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SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁

『アベンジャーズ』シリーズのスピンオフとなるテレビドラマ
『エージェント・オブ・シールド』のシーズン2が、
先日やっと全巻レンタル開始されたので、一週間くらいで一気見するつもり。
でも11巻もあるので、けっこう大変かもしれません。
今週末は観に行きたい映画が4本もあるし、時間がなさそう。
同シリーズのスピンオフドラマ『エージェント・カーター』もレンタル開始しており、
こちらは4巻しかないので、こちらから見た方がいいかもしれませんね。
海外ドラマは一度見始めるとなかなか大変です。

ということで、今日は海外ドラマの映画版の感想です。
そういえば主演のベネディクト・カンバーバッチも、
『アベンジャーズ』シリーズに参戦するんでしたね。

SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁
Sherlock The Abominable Bride

2016年2月19日日本公開。

コナン・ドイルの推理小説『シャーロック・ホームズ』の舞台を現代に移し、
ベネディクト・カンバーバッチがシャーロック・ホームズを演じ、
相棒ジョン・ワトソンをマーティン・フリーマンが演じる、
イギリスのテレビドラマ『SHERLOCK』シリーズ。
2010年に放送開始され、現在シーズン3まで製作された大ヒットドラマです。
私もその人気ぶりを聞きつけてから、レンタルビデオで鑑賞しましたが、
噂通りなかなか面白くて、好きな海外ドラマのひとつになりました。
もう私の中ではホームズと言えば、ロバート・ダウニー・Jr.でも
ジョニー・リー・ミラーでもなく、カンバーバッチを連想するくらいです。

その海外ドラマの最新エピソードが劇場で公開されることになりました。
ただしこれは、「SHERLOCK THE MOVIE」的なテレビドラマの劇場版ではなく、
本国イギリスではスペシャルドラマとして今年元旦にテレビ放送されたものを、
日本では劇場公開しているだけです。(一応イギリスでも劇場公開してます。)
本作の前に上映される脚本家によるセットのディテールの説明映像や、
エンドロール後に上映されるメイキング映像は、特典映像などではなく、
イギリスではCM込みの2時間ドラマとして放送されていたので、
劇場公開でCMがない分を補うために入れた、単なる穴埋め映像でしょう。
公式サイトでは勿体ぶって「映画館でしか観られない特別映像」と言ってるが、
どうせビデオリリース時にも特典映像として収録されるでしょう。

このスペシャルドラマが制作された理由は、
おそらくシーズン4の製作の目途が立たないから、
ブランク開け過ぎてファン離れを防ぐためだと思われます。
主演のカンバーバッチは、このドラマが出世作だったみたいなものですが、
シーズン1当時はイギリスの新人俳優同然だったのに、
今やハリウッド映画に引っ張りダコの国際的大スターですから、
なかなか連続テレビドラマのスケジュールを押さえられないのでしょう。
フリーマンもハリウッド映画で主演を張る人気俳優だし、
この2人を揃えるのは単発のスペシャルドラマが限界なのでしょう。
この豪華キャストでは、日本で劇場公開したくなるのもわかりますね。

ただし本作は劇場版ではなく、あくまでスペシャルドラマなので
観客は注意が必要だと思われます。
テレビドラマの劇場版であれば、テレビシリーズを視聴していない
一見客でも楽しめるように作るのがセオリー(マナーかな?)ですが、
本作はテレビ放送のためのテレビシリーズのスペシャル版なので、
テレビシリーズを見ているファンが見ることを前提に作られています。
ちゃんとそれを告知してくれていればいいのですが、
プロモーションでそんな敷居を上げるような真似するはずもなく、
一見客を沢山集客してしまわないか心配です。
本作はシリーズの入り口としては非常に不向きな作品、
というか、一見客には全く理解できないであろう展開が含まれます。
テレビシリーズは本当に面白いので、本作を観た一見客が、
「意味わからん」とテレビシリーズも拒絶してしまうのが勿体ないです。
この一見客に理解できない展開は、ファンにとっては非常に興味深く、
ちゃんとテレビシリーズから入ればとても楽しめる展開なんですよね。
嘘でも「劇場版」と銘打って、一見客に警戒を促してほしかったです。

まぁ海外ドラマ『SHERLOCK』は有名なので、
一見客でもほとんどの人は映画版だと気付いているはずです。
しかし性質の悪い(?)ことに、本作のエピソードの舞台は、
テレビシリーズの現代とは違い、ビクトリア時代になっているので、
パラレルワールド的な物語で、テレビシリーズを知らなくても
問題なく楽しめてしまうような印象を与えてるんですよね。
私も観るまではそう思っていて、このドラマの最大の特徴である
時代背景を現代に移すという設定を、なぜ捨てるのか疑問でした。
が、少々ネタバレになりますが実はこの物語はパラレルワールドではなく、
普通にシーズン3のラストから直結する続編になっているのです。
正確にはシーズン3とシーズン4のブリッジ的な物語です。
ビクトリア時代を舞台にした物語も確かに描かれているのですが、
それは精神の宮殿、簡単に言えば劇中劇です。
以下、ネタバレ注意です。

冒頭、海外ドラマよろしく、これまでの粗筋が流されます。
でもこれは、テレビシリーズ視聴者に内容を思い出してもらうためで、
一見客が見てもこれまでの粗筋は理解できないほど断片的です。
私も本作はパラレルワールドだと思っていたので、
なぜ関係ないテレビシリーズの粗筋を流すのか不思議でした。
そして粗筋の後、舞台は約120年前に戻ります。
第二次アフガン戦争で負傷した軍医ワトソンはロンドンに帰還しますが、
宿の当てもない彼は、同僚から同居人を探している男を紹介されます。
その男はベイカー街221Bに住むホームズでした。
テレビシリーズでもホームズは原作以上にエキセントリックな人物でしたが、
舞台が原作と同じビクトリア時代になっても、やはりエキセントリックで、
初対面の時も「死後何時間まで打撲傷が出来るか実験している」と
死体を鞭でシバキ倒したり、絞首刑の見物に行ったりしています。
ワトソンはよくこんな変人と同居しようと思ったものです。
ただ本作のホームズの衣装は、やはり時代背景の影響なのか、
原作に近い、お馴染みのスタイルになっていますね。

ワトソンはホームズの活躍を小説化し、『ストランド・マガジン』に掲載。
ワトソンの最新作は「青い紅玉」です。
本シリーズは舞台を現代に移しながらも原作のエピソードを元にしてますが、
本作は原作で詳しくは言及されない、いわゆる「語られざる事件」のひとつ
「内半足のリコレッティと忌まわしい妻」が元ネタです。
「語られざる事件」は自由度が高いので脚本家の腕の見せ所ですね。

1895年、「ライゲートの大地主」事件を解決し、
ベイカー街221Bに帰ってきたホームズとワトソン。
するとそこへ脅えた様子のレストレード警部が訪ねて来て、
昨日発生したオカルト染みた未解決事件の捜査協力を頼まれます。
花嫁姿の女エミリアがバルコニーから通りに向けて二丁拳銃を乱射し、
その後、拳銃を咥えて後頭部を吹き飛ばして拳銃自殺します。
彼女の遺体は遺体安置所に置かれるのですが、
その夜、彼女の夫が死んだはずの妻にショットガンで撃ち殺されるのです。
不可解な事件に興味を持ったホームズは捜査を開始。
遺体安置所のエミリアの遺体が本物であると確認します。
しかし事件後に安置所の壁に血文字で「あなた」と書かれており…。
その後、数カ月で現場に「あなた」と書かれた似た事件が5件発生します。
なんとも不可解な事件ですが、それよりも不可解極まりないのは、
安置所の当番の男フーパーがどう見ても付けヒゲの女ってことです。
テレビシリーズでは法医学者フーパーは女性ですが、
ビクトリア時代に女性医学者なんていないので、
キャストを変えずに已む無く性別だけ変更したのかと思いましたが、
この違和感は意図的な演出だと後々わかります。

ある日、ホームズは兄マイクロフトにディオゲネス・クラブまで呼び出されます。
テレビシリーズではイギリス政府の役人だったマイクロフトですが、
本作では職業不明(安楽椅子探偵かな?)な怪しい男です。
ホームズが委縮するほど賢い上に、大食いで凄まじい肥満体型。
テレビシリーズとの印象の違いにビックリしちゃいますね。
彼は弟ホームズに、カーマイケル夫人の相談に乗るように命令します。
夫人は、夫にオレンジの種の入った封筒が送られて来て、
更に今朝、夫は庭で花嫁姿の女に「今夜お前は死ぬ」と言われ、
夫が何者かに殺されるのではないかと悩んでいます。
オレンジの種は「復讐」を意味するらしいですが、
そういえば原作にもそんな話があったような気がしますね。
その花嫁は例の自殺した花嫁エミリアらしいとわかり、
ホームズはワトソンと共にカーマイケルの屋敷を夜通し見張ることに。
すると案の定、花嫁姿の女が現れますが、神出鬼没で捕まえられず、
カーマイケルの夫は殺されてしまうのです。
こんなあっさり出し抜かれるホームズは初めて見ましたね。

更に夫の遺体に「Miss me?(会いたかった?)」と書かれたメモが残され、
それを見たホームズは、ライヘンバッハの滝で転落死したはずの
天才犯罪者モリアーティが関わっていると考えます。
なぜそのメモでホームズがモリアーティの関与を疑ったかですが、
シーズン3の最後でモリアーティが電波ジャックで流したメッセージだから。
テレビシリーズのモリアーティはシーズン2の最後で、
まるで本作のエミリアのように拳銃を咥えて自殺しましたが、
シーズン3の最後で件のメッセージを発信し、生きていることが示唆されます。
でも舞台が違うテレビシリーズと本作では物語に繋がりはないはずで、
そのメモでホームズがモリアーティを連想するのが不思議でした。
ところがこの後、二つの時代を繋ぐ、衝撃の事実が発覚します。
そして一見客は、ここから一気に置いてけ堀になります。

ホームズは二日間部屋に閉じこもり、不眠不休で推理。
するとそこにモリアーティが現れて、また拳銃自殺…、
…と思ったら、後頭部がふっ飛んでも彼は生きており、
彼がホームズが精神の宮殿で作り出した幻覚だとわかります。
次の瞬間、ホームズはMI6の専用機の機内で目を覚ますのです。
もちろんこのホームズは現代のホームズです。
シーズン3はモリアーティの復活が示唆され、
ホームズがこの飛行機でロンドンに戻って来るところで終わりますが、
ビクトリア時代の物語は、ホームズがフライト中に見た夢だったのです。
夢というよりも精神の宮殿での出来事ですかね。
まさかの夢オチには正直ビックリしました。
夢オチでも構わないけど、夢の中の事件が解決してませんからね。

もちろん事件が解決しないで終わるミステリーなんてあり得ず、
薬物を使用して再び精神の宮殿に入ります
ビクトリア時代に戻ったホームズは兄マイクロフトの導きで廃教会を訪れ、
女性の権利運動をする秘密組織の集会に遭遇します。
ホームズは彼女たちが一連の花嫁事件の犯人であると推理。
組織の一員だったエミリアは、組織の協力で自殺するふりをして、
偽の遺体を安置所に運ばせ、その夜、霊のふりをして夫を殺害し、
その後、安置所の偽の遺体とすり替わり、本当に自殺したようです。
カーマイケル夫人も組織の一員で、やはり組織に協力してもらい、夫を殺害。
どうやら彼女らは男尊女卑の不公平を正すために活動しているらしいです。

その後エミリアの墓を発いてミイラが動いたり、モリアーティと滝で対決したりと、
精神の宮殿内での出来事がありますが、ちょっとよくわかりませんでした。
ただ、この「忌まわしき花嫁」事件がシリーズにとって何を意味するのか、
そこが興味深いところですが、この精神の宮殿での経験により、
ホームズはモリアーティがたしかにあの時自殺したと確信を得たみたいです。
電波ジャックなどは、モリアーティが死ぬ前に計画していたもので、
エミリアよろしく、彼の意志を継ぐ秘密組織があると考えたのかな。
つまりシーズン4の敵はモリアーティではないと示唆しているのでしょう。
ただ、肝心のシーズン4がいつ制作されるのか全く見通しが立たず、
早くても来年以降になるんじゃないかと思われます。

終盤の展開は私も完全に掴み切れませんでしたが、
一見客は尚更なので、ドラマファン以外は観に行かない方がいいです。
シャーロック・ホームズが好きなだけなら、
来月公開予定の『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』を待ちましょう。
93歳になったホームズの物語で、イアン・マッケランが演じます。
単発なので一見客も安心でしょう。

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