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シークレット・アイズ

藤原竜也、松山ケンイチ主演で大ヒットした『DEATH NOTE』の続編が
9年の時を経て今年秋に公開されますが、あまり期待はしてません。
それよりも気になるのは、ついに撮影開始されるハリウッド・リメイク版です。
ハリウッド・リメイクの話はかなり昔から噂されていたものの、
本当に製作されるのか疑問だったけど、いよいよ現実味を帯びてきました。
当初は日本同様ワーナー・ブラザーズが手掛ける予定だったのに、
権利がNetflixに移ってしまったことは懸念を感じますが、
(本当にドラマではなく、ちゃんと映画として劇場公開されるのかが不安。)
あのホラー界の若き鬼才アダム・ウィンガード監督がメガホンを取るので、
ホラー色の強い、エッジの利いた面白いものになりそうな予感がします。
エッジが利きすぎて、原作とは全く別物になりそうな気もするけど、
原作の展開は好きじゃなかったので、面白ければ別物になるのもウェルカム。
日本の続編だって原作とは別物なわけだしね。
製作費は4000万ドルらしいので、ホラー映画としては十分すぎる予算で、
キャストもショボい分ギャラは抑えられるし、視覚効果に金かけられるはず。
オリジナルはチャチかった死神たちのビジュアルにも期待が持てそうです。

ということで、今日はハリウッド・リメイクの感想です。

シークレット・アイズ
Secret in Their Eyes

2016年6月10日日本公開。

本作は第82回(2009年度)アカデミー賞で外国語映画賞受賞した
アルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』のハリウッド・リメイクです。
オスカー受賞作『瞳の奥の秘密』は邦題があることでもわかるように
日本でも公開されたみたいですが、私は未鑑賞でした。
「13年前の事件の真相が明かされる時、あなたは二度驚愕する─」
という謳い文句でもわかるように、本作はどんでん返しが売りなので、
『瞳の奥の秘密』を観ず、オチを知らないまま本作を観れたのはよかったです。
謳い文句通り、けっこう驚愕のオチだったので楽しめましたし。
ただ欲を言えば、「二度驚愕する─」というのは謳いすぎ。
どんでん返しが二段階であることを示唆するのはネタバレで、
それさえなければ二度目のどんでん返しでもっと驚けた気がします。
配給会社はサイコスリラーのどんでん返し予告をいい加減やめてくれないかな?
以下、ネタバレ注意です。

2009年、ロスでFBIと検察局の合同テロ対策班が設置され、
FBI捜査官レイ、検察事務官ジェス、検事補クレアが配属されます。
主にイスラム系テロリストが潜伏していそうなモスクを監視するのですが、
ある日、モスクの隣のゴミ捨て場で若い女性の遺体が遺棄され、
現場で遺体を確認すると、なんとジェスの高校生の娘キャロリンで…。
何者かにレイプされて殺害され、漂白剤を混ぜてゴミ箱に捨てられたようです。
レイはキャロリンとジェスの誕生日を祝うサプライズパーティを計画し、
一緒にケーキを買いに行く予定でしたが、仕事で待ち合わせに遅れてしまい、
その間に殺害されたみたいなので、責任を感じ犯人逮捕を誓います。
事件現場に急行したら被害者が自分の娘だった母ジェスの心境は
察するに余りあるものだったでしょうが、レイの悔恨も相当なものでしょう。

レイはキャロリンも参加していた捜査課のピクニックの写真を見ます。
そこに見覚えはあるが捜査課にはいない謎の青年が映っており、
彼はテロ対策用顔認識システムを無断使用して青年を調べ、
監視しているモスクに出入りしている青年のひとりだと判明します。
しかし同僚のシーファートが全く無関係な男をしょっ引いてきて、
組織ぐるみで男をキャロリン殺しの犯人に仕立てようとするのです。
レイがシーファートにどういうつもりか問いただすと、
モスクの青年マージンは内偵している情報屋なので逮捕されたら困る、と。
上司のモラレス検事も、たかがレイプ殺人より第二の9.11を防ぐことが重要と、
明確な証拠もないのにマージンをしょっ引くことに難色を示します。
うーん、9.11から約4カ月後の話なので、たしかにテロ対策の方が重要かも。
でも意図的な誤認逮捕はやりすぎですよね。

レイは明確な証拠を掴もうと、マージンの家に令状なしで侵入し、
自作の暴力的な漫画を発見し、勝手に持ち帰ってしまいます。
家主に見つかりそうになり、ポメラニアンを蹴り飛ばしたのは笑いましたね。
本作はシリアスなスリラーなのに、たまにクスッと笑える悪ふざけがあります。
その漫画を見たジョスは、登場人物の名前がドジャース選手の引用と気付き、
ドジャースファンの集まるバーに毎晩通い始めます。
特定の球団の選手の名前をキャラ名に引用する漫画なんて、
なんだか『ROOKIES』みたいですが、別に野球漫画ではなく、
モンスターが出てくる漫画でクソ面白くなさそうです。
そこがまた素人の自作漫画っぽくてリアルですよね。

一方レイはドジャース戦があるスタジアムに行き、観客を隈なくチェック。
見事にマージンを発見し、逃げられそうになるもなんとか捕まえ連行します。
ところが担当の検事補クレアは、「証拠がないから釈放するしかない」と…。
しかしレイの熱意に負け、任意の取り調べをすることを許可します。
レイの尋問に、被害者を見たことがないと言い張るマージン。
その様子を見ていたクレアは「彼が犯人のはずない」と言い出します。
レイに協力的だった彼女までが、ついに組織の論理に屈したのかと思いきや、
実は自供を引き出すための巧妙な作戦だったのです。
クレアは「被害者はスポーツ万能だから犯人は屈強な男のはず」
「漂白剤でDNAの痕跡を消そうとしており、犯人は用意周到で高学歴」
「被害者の膣内深さ23cmのところに傷があったから犯人は巨根」
「だからひ弱で学のない短小野郎マージンにこの犯行は無理よ」と挑発。
彼女に侮辱されたマージンは自ら自慢のイチモツを晒し、
「おまえもあの女と同じ目に遭わせてやろうか」と脅します。
挑発して怒らせ、見事に自供させてしまったわけです。
マージンは短小ではなかったけど、馬鹿なのは間違いないみたいです。

しかし、情報屋を失いたくないモラレス検事がマージンを釈放してしまいます。
自供まで取ったのに、証拠があっても逮捕する気はサラサラないようです。
逮捕が無理そうだと悟ったレイはジョスに「いっそマージンを殺すか」と提案。
彼女は「殺しても苦しみは一瞬、監獄で虚無な人生を何年も送らせたい」と。
娘を殺した男の罰は死でも生温いという遺族の心境、なんとなくわかりますね。
そのすぐ後、犯行に使われたバンが事故に遭ったと通報が。
車内が漂白剤臭いらしく、決定的な証拠になると現場に急行したレイだが、
バンは炎上しており、証拠も全て燃えてしまっているみたいで…。
私は釈放されたマージンの仕業かと思いましたが、
どうもモラレス検事が証拠隠滅のために放火したようです。
これで証拠は全て失われ、マージンも消息不明となり、捜査は完全に手詰まり。
レイは国家権力が信用できなくなりFBIを退職します。
モラレス検事を放火容疑で告発したらいいと思ったけど…。

それから13年、ジョスはテロ対策班主任に、クレアは検事に昇進します。
ある日、メッツの警備会社に転職したレイが検察局を訪れます。
レイは13年間、公開されている何百万人もの受刑者の顔写真をチェックし、
武器所持で逮捕され最近仮釈放になった元受刑者の青年ベックウィズが、
偽名を使っているマージンだと確信し、今度こそ捕まえようと戻って来たのです。
ベックウィズの写真を見せられたクレアですが、顔が違うので懐疑的です。
レイは整形したと言い張っており、かなり自信があるみたいです。
とりあえずクレアは好きにさせてみようとレイに捜査権を与えます。
うーん、確かに似てなくもないけど、確信できるほどではないかな。
例のテロ対策用顔認識システム使えば、多少の整形くらい見破れるはずだが、
なぜか使いません。(前回も無断だったし、テロ対策以外で使えないのかも。)
ひとつ言えることは、演じている役者は同じですね。

ベックウィズの保護観察官の話では、彼は馬が大好きみたいで、
競馬場に行けば会える可能性が高いらしく、レイはさっそく競馬場に。
しかし観客席に彼の姿がなかったので、厩舎の方に行ってみると、
なんとそこでベックウィズが馬の世話をしてるではありませんか。
馬が好きって競馬好きってことではなく、馬そのものが好きなんですね。
レイが「整形したのか?」と話しかけると、ベックウィズは逃げ出します。
逃がしてしまったレイですが、彼がマージンだと確信を強めるのです。
レイは厩務員に「見かけたら報せてほしい」と連絡先を渡し、
後日連絡が来て、ベックウィズを尾行し、盗難車の工場に着きます。
ベックウィズは車盗難の常習犯らしく、そこで働いているみたいです。
レイは後を追って工場に入るが、ベックウィズとその仲間に見つかり袋叩きに。

しかしレイの援護にジョスたちテロ対策班が踏み込んで来て、
レイは助かりますが、銃撃戦の末シーファートが殉職します。
ベックウィズは拘束しますが、ジョスは「彼はマージンじゃない」と…。
後日、レイとクレアはジョスから自宅に呼び出され、驚愕の真相を聞くのです。
ジョスは13年前、モラレス検事の妨害でマージンの逮捕が不可能と悟り、
例のドジャースのバーで彼を発見し、銃殺して庭に埋めたそうで…。
だからジョスは始めからベックウィズが無関係だと知っていたのです。
単なる車泥棒の逮捕のためにシーファートは殉職したんですね。
まぁ意図的な誤認逮捕するような輩だから死んでも気の毒じゃないけど。
むしろ気の毒なのは、13年も無駄にマージンを探したレイです。
ジョスもそのことを知り、申し訳なく思って告白したみたいですが、
それなら別にクレアまで呼び出すことなかったのにね。
クレアは検事という立場上、ジョスの殺人を見過ごすことは出来ず、
おそらく近々彼女を立件することになると思われます。
クレアもそんな話は知らずにいたかっただろうし、気の毒ですね。
ただ前述のように、この真相は二度あるどんでん返しの一度目なので、
この後、二度目のどんでん返しで真の真相が明らかになるのが推測できます。
あの無粋な謳い文句のせいで…。

翌日、NYに帰ることになったレイですが、何かを察して再びジョスの家に。
すると彼女は13年前に殺したはずのマージンを納屋で監禁しており…。
実はマージンは生きていた、これが2度目のどんでん返しですね。
示唆されていたからこのオチはある程度予測できちゃったなぁ…。
ジョスは「監獄で虚無な人生を何年も送らせたい」との思いを実行したのです。
レイに見つかったジョスは「終身刑よ」と言いますが、
刑務所なら本を読んだり絵を描いたりもできるだろうけど、
この納屋の檻では食事以外何も与えられてないみたいです。
レイに気付いたマージンは「俺に話しかけろと言ってくれ」と懇願しますが、
おそらくこの13年間、ジョスからは一言も話しかけられてないのでしょう。
本物の終身刑なんかとは比べ物にならない虚無さ加減で、
常人なら一年と持たず気が狂いそうな恐ろしい罰ですね。
それを知ったレイはピストルに弾を装填しジョスに渡し、庭に穴を掘ります。
レイはこんなことをしていたらジョスの人生まで虚無になると思い、
マージンを殺して埋めて終わらせるべきだと考えたみたいです。
その気持ちを汲み取ってジョスはマージンを撃ち殺しますが、
これで一番救われたのは虚無な人生が終わったマージンだったかもね。
ジョスは解放されたかのように安堵の表情を浮かべ、本作は幕を下ろします。
たぶんジョスは逮捕されることになるでしょうが、まぁハッピーエンドかな?

さすがはオスカー作品のリメイクだけのことはあり、
なかなか出来のいい脚本のサイコスリラーでしたが、
2段階どんでん返しを示唆されていたのが返す返す悔やまれます。

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