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ファインディング・ドリー

『ミニオンズ』が「キャラクター&ブランド・オブ・ザ・イヤー2016」の
日本キャラクター大賞のニューフェイス賞なるものを受賞したそうです。
ハリウッド発のキャラなのに日本キャラクター大賞とはこれ如何に、
と思いましたが、ディズニー以外の洋キャラを受け入れなかった日本で、
非ディズニーのミニオンが人気を獲得したことは嬉しく思います。
でも出来ればグランプリがよかったですね。
2010年の『怪盗グルー』が初出で約5年活動しているキャラに
ニューフェイス大賞とはこれ如何に、と思いました。
グランプリは『おそ松さん』ですが、そっちの方が新人だしね。
まぁ『おそ松くん』から考えたら半世紀活躍する大ベテランですが。

そんなミニオンの新作短編アニメが同時上映される
『怪盗グルー』シリーズの監督の新作『ペット』が来月日本公開になりますが、
なんでも同作はオリジナルアニメーション映画として全米ボックスオフィス、
史上最高のオープニング成績を叩き出したらしく、期待できます。
ちなみにこの記録は続編ものを除くアニメーション映画が対象ですが、
続編ものを含めた全アニメーション映画のオープニング成績の史上最高は
今週日本公開の『ファインディング・ドリー』です。

ということで、今日は『ファインディング・ドリー』の感想です。
来年度の日本キャラクター大賞も受賞できるかも?

ファインディング・ドリー
Finding Dory

2016年7月16日日本公開。

本作は2003年公開のピクサー映画『ファインディング・ニモ』の続編です。
実に13年ぶりにも関わらず、客にとっては待望の続編だったみたいで、
全米ボックスオフィス初登場1位の好スタートを切りました。
いや、好スタートなんてものではなかったですね。
なにしろオープニング成績が2億1000万ドルを超え、
『トイ・ストーリー3』の1億6700万を大きく上回り、
アニメーション映画史上最高のスタートを切ってます。
その勢いは留まらず、3週連続で圧倒的1位を独走し、
先週末、イルミネーションの新作アニメ映画『ペット』などに敗れ、
3位に後退したものの、現在の全米総興収は4億3000万ドルを超え、
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の約4億ドルを抜き去り、
なんと今年最大のヒット作になってしまいました。
まだ4週目なので、記録はどんどん伸びるはずです。
現王者『シュレック2』(約4億4000万ドル)を抜くのも時間の問題で、
史上最高にヒットしたアニメーション映画になるのは間違いないでしょう。

日本でも大ヒットするのは間違いないと思われます。
なにしろ日本で最もヒットしたピクサー映画は
『トイ・ストーリー3』(108億円)でも『モンスターズ・インク』(94億円)でもなく、
前作『ファインディング・ニモ』(110億円)ですからね。
『ポケモン』と公開日が被り、来週には『ONE PIECE』も公開になるので、
3者でチビッコ客の取り合いになるのは懸念されますが、
私が初日に鑑賞した劇場は超満員で、かなりの勢いを感じました。
大台(100億円)越えは微妙なところかもしれませんが、
『モンスターズ・ユニバーシティ』(90億円)の成績には届くんじゃないかな?

…と言いたいところですが、正直そこまでの大ヒットは難しいかも。
如何せん、出来が微妙だった気がするので、すぐに失速しそうなんですよね…。
もちろん全米では失速しなかったから大記録になったわけで、
私のように微妙と感じる人の方が少数派なのかもしれませんが…。
まぁ前ピクサー映画『アーロと少年』が超駄作だったので、
それと比べれば十分すぎるほどの出来ではありますが、
前作『ファインディング・ニモ』に比べると、どうも弱い気がします。
主人公を交代して失敗した『カーズ2』と同じ轍を踏んでしまっている気が…。
『カーズ2』では前作の主人公マックィーンの相棒メーターを主役に据え、
本作では前作の主人公マーリンの相棒ドリーを主役に据えていますが、
メーターもドリーも個性が強すぎるキャラクターで、
サブとしてなら個性を活かして輝けるが、主役としてだと個性が煩すぎます。
観客としては同調しにくい主人公になってしまいます。

ドリーの最大の個性は「忘れん坊」ということですが、
主人公があんなに物忘れが酷いとちょっとイライラしちゃいます。
本作でのその酷さは忘れん坊なんて可愛いものではなく、
記憶障害、認知障害の域に達しており、見ていて辛くなるほどです。
サブキャラだった前作なら、そこまで強烈には感じなかったし、
前作の段階ではそれがナンヨウハギの生態なのだろうと思ってましたが、
本作ではナンヨウハギが沢山出るけど、物忘れが酷いのはドリーだけで、
彼女だけの先天的な症例だとわかってしまったし…。
主人公がそんな障害者だと、ちょっと重くなってしまいます。
まぁ考えてみれば、前作の主人公の一匹ニモも、
先天的に片方のヒレが小さい障害者でしたね。
そう考えていくと本作で初登場するドリーの仲間たちも、
弱視のジンベエザメとかエコーロケーションを使えなくなったシロイルカとか
足を一本失ったトラウマを抱えるタコとか、ハンディを持ったキャラばかり。
ハンディの克服が本作の裏テーマだったのかもとすら思えます。
以下、ネタバレ注意です。

生まれた時から物覚えが悪かったナンヨウハギの女の子ドリーは、
ある日、迷子になってしまい、両親を探しはじめます。
しかし、次第に両親の名前を忘れ、何を探していたのかを忘れ、
探し物をしていたことも忘れ、海を彷徨い続けて数年経ったある日、
ドリーは息子ニモを探すカクレクマノミのマーリンと出会い、
一緒にニモを探す大冒険をすることになるのです。
この冒険を描いたのが前作『ファインディング・ニモ』ですね。
無事ニモを見つけ、ドリーは彼らの故郷グレートバリアリーフのサンゴ礁で
一緒に暮らしはじめて、一年が経過します。
前作から13年も経ってるのに物語では1年しか経ってないんですね。
まぁ寿命が短い魚にとっては1年でも人間の13年以上の体感かなと思ったけど、
ニモもほとんど成長したようにも見えませんね。(成魚になってもいいはず。)

ある日、ドリーはエイ先生の押し掛け助手になり、ニモたちの遠足に同行。
そこでアカエイの群れの大移動を見学するのですが、群れの激流に飲み込まれ、
気絶したドリーは寝言で「カリフォルニア州モロ・ベイの宝石」とつぶやくのです。
ニモから自分の寝言を教えてもらった彼女は、モロ・ベイが自分の故郷で、
自分は両親を探していたことを思い出し、両親探しの旅に出ることを決意。
その手伝いを頼まれ、マーリンとニモ親子も同行することになります。
知り合いの海流乗りのアオウミガメ親子の協力を得て、
カリフォルニア海流に乗って太平洋を横断、モロ・ベイに到着します。
思いの他あっさり到着したけど、実際はオーストラリア北東から
アメリカ西海岸までのかなり壮大な旅ですよね。
出会う前のドリーは海流に乗らないでどうやってバリアリーフまで来たのかな?

モロ・ベイに着くなり、巨大イカに襲われる3匹。
このイカは他の海洋生物と違って、全く擬人化されてませんね。
なんとかイカから逃れるも、無謀なドリーのせいでニモが軽く怪我してしまい、
マーリンは激怒し、ニモのことを心配する彼女に対し、
「向こうに行って忘れてろ、それが一番得意だろ」と暴言を吐きます。
ドリーは単身助けを呼びに行き、海面に出たところを、
モロ・ベイの海洋生物研究所の研究員に捕獲(保護)されるのです。
マーリンは自分がドリーに暴言を吐いたせいだと責任を感じます。
この海洋生物研究所の館内アナウンス(音声ガイド?)ですが、
各国の著名人が本人役でキャスティングされているそうです。
日本語吹替版では八代亜紀で、「こんにちは、八代亜紀です」なんて台詞も。
日本語吹替版だけとはいえピクサー映画に本人役で出演できるなんて、
かなり光栄なことだと思いますが、正直なぜ八代亜紀って気も…。
彼女が出演したところで集客が伸びるとも思えない誰得なキャスティングです。
(個人的には松たか子とかディズニーと縁が深い著名人がよかった。)
まぁオリジナルの英語版のシガニー・ウィーバーも集客力はなさそうだし、
八代亜紀なら水族館の音声ガイドやってそうなイメージはあるか。

捕まったドリーは隔離所の水槽に入れられ、
ヒレにクリーブランド水族館行きのタグを付けられます。
この研究所は海洋生物を保護し、治療し、海に返すのが目的のはずだけど、
なぜドリーが水族館に送られることになるのかイマイチ理解できません。
そんなドリーの水槽にミズダコのハンクが近づいて来て、「タグがほしい」と。
ハンクは海で足を1本失ったことがトラウマになっていて、
海に返されたくないのでクリーブランド水族館に行きたいようです。
このハンクのトラウマは終盤などで重要な展開に繋がるのですが、
トラウアを受けた出来事にはほとんど言及されないんですよね。
一歩一本全力投球のピクサーのことだから続編の伏線とは考え難いですが、
どうもアニメーション的に8本より7本の方が見栄えがするため、
ハンクが7本足になった理由を後付けしたみたいです。
ハンクによればこの研究所が「モロ・ベイの宝石」で、ドリーの故郷らしいです。
ドリーが水族館生まれだったなんて意外ですね。
ドリーはタグと交換に両親探しを手伝ってほしいとハンクに頼みます。
水を張ったコーヒーポットにドリーを入れ、研究所を探し回るハンク。
タコだってエラ呼吸なので地上では息できないはずですが…。
本作の日本公開版は東京海洋大学名誉博士さかなクンが監修していますが、
ぶっちゃけ無茶苦茶な考証なので、さかなクン的には損じゃないか?
所詮アニメーションなのでしっかり考証しろとは言わないが、監修も不要です。
「タコの心臓は3つある」とか、ためになる雑学もそこそこあるけどね。

餌に紛れ、ジンベイザメの水槽(プール)に投入されたドリー。
目の悪いジンベイザメの女の子デスティニーと出会いますが、
なんと彼女はドリーのことを知っているみたいで…。
ドリーが両親と研究所にいた頃、排水パイプを通じて、
クジラ語で会話したことがあるようで、デスティニーは
ドリーの故郷の水槽がオープン・オーシャンの水槽だと教えてくれます。
前作でもクジラ語を話していたドリーですが、彼女との会話で覚えたんですね。
デスティニーはクジラではなくてサメなので辻褄が合いませんけどね。
まぁ彼女の水槽の横にはシロイルカのベイリーが飼われているので、
クジラの仲間の彼からクジラ語を習ったことにしておきましょうか。
ハンクとドリーはベビーカーをジャックしてオープン・オーシャンに向かいます。

ところが二匹は誤って子供が海洋生物に触れ合えるタッチプールに飛び込み、
乱暴な子供たちのオモチャにされそうになるのです。
実際に水族館にもこんな触れ合えるコーナーあったりするけど、
やっぱり魚にとっては人間に触られるのは迷惑なのかな?
足を失ったトラウマが蘇り怯えるハンクですが、子供に突かれタコ墨を噴射し、
水が真っ黒になったので、子供たちは驚いて逃げてしまいます。
逆にタコ墨なんて吐かれたら子供たちは面白がりそうな気もしますが。
タッチプールから出ると、そこはオープン・オーシャンの大水槽の目の前で、
ドリーはハンクにタグを渡し、水槽に飛び込み、両親を探します。
水槽の底で、昔迷子にならないように作った貝殻の道を発見し、
それを辿って生家を発見しますが、そこに両親の姿はなく…。
近所で聞き込みすると、ナンヨウハギはみんなトラックに乗せて、
クリーブランドに送られるため隔離所に移された、という情報を得ます。

ドリーは排水パイプを通って、オープン・オーシャンから隔離所を目指すが、
行き方を教えてもらっても、物覚えの悪い彼女は案の定迷子に…。
複雑なパイプ内で遭難しそうになった彼女ですが、
そのパイプがジンベエのデスティニーの水槽にも続いていることを思い出します。
クジラ語で助けを呼ぶドリーの声に気付いたデスティニーは、
隣のシロイルカのベイリーに頼んでエコーロケーションを使ってもらい、
パイプ内の構造とドリーの位置を把握し、隔離所に誘導します。
エコーロケーションはソナーみたいなもので、イルカが使えるのは事実ですが、
ベイリーのエコーロケーションは凄すぎです。
水中だけでなく空中でも使えるのはちょっとやりすぎですよね。

パイプを通って隔離所に向かうドリーは途中でマーリン親子と再会します。
マーリン親子はドリーを探すため、水鳥アビのベッキーに運んでもらい、
研究所への潜入に成功し、いろいろあってパイプの中に入っていたのです。
細いドリーや小さいニモがパイプの網目を通れるのはわかるけど、
マーリンまで通れるなんてザルすぎます。
再会を喜ぶのも束の間、三匹は隔離所に到着し、
クリーブランドへ行くため隔離所に戻っていたハンクの強力も得て、
ナンヨウハギの集められた水槽に到着します。
しかしそこに両親の姿はなく、両親を知るナンヨウハギの話では、
「彼らは何年も前に娘ドリーを探しに隔離所に行き、帰ってこなかった」と。
状況が理解できないドリーに、マーリンは「君の両親は亡くなったんだ」と。
ショックで動揺したドリーはマーリン親子を残し排水溝から海に落ちて…。
海に落ちたドリーはマーリン親子のことも忘れてしまうんですよね。
いくらショックが大きかったといっても、ついさっきまで一緒にいた
親友のことまで忘れてしまうなんて、ちょっとあんまりな気がします。
結局ドリーはどんな冒険しても、すぐに忘れて思い出は残らないんですよ。
だから彼女の冒険は得るものがなく、主人公なのに成長も感じられません。

目的も忘れて海底を泳ぎ回るドリーは、また貝殻の道を発見し、
何の気なしに辿ると、そこには家があり、なんと両親と再会するのです。
両親も隔離所から排水溝に落ちて、海で生活していたみたいです。
いつか娘が帰って来ると思い、四方八方に貝殻の道を作ったのでした。
死んだと思っていた両親と再会して喜ぶドリー。
パパから「ずっとひとりぼっちだったのか」と聞かれて、
彼女は漸くマーリン親子のことを思い出します。
しかしマーリン親子ごと乗せたナンヨウハギの水槽はトラックに乗せられ、
すでにクリーブランドに向けて出発したところで…。

トラックを止めるためにドリーはクジラ語で助けを求め、
それに応じたデスティニーとベイリーが研究所を脱走します。
あんな低い壁で海と区切ったプールなら、容易に脱走できますよね。
この海洋生物研究所は至る所がザルすぎます。
ドリーはラッコたちにも協力を求めて、ラッコたちが海に架かる橋を通せんぼ。
マーリン親子を乗せた輸送トラックを停めることにことに成功します。
ラッコたちは研究所から脱走したわけではないので野生のようですが、
カリフォルニアって野生のラッコが生息してるんですね。
ドリーはマーリン親子を救出しますが、ハンクも救出しようとして手こずり、
ドリーとハンクを乗せたままトラックは再出発してしまいます。
2匹は運転手を追い出してトラックをジャックし、なんとハンクが運転して、
カモメを追って海を目指し、トラックをダイブさせ、脱出に成功するのです。
タコがトラックを運転するなんて、もうなんでもアリですね。
ピクサーらしからぬ強引すぎるオチですが、まぁ派手だしいいか。
出番は少ないが前作の人気キャラ、カモメの再登場も嬉しかったし。

そしてドリー家族、マーリン親子、ハンク、デスティニー、ベイリーは
グレートバリアリーフに戻り、仲良く暮らしましたとさ、めでたしめでたし。
エンドロール後のオマケシーンでは、前作で歯医者の水槽から逃げた
タンク・ギャングたちがモロ・ベイまでやって来ます。
シドニーからカリフォルニアまで一年かけて来たみたいですが、
あんな袋に入ったままよく生きてたな、なんて思うのは無粋かな。

アニメーション映画史上最大のヒット作なのに微妙な出来なのは残念です。
いや、前作が好きなだけに期待値を上げすぎただけなのかも。
ピクサーの次回作は『カーズ3』だし、その次の次も『トイ・ストーリー4』と、
更に『ミスター・インクレディブル2』と続編ものが続きますが、
最近のピクサーは続編ものに頼り過ぎです。
『アーロと少年』が悲惨な出来だったし、安易に続編に頼るのもわかるけど、
オリジナル作品にもっと力を入れた方がいいと思います。

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