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愛しのグランマ

最近ちょっと映画館に行けてないので、
今日もDVDの感想です。

愛しのグランマ
Grandma.jpg

2016年3月2日リリース。

全米ボックスオフィス最高10位の本作。
この成績では日本劇場公開は不可能なことはもちろん、
ビデオスルーさえ危ないところです。
でも本作は全くヒットはしてないものの、とにかく評判がよく、
特に主演リリー・トムリンの演技が批評家から大絶賛され、
第73回ゴールデングローブ賞、主演女優賞(コメディ部門)の候補に。
惜しくも受賞は逃しましたが、このノミネートのお蔭で、
本作が日本でも比較的すんなりビデオリリースされたんだろうと思います。

ただ邦題からして食指の動かないヒューマンドラマなので、
リリースされないならされないで構わないと思ってました。
GG賞候補作だし、映画ファンとして一応見ておくべきかと考え、
半ば義務的にレンタルしてきて見た感じでしたが、
なるほど、高評価も頷けるなかなか楽しい内容です。
どこが面白いかと問われると、物語としては特に際立ったところもないので、
やはりトムソン演じる主人公が面白いと答えるしかないですが、
上映時間も80分に満たないのでサクッと見れるところもいいですね。
この内容で2時間あったら、たぶん退屈な作品になったでしょう。
80分だと劇場で千数百円払って見るのは割高な気がしてしまうので、
ビデオスルーでよかったかもしれませんね。
以下、ネタバレ注意です。

休職中の詩人エルは、若い恋人オリビアと別れます。
彼女はレズビアンなわけですが、このカップルの歳の差もかなりのものです。
エルは「もうすぐ五十路に届く」と言うが、どうみても四十代には見えず、
30歳以上、下手すれば40歳くらいの差がありそうに見えます。
オリビアから別れを切り出しますが、どうもエルがそう仕向けた感じで、
彼女はオリビアと付き合う前ヴァイという女性と交際(結婚?)してましたが、
一年半前に死別しており、それを引きずっているみたいです。

オリビアが出て行った後、エルの孫娘セージが訪れます。
孫がいるということはレズビアンなのに子供がいることになりますね。
日本では珍しいけど、数年前のオスカー候補『キッズ・オールライト』とか、
アメリカでは同性愛カップルも子供を持ったりすることが多いですよね。
なんだかややこしい境遇ですが…。
ティーンの孫娘セージは未婚なのに妊娠してしまい、それを母に言えないので、
祖母エルに中絶費用を出してくれないかと頼みに来ました。
病院の予約は夕方で、費用は630ドルですが、本人は18ドルしかなく…。
ところがエルも借金を一括返済したばかりらしく、全財産43ドル…。
本作はエルが孫娘の中絶費用を工面するために奔走する物語です。
たったの630ドルなのに、いざ数時間で工面しようとなると大変です。
それにしてもエルは無責任に妊娠した孫娘を怒らないんですね。
うーん、娘なら怒るかもしれないけど孫だとそんなものかな。

なんでも望まぬ妊娠をしたお金がない女性のために、
ボランティアで手術してくれる病院があるらしいのですが、
その病院は5年前に閉鎖され、マズいコーヒーを出すカフェに…。
日本にもあるかは知らないけど、そういう施設は大切ですよね。
カフェの韓国人店主に八つ当たりするエルの気持ちもわかります。
エルは妊娠させた相手の男キャムに払わせようと家に押しかけます。
ただ全額出させようというのではなく、半額出せと要求するのですが、
その考え方は男女平等で正しいですよね。
なんとなく中絶費用は男が出すものと相場が決まっているけど、
男女双方に責任があるわけだし、そういう男に頼ろうとしないところが、
なんだかレズビアンらしいなと思ってしまいました。
でもこのキャムという男はクソ野郎で、半額出すのも拒否。
エルはキャムに金的をくらわし、彼の全財産50ドルを奪います。
それでも費用には全然足りないですが、ついでにマリファナも奪ったので、
それを売ればいい気がしたけど、自分で使うために奪ったようです。
しかしヤリ逃げしといて50ドル程度で済むなんて許せないので、
このクソ野郎の親に費用を出させるべきだと思いました。

エルはタトゥー屋のデジーに400ドル貸しているので、
それを返してもらおうと店に行きますが、彼女もお金がないみたいで…。
いや、デジーはオネエなので彼女じゃなくて彼かな?
同性愛者同士仲がいいみたいで、無理に返済を迫ったりもしません。
デジーはせめてもの気持ちで65ドルとタトゥーをサービスしてくれます。
いや、タトゥーなんてサービスされても、って感じですが、
エルは喜んで入れてもらうんですよね。
もうタトゥーするような歳でもないのに…。しかも模様は単なる「○」です。
次にエルは自分が所蔵する『フェミニン・ミスティーク』の初版本を
知人カーラが買いたがっていたことを思い出し、その際売ろうと考えます。
その初版本に他数冊付けて515ドルで売りつけようとカーラの店に行くが、
ネットで価格を調べられて、60ドルで買い叩かれそうになります。
『フェミニン・ミスティーク』の初版本だけでネット価格53.90ドルなので、
数冊合わせて60ドルはちょっと図々しく、売買は決裂します。

次にエルは30年ぶりに会う年配男性カールに金の無心に行きます。
カールがキスを条件に500ドル貸してくれるというので、エルはキスしますが、
用途が孫娘の中絶費用と知り、約束を撤回するのです。
なんとカールはエルの元旦那だったらしいですが、彼女がレズとわかり離婚。
更にエルはカールの子を身籠っていたのに相談もせずに中絶したそうで、
それでは中絶費用なんて承服するはずないです。
孫娘セージはエルがカールと別れてヴァイと交際してから子供が欲しくなり、
行きずりの男と寝て作った子供の子供らしいです。
なかなかややこしい状況ですね。
でもそれは49年前の話らしいのですが、エルは50手前じゃなかったっけ?
恋人にはサバ読んでたけど、やっぱり70歳ちかいってことなのかな?

エルはもう金を工面するアテがなくなり、娘ジュディを頼ります。
つまりジュディは孫娘セージの母親ですね。
セージは母にバレるのが嫌で祖母を頼ったので本末転倒です。
セージは人工授精で生まれ、父はいないみたいなので、
母ジュディもレズビアンなのかと思ったけど、そういうわけでもないみたい。
単に会社経営者で忙しく、男を作らなかっただけのようです。
本当にややこしい家族ですね。
ジョディには母親が2人いたことになりますが、主にヴァイに懐いており、
エルとはあまりいい親子関係を築けていないみたいです。
娘セージの妊娠に当然ジュディは激怒し、説教されますが、
中絶には賛成なようで500ドル出してくれます。
これで計676ドルで、中絶費用630ドルは工面できたみたいですが、
途中でお茶したり移動用の車に給油したりしてたのに足りるのかな?
しかもエルは病院前で中絶反対を訴える親子に顔面を殴られ、
その治療費も払ってるはずなんですが…。
まぁ母ジュディが余分に用意してくれた可能性は高いかな。

セージは中絶手術を受けることが出来ましたが、
娘のために奔走してくれた母エルにジュディは感謝し、親子関係改善。
その後、エルは別れた恋人オリビアに会いに行き謝罪しますが、
そこはちょっと蛇足な気がしましたね。
エルとジュディが和解したところで終わってもよかった気がします。

主人公エルがなかなかぶっ飛んだ婆さんなので、
彼女の魅力が本作の面白さの半分を占めているのは間違いないけど、
残り半分の魅力を文章では伝えるのがなかなか難しい作品です。
なんだかそこはかとない面白さがあるんですが…。
たぶん誰が見ても後悔はしない出来だとは思うのでオススメです。

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