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映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃

今日感想を書く映画の初日舞台挨拶でも言及されていましたが、
さすがにこの話題は避けて通れないかな。

今日未明、九州で大きなかなり震災がありましたね。
私が経験した阪神大震災よりも強力な地震だったみたいです。
「心配しています」とか「頑張ってください」とか、口では何とでも言えるけど、
東日本大震災が津波とか原発事故とか衝撃的すぎるものだったので、
地震自体の衝撃には慣れてしまったというか、麻痺してしまったというか…。
不謹慎なことなのはわかってますが、震災の報を受けて真っ先に考えたのは、
来週公開のSFディザスター映画『フィフス・ウェイブ』が
公開中止にならないだろうかという心配でした。
まだ起こったばかりなので、どんどん災害状況も明らかになれば、
いろいろ思うこともあるでしょうが、まだ実感が湧いてないだけかな。

さりとて、今日も映画の感想です。

映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃
クレヨンしんちゃん2016

2016年4月16日公開。

毎年欠かさず観ている「劇しん」こと『映画クレヨンしんちゃん』ですが、
本作「爆睡!ユメミーワールド大突撃」でシリーズ24作目になりますね。
前作「オラの引越し物語 サボテン大襲撃」は興収約23億円を稼いで、
「劇しん」最大のヒット作になりました。
いつもの「劇しん」の興収は13億円前後なので相当なヒットです。
しかしそれは前作の出来が特別よかったというわけでもなく、
前々作(22作目)「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」が傑作だったため、
その次作となる前作に足を運んでもらえたのだろうと思います。
「劇しん」は11作目から21作目まで低迷していましたが、
その頃の作品は(一部を除き)かなり微妙でした。
やはりいい作品を作ればお客さんは戻って来るんですね。
前作も前々作ほど傑作ではないとはいえ、なかなかの佳作でした。
このいい流れを堅持し、更に伸ばして、ゆくゆくは最大のライバルである
劇場版『名探偵コナン』と互角に戦い、GW商戦を盛り上げてほしいです。

そんな期待を持ちつつ本作を観ましたが、この出来なら満足です。
前作を超える佳作に仕上がっており、いい流れは見事に堅持されたでしょう。
やっぱり前作がヒットしたので、製作サイドの意気込みも違う気がします。
劇場版テレビアニメにしては珍しく、監督で出来が左右する「劇しん」ですが、
本作は「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」の監督が再登板することに。
それだけでもヒットさせようと気合が入った人選だと思いますが、
更に今回は、なんとあの劇団ひとりを脚本に迎えているのです。
老舗アニメ映画がお笑い芸人に脚本を任すなんて、普通なら正気を疑うが、
劇団ひとりは自分の書いた小説『晴天の霹靂』で映画脚本も経験済みだし、
なにより『晴天の霹靂』が私的には2014年の最高邦画だったこともあり、
この抜擢には期待感しかありませんでした。
それにアニメ業界のアウトサイダー劇団ひとりが見事に新風を吹き込み、
これまでにないタイプの「劇しん」に仕上がっています。
それでいて「劇しん」から逸脱しすぎているわけでもない絶妙な物語で、
これは共同脚本の高橋渉監督のお蔭かもしれませんね。
以下、ネタバレ注意です。

ある日、野原一家が住む春日部の人々全員が、
巨大な魚に飲み込まれるという不思議な夢を見ます。
同じことが隣町の越谷でも起きたことがあり、
この現象は「集団悪夢シンドローム」と呼ばれています。
何気に隣町が越谷と言及されたのは初めてのことかもしれませんね。
具体的な地名が出ると、本当に野原一家が春日部に住んでそうな気がして、
ちょっと嬉しくなってしまいますね。

そんな夢を見た次の日、野原しんのすけの通うふたば幼稚園に、
貫庭玉サキという謎の転入生がやって来ます。
可愛いので男子児童たちはメロメロで、彼女と友達になりたがりますが、
「バカとは友達になれない」と一蹴する無愛想な女の子です。
風間くん、マサオくんはいつものことだけど、
ボーちゃんまでメロメロになるのは珍しい気がしますね。
例のごとく可愛い転入生にはライバル心を燃やすネネちゃんですが、
サキがあまりに筋金入りの不愛想なので呆れるを通り越して気に入ります。
いつもならカスカベ防衛隊の2番手は風間くんって感じだったのに、
本作はネネちゃんがいつもより大きく扱われている気がします。
ネネちゃんとサキの女の子同士の友情も本作の見所ですし、
女の子の友情は今まで描かれたことがないので新鮮でした。
ネネちゃんがケンカ以外で女の子と絡むこと自体、珍しいしね。

次の夜もみんな同じ夢を見ます。
巨大な魚の中「ユメミーワールド」で、夢のエネルギー「ユメルギー」を使って、
どんな願いでも叶えられるという楽しい夢です。
しかし父ヒロシや母ミサエなど大人たちは子供に比べてユメルギーが少なく、
すぐ使い果たしてしまい、魚の外の悪夢の世界に強制排出されてしまうのです。
そうなると毎晩悪夢しか見れなくなり、日常生活にも支障をきたします。
大人になると現実を知り、夢がなくなってユメルギーが減少するんでしょうね。
逆に赤ちゃんである妹ヒマワリのユメルギーは相当大きいです。
犬の同じ夢を見るようで、シロのユメルギーもなかなか大きいです。

ユメミーワールドを作り、人々を集団悪夢シンドロームにしているのは、
サキの父・貫庭玉夢彦です。
母・サヨリを事故で亡くして悪夢しか見れなくなった娘サキを、
悪夢から守るためにユメミーワールドを作り、
近隣の人々のユメルギーを吸い取ってサキを防護しているのです。
なのではじめは楽しい夢を見れる子供たちも、徐々にユメルギーを吸われ、
吸い尽くされたマサオくんなどは悪夢世界に放り出されます。
しんのすけたちカスカベ防衛隊は集団悪夢シンドロームの謎を探るため
立ち上がりますが、隊員のマサオくんが連日の悪夢で使い物にならず、
ネネちゃんの提案でサキを新隊員にスカウトすることになります。
入隊を拒否するサキでしたが、友達がおらずいつも一人で寂しかったので、
自分を嫌いにならないことを条件に入隊します。
サキはユメルギーを集めるために町を転々と引越してきたし、
自分のために周りが悪夢を見る罪悪感に苛まれ、友達を作らなかったようです。
本作はこの貫庭玉親子が悪役になるわけですが、
「劇しん」ではお馴染みの意味不明な活動をする悪の組織や悪党集団とは違い、
けっして悪人とは言えない可哀想なワケあり親子が悪役で、これも新鮮でした。
悪役にも同情できると物語にグッと深みが増しますね。
ただ先の母が他界したという設定は、子供向け映画としては少々重いかも。

夢の中でユメルギーが吸い取られているところを目撃した風間くんは、
現実でサキに「探したけど君は夢の中のどこにもいない」、
「君が春日部に来た頃からみんなおかしくなったよね」と、
五歳児とは思えない完璧な推理で彼女を疑います。
風間くんの推理は図星なのですが、しんのすけとネネちゃんは
「カスカベ防衛隊はそんなことしない」とサキを庇います。
お姉さん好きのしんのすけが同年代の女の子に優しくするのは珍しいですね。
というか、ちょっと違和感を覚えてしまいますが、テレビアニメと違って
「劇しん」のしんのすけはたまにこんな面を見せますね。
納得してない風間くんは、夢の中でしんのすけたちを無理やり連れて、
吸い取ったユメルギーを集める場所の調査に行きます。
案の定、そこにはサキと夢彦がいて、彼らの仕業だと判明しますが、
夢彦により風間くん、ネネちゃん、ボーちゃんは悪夢世界に強制排出。
しんのすけは間一髪、ユメルギーで巨大化したヒマワリに助けられます。

現実でしんのすけはサキに会いに行きます。
せっかく友達になったネネちゃんたちが犠牲になったことに
罪悪感を抱いているサキは事情を説明し、
「もうすぐ私が引越して元に戻るから、いいじゃない」と言うのですが、
しんのすけは「ダメだぞ、サキちゃんがまた一人になるから」、
「オラがサキちゃんをお助けするぞ!」と…。
なんでしょうか今回のしんのすけ、やたら男前ですね。
そんなの彼のキャラじゃないけど、感動してしまいました。
しんのすけはヒロシとミサエにも事情を説明し、
みんなでサキを悪夢から助けてあげる方法を考えます。
そして夢を食べて生きる伝説の動物「獏」を夢の中で捜し出して、
サキの悪夢を食べてもらう作戦を立てるのです。

夢の中でしんのすけとヒマワリとシロは、夢彦からサキを連れ去り、
魚の外に自ら飛び出て、悪夢世界にいるカスカベ防衛隊と合流し、
獏を探しますが、夢彦が魚を操縦して追いかけてきます。
しかし、ヒロシとミサエが魚の中に入り、中から夢彦を妨害。
ユメルギーの少ない大人はすぐに排出されるはずですが、
ヒロシとミサエはある方法で子供のようなピュアハートを取り戻すことで、
魚の中でも活動できるようになりました。
その方法というのがここには書きませんがかなり衝撃的で、
子供客は爆笑、大人客は苦笑いです。
ヒロシはともかくミサエまで…、と考えるとなんだか恥ずかしくなります。

筋金入りの不愛想だったサキも初めて謝罪し、ネネちゃんたちと和解し、
悪夢世界で獏を探すしんのすけ一行ですが、ついにボーちゃんが獏を発見。
しかしそれは獏は獏でも大和田獏で…。
せっかくのゲスト出演ですが、子供客はキョトン、大人客は失笑で、
正直、居た堪れないほど滑ってましたね…。
ゲスト出演では、まだ大和田獏は「獏」繋がりだから仕方ないとして、
(あと前々作で兄・大和田伸也がゲスト声優だった繋がりもあります。)
二カ所も登場した城咲仁は、なんの目的でキャスティングしたのか。
10年くらい前の一発屋で、当然子供客はポカーン、
大人客も忘れてるくらいのタレントで、一体誰得なんだって感じです。
一発屋と言えば、昨年一世風靡した一発屋、とにかく明るい安村も出演。
実力不足な上、不倫騒動で完全に落ち目な彼の登場には、
大人客は冷ややかですが、子供客は大爆笑でしたね。
不倫騒動と言えば、本作はもともと「ゲスの極み乙女。」が
主題歌を提供する予定でしたが、Vo.川谷絵音の不倫騒動で、
「こんなゲス野郎は子供映画には相応しくない」とお流れになった。
もしそのまま強行していたら、内容に関わらず批判されていたのは明白なので、
ゲスを切ったのは賢明な判断だったと思います。
そして代わりに大好きなケツメイシが主題歌を提供してくれたので、
私の作品の評価は更に上がりました。
劇団ひとりの書く物語とケツメイシの楽曲は相性がいいんですよね。

当然、大和田獏には悪夢を食べることは出来ないが、
試しに悪夢の触手を噛んでみると、悪夢がその正体を現します。
なんと正体はサキの死んだ母サユリだったのです。
どうやらサユリは事故から娘を身を挺して守ったことで死んだようで、
サキの母に対する罪悪感から生まれた怪物です。
ビジュアル的にかなり不気味なので、子供客は怖がるかもしれませんが、
近くの席の小さい子が「怖いけど面白い」と言っていたので、
小さいお子さんと観に行ってもたぶん大丈夫でしょう。
つまり悪夢世界はサキの夢の中で、その中にある魚ユメミーワールドは、
夢彦がサキを悪夢から守るために作ったシェルターみたいなもので、
その動力としてユメルギーが必要だったのでしょう。
悪夢のサユリは魚に食らいつき、ユメミーワールドを破壊。
しんのすけたちは強制的に目覚めることになるが、
サキは悪夢に取り込まれてしまい、無理に起こすと心が千切れるらしく…。

サキを助けるには、夢の中に入って救出するしかないが、
彼女の夢に入るためのユメミーワールド装置が壊れたので不可能…。
しかししんのすけたちカスカベ防衛隊は「オラたちなら入れる」と豪語。
友達という絆があるから装置なしでも入れる自信があるみたいです。
実際に枕を並べてみんなで寝るだけで同じ夢が見れたのですが、
これこそ序盤に集団悪夢シンドロームの説明でボーちゃんが言っていた、
もともと無意識は深いところで繋がっているという「シンクロニシティ」ですね。
夢に入ったカスカベ防衛隊は、サキを救出するため悪夢サユリと戦います。
夢の中だし、ユメルギーも回復していたのか、彼らは好きなものに変身し、
戦うことが出来るのですが、なんとしんのすけが変身したのが獏で…。
探していた獏がしんのすけ自身だったとは、灯台下暗しです。
でもいつものしんのすけならアクション仮面に変身しただろうな。

しんのすけ獏は悪夢サユリをバクバク食べますが、
どんどん増殖するので食べても食べてもキリがありません。
獏さえ見つかれば解決だと思っていたので意外な展開です。
そんなしんのすけ獏でも手に負えない悪夢サユリに大打撃を与えたのは、
なんと小惑星イトカワに変身したボーちゃんでした。
メティオスマッシュをくらわし、悪夢サユリの大部分を吹き飛ばしてしまうのです。
しかし小さくなるも完全に消滅させるまでには至らず…。
そこに悪夢サユリを復活させるために悪夢の元凶が姿を現します。
それは昔のサキの姿をしており、サキの罪悪感が具現化したものかな?
悪夢の元凶は「あんたのせいでママが死んだのよ」
「ママはあんたを恨んでいるわ」とサキを責め立てるのです。
するとサキの罪悪感が増大したためか悪夢がまた増殖しはじめ、
悪夢がしんのすけに襲い掛かるのです。

その悪夢を蹴飛ばして、しんのすけを助けたのはなんとミサエ。
ミサエはサキとの友達の絆がないので夢に入れないはずでしたが、
しんのすけと親子の絆があるので、しんのすけの夢を介して入ったのです。
悪夢と戦いながらミサエはサキに説教します。
「親にとって子供は自分以上、嫌われてでも子供を守りたいのが親よ」と。
更にそんなミサエに死んだ母サユリの姿が重なり、
「あなたを憎むわけがない、あなたが大好き、あなたは私の夢よ」と言われ、
サキは抱きしめられ、罪悪感が消え、悪夢が消滅し始めます。
ここのミサエの一連の台詞には泣かされましたね。
子供客は悪夢を蹴散らすミサエの様子にケラケラわらってたけど、
大人客、特に親御さんの多くは号泣してました。
同じ親としてミサエに共感するところがあるんでしょうね。

悪夢は消滅しますが、なぜか元凶の昔のサキだけは消えずに残ります。
しかしサキは「消えなくてもいいのよ」と。
「悪夢はまだいるけど、うまくやっていける」と言うのです。
そうですよね、たまには悪夢を見ることも成長する上で必要ですよね。
悪夢にうなされて学ぶことだってあるしね。
これで周りからユメルギーを吸う必要がなくなったサキは普通の女の子になり、
父・夢彦と外国に引越して、友達も沢山作ります。
もう普通の女の子なんだから、気兼ねなく春日部に定住すればいいと思うけど、
映画のゲストキャラがふたば幼稚園に残る展開はマズいか。
まぁしんのすけやネネちゃんたちとは絆で繋がっているので、
遠く離れていても夢で会うことができ、めでたしめでたしです。

本人役で出演のゲストキャラの人選を除けば、かなり出来のいい作品です。
これほどまでに客が帰り際に「面白かったね」と言っている「劇しん」は初めて。
ちょっとダークな展開やホラーなシーンもあるので怖いけど、
それも本作の魅力に繋がっていると思います。
テレビ放送時には怖いシーンはカット、修正されると思われるので、
そうしたら魅力の一部を失うことにもなりかねません。
できれば劇場で観ることをオススメします。

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