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ゴーストバスターズ

アメリカでは8月公開映画の歴代記録を破るオープニング成績を叩き出した
DC系アメコミ映画『スーサイド・スクワッド』が2週目も1位の大ヒット中です。
DC Extended Universeの3本目ですが、前2本が微妙な出来だったので、
少し心配してましたが、これは来月の日本公開を期待しても大丈夫そうです。

一方日本では、マーベル系アメコミ映画『X-MEN:アポカリプス』が、
週末興行成績初登場6位という不甲斐ない結果で…。
『デッドプール』は興収1位だったので、『X-MEN』ブーム来たと思ったけど…。
きっと私も含め『X-MEN』シリーズのファンは熱心だから、
週末興行成績にカウントされない木曜日の公開日に観たのでしょう。
同シリーズでは、『ウルヴァリン3』ではウルヴァリン役ヒュー・ジャックマンに続き、
プロフェッサーX役パトリック・スチュワートもシリーズ降板するそうで、
世代交代の波が来ていますが、やはりちょっと寂しいですね。
シリーズ次世代の注目株チャニング・テイタム主演の『ガンビット』ですが、
これは公開までにまだまだ時間がかかりそうなことが示唆されており、
『デッドプール』が成功しすぎて気負ってしまったのではないかな?
『X-MEN:アポカリプス』で新三部作も完結してしまった今、
シリーズの今後の展開が見え辛く、ちょっと心配です。
同じマーベル系でもMarvel Cinematic Universeは順風満帆なのになぁ。

ということで、今日はMCU『マイティ・ソー』の主演も出演する映画の感想です。

ゴーストバスターズ
Ghostbusters Answer the Call

2016年8月19日日本公開。

今週末日本公開の本作ですが、お盆休みに一儲けしようと、
山の日の11日から14日の4日間、先行上映されました。
先祖のゴーストをお迎えするお盆にゴーストバスターズをぶつけるなんて、
タイムリーなんだか罰当たりなんだかよくわかりませんが、
早く観られるのは嬉しいし、毎月14日はTOHOシネマズのサービスデーなので、
安く観られてラッキーだと思い、14日の日曜日に観に行きました。
先行上映なので文句は言えないが、2D字幕版の上映がレイトショーのみで…。
普通、日曜のレイトは映画館が最も空いている時間帯なのですが、
先行上映最終回ということもあってか、なかなか盛況でしたね。

本作は1980年代に大ヒットした『ゴーストバスターズ』シリーズのリブートです。
旧シリーズは一作目が1984年、二作目が1989年に公開されましたが、
製作会社ソニーが右肩上がりの製作費に尻込みし、三作目の製作が延期。
そうするうちにゴーストバスターズのオリジナルメンバーのひとりを演じる
ビル・マーレイが三作目の出演を固辞して、制作が前に進まなくなっていました。
マーレイの代わりに人気俳優ベン・スティラーを起用する企画や、
マーレイが声の出演だけ承諾したのでアニメ化しようなんて企画もありましたが、
2009年にはマーレイが続投できることになったみたいで、
オリジナル・メンバー4人全員続投の三作目(実写)の企画がスタートしました。
といってもオリジナルメンバーである年老いたゴーストバスターズが
若い世代の新ゴーストバスターズにバトンタッチするような物語だったらしく、
新チームはエマ・ストーンやジョナ・ヒルなど男女5人組になる予定でした。
ところが2014年、オリジナルメンバーのひとりハロルド・ライミスが死去。
前二作を監督したアイバン・ライトマンが「ライミスがいないなんて」と降板。
三作目の企画は白紙に戻ってしまいました。
そして新たに企画されたのが、メンバー全員女性でリブートする本作です。
旧作と差別化のため女性版『ゴーストバスターズ』なんて言われてますね。
一方で、アイバン・ライトマン監督、チャニング・テイタム主演でリブートする
男性版『ゴーストバスターズ』の製作が発表されたり、
アイバン・ライトマン監督による長編CGIアニメの製作が発表されたりと、
依然複雑な状況ですが、とりあえず女性版は無事完成しました。

女性英国首相が誕生し、米国も初の女性大統領が誕生する見込み、
東京都知事まで女性になるという昨今ですが、
男性優越主義だったハリウッドにもフェミニズムの流れが押し寄せ、
フェミニストのプロパガンダ映画『マッド・マックス』や『マレフィセント』、
二作連続女性主人公の『スター・ウォーズ』、王子が敵のプリンセス『アナ雪』、
女性アメコミヒーロー『ワンダー・ウーマン』などが誕生しました。
オリジナルメンバーは全員男性だった『ゴーストバスターズ』も、
その影響を受け、全員女性としてリブートされたわけですが、
本作に登場する男が馬鹿ばっかりというのもフェミニズムの影響でしょう。
特に『アベンジャーズ』シリーズのソーや『スノーホワイト』の狩人など、
英雄役が多いクリス・ヘムズワースを徹底的に頭が低能として描いています。
本作のメンバーのひとりを演じるメリッサ・マッカーシーの前作『スパイ』も、
女性スパイの活躍を描いたスパイ・コメディ映画でしたが、
凄腕スパイ役が多いジェイソン・ステイサムもドジな駄目スパイ役でした。
いつもと違う三枚目なヘムズワースやステイサムは新鮮で面白いし、
男性優越主義を肯定する気もないし、フェミニズムを否定する気もないが、
ここまで男を低能に描かれると逆差別な気もしますね。
この逆のことをしたらフェミニスト団体から激怒され抗議が殺到するはずです。
ソニーは『21ジャンプ・ストリート』の女性版も企画しています。

エンタメ映画はあくまで娯楽なので、人権を重視しすぎるのも如何なものかと。
人権はいくら考慮しても、し尽くされることはなく、絶対に不満は噴出します。
例えば本作のメンバーのひとりで唯一の黒人であるレスリー・ジョーンズは、
本作に出演したことで黒人差別的中傷に晒され、傷心でSNSをやめました。
それなら初めから白人4人組にすれば、白人優越主義の批判は受けるけど、
中傷されて傷付く個人は出なかったわけですからね。
オリジナルメンバーも1人が黒人なので、その構成のまま女性化しただけで、
人種的バランスを取る意図はなかったのかもしれないけど、
「白人三人は理系女子なのに黒人メンバーだけ労働者」だの、
「ラテン系やアジア系を無視している」だの、無駄に叩かれてしまいます。
フェミニズムを強調することで人権家や差別主義者の注目を浴び、
ネガティブな話題作りになってしまうので、人権協調は藪蛇です。

私は男なので、単純に男が主人公の映画の方が感情移入できるし、
楽しみ易いのは間違いないけど、女性主人公では楽しめないこともなく、
正直オリジナルの『ゴーストバスターズ』より本作の方が面白かったです。
オリジナルは公開当時に観たわけではなく、比較的最近だったので、
やっぱり30年の年月によりVFXは格段に進歩しているし、
コメディとしてのネタも今風にアップグレードされているので、
懐古を度外視すれば本作の方が出来はいいと思います。
単純なリメイクではなく、オリジナル既鑑賞者でも新鮮に楽しめるし、
それでいてちゃんとオリジナルファンへの目配せも効いており、
リブートとしてはかなり上出来ではないかと思いますね。
以下、ネタバレ注意です。

NY、名門コロンビア大学の素粒子物理学教授エリンに、
オルドリッジ邸に現れた幽霊の調査依頼が舞い込みます。
彼女はそんな非科学的な依頼がなぜ自分のところに来るのか不思議に思うが、
どうやら学生時代に親友アビーと出版した心霊本を、アビーが勝手に再出版し、
アマゾンで売られていて、その著者なので心霊研究家と勘違いされたようで…。
もうすぐコロンビア大学の終身在職権の審査があるのに、
心霊本を出版した過去が大学にバレるとマズいと思ったエリンは、
出版停止を求め、三流ヒギンズ大学で超常現象を研究するアビーに会いに。
アビーは心霊研究をやめたエリンを軽蔑しているみたいです。
どうやら昔エリンは霊感少女だったらしく、そのせいで学校でイジメられていて、
唯一の理解者がアビーだったみたいでが、物理学者になった今は、
霊感も無くなってしまったのか非科学的なことには否定的です。
若気の至りの心霊本なんて終身在職権の審査に影響するとは思えませんが、
物理学者にとっては黒歴史で恥ずかしいかもしれませんね。

エリンから聞いた幽霊屋敷オルドリッジ邸の話に喰いついたアビーは、
研究仲間でエンジニアのジリアンと調査に出掛け、エリンも同行することに…。
その屋敷には使用人を全員殺し、死ぬまで地下牢に監禁された娘の霊がおり、
彼女たちは見事に遭遇し、娘の霊を動画に収めます。
VFXの進歩で幽霊は怖いというより、めちゃめちゃ美しく描かれます。
超常現象否定派のエリンも本物の霊を目撃し、昔のように大はしゃぎ。
アビーはその動画をネット上にアップしてしまいますが、
その動画をコロンビア大学の審査官に見られ、エリンは解雇されるのです。
審査官は偽心霊動画だと思い、エリンの悪ふざけと思ったのでしょうが、
あんな綺麗なVFXは素人には作れないと思うんだけど。

エリンは幽霊を捕まえて存在を証明するため、アビーとジリアンと共同で、
幽霊退治の会社を設立し、中華飯店二階に事務所を構えます。
なぜチャイナタウンの中華飯店を事務所にしたかと言えば、
世界二位の映画消費国である中国に媚び、チャイナマネーを稼ぐためですが、
残念ながら本作は中国で公開禁止になってしまったらしいです。
表向きな理由は、中国は迷信に関する映画の公開を禁じているからですが、
ホラー映画は中国に媚び売っても無駄ってことですね。
こんなコメディ映画まで対象になるなんて、ちょっと異常な検閲ですが、
単純に旧作が中国で上映されておらず、認知度がないから非公開という話も。
あと、中国に媚び売るつもりが、劇中でワンタンスープを馬鹿にしたりして、
実は中国を侮辱しているのが見抜かれたのかもしれませんね。

事務所を開設し、電話番などする事務員を募集しますが、
オリジナルは事務員は女性だったので、男女逆転の本作は男性事務員です。
その募集に唯一応募してきた男性がケヴィンですが、
ヘムズワース演じる彼は前述の通り、あり得ないほど低能で…。
幽霊退治会社の怪しい募集広告に応募する時点でマトモではないが、
病院を紹介した方がいいほど何ひとつまともに出来ないアホです。
オリジナルの女性事務員はマトモな人だったのに、恐ろしいフェミニズム…。
ちなみにオリジナルの事務員役アニー・ポッツは、
あるホテルの受付嬢役で本作にもカメオ出演しています。

一方、地下鉄シュワード駅で切符を売る黒人女性パティは、
線路で死刑囚の幽霊と遭遇し、エリンらの幽霊退治会社に相談に来ます。
彼女らはジリアンの作った幽霊捕獲装置プロトンパックの試作機を携え、
地下鉄の幽霊に使用するが、出力が足りず捕獲失敗…。
しかしケヴィンの駄目さを見かねたパティが、会社に参加してくれ、
彼女の叔父が営む葬儀屋から霊柩車一台を勝手に拝借し、
ジリアンが改造し、幽霊退治専用車両「Ecto-1」として利用します。
なんでも遺体が一体積みっぱなしだったみたいですが、
そんなこと気にするようでは幽霊退治なんて出来ないか。

彼女たちはストーンブルック劇場から依頼を受け出動。
そこで彼女たちが見たものは、ゴーストというかデビルで…。
ベタな悪魔の姿をした悪魔ですが、本作は幽霊も悪魔も一括りにゴーストです。
しかも人間の霊は「T4」なのに、この悪魔は「T3」だったので、
意外にも人間霊よりも悪魔の方がランクが低いみたいです。
悪魔は悪魔系バンドのライブに乱入し、彼女たちも会場に乗り込み、
改良したポロトンパックでゴーストを初捕獲。
しかもその活躍は多くの観客に目撃され、テレビなどでも話題となり、
マスコミから「ゴーストバスターズ」と呼ばれ、彼女たちも自称するようになります。

しかしやはりインチキだと思う人もおり、
大槻教授的なオカルト排斥論者ハイス博士が事務所を訪れ、
「本当なら捕まえたゴーストを見せてみろ」と彼女たちを挑発するのです。
エリンはブチ切れ、捕獲ユニットを開けてしまい、悪魔に逃げられます。
この不用意すぎるエリンの行動にはさすがに違和感を覚えました。
ハイス博士は悪魔ゴーストに窓から投げ飛ばされますが、
彼を演じるのはオリジナルの主人公ビル・マーレイです。
ゴーストバスターズのメンバーからオカルト排斥論者なんて、
真逆とも言える役柄の変更で、私も少し戸惑ってしまいました。
なお、他のオリジナルメンバーも本作にカメオ出演しており、
ダン・エイクロイドはタクシー運転手、アーニー・ハドソンはパティの叔父役、
故人であるライミスも銅像として登場しているので探してみるのも面白いです。
オリジナルのヒロイン役シガーニー・ウィーバーもジリアンの師として登場し、
結局、オリジナルの主要キャストほぼ全員が続投してるんですね。
ついでに旧作の名物ゴースト、アグリー・リトル・スパットこと通称スライマーも
クライマックスに登場して、けっこうな大活躍します。
本作単体でも十分面白いけど、旧作観てから観ると更に面白いかもしれません。

彼女たちはゴーストの出現場所が二本の直線状に並んでいることに気付き、
それが神秘な力の通り道レイラインだと考え、その交点のメルカドホテルを調査。
パティ曰く、過去に大虐殺が行われたイワク付きの場所だったようです。
「黒人のパティだけ知的ではない労働者だ」みたいな批判があるけど、
彼女はたしかに理系ではないが、NYの歴史には詳しい文系歴女で、
理系が大半のゴーストバスターズの中では最もキャラ立ちしている気がします。
メルカドの地下で冥界へ繋がるポータル装置を発見します。
それを作ったのはエリンらの著書に触発されたオカルトオタクの男ローワンで、
大量のゴーストを現世に出現させようとしているみたいです。
ローワンは体を張って通電させ、装置を起動して死にます。
ジリアンはすぐにポータル装置を停止させます。

しかし死んだローワンは霊体となり、アビーに憑依。
パティの強烈なビンタで除霊されますが、今度はケヴィンに憑依します。
アホだがマッチョな脳筋ケヴィンの体を使って、再びメルカド地下に侵入。
ポータルを起動させ、大量のゴーストをNYに放ちます。
ローワンはわざと霊になってゴースト軍団を率いるのが目的だったようです。
ゴーストバスターズは怨霊軍団の駆除に出動します。
感謝祭のパレードの巨大バルーンのようなゴーストたちもいて、
その中に見覚えのあるマシュマロマン型のバルーンゴーストも。
巨大マシュマロマンになった前作のボス敵へのオマージュですね。
NYを闊歩する巨大マシュマロマンはオリジナル随一の印象的なシーンなので、
エリンにナイフで一刺しされてパンクしてしまう展開は、呆気なく感じましたが、
本作のボス敵ローワンも、ケヴィンの体を捨て、巨大なゴーストになります。
彼はゴーストバスターズのロゴ「NOゴースト」の白いゴーストを模した姿になり、
マシュマロマン以上に巨大化し、NYで暴れまわります。
正直マシュマロマンの方が可愛い見た目とのギャップがあって面白かった気が…。
せめて「NOゴースト」の面影をもう少し残してくれたらよかったですが、
巨大化してかなり不細工になってしまい残念です。

賢明にゴーストを駆除し続けるゴーストバスターズでしたが、
ゴーストは冥界のポータルから次々湧いてくるので切りがなく、
何とかポータルを反転させるしかないと考えます。
ポータルを反転させるには大量のエネルギーを必要とするのですが、
なんとジリアンが開発した車Ecto-1のルーフに核弾頭を搭載しており、
それを使ってポータルを反転させることになります。
今まで核弾頭を積んだ霊柩車がNYを走り回っていたなんて…。
しかもそれがスライマーにジャックされて暴走していたなんて、
ある意味、ゴースト軍団出現よりもデンジャラスな状況でしたね。
Ecto-1を突っ込ませポータルを反転させ、巨大化したローワンも吸い込まれるが、
アビーがローワンの道連れになり吸い込まれそうになりますが、
エリンはワイヤーロープを命綱にして決死のダイブで彼女を救出。
ポータルは閉じ、NYに平和が取り戻され、めでたしめでたしです。
なかなか派手で盛り上がるクライマックスでよかったと思います。

エンドロール途中のオマケシーンでは、
あるレコーダーを調べていたパティが、「ズール」という言葉を聴いて…。
ズールといえば、前作のボス敵、破壊神ゴーザの門を守る番犬の名前です。
続編でゴーザが登場することの伏線かもしれませんが、
そんな破壊神なんて登場しても面白くないので、単なるファンサービスかな。
そもそも一部から叩かれてはいるものの評判は悪くない本作ですが、
全米ボックスオフィスも初登場1位は獲れず、
製作費よりも全米興収が低く、チャイナマネーも絶望的なので、
それほど儲かったわけでもないため、続編には懐疑的な見方もあります。
とりあえず2019年にアニメ映画が製作中なので、もし本作の続編が実現しても
2019年以降の可能性が高く、ちょっと間が開きすぎな気もします。
ジリアン演じるケイト・マッキノンはまだ若いけど、他のメンバーは四十半ば。
男性俳優なら年齢なんて関係ないけど、女優はあまり間が開くとな…。
フェミニズムは結構ですが女性主人公映画のシリーズ化は難しいです。

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