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日本映画寸評

今年は鑑賞本数削減のため、日本映画の鑑賞を控え目にしていて、
月に一本観るか観ないかでしたが、今月はハリウッド映画が不作だったため、
その穴を埋めるように日本映画を五本も鑑賞しました。
しかし最近は日本映画への興味がかなり薄れているため、
五本のうち二本はなんとか感想を執筆し、記事に出来ましたが、
残り三本は寸評程度の感想しかなく、独立した記事は執筆できず…。
そこで三本の寸評を纏めて一本の記事にしよう考え、試しに書いてみました。
いざやってみると、自分なりに上手くいった(書きやすかった)と感じたので、
これから主に日本映画の感想はこの形式で書いてみようかと思います。
もちろん単独で書ける興味深い作品は単独の感想記事にしますし、
できればそういう日本映画ばかりなら嬉しいのですが。

ということで、今日は日本映画三本の寸評です。

世界から猫が消えたなら/海よりもまだ深く/オオカミ少女と黒王子
世界から猫が消えたなら海よりもまだ深くオオカミ少女と黒王子

2016年5月14日/2016年5月21日/2016年5月28日公開。

世界から猫が消えたなら

お出掛け中にやることがなくなってしまい、映画でも観ようということになり、
急遽観ることになった作品ですが、やはり飛び込みはダメですね。
できれば『海よりもまだ深く』を観たかったが、その劇場では上映しておらず、
知人が「感動した」と言っていた本作を観ることにしたけど、
「感動作だ」と身構えて観たのも悪かったかも。

脳腫瘍で余命わずかと宣告された青年の前に悪魔が姿を現わし、
大切なものをひとつ消すのと引き換えに1日の命を延ばしてくれる。
まず電話、次に映画、次に時計と何かを消しながら命を延ばすが、
消した物に纏わる過去の出来事も消え、
恋人や親友との出会いも無かったことになり…、という物語。
一種のファンタジーで、面白い設定だとは思うけども、展開がつまらない。
私としては電話、映画、時計がなくなった後の世界がどうなるか、
人々の生活がどう変わるのかに興味があったが、
本作では過去が変わるだけで、現在は何も支障がないようで…。

そもそも電話が過去に遡って存在しなくなったら、
バタフライ効果で世界は全く別物になっているはずなのに、
変わったことと言えば、間違い電話で出会った恋人との出会いが消えただけ。
映画も時計も似たようなもので、それはちょっと都合が良すぎると思う。
例えば時計が消えたら、時計に縛られる生活が嫌で旅をして、
旅先で事故死したトムさんも生き返るはずである。

猫を消されることになり、青年は消えたものの掛け替えのなさに気付き、
死を受け入れることになるのだが、それを決断したキッカケは猫ではなく、
ただ亡き母の遺言を読んだからなので、オチに設定が活かされていない。
せっかく青年が改心しても、病気が治るわけでもなく近々死ぬ。
なんだかハッピーエンド風に終わっているが、実際デッドエンドで感動できない。
あと、テンポが遅過ぎて眠たくなる。
はじめの電話が消えるまでにどれだけ時間を使うのか…。

海よりもまだ深く

日本人監督では数少ない信頼できる映画監督、
是枝裕和監督の最新作なので、期待して観に行きました。
といっても前監督作『海街diary』は相当微妙だったので少し心配も。
ただ『海街diary』は是枝監督初の原作ものだったのが不出来の原因で、
オリジナル脚本の本作は問題ないだろうと思って観に行きましたが、
うーん、『海街diary』並みに微妙な出来だったような…。
劇中で主人公の元妻の新恋人が、主人公の書いた小説を
「時間の無駄とは言わないがテーマがわからない」と酷評するが、
本作もそんな感じの印象を受けてしまいました。
いや、テーマがわからないこともないけど、特に深いテーマでもなく、
なぜ今更こんな物語をわざわざ映画にするのか不思議です。

特に何が起きるわけでもない会話劇です。
タイトルはテレサ・テンの「別れの予感」からの引用らしいけど、
劇中でその曲をラジオで聴いた主人公の母親が、
「誰かを海よりも深く愛したことないから楽しく生きていける」と言います。
本作はそんな感じで、樹木希林演じる母親が明言を連発するだけの物語。
「死ぬ時はポックリ逝くのが本人も周りも楽というのは嘘」とか、
「なぜ男は今を愛せない」とか、「幸せは何かを諦めないと手に入らない」とか、
とにかく名言ぽいことを連発します。
ただそれで息子である主人公の生き方に影響を与えるわけでもなく、
主人公のダメすぎる状況が特に何も好転することもなく終わります。
私にとってもあまり心を打つような明言でもなかったので、
主人公に影響を与えないのも当然かなと思ったけど。
リリー・フランキー演じる主人公の上司の明言
「誰かの過去になる勇気を持つのが大人の男だ」は少し納得しましたが…。

何でもない日常を切り取ったような内容ですが、
監督が書いた台詞なども恐ろしいほどに自然なのですが、
主人公・阿部寛とヒロイン・真木よう子が美男美女すぎるのでリアリティがない。
もともと子役を使うのが上手い監督なので、もっと主人公の息子を活かせば
面白い物語になった気もするが、母親が幅を利かせすぎている。
二作連続で微妙だったので、信頼できる監督リストから除外します。

オオカミ少女と黒王子

彼女が観たいというので、お付き合いで観に行きました。
少女漫画原作のラブコメ映画なんてあまり興味がありませんが、
監督はヒューマンドラマに定評のある廣木隆一だし、
主演はマルチェロ・マストロヤンニ賞受賞女優の二階堂ふみなので、
その辺のラブコメ映画よりはまだマシかもとも思ってました。
そしていざ観てみたら、まあまあ楽しめましたね。
とりあえずテンポがよかったので、上記の二作よりも退屈しませんでした。

二階堂ふみ主演映画はけっこう観てますが、
彼女は変人とか昭和の女子とかを演じることが多いので、
今時の女子高生(しかも高1)をどう演じるのか関心がありましたが、
さすがは若手屈指の演技派、何でも卒なくこなしますね。
まぁこの役なら、あえて二階堂ふみなんて使わなくても、
売り出し中の若手女優でよかったような気もしましたが…。
『今夜はブギーバック』を唄ってるところは可愛かったです。

でも所詮は少女漫画の実写映画化で、物語はイマイチ。
相手役の佐田が、ただイケメンなだけで性格最悪な全く魅力のない男で…。
いや、それほどイケメンなわけでもなく、佐田の同級生の神谷や、
二階堂ふみ演じるエリカの同級生の日下部の方がイケメンな気がします。
性格は日下部>>>>佐田>神谷で、エリカは日下部と付き合うべきと思ったけど、
この手のラブコメはヒロインが誰と付き合うことになるか端から決まっていて、
他の男はその恋の障害でしか存在でしかないんですよね。
佐田のような根性ねじ曲がったツンデレ男のどこがいいんだと思うのは、
私が男だからで、女性はこんな男が好きなのかなとも思いましたが、
一緒に観た彼女も「私なら日下部くん選ぶわ」と言ってました。
うーん、女子中高生には佐田はウケるのかな?

あと面白かった(?)のは、終盤の舞台が神戸に移ったことです。
主人公たちはたぶん阪神大震災の勉強のために研修旅行で神戸に行くが、
私は神戸近辺在住なので、異人館とか王子公園とか南京町とか、
身近な場所がスクリーンで観れるのは嬉しかったりします。
でも本作の最重要スポット、ヴィーナス・テラスの存在は知らなかったです。

総評

やっぱり日本映画よりハリウッド映画の方が好きです。
でも上映前の予告編を観ていたら、面白そうな日本映画もありますね。
公開中の『ヒメアノ~ル』とかカンヌ「ある視点」監督賞『クリーピー』とか、
機会があれば観に行ってもいいかなと思わされました。
ハリウッド映画よりも鑑賞優先順位は低いですが…。

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