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映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生

今日感想を書く映画で、今年劇場鑑賞した映画20本目です。
昨年は2月のアタマに20本目を達成していたので、今年は一カ月遅れ。
例年は観すぎだと思っていたので、順調に鑑賞本数を抑えられています。

この前TOHOシネマズに映画を観に行くと、
上映前に『ONE PIECE』のコラボしたサウンドロゴが流されていました。
過去には『ピクミン』にはじまり『スヌーピー』や『ピニオンズ』とコラボし、
現在は『ルドルフとイッパイアッテナ』ともコラボしているTOHOシネマズですが、
『ONE PIECE』とのコラボには何だか違和感がありますね。
たぶん『ONE PIECE』が東宝のライバル、東映の看板アニメ映画だからです。
東宝が東映の作品とコラボしたことよりも、東映が許したことが意外です。
あと『ONE PIECE』って何処ともコラボする尻軽な作品なので、
コラボ先が安っぽい印象になってしまうんですよね。
TOHOシネマズもこのコラボは早く打ち切った方がいいと思います。

ということで、今日は東宝の看板アニメ映画の感想です。

映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生
ドラえもん2016

2016年3月5日公開。

本作はテレビアニメ『ドラえもん』の劇場版36作目で、
声優交代後の第二期の劇場版11作目になりますが、第二期の劇場版は
オリジナルストーリーと旧作のリメイクがほぼ交互に製作されており、
昨年はオリジナルだったので今年は予想通りリメイクが製作されました。
今回リメイクされたのは劇場版第10作目で、第一期劇場版の中でも
名作と名高い『映画ドラえもん のび太の日本誕生』です。
私もこの作品には思い入れがあり、公開当時小学校低学年でしたが、
おそらく生まれて初めて劇場で観たアニメ映画です。
なので昔映画館で見た『映画ドラえもん』のリメイクを劇場で観るのも、
今回が初めてで、なんだか感慨深いものがあります。
そんな私ももう30代で、子供がいてもおかしくない歳ですが、
本作はそんな子供の頃に旧作を観た親世代への目配せも忘れておらず、
子供はもちろん、付き添いで観に行った大人も楽しめる、
なかなか気の利いたリメイクになっています。

リメイクでは6作目となりますが、前回のリメイク作品『新・のび太の大魔境』は、
オリジナル要素が全くなくリメイクの意味がない退屈な焼き直しでした。
その点、本作はちゃんとオリジナル要素を盛り込んでいますが、
前々作のリメイク作品『新・のび太と鉄人兵団』のように新キャラを投入など、
内容が変わってしまうほどのオリジナル展開をブッ込んでいるわけではなく、
旧作の補足や、旧作の問題点の解消を補うような追加要素として使われます。
なので旧作の印象を全く損なってないし、旧作よりも物語が纏まっています。
まだツッコミどころは多いですが、旧作よりも泣ける内容にもなっています。
以下、ネタバレ注意です。

テストで0点を取ったのび太は、ママから叱られて家出を決意します。
原作だと叱られた理由は明示されていないのですが、
0点の答案の裏に落書きしたペガサスが後の伏線となるので、
補足的なオリジナル要素になっています。
同じ頃ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、ドラえもんまでも家出することになり、
みんなで住む場所を探すのですが、日本には所有者のいない土地などなく…。
そこでまだ人間が住んでいなかった大昔の日本に行くことになり、
3万年前にはいたらしいので、タイムマシンで7万年前の日本へ向かいます。
タイムトンネルを航行中に時空乱流に巻き込まれそうになるも、
なんとか7万年前のヴァルム氷期の日本に到着するのです。
タイムマシン本体はいつもならタイムトンネル内に停泊させているのに、
今回は何故か航時機(キテレツ大百科)のように野外に飛び出しちゃうのです。
そのためタイムマシンを隠す必要があり、「ドンブラ粉」で地中に隠します。
この展開は原作にはないし、何の補足にもなってないので、
終盤でドンブラ粉が活躍するオリジナル展開が用意されているのが見え見え。
見え見えの伏線は構わないが、そのためにタイムマシンの設定を曲げるのは
あまり褒められたものではない気がしますね。
来て早々、ジャイアンとスネ夫が野牛に襲われますが、原作ではサイでした。
その後も2人はオオサンショウウオに襲われるのですが、原作ではワニで、
たぶん日本にサイやワニはいないだろうということで改変されたのでしょう。
こういう考証に沿ったオリジナル要素はいいですね。

ドラえもんたちは誰もいない日本で役割分担して自分たちの楽園作りに着手。
のび太はペット大臣に任命され、秘密道具「動物遺伝子アンプル」と
「クローニング・エッグ」で好きな動物をペットとして誕生させることに。
のび太は数種類のアンプルを混ぜてエッグに投与し、3頭キメラを作ります。
ウマとハクチョウを掛けあわせたペガサス風キメラのペガと、
ワシとライオンを掛けあわせたグリフィン風キメラのグリと、
ワニとシカとコウモリを掛けあわせたドラゴン風キメラのドラコです。
原作だとドラコはワニとシカとトカゲのキメラですが、
それでは飛べないのでトカゲではなくコウモリに変更されたんでしょうね。
旧作よりも絵が綺麗になったことにより、グリとドラコに比べて、
ペガが写実的すぎるのが少し気になりました。
本作ではこの3頭のキメラとのび太の絆が、より深く描かれています。
個人的にはもっと掘り下げてもよかった気がしますが…。
農林大臣のスネ夫が「畑のレストラン」で栽培したダイコンを、
のび太がそのままかじるのも原作にはない展開でしたが、
予想外の大ボケに笑ってしまいました。

ある程度楽園が完成したところで、彼らは家出を中断し一度帰宅することに。
帰ったらママからまた叱られる思ったのび太ですが、意外にも説教されず…。
ママはなかなか帰ってこないのび太のことをすごく心配していたので、
無事に帰って来てくれたことに安心したみたいです。
この展開も本作のオリジナルですが、これが前述の親世代に対する目配せ。
原作よりも親子の絆を丁寧に深く描くことで、親世代がママに感情移入し、
感動できるように演出されているのだと思います。
原作ではマクガフィンでしかなかった家出を、本作はテーマに据えており、
家出を通して成長するのび太の様子が描かれています。

現代に戻ったドラえもんたちは、石器時代から来た少年ククルに会います。
彼は時空乱流によって神隠しに遭っい現代に飛ばされたみたいで、
ドラえもんたちはククルを連れて7万年前に戻りますが、
「時空震カウンター」で時空乱流の流れを調べてみると、
どうやら彼は中国の和県あたりで神隠しに遭ったそうで…。
ククルの属するヒカリ族の村が呪い師ギガゾンビ率いるクラヤミ族に襲われ、
浚われてしまった家族や仲間を助けるため、彼は故郷まで帰ることになり、
ドラえもんたちも同行し、3頭のキメラに乗って中国大陸を目指します。
旧作公開当時の私は何も知らない子供だったので、
昔日本大陸が中国大陸と地続きだったことも旧作で知ったんですよね。
昔の『映画ドラえもん』には学習要素も多かったので素晴らしいですよね。
二期のオリジナル作品に足りないのはそういうところです。
本作では道中に富士山に通りかかるオリジナル展開がありますが、
富士山が10万年前に誕生したことを本作で初めて知り、勉強になりました。

ヒカリ族の村跡に到着した彼らは、「たずね人ステッキ」でクラヤミ族を追うが、
目立たないように3頭のキメラはその場に置いて、「タケコプター」で追跡します。
そしてヒカリ族を連行するクラヤミ族を発見し、襲撃するのです。
秘密道具の電撃付き石槍「ショックスティック」でクラヤミ族を蹴散らしますが、
呪い師ギガゾンビの手下ツチダマが現れ、激しいバトルになります。
ツチダマは喋る遮光器土偶で、強力な衝撃波を放ってきます。
原作のツチダマは遮光器土偶型の一種類のみでしたが、
本作には他にハート型土偶型など計五種類がいて面白いですね。
ドラえもんは「ひらりマント」で応戦し、ツチダマをコナゴナにして辛勝。
「どこでもドア」で救出したヒカリ族を安全な日本まで連れて帰ります。
途中でヒカリ族の村に寄るも3頭のキメラの姿はなく、落ち込むのび太に
ククルは、以前マンモスを沼地に追い込んで狩りをした時に
ペットの狼が行方不明になるも一カ月後に戻って来た話をして励まします。
このオリジナルのエピソードもまさかアレと合わせて伏線だったとは…。

ドラえもんは呪い師「ドラゾンビ」としてヒカリ族から崇められます。
ククルは「翻訳コンニャク」を食べているけど、
食べてない他のヒカリ族と普通に話せるのは変ですよね。
なお、旧作での「翻訳コンニャク」はお味噌味でしたが本作はなぜか醤油味。
しかもなぜか玉コンニャクの形をしています。
新天地日本で石器を使って村作りを始めるヒカリ族を見たジャイアンたちは、
「らくらく道具を貸してあげたら」とドラえもんに言いますが、
「石器時代の人が未来の道具を使ったら未来が目茶目茶になる」と…。
いつも21世紀の人間に22世紀の道具を使わしてるくせに何を今更…。

また一度、現代に戻った彼らですが、
ドラえもんは拾ってきたツチダマの破片の成分を分析し、
未来の素材「形状記憶セラミック」製だと判明します。
その分析をドラミに協力してもらうのですが、原作にはドラミは登場しません。
千秋ドラミは嫌いなので正直登場してほしくなかったです。
クラヤミ族を率いるギガゾンビが単なる呪い師ではないことがわかりますが、
時すでに遅く、7万年前に戻るとヒカリ族は再びクラヤミ族に連行され、
ギガゾンビの居城トコヤミの宮で強制労働させられていました。
ドラえもんたちはヒカリ族を救出するため、トコヤミの宮に向かうが、
タケコプターが燃料切れとなり、「リニアモーターカーごっこ」で追跡するも、
途中の雪山でのび太を振り落としてしまい、彼は遭難します。
ドラえもんは「レスキューボトル」に件の0点の答案を嗅がせて、
のび太の救助に向かわせますが、途中で仮面の女神型ツチダマに破壊され…。
「たずね人ステッキ」があるならそれで探しに行けばいいのにね。
(3頭のキメラもそれで探せばいいよね。)

雪山で行き倒れたのび太はストーブにあたるパパや
ラーメンを食べるママの幻を見ますが、これもオリジナル展開。
原作では単にストーブやラーメンの幻ですが、パパやママを登場させることで、
のび太が両親を恋しく思っていることを表現し、親子の絆を描いています。
そんなのび太を助けたのはペガたち行方不明だった3頭のキメラです。
原作ではギガゾンビ内偵中のタイムパトロールに助けられたのび太を
3頭がピックアップする展開でしたが、ここではタイムパトロールは登場せず。
これは今後の流れを左右する重要な展開だったはずなので、
どうなることかと思いましたが、結果比較的うまく纏められており感心しました。

のび太以外の4人は、たまたまトコヤミの宮を発見し潜入。
強制労働するヒカリ族を見つけ「ウルトラストップウォッチ」でタイムロックし、
「通り抜けフープ」で救出しようとしますが、
なぜかフープを抜けた先はギガゾンビの部屋で…。
ギガゾンビがタイムロックを解除し、フープの出口を誘導したみたいで、
なんと彼の正体は未来から来た時空犯罪者だったのです。
未来の社会に不満を抱き、過去に来て世界を支配しようとしたみたいですね。
その点では過去に来た動機はのび太たちとほとんど同じですね。
ギガゾンビは当然タイムパトロールから追われる身ですが、
見つからないようにトコヤミの宮を地下に作ったのは原作と同じだけど、
更にて誰もこの時代に来れなくするために、タイムトンネルを破壊する
「亜空間破壊装置」で時空乱流を起こしたというオリジナル設定が加わります。
原作では偶然発生しただけの時空乱流もギガゾンビの仕業にすることで、
ククルがこの時代で神隠しに遭ったことの理由付けにもなり、
ご都合主義観を多少緩和することに成功しており、いい改変ですね。

ドラえもんは電撃付き石槍ショックスティックでギガゾンビに挑みかかりますが、
ギガゾンビは23世紀出身なので、22世紀の秘密道具を無効化できるみたいで、
22世紀出身のドラえもんは1世紀敵わず返り討ちに…。
ドラえもんたちはギガゾンビの飼うサーベルタイガーの餌にされそうになります。
しかしそこにのび太と3頭のキメラが乱入し、サーベルタイガーを撃退。
ドラえもんたちを救出し、ギガゾンビとの再戦に向かいます。
しかしマンモス型の巨大なツチダマが彼らの行く手を阻むのです。
これはオリジナル展開ですが、巨大な敵はクライマックスを盛り上げてくれます。
それにここで件のアレとアレの伏線を見事に回収し、倒すんですよね。

ギガゾンビと対峙したドラえもんたち。
ギガゾンビは亜空間破壊装置を起動させようとしますが、
ククルが原始人の野性的身体能力で亜空間破壊装置を破壊して阻止します。
原作ではただ助けられるだけだったククルに活躍の場を与えています。
ドラえもんは石槍で攻撃しますが、ギガゾンビは再び無効化、
…するつもりが、その石槍はショックスティックではなくククルの本物の石槍で、
秘密道具を無効化できる彼も単なる鈍器は防ぐことができず敗北します。
未来のハイテク道具よりも過去の原始的な道具の方が役に立つという
興味深い展開ですが、更にここでドラえもんの名言が飛び出します。
「偽者の歴史が本物の歴史に勝てるわけがないんだ!」と。
この後、タイムパトロールが駆け付け、ギガゾンビを逮捕しますが、
原作ではドラえもんたちがギガゾンビに窮地に追い込まれたところを
タイムパトロールに助けられる展開だったので、
自力でギガゾンビと決着を付けた本作の展開の方がいいですね。
雪山でパパの幻から言われた「誰の力も借りないんだろ」という言葉が
この展開の伏線だったのかもしれません。
いい展開だったけど、のび太が雪山でタイムパトロールに会わず、
原作のようにタイムパトロールから発信器を受け取ってないので、
なぜタイムパトロールがトコヤミの宮を発見できたのか謎です。
あとタイムパトロールが女性隊員ばかりなのも謎です。
千秋ドラミもタイムパトロールに同行しなくていいです。

3頭のキメラは空想上の動物なのでこの時代に放置することは出来ず、
未来の空想サファリパークに送られるためタイムパトロールが預かります。
のび太と3頭の別れは感動的なシーンなのでしょうが、あまり感動できず…。
原作よりは多いけど、もう少し3頭との交流を描けていれば感動できたかな。
それに別れたら簡単に会いに行けないいつもの劇場版ゲストと違って、
ただ未来に行っただけなので、いつでも会いに行けそうだしね。
むしろこの後のオリジナル展開に感動しました。
現代に戻ったのび太は、家出をやめ、0点だったテストの復習をします。
そんな彼にママが優しく「おかえり、のび太」と声を掛けるのです。
何気ないシーンだけど、のび太の成長や母親の愛情に感動しました。
このシーンをラストに持ってくるということは、やっぱり本作のテーマは
家出を通して深まる親子の絆を描いているということでしょうね。
だから子供が楽しめるだけじゃなく、大人も感動できる作品になったのでしょう。

来年の『映画ドラえもん』は氷が関係する物語のようです。
旧作の中に思い当たる作品はないので、たぶん完全オリジナルになるでしょう。
なんとなく『アナと雪の女王』の影響を受けていそうな気がしますが…。

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