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キャロル

第69回英国アカデミー賞で『レヴェナント』が作品賞を含む5冠を達成しました。
私は英国アカデミー賞受賞自体にはあまり価値を見出してませんが、
数あるアカデミー賞の前哨戦の中では最も的中率が高く、
『レヴェナント』のオスカー受賞が濃厚になったような印象です。
ただ最大のライバルと目されている(?)私イチオシの『オデッセイ』は
英国アカデミー賞の作品賞にノミネートされてないので、
直接対決となるアカデミー賞ではどうなるかわかりませんね。
私としては『オデッセイ』にオスカー受賞してほしいですが、
『レヴェナント』も早く鑑賞したいです。

ということで、今日は英国アカデミー賞で惨敗した作品の感想です。

キャロル
Carol.jpg

2016年2月11日日本公開。

予想通り、私には全く合わない作品でした。

本作は女性同士の恋を描いたLGBT映画(ゲイ映画)ですが、
基本的にLGBTが苦手な私には、微塵も共感できるところはなく、
全く楽しみようのない作品でした。
でも主人公がLGBTというだけで拒絶するわけではありません。
『ダラス・バイヤーズクラブ』とか『イミテーション・ゲーム』とか、
主人公がゲイですが、物語がとても面白かったので楽しめました。
その点、本作は物語が全く面白くないんですよね。
主人公がレズということ以外、何の特徴もない恋愛映画です。

全く見所のない本作でしたが、本年度アカデミー賞で、
主演女優賞と助演女優賞など6部門でノミネートされています。
毎度のことですが、俳優部門にノミネートされているのに
作品賞にノミネートされない映画というのは、
「演技は凄いが作品は面白くない」場合が多いです。
本作はケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの実質W主演作ですが、
ブランシェットが主演女優賞、マーラが助演女優賞にノミネートされ、
主演2人ともオスカー候補になっていますが、
それほど役者が評価されているのに、作品賞ではスルーされるなんて、
よっぽど物語はつまらないのだろうと推して知れますね。
ただ脚色賞にもノミネートされているので、もしかするかとも思ったけど、
脚色の腕が高く評価されているのにこの程度の脚本では、
原作はよほどつまらないのだろうと予想できます。

本作に期待できなかった理由は、LGBT映画であることや
アカデミー賞の俳優部門だけで作品賞から無視されたことだけでなく、
カンヌ国際映画祭のコンペ部門に参加していることも大きいです。
パルムドールは受賞できませんでしたが、女優賞を受賞してます。
これは私の持論ですが、カンヌ絡みの映画に面白かった例なし。
そして本作も見事にそのメソッドに当てはまってしまいました。
カンヌ女優賞は意外にもブランシェットではなくマーラの方が受賞してますね。
古今東西、女優賞なんてものは過激な濡れ場さえあれば取れますが、
ポロリも披露したマーラの方が評価されたってことでしょうか。

ちなみにその時に本作を破りパルムドールを受賞した作品は、
本作と同週末に日本公開となった『ディーパンの戦い』ですが、
カンヌ絡みに全く期待してないので当然観に行きません。
本作はアカデミー賞の主要部門に絡んでしまったので、
ハリウッド映画ファンとして義務感で嫌々観に行きましたが、
本年度のアカデミー賞絡みの中では最も期待薄な作品でしたね。
同様に主演男優賞にノミネートされながら作品賞から無視された
LGBT映画『リリーのすべて』が来月公開されるけど、
こちらは本作に比べたら幾分マシな気がします。
以下、ネタバレ注意です。

おもちゃ屋の女性店員テレーズは、娘のクリスマスプレゼントを買いに来た
中年女性キャロルになぜか一目惚れしてしまいます。
テレーズには普通に男性の恋人がいるので、なぜ急に女性に惹かれたのか、
全く理解できませんでしたし、正直キャロルも単なる少し綺麗なオバサンで、
私としてはそれほど魅力的だとも思えず、冒頭から全く共感できない展開です。
それに幼い女の子のプレゼントに鉄道模型を薦める店員って…。
テレーズがキャロルが店に置き忘れた手袋を届けてあげて、親しくなります。

キャロルは夫と離婚調停中で、娘の親権争いをしています。
彼女は共同親権を望んでいますが、夫は単独親権を取るつもりです。
どうやら夫は妻キャロルが親友の女性アビーと不倫していると疑い、
離婚することになったみたいですが、本当に離婚したいわけではなく、
親権をダシに復縁しようと考えているみたいです。
キャロルは離婚したいけど愛する娘だけは手放したくないみたいですが、
夫は娘を連れて家を出ており、審問までは面会禁止にされてしまい、
彼女は酷く落ち込み、旅に出ることにします。
どうやらアビーとの不倫は事実みたいなので自業自得ですが、
不倫相手が男でも女でも、幼い娘がいるのに言語道断でしょ。
どれだけ彼女が娘を愛していると言ったところで全く心に響かず、
共感できないのはもちろん、全く同情の余地なしです。
むしろ娘のためにも夫の単独親権奪取を応援したい気持ちになります。
こんな不愉快なヒロインの物語を楽しめるはずないですね。

キャロルは不倫を疑われて娘に会えなくなったにも関わらず、
その傷心旅行に新しい不倫相手候補テレーズを誘うのです。
もう全く反省しないバカ女ですが、彼女に惚れたテレーズもその気になり、
旅行に同行し、案の定、不適切な関係になります。
しかしモーテルでの情事を夫が雇った探偵に盗聴されてしまい…。
盗聴に気付いたキャロルは、携帯していたピストルを持ち出して、
探偵を撃ち殺そうとしますが、弾丸が入っておらず(抜かれてた?)失敗。
もしここで本当に探偵を撃ち殺していれば、
サスペンスとして多少は楽しめる展開になりそうだったのに残念です。
ピストルが無理でも撲殺すればいいのに…。

その盗聴テープで親権争いは不利になることは明白で、
キャロルはテレーズを旅先に残して先に帰り、音信不通になります。
暫くして、審問で彼女は共同親権を諦め、面会権だけを認めさせることに。
(まるで自分の行いを棚に上げ、夫の行いが醜いかのような言いぐさで…。)
この期に及んでは親権取れるわけないと考えたのかと思いきや、
「自分を偽る生き方は嫌だ」と、テレーズに会いに行くのです。
結局、娘の親権よりも自分の恋愛を優先してしまう酷い母親なんですね。
こんなカスは子供の教育上悪いから、面会権も認めなくていいよ。
キャロルから呼び出され、「一緒に暮らそう」と言われたテレーズでしたが、
数カ月も一方的に放置されていたこともあり、拒否します。
しかしその日のうちに気が変わって、2人はヨリを戻してお仕舞です。
なんだこのクソみたいなオチは?
最後まで拒否してくれたら、馬鹿女に対する溜飲も少しは下がるのに、
結局娘にも恋人にも会える彼女のひとり勝ちで、反省の色もありません。

本作のせいで、またLGBT映画の偏見が深まりました。
LGBT映画枠として、お情けで6部門もノミネートされていますが、
こんな作品には一部門もオスカー受賞してほしくないです。
W主演女優の演技も、ただ過激な濡れ場で体を張ってるだけで、
(いや、実際はそれほど過激なわけでもないですが…。)
取り立てて素晴らしいわけでもないと思います。
もし本当に素晴らしい演技なら、性的指向を超えて共感させられるはずだし。
今アカデミー賞絡みの作品を観たいなら、絶対に『オデッセイ』がいいです。
それがダメなら『スティーブ・ジョブズ』をオススメします。
異性愛者が本作を観に行くのは時間の無駄です。

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