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ホッタラケの島

このところ映画の記事ばかり続きましたが、とりあえず映画のストックは尽きました。

ホッタラケの島 遥と魔法の鏡

2008年8月22日公開。
『スカイ・クロラ』のプロダクションI.Gとフジテレビがタッグを組んだCGIアニメ。

16歳の遥は幼くして母親を亡くし、父親と二人で暮らしているが、最近は父とも口げんかばかりしていた。ある日、彼女は母親の形見の大事な手鏡をなくしてしまい、こっそり神社に願掛けに行く。そこにひょっこりとキツネのお面をかぶったテオが現れ、人がほったらかしにしたものをこっそり運び出すのを発見した彼女は、その後を追いかけて見知らぬ島へとたどり着き…。(シネマトゥデイより)

本作は『アマルフィ 女神の報酬』と同じく、フジテレビ開局50周年記念作品です。
(どこかにガチャピン、ムックが登場してるらしいよ。)
フジテレビ制作の映画は地雷率が高いので、ある程度覚悟して観に行ってます。
だからどんな作品だったとしても期待を下回ることは少ないし、
むしろ思ったより良かったと思うことが多いんですが、
ごく稀にもともと低い期待をさらに下回ってくる作品があります。

邦画ではまだ珍しいけど、本作はフルCGアニメ映画です。
アニメーション制作は『キル・ビル』や『スカイ・クロラ』のプロダクションI.G。
最近では『宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-』が一部で大絶賛されている
日本を代表する映像製作会社のひとつ。
…なだけに、本作のCGIアニメの拙さには呆れたというか、残念に思いました。
手描き風といえば聞こえはいいけど、背景は一枚絵で、書割の中をCGのキャラが
動いているような感じで、まるで家庭用ゲームが、容量を節約するために
テクスチャを張り付けまくっているような世界観…。
キャラはポリゴン数も多くて立体的なのに、セットや風景はペラペラです。
しかもあきらかに処理落ちしてるシーンをそのまま使用しているところも…。
これが日本の最高峰のCGIアニメだなんて、ガッカリです。
同じく最高峰の国産CGIアニメ『よなよなペンギン』の監督さんが、
「アメリカのピクサーと同じことをしていても決して勝てない。」と言ってたけど、
まぁ今のピクサーと比較するのは無謀すぎるにしても、
10年以上前のハリウッド初フルCGアニメ映画だった『トイ・ストーリー』にすら
足元にも及ばないチープさです。

日本はもともとセルアニメ文化が強かったせいか、
こんなにアニメ大国なのに、フルCGアニメ映画は数えるほどしかありません。
しかも『ファイナルファンタジー』の歴史的大失敗から始まり、
どれも興行的に成功したとはいえない感じで、無類のCGアニメ好きのボクでも
最後に観たのは2年前の『ベクシル 2077 日本鎖国』が最後。
それもゲームの画面程度の映像であまりよかったとはいえなかったけど、
まぁなんとか独特の映像センスで持ちこたえていた感じ。
一方、CGを一切使わないで制作された『崖の上のポニョ』は大ヒットして、
やっぱり邦画は2Dアニメしか無理なのかも…なんて薄々思ってましたが、
今年になって、『よなよなペンギン』がベネチア映画祭で特別上映されるなど、
ちょっとフルCGアニメ映画に力を入れだした感がありました。
(ハリウッドは更に一歩進んだデジタル3Dアニメに移行しだしましたが…。)
そんな中公開された本作、何気に期待してたんですが…。

まぁピクサーやドリームワークスが突出しすぎてるだけで、ハリウッドでも
ルーカス・フィルムの『クローン・ウォーズ』とかイマイチなのもあるし、
CG技術の面は仕方ないです。出来ないものは出来ません。
でも日本にはハリウッドに負けないアニメのノウハウがあるはず。
そのひとつはキャラクターデザイン能力だと思います。
なのに本作ではそれが全く活きてません。
主人公・遥はひとまず置いといて、謎の生物テオをはじめとするキツネたちが酷い。
愛嬌もなければ面白みもない、妙にバタ臭いデザイン。
デザインに何の愛情も思い入れも感じられません。
悪者のボス男爵はなかなか味のあるデザインでよかったけど、その正体の方は普通。
わざわざ仮面で隠しておいてコレかとガッカリすること請け合いです。

で、遥ですが、顔はCGならではの端正な顔立ちで少女らしくかわいいです。
でも服装が普通の女子高生にしてはきわど過ぎじゃないかなぁ。
スカートが短すぎて、パンツが見えそう。てか見えてるんですけど。
しょぼいCGのくせに、スカートだけは妙にヒラヒラして布っぽいし、
やたら仰視するカットが多いし、パンチラで観客の気を引こうとする意図が見え見え。
それについ目が行ってしまう自分にも自己嫌だけど、物語に集中できませんよ。
テーマとしては物の大切さとか家族愛とか道徳的なもので、
子供が観るにはピッタリだけど、お色気ムンムンで子供に観てほしくない気も…。
てか遥は完全に大きいお友達をターゲットにしてる萌えキャラです。
声優に今やお色気アイドル女優の綾瀬はるかを起用したのもそのためでしょう。
そんなことで支持を得ようとしてんじゃないよ。日本アニメのこうゆうとこが嫌い。

ストーリーは単純なものだけど、登場人物に不可解な行動が多かったり、
ホッタラケの島の住人たちや魔法の鏡の設定など、世界観が説明不足だったりで、
プロットが滅茶苦茶だし、とにかく強引な印象を受けました。
ハリウッドのCGIアニメはその技術はもちろんのこと、
ストーリーも実写映画に勝るとも劣らない内容だからこそ評価されてるんです。
日本のアニメはいつまでたっても「アニメのわりにはよかった」みたいな次元です。
技術がないならそこだけでもいつも以上に頑張らないと…。

でも、いろいろ文句書きましたが、ほぼ間違いなく失敗するフルCGアニメ映画を
あえて挑戦しようという心意気だけは立派だと思います。

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