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復活

先日放送された視聴者参加型番組『探偵!ナイトスクープ』に、
視聴者(依頼者)としてダウンタウン松本人志が参加していて驚きました。
在阪局のローカル番組なのに、大御所芸人がまさかの出演です。

私も学生時代は松本人志のことを笑いの天才だと思っていて、
崇拝に近い感情を持っていました。
でも彼が映画監督を始めて、その映画がことごとく寒い出来で、
たぶん最後となるであろう監督作『R100』でついに呆れ果て、
「これのどこが笑の天才だ」と見限り、出演番組も全く見なくなりました。
でもバナナマンが好きで見始めた番組『クレイジー・ジャーニー』に嵌り、
そこに出演している松本人志を見るうちに「やはり悪くない」と思い始め、
今では『水曜日のダウンタウン』とか『ワイドナショー』とか、
欠かさず見る番組のほとんどが彼の出演番組で、
いつの間にかまた好きになってました。

ただ、昔のような崇拝に近い感情ではありません。
映画で失敗したことで「松本人志もやはり人間なんだな」と思えて、
今は親近感のあるタレントとして見ています。
『ワイドナショー』でのコメントも至って常識的なものだし、
『探偵!ナイトスクープ』ごときローカル番組にも出てくれるしね。
今は人間味があって崇拝していた時よりも好きかも。

ということで、今日は世界中で崇拝されている人物を描いた映画の感想です。

復活
Risen.jpg

2016年5月28日日本公開。

本作はイエスの復活を描いたクリスチャン映画です。
私は無宗教(無神論者)で当然クリスチャンではないので、
本来ならそんな題材の映画を観ようとは思わないところですが、
本作は全米ボックスオフィスで初登場3位の好成績を収めており、
全米ヒット作なのでハリウッド映画ファンとして観に行きました。

聖書を読んだことがない私は、イエスについて全く詳しくないけど、
イエスを描いた映画はこれまでも『パッション』、『サン・オブ・ゴッド』を観ました。
でもそれらは主に生前のイエスのことが描かれていたため、
死んでから復活するまでの経緯はあまり知らなくて、
そこを中心に描いてある本作は興味深いというか勉強になりました。
なんでも脚本はイエスが処刑されるまでの12時間を描いた『パッション』の
非公式続編として執筆されたらしいです。
まぁ死人が復活したなんて荒唐無稽な話は信じてませんけどね。
そもそも本作は何を目的に製作されているのか謎です。
クリスチャンにとってはよく知ってる話だろうから今更でしょうし、
非クリスチャンにとっては全く現実味のない嘘くさい物語なので、
これが布教に役立つとも思えないし…。
まぁクリスチャンは今更と思いながらも義務的に観に行くだろうし、
(信仰する物がどんな風に描かれているのかは気になるだろうし、)
そんなクリスチャンを動員して全米3位のヒットになったわけだから、
いつになってもクリスチャン映画が廃らないわけです。
ある意味、世界一のベストセラーの映画化作品ですよね。

本作はイエスが死んでから復活するまでの間のことが描かれるので、
当然主人公はイエスではありません。
ローマ帝国ピラト総督に仕える第10軍団「フレテンシス」の百人隊長
クラヴィウスが本作の主人公で、イエスを処刑した立場の視点から、
イエスの復活が描かれるという、ちょっと面白い趣向です。
結論から言ってしまえば、復活を目の当たりにしたクラヴィウスは
イエスをメシア(救世主)だと信じるわけですが、
もともと彼はそれほどアンチではない印象を受けるので、
もっと強硬なアンチの視点から描かれると更によかったかな。
これだと信じやすい主人公が案の定信じてしまっただけの物語で、
強硬なアンチの主人公が折伏される物語をうまく描くことができれば、
私みたいな非クリスチャンの客も折伏できるかもしれないのに。
以下、ネタバレ注意です。

ローマ帝国ピラト総督はユダヤ人を扇動するナザレ人を捕らえ、
部下のクラヴィウスが彼を十字架刑に処し、岩窟式の墓に埋葬します。
そのナザレ人はユダヤ人たちから救世主だと崇められており、
死んでから三日後に復活すると宣言していました。
もちろんグラヴィウスもピラト総督もそんな世迷言は信じていませんが、
万が一ナザレ人の弟子に盗まれるなどして墓から遺体が消えたら、
民衆が「救世主が復活した」と騒ぐかもしれないので、
墓穴を重い岩で閉じ、縄も張って封蝋までして、三日間、番兵に見張らせます。
遺体の盗難が怖いなら火葬しちゃえばその心配はなくなるのに、
ユダヤ教では火葬しちゃいけないみたいですね。
ローマ人がユダヤの教義なんて守る必要はないと思うのですが…。
ところが案の定ナザレ人の遺体は消えてしまうのです。
ピラト総督はクラヴィウスに遺体捜しを命じます。
誰が遺体を盗み出し何処に隠したのか、ミステリー展開で少しワクワクしますが、
クリスチャンではない私でもオチは薄々わかっているので…。

クラヴィウスはまず番兵に事情聴取します。
番兵は「うっかり寝てしまい、その隙にナザレ人の弟子たちに盗まれた」
そして「武装した弟子たちに復活の噂を流せと強要された」と証言します。
なかなか納得できる証言ですが、実際は千切られていた縄を、
番兵は「弟子が刃物で切った」と証言しており、矛盾もあります。
とにかくナザレ人の弟子が怪しいと考えたクラヴィウスは弟子捜しを始め、
復活の噂を流している輩を次々と捕まえて尋問します。
その中に弟子らしき人物(タダイ?)がいて、彼曰く「真の弟子は無実だ」と。
俄か信者が盗んだのだろうということでしょうね。
続いて「救世主の声を聞いた」という盲目の婆さんを尋問。
続いて「最近救世主に会った」という女弟子マグダラのマリアも尋問します。
意外なことにクラヴィウスは彼女たちを尋問後に解放するんですよね。
尋問してみて「正気を失っている」と相手にしなかったみたいですが、
復活の噂が流されると困るなら殺すか拘束しておくべきでは?

クラヴィウスは街中で復活を吹聴していたトマスを捕らえ、
金を渡してナザレ人の弟子たちのことを聞き出します。
弟子は12人いたが、今は1人裏切って11人いるみたいで、
そのうちの1人、バルトロマイを捕まえて尋問します。
十字架刑をチラつかせて脅し、他の弟子の居場所を聞き出そうとするが、
いくら脅しても「弟子はアチコチにいる」と誤魔化すだけで…。
こんな舐めた奴は十字架刑に処すしかないだろ、と思いましたが、
なんとクラヴィウスは彼まで解放してしまうのです。
いくらなんでも甘すぎるだろうと思いましたが、それは作戦で、
解放したバルトロマイを泳がせて、トマスに尾行させたのでした。
まぁクラヴィウスは知らないけど、トマスも11人の弟子の1人ですけどね。

クラヴィウスは十字架刑の痕がある別人の遺体を用意して、
これがナザレ人の遺体だと公表するようにピラト総督に進言します。
なかなか妙案ですが、なぜか採用されなかったようで…。
そんな折、例の番兵が脱走、すぐに捕まえ尋問しますが、
「墓穴から後光が差す人影が現れて逃げた」と前回とは違う証言を…。
これが本当なら遺体は盗まれたのではなく復活したことになるが、
こんな荒唐無稽な言い訳、誰が真に受けるんだよ、
と思いきや、クラヴィウスは疑心暗鬼になってしまい…。

そんな折、トマスから弟子たちの隠れ家を発見したと報告を受け、
クラヴィウスは単身乗り込みますが、なんとそこには
弟子たちに囲まれて死んだはずのナザレ人の姿が…。
普通なら、弟子たちが復活を偽装するために用意したソックリさんだろう、
(聖痕付けて髭生やした長髪のユダヤ人なら誰でも似そうな気がするしね。)
と思いそうなものですが、信じやすいクラヴィウスは復活したと確信します。
百歩譲って復活したと考えても、救世主だとまで考えるのは変でしょ。
普通なら、幽霊かゾンビ的なバケモノと思いそうなものですが…。
立ち竦むクラヴィウスを余所に、ナザレ人は幽霊のように消え去ります。
マグダラのマリア曰く、ナザレ人はガラリヤで再び現れるそうで、
弟子たちはガラリヤに旅立ち、クラヴィウスも後を追います。
なぜ言い出しっぺのマグダラのマリアが同行しないのか不思議ですが。

一番弟子ペトロは親切で、追ってきたクラヴィウスを一行に加えてくれます。
クラヴィウスもピラト総督率いる追っ手を撒くのに協力したりして、
一行はガラリヤに到着します。
弟子たちは腹が減ったので、湖で投網漁を始めますが、全然獲れません。
ところが湖畔にいた男に「網を舟の右に降ろせ」と言われ、
その通りにすると網を上げられないほどの大漁に…。
その男こそ、復活したナザレ人で、彼の起こした奇跡で大漁になったのです。
復活といえば、天から降臨するようなイメージを持っていたので、
こんなにシレッと現れたのは意外でした。
この漁のエピソードはたしか『サン・オブ・ゴット』でも描かれていましたが、
復活の時のエピソードではなかった気がします。
私は無宗教ですが、仏教的な考えが強いためか、この有名なエピソードは
無益な殺生とも取れるので、強い違和感があるんですよね。

ナザレ人との再会を喜ぶ弟子たち。
そこに人々から虐げられている病気持ちの男が通りかかります。
ナザレ人が男を抱きしめると、たちまち男の病気が治ります。
死人すら生き返せる彼にとっては造作もない奇跡でしょうが、
こんな何もない湖畔に急に病気持ちの男が現れる展開は
さすがに都合がよすぎて萎えますね。
クラヴィウスはかなり感動して、ナザレ人に心酔したみたいですが…。
ある朝、ナザレ人は弟子たちに「福音を伝えよ」と言い残してまた消えます。
復活する時はシレッと現れましたが、消える時はド派手に昇天します。
復活してから一カ月くらい弟子たちと暮らしたという話を聞いたことがあるけど、
本作の描き方だと再会した翌朝にはまた消えたような印象です。
そもそも復活してから昇天するまでの間にナザレ人が起こした奇跡なんて、
大漁と病人の治療だけで、そんなことするために復活したなんて不思議。
どうせ復活するなら、もっと世のため人のために役立つ奇跡を起こせよ。
ペテロはエルサレムに行くみたいで、クラヴィウスも誘いますが、
彼は断り、何がしたいのかユダヤ砂漠を彷徨って本作は幕を閉じます。
クラヴィウスは復活や奇跡を見て、ナザレ人を救世主だと信じたみたいですが、
別に弟子になったわけでもなく、布教に協力するつもりもないみたいですね。
たぶんクラヴィウスは聖書にも登場しない架空の人物なので、
彼が弟子になったとか聖書と異なることは描けなかったのでしょう。
まぁ聖書もフィクションだし、復活後のナザレ人も架空の人物ですけどね。

ナザレ人が復活してからは急に嘘くさく、宗教臭くなりつまらなくなったけど、
遺体捜しや弟子捜しまでの展開はなかなか面白かったです。
あとせっかくローマ軍の百人隊長が主人公なんだから、
もっと戦闘シーンがあると更によかったです。
冒頭のユダヤ反乱軍との戦闘シーンは短いけど素晴らしかったので。
まぁあまりユダヤ人を殺すシーンを描くと、ユダヤ教徒から批判されて
興収に響くかもしれないから、戦闘シーンは控えめにしたのかもね。

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