対、娘と一緒に逃げるべきだと思うんですけどね。
ハムも娘と逃げてくれと言ってたのにな。

ダンは弟ビック含めビショップの手下は全滅させるが、
最後にビショップに追い詰められてしまいます。
しかしジェーンがビショップの背後を取って形勢逆転。
ビショップは「娘メアリーに会わせてやるから助けてくれ」と命乞い。
ハムの話ではメアリーはビックに事故死させられたはずで、
それはビックの作り話で、メアリーは今も売春宿で働いているそうで…。
どうせそれも命乞いのための作り話だろと思いましたが、
どうも本当らしく、ジェーンはビショップを撃ち殺した後、
ダンと共に売春宿に娘を迎えに行きます。
売春宿で働かすなんて、児童買春でもさせているのかと思い、
ある意味、事故死よりも酷い扱いだと思ったのですが、
ただ単に売春宿で洗濯とか下働きさせていただけでした。
さすがに児童買春なんてさせられていたら、いくら娘を助けたところで、
取り返しがつかずハッピーエンドにはなりませんもんね。
しかし娘が生きていたなんて展開は、ハッピーエンドにするための、
強引すぎる展開だったようにも思えてイマイチかな?
そのオチにするなら、もう少し伏線がないと、唐突過ぎる気がします。

ビショップも命乞いのために娘の居場所を明かしたわけですが、
結局殺されちゃいましたが、そりゃあそこで居場所まで全部話せば、
もう用済みで殺されるのは当たり前ですよね。
ビショップは5000ドルの賞金首だったので、
ジェーンは遺体を保安官に引き渡して懸賞金をゲット。
手下の何人かも賞金首だったので、けっこう大金をゲットしてます。
元手下のハムも2000ドルの賞金首だったので、どうせもう死んだんだから、
換金しちゃえばいいと思ったけど、さすがにそれはしませんでしたね。
ジェーンは娘2人と、ダンと一緒にカリフォルニアに向かうみたいです。
結局ハムが死んでダンとよりを戻せてめでたしめでたしな感じだけど、
夫が死んでよかったみたいな終わり方で、彼が浮かばれません。

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