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死霊館 エンフィールド事件

現在公開中のホラー映画『死霊館 エンフィールド事件』ですが、
観た客が恐怖体験をする事象が世界中で続発しているのだそうな。
中でもヤバイのが、インド南部で起こった事例で、
鑑賞中に急死した65歳の男性が、司法解剖のため移送される途中で、
移送担当者と共に遺体が行方不明になってしまったのだとか。
インドは臓器売買が盛んなので、その担当者が臓器売買目的で遺体を盗み、
トンズラしたと考えるのが妥当だと思いますが、まるで映画の呪いで客が死に、
その遺体が消失してしまったかのように宣伝されています。

でもこの宣伝は逆効果な気がするんですよね。
映画を観ることで呪われてしまうのは願い下げですからね。
上映中に客が急死したというだけなら、心臓麻痺するほど怖い映画なのかと、
ホラー映画ファンを惹きつけられるかもしれませんが、遺体消失は余計です。
別に神も悪魔も信じてないけど「触らぬ神に祟りなし」です。
マイナスプラシーボ効果で、本作を観た後に何か嫌なことが起こったら
「映画を観たせいか」と思って後悔してしまうし…。
実際、私も観た日に身近(親しい人の親戚)で不幸があって、
関係ないとは思いながらも少し不愉快な気持ちになったし…。
まぁ製作サイドは「遺体消失報道は宣伝ではない」と否定してますが。

ということで、今日は観たら呪われるかもしれない映画の感想です。

死霊館 エンフィールド事件
The Conjuring 2

2016年7月9日日本公開。

2013年に公開され、全米1億3700万ドルの大ヒットとなったホラー映画『死霊館』。
ホラー映画が1億ドルを突破することは滅多にないことで、
今世紀最大の大ヒット・ホラーではないでしょうか。
その人気を受けて一昨年、スピンオフ『アナベル 死霊館の人形』が公開され、
これも全米8400万ドルの大ヒットを記録しています。
そして『死霊館』の正当続編となる本作ですが、全米で先月公開され、
現在の全米興収は1億ドル目前に迫っています。
おそらく史上最も人気のあるホラー映画シリーズではないでしょうか。
来年はスピンオフ『アナベル』の続編が公開され、正当続編第3弾もほぼ確定。
本作のスピンオフも計画されており、シリーズの勢いが止まりません。

前作『死霊館』から続投する主人公2人、バチカンも認める悪魔研究家エドと
霊能力者(千里眼)ロレインのウォーレン夫妻は実在した人物です。
実在したというかロレインはまだ存命(御年89歳)なのですが、
彼女の体験談を基に映画化するのが『死霊館』シリーズです。
(ただし『アナベル』などスピンオフは完全フィクションです。)
本作ももちろん体験談、つまり実話を基にしているわけですが、
邦題のサブタイトルにも使われている「エンフィールド事件」は、
1977年に英国で起こった世界一有名なポルターガイスト騒動です。
私もそんな騒動があったことは小耳に挟んだことがありましたが、
まさかウォーレン夫妻がそれを調査していたとは知りませんでした。
ただ夫妻が調査したのは本当でしょうが、本作のような活躍はしてないはず。
この騒動は未解決のまま自然に終息したらしいので。
つまり事実を大胆すぎるほど脚色した、ほぼフィクションです。
まぁ「事実を基に」を謳うホラー映画は十中八九フィクションですけどね。
以下、ネタバレ注意です。

1974年、NYのアミティビルで長男ロニーが家族5人を惨殺する事件が発生。
どうやらロニーは何かに憑かれて家族を殺してしまったみたいです。
その後、その事故物件に引っ越してきたラッツ一家が怪奇現象に遭遇します。
このアミティビル事件を基にしたのがホラー映画が『悪魔の棲む家』です。
私はマイケル・ベイ監督のリメイク版を見ました。
1976年、怪奇現象に悩むラッツ一家は超常現象研究科ウォーレン夫妻を呼び、
妻ロレインは千里眼で事件当時を霊視します。
『悪魔の棲む家』ではエクソシストの神父は出てくるものの、
超常現象研究家なんて出てこなかったと思うので、
まさかウォーレン夫妻がアミティビル事件にも関わっていたとは…。
霊視したロレインは事件当時、家に子どもの怨霊がいたことを突き止め、
その子供の後を追うと、悪魔のような修道女が現れて夫エドが殺される、
という暗示的なビジョン(悪夢?)を見ます。
不安になったロレインは暫く休業しようとエドに頼むのです。
ラッツ家の超常現象は未解決のまま放置したみたいですね。
まぁ実際のアミティビル事件はラッツ夫妻のデマだと言われていますが。

翌年、英国エンフィールドのホジソン一家宅でポルターガイストが起こります。
ホジソン一家は母ペギー、13歳の長女マーガレット、11歳の次女ジャネット、
10歳の長男ジョニー、9歳の次男ビリーの貧しい母子家庭です。
事の始まりは次女ジャネットが親友カミラに霊応盤をもらった夜、
二階の自室で寝ていたら、ベッドと床をすり抜け、一階の居間に落下したこと。
同室の長女マーガレットもドアを激しく叩かれる音を聞きます。
霊応盤とは西洋版コックリさんの道具で、てっきりそれを使ったことで、
怪奇現象が始まったのかと思いましたが、どうも関係ないみたいです。
離婚で弱った心を、この家にもともといた怨霊に浸け込まれたのが原因だとか。

翌日の夜も寝ていた次女ジャネットが急に男のような声で
「ここは俺の家だ!ビリーと遊ばせろ!」と叫び始めます。
どうやら怨霊に憑かれて喋っているみたいです。
次男ビリーの消防車のオモチャが勝手に動き出す怪奇現象も起きますが、
てっきり怨霊は末っ子ビリーを狙っているのかと思ったけど、
そういうわけでもないみたいで、憑かれるのはいつもジャネットです。
ある日、風邪で学校を休んでいたジャネットが居間でテレビを見ていたら、
リモコンが移動し、勝手にチャンネルが切り替わる怪奇現象が発生し、
彼女は居間の隅にある椅子に座っている老人の怨霊を見ます。
その夜、彼女は自室でその怨霊に肩を噛みつかれ、長女もそれを目撃。
騒ぎを聞きつけた母ペギーが駆け付けるとタンスがひとりでに横滑りし、
一家は慌てて隣人ノッティンガムさんの家に避難させてもらいます。
ノッティンガムさんが通報してくれ、翌日警官2人がホジソン家を訪れますが、
警官の目前でも椅子がひとりでに動く怪奇現象が起き、
彼らは「警察の管轄外だ、専門家を呼んで」と逃げ帰ってしまうのです。
ご近所さんも何人か怪奇現象を目撃して騒動となります。
普通だとホラー映画の怪奇現象は、警官やご近所さんなど
住人以外が家に来た時には起きないものなのですが、
この怨霊は誰の前でもお構いなしで、かなり自己主張が強いみたいですね。

噂を聞きつけたマスコミがホジソン家を訪れて騒動は報道されますが、
懐疑的な心理学者アニタ・グレゴリーは姉妹のイタズラだとコメントします。
英国心霊調査協会の調査員モリス・グロスもホジソン家を訪問し、
姉妹にインタビューして録音するのです。
すると自己主張が強くサービス精神旺盛な怨霊は、
次女ジャネットの口を借りてインタビューに答えます。
「俺は72歳のビル・ウォルキンス、居間の椅子で病死した前住人だ」と。
怪奇現象を起こすのは「脅かすのが楽しい」というくだらない理由で…。
たしかにビルはイジワルそうな顔したジジイですよね。
ただその程度の理由なら、気にしなければあまり怖くないかもしれません。
でも一家は怖いので、暫くノッティンガムさん宅に泊まらせてもらうことに。

ところがノッテンガムさん宅でも怪奇現象が起こるのです。
怨霊は家ではなく次女ジャネットに憑いているみたいですね。
夜、末っ子ビリーが物音を聞いて起きると、ノッティンガムさんの愛犬バロンが、
ビリーのゾエトロープに描かれた「へそ曲がり男」に変身し追いかけて来ます。
これが不気味で強烈なビジュアルです。(マザーグースの曲がった男ですね。)
さらにへそ曲がり男はジャネットの姿になり(ジャネットの姿に戻り?)、
ポルターガイスト現象を起こすのです。
母ペギーはジャネットを姉弟と一緒にいさせるのは危険と判断し、
2人だけで自宅に戻って生活することになります。
ポルターガイストで家具壊したらノッティンガムさんにも迷惑ですもんね。

一方、ウォーレン夫妻に教会からエンフィールド事件の調査依頼があります。
教会はエクソシストを派遣するか迷っており、
夫妻に事件がイタズラか霊的現象か調べてほしいみたいです。
なんか前作でも教会はそんな態度でエクソシスト派遣を渋ってましたね。
真偽不明でも悪魔祓いくらいやってあげたらいいのにケチです。
夫が悪魔修道女に殺される悪夢が現実になると心配する妻ロレインのため、
超常現象調査は休業中だったウォーレン夫妻でしたが、
夫エドは「調査ではなく一家に会うだけ」と依頼を引き受けてしまいます。
前作の超常現象調査依頼の時は、ロレインの霊視は命を削るという理由で
エドの方が乗り気じゃなかったけど、今回は逆の立場ですね。
なんだかんだで依頼を受けるこの夫婦は結局オカルトが大好きなのでしょう。

さっそくホジソン家を訪れたウォーレン夫妻。
妻ロレインは友達から気味悪がられて落ち込む次女ジャネットに、
「私が頼れる味方になるわ」と励まします。
もうロレインも事件に首を突っ込む気マンマンですね。
ジャネットは「怨霊が"あなたを殺す"と言っている」と警告。
実際のロレインが約40年後も存命なので殺される展開はあり得ないですが。
2006年に亡くなったエドも同様で、彼らは絶対に死なないとわかるため、
緊張感が薄くなるのが『死霊館』シリーズの最大の難点ですね。
調査員モリスも同席のもと、エドもジャネットにインタビューします。
その時もまたサービス精神旺盛な怨霊ビル爺が受け答えしてくれます。
当時の実際の音声が本作のエンドロールで流されるため、
エドがジャネットにインタビューしたのは事実のようです。
実際にイタズラ説派はジャネットの自作自演と考えたみたいですが、
劇中でインタビューに同席していたロレインも「霊的要素はない」と判断。
エドも「多重人格なのかも」と霊的現象に懐疑的になります。
ジャネットが空中浮遊した時に撮った写真(エンドロールで実物見れる)も、
どう見てもジャンプした瞬間の写真だったりと、かなり怪しい状況です。
しかし調査員モリスだけは頑なに霊的現象だと信じます。
彼は交通事故で亡くなった娘による様々な霊的現象を経験したそうです。
実際のエンフィールド事件は原因不明のまま終息していますが、
調査員モリスの娘の霊が関与しているという説もあるみたいです。

ウォーレン夫妻は撮影機材を持ち込み調査を続けますが、
夫エドは暇なのかホジソン家の水回りの修理をしてあげるのですが、
洗濯機の故障で水浸しになった地下室に母ペギーと行った時に、
水の中から怨霊ビル爺が現れ、ペギーの腕に噛み付くのです。
入れ歯のくせに女に噛み付くのが好きなエロジジイですね。
ジャネットの姉弟が自宅に戻って来ることになりますが、
長男ジョニーがキッチンから何かの気配を感じて見に行くと、
(姉弟の中で最も空気だったジョニーにもやっと出番が…。)
憑りつかれ包丁を振りかざすジャネットに襲われるのです。
駆け付けたエドが十字架をかざすと彼女は気絶し、ジョニーは助かります。
グチャグチャに散らかったキッチンを見たウォーレン夫妻は、
ポルターガイストが起きたに違いないと霊的現象を確信しますが、
キッチンを撮影していたビデオを見た心理学者グレゴリーは「芝居よ」と。
そこにはキッチンで偽装工作するジャネットの姿がバッチリ映っており…。
ジャネット曰く「怨霊に脅されてやった」そうですが、
ウォーレン夫妻も「これを見たら教会も却下する」と調査終了を決心します。

しかし帰路、妻ロレインが怨霊ビル爺に霊視で話を聞きます。
するとビル爺は「悪魔があの子狙っている」と語ります。
実はビル爺は嫌々ながら悪魔の手先に使われていたのです。
別に意地悪ジジイでもなく、むしろジャネットを気に掛けている様子です。
その黒幕の悪魔は、なんとロレインの悪夢に出てきた悪魔修道女でした。
悪魔修道女は前作のアナベル同様、本筋には絡んでこないと思ったので、
まさかこいつが黒幕だったとは意外な展開です。
でもNYのアミティビル事件と英国のエンフィールド事件が、
たまたま同じ悪魔の仕業なんて都合が良すぎるのではないかと思いましたが、
監督曰く「修道女はアミティビル事件とは無関係」だそうです。
たまたまアミティビル事件を調査中のロレインの霊視の中に、
その後に起こるエンフィールド事件の暗示として修道女が出ただけなのでしょう。
ビル爺は「授けたり因んだりし、生まれてから死ぬまで付いて回る物」という
謎掛けをロレインに出題しますが、答えはもちろん「名前」で、
悪魔修道女の名がわかれば退治できるという助言です。
悪魔に悟られないように謎掛けで助言したわけですが、
あまりに簡単すぎて気付かれそうなものですよね。
というか悪魔祓いには悪魔の名前を知る必要があるなんてことは常識で、
悪魔研究家ウォーレン夫妻にそんな助言は無用でしょう。

ウォーレン夫妻はホジソン宅に引き返しますが、
悪魔修道女は次女ジャネットに憑き、家族を追い出して立て籠もっています。
夫エドはジャネット救出のため単身地下室から忍び込みますが、
妻ロレインは悪夢の暗示の通り、夫が悪魔修道女に殺されないかと心配。
そして悪夢で悪魔修道女の名前を聞いたことを思い出すのです。
彼女の名前は「ヴァラク(VALAK)」と言いますが、私は聞いたことがないので、
Wikiで調べたら地獄の大総裁だそうで、そこそこ名の知れた悪魔のようですね。
悪魔がなぜ神に仕える修道女の格好をしているのか不思議ですが、
監督曰く「ロレインが信仰に疑問を持つ物語だから」だそうです。
霊的現象に懐疑的になることと信仰に疑問を持つことは全く別な気がしますが。
まぁそのビジュアルのインパクトはアナベル人形に比肩し、
悪魔修道女もスピンオフすることが決定しています。
でもビジュアルのインパクトでは「へそ曲がり男」の方が優っているので、
どうせならそちらをスピンオフしてほしいなと思いましたが…。

ジャネットを保護したエドは、悪夢の通り、悪魔修道女に追い詰められます。
そこにロレインが乱入し「ヴァラク、神の名のもとに地獄に帰れ」と叫び、
悪魔修道女を退散させ、エドとジャネットを救うのです。
本作は夫妻がエンフィールド事件を解決したと事実を脚色しているわけです。
ちょっとヒロイックに描きすぎで、ロレインを持ち上げすぎな気がしますね。
実物は千里眼が使えるとか嘯く似非霊能力者ババアなのに…。
まぁ悪魔に負けるホラー映画が多い中、悪魔を倒して終わるのは痛快ですが。
ここで倒してしまったということは悪魔修道女のスピンオフも
『アナベル』同様、前日譚として描かれるのかもいれませんね。
エドは記念に「へそ曲がり男」のゾエトロープを持ち帰り、保管庫に飾ります。
保管庫には前作で持ち帰った魔女のオルゴールやアナベル人形も飾られてます。
コレクションは夫妻が経営するオカルト博物館に展示されるのでしょうね。

『アナベル2(仮題)』や『修道女(仮題)』も楽しみですが、
スピンオフは完全フィクションなので、やはり最も気になるのは
『死霊館3』が今度はどんな実際の事件を基に描かれるのかですね。
1977年以降の物語になるはずなので、ウォーレン夫妻の経歴と照らし合わせ、
『エクトプラズム 怨霊の棲む家』の元ネタになったコネチカットの呪い事件かな?
ウォーレン夫妻は60年間で一万件以上の超常現象を解決したと嘯いているので、
全く知られてないエピソードを持ち出してくる可能性もありますが、
超常現象なんてものは全て眉唾なので、実際の事件が描かれたところで
別に事実が描かれるわけではないのですが…。

関連作の感想
死霊館
アナベル 死霊館の人形

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