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ヴィクター・フランケンシュタイン

明日8月11日は今年から施行された新しい国民の祝日「山の日」です。
仕事の休みがカレンダー通りではない私にとっては、
祝日が増えても休日は増えないので、ただ妬ましいだけで嬉しくもないです。
特に何かを記念して制定された祝日ではないみたいなので、
「海の日」同様ハッピーマンデーにすれば連休になっていいのではと思うけど、
お盆休みと連続させやすいから11日に固定したみたいですね。
11日固定なので今年は木曜日になりますが、その祝日で少しでも稼ごうと、
通常は金曜日か土曜日に封切られるはずだった今週末公開の映画も、
明日公開初日になり、しかもこれがかなりの話題作ラッシュです。
ディズニーの実写版『ジャングル・ブック』に『X-MEN』シリーズ最新作、
イルミネーションの『ペット』に、タイムリーな五輪ネタの『栄光のランナー』、
更に19日公開のリブート版『ゴーストバスターズ』まで先行上映され、
観たい映画ばかりでちょっと大変です。
とりあえず『ゴーストバスターズ』は今週末見逃せば来週末までお預けなので
優先的に観に行こうとは思っていますが、やはりアメコミ映画ファンとして
最も期待しているのは『X-MEN:アポカリプス』ですね。
さっそく明日観に行く予定ですが、祝日だし混んでそうだな。

ということで、今日は『X-MEN:アポカリプス』の主演俳優の主演作の感想です。

ヴィクター・フランケンシュタイン
Victor Frankenstein

2016年8月3日リリース。

『X-MEN』シリーズのジェームズ・マカヴォイ、
『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフという、
大ヒット映画シリーズの主演が共演した本作ですが、
全米ボックスオフィス初登場12位と全く振るわず…。
ベスト・テン圏外の作品なんて五万とあるし、ただ12位なだけならまだいいが、
全米2797館で公開された本作は、2500館以上で公開された作品として、
史上最も悪いオープニング成績という不名誉な記録を打ち立てました。
2500館以上といえば大作級の公開規模ですが、配給の20世紀フォックスは
もっと客が入ると思っただろうにアテが外れてしまいましたね。
更に公開翌週末には興収が前週比7割ダウンするという悲惨な状況で、
公開3週目には公開館数も600館未満まで減り、5週で打ち切り。
全米総興収は約580万ドル程度に留まりましたが、
製作費が約4000万ドルもかかっているので大コケです。
海外興収に望みをかけたいところですが、約2800万ドルがやっとで…。
日本では劇場公開すらされずに、ビデオスルーとなってしまいました。
海外興収を稼ぐために映画市場規模世界3位の日本で公開したらいいのに。
『ハリー・ポッター』人気が依然高い日本ならヒットした可能性もあるのに。
宣伝次第では1000万ドルくらいは取り戻せたかも。

その悲惨なオープニング成績、および二週目の落ち込みから察するに、
全く期待されてなかったうえ、観客の評判も悪かったのが窺えます。
私は『X-MEN』が好きなので、マカヴォイ目当てで見ましたが、
その惨状を知っていたので内容には全く期待してなかったけど、
いざ観てみたら、そんなに悪い内容でもなくて意外でした。
いや、もちろん積極的に傑作だとは言えませんが、並みのSF映画です。
メジャー配給でこのくらいの出来であれば、ベスト・テンは十分狙えたはず。
いや、このキャストを考えれば、初登場3位以内でもおかしくない気がします。
何度も言うけど全米興収1億5000万ドル越えの『X-MEN:アポカリプス』と、
3億8000万ドル越えの『ハリー・ポッターと死の秘宝』の主演の共演作なのに、
580万ドルしか稼げなかったなんて何かの間違いとしか思えません。

やっぱりこれは『ハリポタ』後のラドクリフに対する失望感の表れなのかも。
『ハリポタ』後の彼の主演作はことごとく失敗していますからね。
『ハリポタ』後の主演1作目『ウーマン・イン・ブラック』は5000万ドルを超え、
『ハリポタ』から比べると物足りないながらもまずまずの結果でしたが、
その後の主演3作品は泣かず飛ばずで、成績のみならず評判も悪くて…。
客のラドクリフに対する期待感が失われるのも無理からぬことで、
もはや彼に主演としての価値はないのではないかと思いました。
やはりエマ・ワトソンのように『ハリポタ』後は脇役からやり直して、
地道に再び返りスターダムに伸し上がるべきだったのではないかと。
その点、ラドクリフが『ヴィクター・フランケンシュタイン』という映画(本作)で、
フランケンシュタイン博士ではなく助手イゴールを演じると聞いた時には、
ついに主演のプライドを捨て脇役から再出発する気になったのかと思ったけど、
本作は助手イゴールの視点からフランケンシュタイン博士を描いた物語で、
主人公はイゴールであり、またしてもラドクリフ主演だったのです。
(正確にはフランケンシュタイン博士役のマカヴォイとのW主演かな。)
またしても主演作が大コケし、これで4連続コケたことになりますね。
その後、ジェシー・アイゼンバーグ主演『グランド・イリュージョン』の続編に
ラドクリフは敵役で出演していますが、これは見事にヒットしており、
やはり彼は主演しない方がいいのかもしれません。
まぁ『グランド・イリュージョン』の続編も前作の半分の興収になったので、
ラドクリフ出演による客離れの可能性もありますが…。
なんだろ、嫌われてるんですかね?

実際はラドクリフのせいで本作がコケたかどうかは定かではないが、
前述のように決して駄作と言うわけではないと思います。
メアリー・シェリーのゴシック小説『フランケンシュタイン』をベースにしながらも、
過去数々製作されたのフランケンシュタインもの映画とは一線を画し、
ゴシックホラー三大怪物の一人であるフランケンシュタインの怪物ではなく、
怪物を作ったフランケンシュタイン博士ことヴィクターに焦点を当てた、
なかなか珍しいフランケンシュタインもの映画で興味深いです。
フランケンシュタイン博士が実は博士ではなく(博士号を持っておらず)、
一介の大学生であることなど、原作に忠実な設定です。
もっとも、ラドクリフ演じるイゴールというキャラクターは原作小説には登場せず、
ユニバーサル・ホラーの『フランケンシュタイン』シリーズに登場し、
フランケンシュタインの助手として定着したキャラクターだそうです。
以下、ネタバレ注意です。

ロンドンのサーカス団で道化(見世物)として使われる名もなき背むし男は、
医学が好きで人体への造詣が深く、ある日の公演で空中ブランコから落下し、
骨折した女性団員に見事な応急処置を施し助けます。
それを見ていた王立医科大学の学生ヴィクター・フランケンシュタインは感心し、
背むし男をサーカスから脱走させ、自分の助手にするのです。
ヴィクターは「君は背骨が曲がっていない、背むしは膿瘍のせいだ」と、
背むし男の背中から膿を吸い出し、背骨矯正器を付けさせます。
さらにシャワーで白塗りメイクを落とさせ散髪すると、なんということでしょう、
前傾姿勢で小汚かった背むし男が、直立するイケメン青年に変わるのです。
ヴィクターは帰ってこないルームメイトの名前を元背むし男に与え、
彼はイゴール・ストラウスマンと名乗ることになります。

ヴィクターは死んだ動物の死体を貰ってきて、或いは盗んできて繋ぎ合わせ、
その繋ぎ合わせた死体に命を与える実験をしています。
そのために動物や人体に造詣が深いイゴールをスカウトしたのです。
イゴールが処置したチンパンジーなどの臓器を繋ぎ合わせ、
ある薬液と電気を使って、生き返すことに成功します。
その実験を大学の講堂で発表しますが、ヴィクターは変人だと思われており、
聴衆はほとんど集まらず、来た僅かな聴衆も、継ぎ接ぎの動物の死体を見て、
実験を見る前に呆れて立ち去ってしまうのです。
「これから死体を生き返します」なんて言われても真に受けないよね。
でもひとりだけ超裕福な学生フィネガンが実験を見るため残ってくれます。
まぁ彼は失敗するヴィクターを見て馬鹿にしようと思っているだけですが。
ヴィクターはゴードンと名付けた死体に電気を流し、見事に生き返らすも、
ゴードンは凶暴で逃げ出して大暴れしたため、已む無く殺処分します。
ヴィクターは死体に電気を送る道具を「ラザロ・フォーク」と呼びますが、
『ラザロ・エフェクト』と同様、生き返ったモノは凶暴になるのはお約束ですね。
(ラザロとはイエスによって生き返った聖人です。)

暴走したものの、本当に死体が生き返ったことに感心したフィネガンは、
自分の財力でヴィクターの研究を支援することを申し出ます。
支援を受けたヴィクターは、今度はちゃんと知性を持ったモノを作ろうと、
人間を作る「プロメテウス計画」に着手するのです。
(プロメテウスとは人間を作ったギリシャ神話の神です。)
イゴールは今度こそ制御できるのか懸念を感じますがヴィクターに協力。
生き返した肉体を持続させるにはもっと大きなエネルギーが必要なので、
落雷を使うこと考えつき、更に落雷の負荷に臓器がも耐えられるように、
心臓を2つ、肺も2組ある肉体を製造する必要があると提案します。
必然的に肉体は大きくなりますが、そんなモノはもはや人間ではないですね。
人間を作るというコンセプトからはずれている気がしますが、
大きくないと所謂フランケンシュタインの怪物っぽくないか。

ヴィクターが人体のパーツ集めを始めた頃、
ロンドン警察のターピン警部補が研究室に踏み込んで来ます。
彼はロンドン動物園から動物の手足が盗まれた事件を追っており、
ヴィクターを容疑者として目を付けていたみたいですが、それ以上に、
敬虔なクリスチャンで、ヴィクターの神をも恐れぬ所業が許せないようです。
逃走したヴィクターは、警察に追われているためイングランドから高飛びし、
フェネガン所有のスコットランドのアースキン城で研究を続けることになります。
しかしイゴールは研究室で本物のイゴールの凍り漬け死体を発見し、
しかもヴィクターが本物のイゴールの眼を刳り貫き実験に使っていたと知り、
ヴィクターに不信感を覚え、研究から降りることになります。
ルームメイトの死体を実験に使うなんてとんだマッドサイエンティストですが、
どうせなら眼だけじゃなくて全身使えばいいと思うけど…。
まぁわざわざ冷凍保存してたくらいだからいつか使うつもりだったのかな。
研究を降りたイゴールでしたが、いずれ研究を独占するつもりのフェネガンに、
口封じのために殺されそうになります。
殺すなら銃殺なり絞殺なり毒殺なり、ちゃんとトドメをさせばいいのに、
手足を縛って川に落とすという雑な方法で、案の定イゴールは脱出できます。

イゴールはフェネガンからヴィクターを守るため、そして実験を中止させるため、
今まさに実験が始まったアースキン城に単身乗りこむのです。
イゴールは再会したヴィクターにフェネガンの企みを伝えますが、
ヴィクターは「俺は実験を成功させて世間の記憶に残るなら殺されてもいい」と。
イゴールは「世間の記憶に残るのは作り主じゃない、怪物だ」と諭します。
たしかに「フランケンシュタイン」といえば作り主のフランケンシュタイン本人より、
フランケンシュタインの怪物の方を連想する人が多いですよね。
ヴィクターはイゴールの説得に耳を貸さず、ラザロ・フォークを起動、
落雷で死体にエネルギーを充填し、生き返らせます。
人間の死体なんて動物の死体ほど簡単には集められない気がしますが、
この死体は誰の死体から出来ているんでしょうね。
本物のイゴールの死体はロンドンに置いてきたし、少なくとも2人分はいるはず。
落雷の高負荷で研究室が揺れ、フェネガンは転落死します。
なんとも呆気ない悪党の最期でした。

見事に死体は動き出しますが、ヴィクターが呼び掛けても無視され、
知性も心も魂もない怪物だとわかり、彼は怪物を作ってしまったことを悔います。
原作というか一般的なフランケンシュタインの怪物のイメージは、
外見は醜いがちゃんと心がある悲劇の怪物ですが、
本作のフランケンシュタインの怪物は、外見はやはり醜いけど、
心を持たないで暴れ回る単なる暴走マシーンって感じですね。
そこに実験阻止に来たターピン警部補が現れ、怪物に発砲するも全く効かず、
彼は怪物の強烈なワンパンでぶっ飛ばされて死にます。
ヴィクターとイゴールは協力して怪物に立ち向かいます。
イゴールは電気ショックで怪物を怯ませ、心臓に棒を刺しますが、
心臓は二つあるため一つ潰しても怪物は死なず、彼は襲われて気絶。
しかしヴィクターがもう一つの心臓にも棒を突き刺して怪物を殺すのです。
結局、人間同様心臓が弱点なら、それほど強いわけでもないですね。
ターピン警部補が心臓を撃ち抜いていれば止めれたわけだし。

イゴールが目を覚ますと、怪物の死体とヴィクターの置手紙がありました。
手紙には「私はまたいつか君の前に現れるだろう」と書いてあり、
これは明らかに続編を示唆するものでしたが、こんなに壮絶にコケては、
続編製作なんて夢のまた夢でしょう。
でもわざわざ続編を示唆するくらいだから、製作サイドも本作に対して
全く自信がない作品でもなかったということの表れでしょうね。
実際そんなに悪いわけでもないし、続編があるなら観たい気もします。

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