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セブンス・サン 魔使いの弟子

先週末は特に観たい映画の公開がなく、鑑賞ハードルを下げて、
『GANTZ:O』だけ観ましたが、今週末も『スター・トレック BEYOND』しかない。
今月最終週末には一気に何本も公開されるので、分散してくれたらいいのに、
なんて思うけど、自分の趣味で公開作が決まるはずないから仕方ない。
ちょうど観たかったけどまだ観れてないのDVDが10本くらいあるから、
この間に観ようかなと思っています。

ということで、今日はビデオスルー作品の感想です。

セブンス・サン 魔使いの弟子
Seventh Son

2016年9月7日リリース。

ジョゼフ・ディレイニー著の英国の児童小説「魔使い」シリーズの第一巻
『魔使いの弟子』をハリウッドで実写化した本作ですが、
私は読んだことがないけれど、原作シリーズは15巻を数える壮大な物語で、
日本も含め世界15か国で翻訳されているので、人気があるのでしょう。
そんな人気ファンタジー小説の映画化となれば、ワーナーとしても
『ハリー・ポッター』のような人気映画シリーズにしたかったはず。
しかしなかなか目論見通りにはいかないもので、
約1億ドルの大予算で製作されたにも関わらず、全米興収は僅か1700万ドル。
さらに最低映画の祭典ラジー賞にノミネートされるほどの不評で…。
中国、ロシアではなぜか大ヒットしたようで、ギリギリ予算は回収したようですが、
日本では当然劇場公開にも漕ぎつけずにビデオスルーに。
この成績ではシリーズ化なんて出来るはずもなく、単発で終わりでしょう。
まぁキリのいいところで終わっているのがせめてもの救いです。

本作の原作小説の邦題は『魔使いの弟子』ですが、
「魔法使いの弟子」だとベタな勘違いをしてしまいました。
もちろん本作はニコラス・ケイジ主演で映画化もされた
管弦楽曲「魔法使いの弟子」とは何の関係もありません。
ただこの邦題は「魔法使いの弟子」に肖っているのは間違いないでしょう。
原題も「The Sorcerer's Apprentice」ではなく「The Spook's Apprentice」。
「Spook」を「魔使い」と翻訳したわけですが、この訳には異論あり。
本作の魔使いは魔を倒すジョブで、魔なんて使ってませんからね。
「Spook」を直訳すれば「変わり者」とか「風変わりな人」ですが、
ここは「魔祓い」とか「魔殺し」と意訳するべきでしょう。
本作の魔使いグレゴリーは、白髪白鬚で杖を持った老人で、
如何にも魔法使いな風貌ですが、もちろん魔法も使えません。
塩とか銀とか魔が苦手な道具を使って魔と戦います。
そんなアナログ(?)な戦い方が、他のファンタジーと違う魅力でしょう。
以下、ネタバレ注意です。

ファルコン騎士団の魔使いグレゴリーは、魔女マルキンと不倫していたが、
愛人の妻に嫉妬したマルキンが邪悪な魔女になってしまい、妻を殺されます。
グレゴリーはマルキンを地中の檻に閉じ込め、封印します。
それから幾年月、赤い月が登り、魔力を取り戻したマルキンは、
飛竜に変身して檻から脱出し、邪悪な魔女として世界を闇で支配しようと、
妹の魔女リジーをはじめ、仲間の魔に召集を掛けます。
魔使いグレゴリーは再び魔女マルキンと戦うことになるのです。
なんか『ラスト・ウィッチハンター』とか『ブレア・ウィッチ』とか、
ハリウッドは今ちょっとした魔女ブームなのかもしれませんね。
吸血鬼ブームが終わったから、次は魔女に目を付けたのかな?
ちなみにラジー賞にノミネートされたのはマルキン演じるジュリアン・ムーア。

マルキンが憑りついた少女の魔祓いのために魔使いグレゴリーが呼ばれます。
グレゴリーは少女から飛び出したマルキンを檻に閉じ込めて火炙りにしますが、
その檻の中には自分の弟子もいたのに、グレゴリーは躊躇なく火を放ちます。
彼はあまり弟子を大切にするタイプではないみたいです。
見た目は貫禄のある偉大なマスターって感じなのに意外です。
結局マルキンは飛竜に化けて燃える檻から脱出、弟子だけが焼死します。
グレゴリーはマルキンとの再戦に備えて、新しい弟子を調達することに。
新しい弟子として選ばれたのが、ある農場の七男トム。
なんでもファルコン騎士団には七番目の息子の七番目の息子を弟子にし、
自分の知識と技術を全て継承させるという掟があるみたいです。
グレゴリーはトムの父親に大金を渡してトムを譲り受けるのですが、
七番目の息子の七番目の息子ということは、父親はグレゴリーの七男で、
トムはグレゴリーの孫ということになるんでしょうか?
グレゴリーはこんな大きな孫がいるような歳には見えないし、
息子に大金積んで孫を買うというのも何か違和感がありますね。
別れ際、トムの母親は息子にペンダントを渡します。

グレゴリーは助手のタスクと共に、トムを自分のアジトに連れて行きますが、
その道中の村で、トムは魔女狩りで捕らえられた女の子アリスを助けます。
アリスは姿を消しますが、どうやらマルキンの妹リジーの娘のようです。
つまりマルキンの姪で、本当に魔女だったみたいです。
彼女は母の言い付けでマルキンに従うも、トムにも好意を寄せ、
再会した時にはそういう関係になるのですが、なぜ2人が恋に落ちるのか、
描写不足で性急な展開に思え、イマイチ納得できませんでした。
ちなみにグレゴリーの助手タスクですが、こいつも何者なのか描写不足。
名前の通り牙の生えた男でしたが、怪物なのかブサイクな人間なのか…。
もし怪物だとしたら、魔を使っているので「魔使い」の訳でも間違いないか。

グレゴリーは修行を開始するが、トムは家畜の世話も出来ないダメ青年で、
ナイフ投げすら上達しませんが、一番の欠点は優しすぎることです。
ある日、グレゴリーは化け熊退治を依頼されてトムを連れて現場に。
化け熊はマルキンの5人の配下のひとりウラゲで、なんとか倒すも、
トムはトドメの火炙りを命じられるも同情して火を放つことが出来ず、
グレゴリーは呆れて自分で火を放ちます。
ちなみにマルキンの他の配下4人は、巨大ドラゴンに変身できるラドゥ、
ヒョウに変身できるサリキン、四本腕の剣士ヴィラハドラ、魔術師ストリックス。
本人も飛竜に、妹リジーも怪鳥に変身できますが、変身できる系が多いですね。

マルキンの根城、ペンドル山の要塞に向かうグレゴリー一行でしたが、
途中で怪物ボガートに遭遇して襲われます。
一般的にボガートといえば英国伝承のイタズラ妖精のことですが、
こんな盲目の凶暴な巨人として描かれるのは珍しいですね。
トムはほとんどマグレでボガートに勝ちますが、グレゴリーは彼を見直します。
あと、トムの持つペンダントが魔女の力を増幅させる「ウンブラの石」とわかり、
それをくれた彼の母親が魔女であることが判明します。
トムは魔女の息子で魔使いの弟子という最強サラブレッドだったのです。
あー、やっぱり英国ファンタジーは血統系主人公が多いですね。

ウラゲ以外の配下が揃ったので、マルキンは手始めにある街を襲撃。
彼らの移動方法が『ハリポタ』のデスイーターみたいでした。
偶然街にいたトムの母親は、配下の魔術師ストリックスを退治するも、
マルキンには敵わず、殺されてしまいます。
もしウンブラの石をトムに譲ってなければ勝てたかもしれないのにね。
ウンブラの石はもともとマルキンの所有物でしたが、昔トムの母親が盗み、
そのお蔭でマルキンが弱体化して、グレゴリーは彼女を封印できたようです。
マルキンはウンブラの石を盗み返すため、アリスをトムのもとに送ります。
アリスに石を盗まれたと気付いたトムは、グレゴリーと共に彼女を追うが、
ラドゥの軍勢の待ち伏せに遭い、グレゴリーは生け捕りにされてしまいます。
トムはグレゴリーが落とした魔使い最強武器ナナカマドの杖を拾い、
タスクと共にペンドル山の要塞に向かいます。

マルキンは石で強化された魔力で捕らえたグレゴリーを洗脳しようとするが、
自責の念に駆られたアリスが彼女から石を奪って阻止。
マルキンは飛竜に変身してアリスを殺そうとしますが、
娘を守るためにリジーも怪鳥に変身して、姉マルキンに立ち向かい殺されます。
その間にアリスは逃げて、要塞に到着したトムたちと合流。
石はトムの手に渡りますが、彼に流れる魔女の血が活性化されパワーアップ。
魔力とナナカマドの杖を駆使して、配下サリキン、ヴィラハラドを連続撃破。
杖を持たないグレゴリーも口八丁でラドゥを倒します。
トムは投げナイフでマルキンを刺し、弱ったところに火を放ち火炙りに。
悪い魔女を退治してめでたしめでたしですが、ちょっと残念な結末かも。
魔にも情を掛けてしまうのはトムの弱点でしたが、人間的な魅力でもあるので、
彼には率先して魔女を火炙りするようなことはしてほしくなかった。
悪者とはいえ、仮にも愛するアリスの伯母なわけだし、
もともと無害な彼女が邪悪化したのはグレゴリーの不倫のせいなので、
彼女を改心させる目もあったと思うのですが…。

戦いの後、グレゴリーはトムに魔使いを継がせて去りますが、
全ての知恵と技術を教える決まりで10年修業が必要と言っていたのに、
教えたのはほぼナイフ投げだけな気が…。
まぁサラブレッドのトムには石で強化された魔力も宿っているので、
魔使いの技術がなくても魔と戦えるとは思いますけど…。
その後の魔使いトムの活躍は、本作が全くヒットできなかったため、
映画化されないと思うので、気になるなら原作を読むしかないです。
ジュリアン・ムーアの演技も含め、そんなに悪い内容ではないと思ったけど、
たしかに目当たりしいものがあるわけでもない平凡な物語だったかな。
『ナルニア国物語』『ダレン・シャン』『パーシー・ジャクソン』『ライラの冒険』
『スパイダーウィッグの謎』『エラゴン』『ジョン・カーター』などなど、
またひとつ完結しない小説原作ファンタジー映画が増えましたね。

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