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ハドソン川の奇跡

なんだかよくわからないけど、今日パソコンを起動したら、
Windows10の更新が勝手に始まって、それが一時間以上かかりました。
使う必要があるから起動したのに、そんな勝手されたら困ります。
Windows8の時は勝手に更新なんてしなかったのに…。
何に使おうかと思っていたかと言えば、ブログの更新のためですが、
お蔭で執筆時間を大幅に削られてしまいました。
本当はもっと書きたいことがあったんだけど時間がないので短めに。
あと余談ですが、今回の更新でタスクバーの右端に変なアイコン出てきて、
それの消し方がわからなくてイライラします。
そこは長年、時間と日付の定位置だったのに気持ち悪いです。
特に何か便利になったわけでもなさそうだし…。

ということで、今日は時間が無くて書き足りなかった感想です。

ハドソン川の奇跡
Sully.jpg

2016年9月24日日本公開。

2009年、NYで起った航空機事故「ハドソン川の奇跡」を映画化した本作。
「ハドソン川の奇跡」は、乗客乗員155人を乗せた航空機が
マンハッタンの上空でバードストライクに遭い、エンジン停止するも、
機長の判断でハドソン川に着水させることに成功したという出来事です。
日本でも大きく報じられたので、私も多少は知ってます。
大きな出来事だったので、当時から映画化の噂はありましたが、
まさか巨匠クリント・イーストウッドがメガホンを取るとは意外でした。
日本での報道は機長を英雄視するものがほとんどでしたが、
イーストウッド監督なら、単なる美談にはならなさそうだと期待しました。
期待通り、英雄のはずの機長が容疑者として追及されるという、
ポリティカル・サスペンス的な切り口の物語で、とても興味深いです。
ハドソン川に着水した機長の判断は本当に英断だったのか、
それとも危険な蛮行で客を殺し掛けた容疑者だったのかが問われます。
ただ、主演がトム・ハンクスというのは少し微妙かも。
彼は善人しか演じない印象があるので、結論が英断なのが予想できて…。
まぁ原作が機長の手記という時点で、機長を悪く描くはずないのだけど。
以下、ネタバレ注意です。

2009年、サリー機長とスカルズ副操縦士が操縦する旅客機
USエアウェイズ1549便がラガーディア空港を離陸。
しかしその直後、マンハッタン上空で雁の群れと正面衝突。
バードストライクで両エンジンが停止してしまうのです。
空を飛んでいれば鳥の群れとぶつかることなんて間々ありそうですが、
(日本でもバードストライクは年1000件以上起こってるそうです。)
旅客機がその程度でエンストしちゃうのは怖いことですよね。
だから私もあまり飛行機に乗るのは気が進まないんですよ。
エンジンの吸入口に鳥が入れないように出来ないものなのか…。
鳥も飛行機くらい避けてくれと思っちゃいますね。

サリー機長は管制塔に連絡し指示を仰ぎます。
管制官はラガーディア空港に引き返すか、或いは近隣のテナーボロ空港、
またはニューアーク空港に緊急着陸するように指示するが、機長は拒否。
「無理だ、ハドソン川に不時着水する」と自己判断して決行します。
管制官はいくつも選択肢を与えているのに、全て拒否するなんて、
機長の判断は本当にベストだったのか、疑わしく思えてしまいます。
しかし結果的に1549便は見事着水に成功。
機内に浸水が始まるも、機長の誘導で速やかに脱出が行われ、
周辺を航行していた客船に救助してもらいます。
サリーの冷静さには感服ですが、やはり焦りまくる客もいて、
脱出するなり水温2度の川を岸まで泳ごうとする人も…。
気持ちはわかるが、せっかく助かったのに自殺行為ですね。
そんな客もいるから、機長も全員の無事が確認できるまで気が休まらず、
病院で155人全員救出されたと知って漸く一安心します。

その後、機長はPTSDでマンハッタンに墜落する悪夢に悩まされ続けます。
やはり事故当時は冷静に振る舞っていても、トラウマになってたのですね。
そんな目に遭えば二度と飛行機に乗れなくなりそうなものですが、
サリー機長は早く仕事に復帰したいみたいです。
なんでも事故調査のためにホテル待機を命じられたようですが、
その感は給料も出ないらしく、収入が無くなって生活に困ります。
操縦士って固定給じゃなくて歩合なんでしょうか?
彼は安全コンサルタントの副業もしているみたいですが、
飛行機を落とした人に安全コンサルタントしてほしくないしね。
ハドソン川の奇跡はテレビで報じられ、彼は世間から英雄視され、
報道番組にも引っ張りダコですが、報道番組はギャラも出ないそうです。
番組司会者がCAに対してセクハラ発言して笑いを取るような、
ほとんどトークバラエティみたいな報道番組だったのにね。

世間からは客を救った英雄として持て囃されるサリー機長でしたが、
NTSB(国家運輸安全委員会)からは客を殺し掛けた容疑者扱いです。
今後のために事故の調査は必要ですが、全員無事だったんだから、
機長に多少非があったとしてもお咎めなしでいいじゃないかと思いますが、
NTSBは是が非でも機長のヒューマンエラーで起こった事故にしたいようです。
どうも裏で航空会社や保険会社が糸を引いてるみたいですね。
航空会社にしてみれば旅客機のトラブルで事故になるより、
機長に事故の責任を負わせた方がダメージが少ないですもんね。
バードストライクによる災害なので、旅客機に問題があるわけじゃないし、
誰にも責任を問えないし、問うても仕方ないと思いますが…。

NTSB曰く、航空技術者の計算によるシミュレーションでは、
ラガーディア空港に引き返すか、テナーボロ空港に緊急着陸すれば、
ハドソン川に不時着水(NTSBは断固「墜落」と表現)するよりも
安全かつ無傷で全員生還できたと主張します。
それが本当なら、たまたま乗員乗客全員無事だったものの、
正しい判断とは言えなかったかもしれませんね。
しかもNTSB調べでは左エンジンは作動していたはずだと…。
着水時の衝撃で左エンジンが喪失しているので証拠はないですが…。
でも機長がわざわざ両エンジン停止なんて嘘つくはずないし、
やはりNTSBのイチャモンという気もします。
ただ、やっぱりサリー機長がなんでそんな判断をしたのかは不思議。
機長自身もなぜそんなシミュレーション結果になるのか釈然としてないし、
何か両者の間に齟齬がありそうで、気になります。

サリー機長は航空技術者の計算によるシミュレーションだけではなく、
操縦士によるフライトシミュレーターでのシミュレーションの実施も要求します。
それを連邦航空局での公聴会の時に中継してほしいと。
航空技術者の計算なんて、所詮は机上(コンピューター上)の空論ですからね。
実際に人間である操縦士が試してみるべきなのは当たり前です。
まぁフライトシミュレーターもヴァーチャルなので、現実とは違うでしょうが…。
そして公聴会の時に、その模様が中継されるのですが、
操縦士によるフライトシミュレーターでもラガーディア空港に引き返す場合も、
テナーボロ空港に緊急着陸する場合も、難なく成功してしまいます。
これはサリー機長も反論の余地はなく、墓穴を掘りましたね。

…と思いきや、その中継を見たサリー機長は、
「このシミュレーションには人的要因が考慮されてない」とダメ出し。
シミュレーションなので、操縦士は何が起きるかもわかっているため、
状況の分析や決断は不要で、バードストライク直後に空港に直行できるが、
自分は初めての体験なので、判断し決断に至るまでの時間が必要だったと。
しかもシミュレーションの操縦士は中継までに17回も練習したそうで…。
そこで公聴会議長はバードストライクから35秒の考慮時間を与え、
もう一度フライトシミュレーションを中継させます。
するとラガーディア空港でもテナーボロ空港でも到着前に墜落。
ハドソン川不時着水の判断が最善だったっことが立証されるのです。
やっぱりフライトシミュレーターも現実とは全く違うわけですね。
でもけっこう滑走路ギリギリで墜落してたので、偶然成功することもありそう。
その後、公聴会で操縦席音声記録が流され、
当時のサリー機長とスカルズ副操縦士のやり取りから、
彼らが如何に冷静に判断していたかが明らかになり皆納得します。
NTSBも始めからこの音声記録を聞いていれば、機長の判断の正当性に
疑う余地はなかったと思うのですが、公聴会で初めて聴いたのかな?
更に、着水の衝撃で喪失した左エンジンも発見されており、
機長の証言通り作動しない状態だということが判明しています。
これは公聴会より前に発見されているので、機長が無罪になるのは
公聴会以前に既定路線だったような気もしますね。

まぁ世間から英雄視されている機長を本当に吊し上げでもしようものなら、
NTSBや連邦航空局、航空会社に批判殺到するだろうし、
ちゃんと調査したというポーズだけの公聴会だった気もします。
劇中でも言及されているように「ハドソン川の奇跡」は
911後のNYにとって旅客機絡みの明るいニュースだったので、
政府にとってもその功労者を容疑者扱いして得はないと思うし、
容疑者扱いは映画用にかなり誇張されているのではないかな。

すでに本年度アカデミー賞有力候補と言われている本作ですが、
なかなか楽しめたけど、たぶんノミネート止まりでしょう。
やたら豪華な再現VTRを見ているような印象もあって、
映画としてはいまひとつパンチに欠ける気がします。
少しだけ描かれたサリーの空軍時代とか家庭のこととか掘り下げた方が、
アカデミー賞好みの内容になった気がします。
御年86歳のイーストウッド監督にとって、本作が最終作とも噂されているけど、
キャリアの最後は伝記じゃなくてオリジナル作品がいいと思うので、
あと1本、いやまだまだ撮り続けてほしいです。

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