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アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅

ディズニー長編アニメーション映画52作目『シュガー・ラッシュ』の続編が、
2018年に(全米)公開されることが決定したみたいです。
『シュガー・ラッシュ』はテレビゲームを題材にしたアドベンチャーなので、
ソニックやクッパなど、ゲーム大国・日本のゲームキャラも沢山登場しており、
日本人として、とても親しみを感じた作品でした。
日本、いや世界のゲーム界最大のスター、マリオは登場しませんでしたが、
続編では登場させる意向であることが公言されています。
前作ではマリオを脇役で使うことに支障があったため断念したそうなので、
続編ではかなり重要なキャラして登場することが予想され、楽しみです。

『シュガー・ラッシュ』続編の噂は前々からあったけど、まさか再来年公開とは…。
しかもディズニー長編アニメーション映画57作目としての公開で、これも驚きです。
4月に日本公開された『ズートピア』が55作目ですから、次作『モアナ』の次となり、
予想していたよりもかなり早く続編が観れるのが嬉しいです。
なんとディズニー長編アニメーション映画シリーズでは初の続編ものになります。
(今まで同シリーズの作品の続編はOVAやテレビアニメでのリリースでした。)
後に53作目『アナと雪の女王』の続編も公開される予定ですが、
てっきりそれがシリーズ初の続編になるかなと思っていたのですが。

ということで、今日はディズニー長編アニメーション映画の続編の感想です。

アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
Alice Through the Looking Glass

2016年7月1日日本公開。

本作はティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』の続編です。
前作はルイス・キャロル作の児童小説『不思議の国のアリス』の後日譚という
謳い文句でしたが、実際はディズニー長編アニメーション映画第13作目である
『ふしぎの国のアリス』の後日譚でした。
アニメ映画『ふしぎの国のアリス』は小説『不思議の国のアリス』が原作なので、
何が違うのかと思う人もいるかもしれませんが、小説とアニメ映画とでは、
物語も多少違うが、何より登場するキャラクターの設定がかなり違います。
そして実写映画『アリス・イン・ワンダーランド』のキャラ設定は、
アニメ映画『ふしぎの国のアリス』の設定に基づいているので、
小説『不思議の国のアリス』の後日譚とは言い難い内容でした。

その続編である本作の原題は『Alice Through the Looking Glass』で、
小説『不思議の国のアリス』の続編小説『鏡の国のアリス』の原題と同じです。
しかし当然その『鏡の国のアリス』を実写化したわけではなく、
あくまで『不思議の国のアリス』の後日譚『アリス・イン・ワンダーランド』の続編で
内容は『鏡の国のアリス』とは全く別物なんですよね。
なのでタイトルは原題よりも邦題の方が真っ当な気がします。
こんな原題だから『鏡の国のアリス』に準じた物語になるかと期待したけど、
申し訳程度に名物キャラのハンプティ・ダンプティが登場する程度で…。
まぁそもそも『ふしぎの国のアリス』および『アリス・イン・ワンダーランド』が
『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を合わせたものですからね。
赤の女王、白の女王、双子などは『鏡の国のアリス』のキャラですし。

長々と御託並べて一体何が言いたいのかと言えば、
原作小説を完全無視するなら、せめて面白い物語にしろということ。
全く別物な上に出来の悪い物語に同じ題名を付けては原作に失礼で、
こんなものは金の掛かった同人映画並みの二次創作物です。

まず気に入らないのは、主人公のアリスのキャラ設定です。
これはもう前作から不満でしたが、不思議の国から帰ったアリスが
大人になって再び不思議の国に来るという物語だけど、
小説『不思議の国のアリス』やアニメ映画『ふしぎの国のアリス』のアリスが
大人になっても、こんな風な性格や外見になるとは思えません。
まぁ外見に関してはミア・ワシコウスカに魅力を感じないので好みの問題ですが、
(強いて言えばもっとイギリス人ぽい女優がよかったかな。)
性格に関しては、あの女の子らしかった少女時代のアリスが、
こんな進歩的な女性に成長するなんて考えられないことです。
(私のイメージではアリスは白の女王のようなフェミニンな女性になるはず。)
本作では更にフェミニストになり、19世紀に貿易船の船長として働くという、
ちょっと考えられないようなキャラになってしまっています。
もちろん私は別にフェミニズムを批判する気はありません。
ただあのアリスがこうはならないだろうという違和感を強く感じるので、
更に原作を軽視しているような印象を受け不愉快に思うのです。

進歩的すぎて変人の域に達しているアリスですが、
逆に不思議の国(本作ではアンダーランド)の住人たちは変人さが低減し、
妙に人間らしくなって魅力も低減してしまった気がします。
あのマッドハッターまでも全然マッドじゃなくなってしまいました。
まぁそれは家族のことで落ち込んでしまい、本調子じゃなくなったという、
展開的な影響もあるけど、そもそも変人、いや狂人のマッドハッターは
家族のことで悩むような人間らしさを持ち合わせるキャラではないはず。
そのマッドハッターの家族ですが、あの狂人の身内なので
どんな変人かと期待したけど、厳しい父に優しい母など至って普通な家族で、
本当に変人だらけのアンダーワールドの住人かよと思うほどです。
本作はマッドハッターの過去に迫る物語で、アリスがタイムマシンを使って
彼の家族について調べるという展開ですが、マッドハッターの過去について
観客が最も興味を持つことは「なぜ彼が狂ってしまったのか」ということなのに、
幼い頃は家族同様普通の少年だったのに、なんの原因も描かれることなく、
成長したらいきなり顔面白塗りで挙動不審な変人になっていて、
肝心のところが全く無視されてしまっていることにガッカリしました。
これなら子供の頃から頭のおかしな子として描いてほしかったです。

逆にサイコさが売りだった赤の女王は、過去が描かれたことで
なぜサイコ化したのか明確に描かれ、かなり人間らしさを感じるようになり、
売りが薄れて大きく魅力が損なわれることになりました。
そもそも出オチみたいなインパクトのある外見が面白いキャラなので、
もう見慣れた今となっては再登場しても全くインパクトがありません。
そこはインパクトのある新キャラでその穴を埋めるべきですが、
如何せんほぼ唯一の新キャラであるタイムは外見的インパクトは皆無で…。
変人アリスの意味不明なチャイナドレスの方がまだ派手なくらいです。
初お目見えの双子やチシャ猫の子供時代の容姿は可愛くて良かったけど。

本作のキーマンであるタイムはその名の通り時間の化身ですが、
時間を擬人化するという試みは少々難解だったかもしれません。
そもそもタイムトラベルの扱う物語は、かなり腕が必要なんですよね。
どうしても複雑になるし、タイムパラドックス(タイムトラベルに伴う矛盾)など
観客に納得できる展開にするのはかなり困難で、
人気のある題材だけど成功した例はそれほど多くないです。
本作でも終盤にタイムパラドックスが発生し時間の崩壊が起こるけど、
その展開や描き方は正直全く納得できるものではありませんでした。
そもそも本作はアリスがマッドハッターを救うために、
過去を改変しようと奮闘する物語ですが、過去の改変は歴史を変える禁じ手で、
正しい行為ではないことは劇中でもちゃんと言及されているので、
アリスがいくら奮闘したところで全く応援する気になれません。
むしろアリスを妨害する敵キャラであるタイムの方に義があり、
ただでさえ容姿や性格が気に入らないアリスをますます嫌いになります。
そうとう出来の悪い脚本ですが、だからこそ前作の監督ティム・バートンも、
本作は製作に回り、メガホンを新人監督に押し付けたのでしょう。
(バートンの気持ちはすでに『ダンボ』の実写化に向いていることでしょう。)

前作は全米興収3億ドル以上を稼いで、
童話・児童文学の実写化ブームのキッカケになるほど大ヒットしましたが、
出来が悪すぎる本作は全米興収も期待ハズレのようです。
まだアメリカでも公開から日が浅く、総興収で比較はできないが、
本作のオープニング成績は前作の2割強(2600万ドル)程度に留まります。
全米総興収1億ドルに届かないのは間違いなさそうです。
劇中でチャイナドレスを着たアリスに中国を絶賛させたりして、
必死に中国に媚びてチャイナマネーを稼ごうとしてますが、
それが功を奏したか中国では大ヒットし、(原作国イギリスの人気も根強く、)
世界興収は2億5000万ドルに達し、なんとか製作費は回収してますが、
前作の世界興収は10億ドルの大台を超えているので、その差は歴然です。
まぁ脚本の不出来だけではなく、マッドハッター演じるジョニデの客離れも
興収に大きく影響しているような気がしますが…。
これでは更なる続編の製作はあり得なさそうです。

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アリス・イン・ワンダーランド

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