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オデッセイ

今日の気になる映画ニュース。
リブート版『透明人間』の主演がジョニー・デップに決まったらしいです。
1931年~1948年の「ユニバーサル・モンスターズ・シネマティック・ユニバース」
略してUMCUのリブートを画策しているユニバーサル・スタジオですが、
『透明人間』もその中の一本になる予定です。

UMCUはユニバーサル・ホラーのクロスオーバーで、
リブート版は一昨年公開された『魔人ドラキュラ』のリブート
『ドラキュラZERO』から始まり、来年公開予定の『ミイラ再生』のリブート、
続いて『狼男』のリブート、『ヴァン・ヘルシング』のリブート、
『大アマゾンの半魚人』のリブート、『フランケンシュタインの花嫁』のリブート、
そしてジョニデ主演の『透明人間』などのシェアード・ワールドになります。
『ミイラ再生』のリブートの主演にはトム・クルーズが決まっており、
『大アマゾンの半魚人』もスカーレット・ヨハンソンにオファーしたとか。
ユニバーサルのUMCUへの本気度が伝わってくるキャスティングですが、
そんな大物ばかりだと、クロスオーバーが難しくなる気もします。
クロスオーバーが実現した時は超豪華で凄い作品になりそうです。
ジョニデとトムのバトルが見れるかも?

今日も映画の感想です。

オデッセイ
The Martian

2016年2月5日日本公開。

本作は火星でのサバイバルを描いたSF映画です。
監督は『エイリアン』シリーズのリドリー・スコットなので、
エイリアン(火星人)でも出てくるかと思いましたが、そういうSFではなく、
けっこう緻密な科学描写に基づいた、リアルな物語になっています。
『ジョン・カーター』よろしく、ハリウッドでは火星ネタはコケると言われてますが、
本作は4回も全米ボックスオフィス首位になった大ヒット作です。
(公開3週目に『グースバンプス』に土を付けられたけど、翌週から返り咲き。)
やっぱり火星ネタ云々は関係なく、面白いものはヒットしますね。
本作が面白い証拠に第73回ゴールデングローブ賞で、
作品賞と主演男優賞(マット・デイモン)の二冠に輝きました。
けっこうシリアスな内容のはずが、なぜかコメディ部門での受賞だったのは
不思議でしたが、いざ観てみるとけっこう笑いどころもあって、
見ようによってはコメディなのかもしれませんね。
コメディだと思えば、多少の科学的考察の曖昧さも気にならないかも。
ただ、多用されるディスコ・ソングなんかは、笑いどころなんだろうけど、
そこはもう少し雰囲気のあるBGMで盛り上げてほしかったなと思ったりも…。
まぁそんなことは些細な不満で、本作は本当に面白い作品です。
ゴールデングローブ賞も納得です。

もちろん、第88回アカデミー賞にもノミネートされています。
しかも作品賞、主演男優賞を含む7部門での大量ノミネートです。
何部門かオスカー受賞は確実でしょうが、作品賞オスカーも狙えるかも。
おそらく最大のライバルは、ゴールデングローブ賞のドラマ部門作品賞の
『レヴェナント: 蘇えりし者』になるでしょうが、いい勝負じゃないかな?
後者はまだ観てないのでなんとも言えないのですが、
昨年の作品賞オスカー受賞作『バードマン あるいは(略)』よりも
本作の方が面白いと感じたので、オスカー級の作品なのは間違いないです。
以下、ネタバレ注意です。

本作は有人探査計画アレス3で火星のアキダリア平原で任務中の
宇宙飛行士が主人公の物語ですが、実際には人類はまだ火星に未踏なので、
未来の話だと思われるけど、地球の様子から見てもかなり近未来です。
本作では明言されてないものの、原作者はSNSで2035年だと言ってます。
それまでに人類が火星に行けるかはかなり疑問です。
でも妙にリアリティを感じるところもあり、あまり近未来SFとは考えず、
「もし現代人が火星に行けたら」みたいな感じで観た方がいいかも。
ソル18(火星太陽日18日目のこと。ソル1は約24時間39分。)
任務中に砂嵐に襲われた6人のクルーは、急いで火星から脱出し、
母船ヘルメスに戻ろうとするが、その中のひとりワトニーだけは、
風で舞い上がった通信用機材の破片に激突され気絶、
アンテナが刺さり宇宙服が破損し、砂嵐の中に消えてしまいます。
もう彼の生存は絶望的と考えたルイス船長は救出を諦め、
生き残ったクルー5人で地球帰還を開始します。
しかし翌ソル19、ワトニーは目を覚ますのです。
どうやら刺し傷から出た血が凝固して宇宙服の穴を塞ぎ、
酸素漏れを防いでくれていたみたいです。
そんなに早く血が凝固することなんてあり得るのか、と思うけど、
もしかすると火星はそういう環境なのかも。(凝固じゃなく凍結?)
彼はアキダリア平原に建てた居住ユニット「ハブ」に戻り、傷を治療します。

ソル21、ワトニーは物資を確認します。
ポスターやトレーラーでは「食料:31日分」なんて謳われてましたが、
それはクルー6人で31ソル間滞在する計画だったからで、
1人で節約しながら消費すれば400ソル分くらいにはなるみたいです。
しかし次の有人探査計画アレス4が来るまでには1400ソルほどかかり、
400ソル分程度では、とてもじゃないけど足りません。
そこでワトニーはジャガイモの栽培を始めるのです。
種イモは感謝祭用に保管してあったジャガイモを使うのですが、
栽培に失敗したら種イモ分だけ食料を失うわけで、危険な賭けです。
しかしワトニーは植物学者だったので、勝算があったのでしょう。
ソル24、火星の土をハブ内に敷き詰め、ハウス栽培を開始します。
肥料は有機廃棄物(人糞)を使うのですが、問題は水です。
しかしそこは科学者、水素と酸素とMDVの燃料で難なくH2Oを作ります。
…いや、水製造機が爆発したりして、失敗もしてましたね。
そしてソル45、ついに発芽するのです。
ただ、どうにも不思議なのが、錫の原料でもある酸素をどう調達しているのか?
普通SFでは宇宙で遭難したりすると、まず酸素の残量が問題になるけど、
本作では酸素が問題になることがないんですよね。(宇宙服内の酸素は別。)
ハブ内に大量に持ち込まれているのかもしれないけど、
探査車ローバーで2か月くらいハブから離れて行動しても、
酸素に困ることがなく、そんな量の酸素を携帯できるとも思えず…。
まぁトレーラーによると火星の空気成分の0.13%が酸素らしいので、
科学者なら必要な分を現地調達することも可能なのかな?
アレス4に助けてもらえるように、その任地であるキャスパレリ・クレーターに
必要な機材を運んでおくつもりですが、そこまでの距離はローバーで50ソル。
なぜか酸素は豊富だけど、バッテリーの節約でヒーターが使えず凍死しそう。
そこで原子力電池RTGを使って解決します。
被曝しないか心配ですが、宇宙で被曝の心配するのはナンセンスか。

その頃、ヒューストンのNASAでは、アレス3に残された物資で、
次のアレス4が持って行く物資を節約できると考えた計画責任者が、
火星衛星写真でハブを確認すると、ソーラーパネルに埃が積もっておらず、
ローバーも動いた痕跡があったため、ワトニーの生存を確信します。
しかしNASA長官は、その事実をヘルメスで帰還中のクルーに伝えず…。
まだ帰還まで10カ月かかるし、任務に専念してほしいためです。
計画責任者は反対しますが、伝えても見捨てた事実を突き付けるだけだし、
どうせ助かる見込みは少ないし、伝えないのも優しさかもね。
NASAもワトニーを見殺しにするわけではなく、
救出までの繋ぎ物資を送るため、無人の補給ユニットの制作を急ぎます。

ソル79、ワトニーも地球への通信を試みます。
JPL(ジェット推進研究所)が1996年に火星地表の撮影のために送り込んだ
パスファインダーを使って交信しようと考えたのです。
パスファインダーの静止画カメラの前に「受信してますか」と書いた立札を立て、
JPLから操作できるカメラの首振りで応答してもらおうというのです。
パスファインダーは実存する探査機で、それを活用するなんて興味深い展開。
今は故障か何かで動いてないみたいですけどね。
ただ応答がカメラの首振りだけなのでYESかNOなら簡単ですが、
テキストを介した高度な交信は出来ず…。
26文字のアルファベットでは立札が多くなりすぎて判別が難しいので、
16進法のアスキーコードを利用することにします。
ワトニーって賢いな、と感心しましたが、ローバーとパスファインダーを繋げば、
普通にキーボードを叩いてテキストでチャットできたみたいで…。
これで地球とチャットできるようになりましたが、
他のクルーに自分の生存が伝えられてないと知り、ワトニーは激怒。
そこでNASAは漸くヘルメスにビデオメッセージを送り、生存を伝えますが、
やっぱり置き去りの事実を突き付けただけで、クルーは喜んでなかったね。
その後、ヘルメスとのチャットも出来るようになりますが、
ルイス船長は拒否して部下にチャット相手を押し付けてましたもんね。

ソル128、カメラでイモ畑を見たNASAは、ソル912まで食料はもつと考えます。
ワトニーは次の便まで食つなぐつもりで畑作ったのだと思ったけど、
1400ソル分ももたなかったとは意外です。
植物学者の彼もわかってたはずだけど、その後はどうするつもりだったのか?
補給ユニットは順調に制作して打ち上げれば、ソル868に到着予定なので、
食料が尽きるソル912までにはなんとか間に合いそうな計算です。
ところがソル134、嵐か何かで畑のあるハブのエアロックが崩壊し、
外気に吹き晒しになった作物が死滅します。
植物って火星上だとそんなに一瞬で死んでしまうんですね。
(たしか水分が蒸発してフリーズドライになるんでしたっけ?)
人間のワトニーは宇宙服のヘルメットにヒビが入っても、
ガムテープで塞ぐだけの時間的余裕があるのに…。
収穫済みのイモだけではソル609までの食料にしかならず、
このままでは補給ユニットの到着が間に合わなくなるため、
点検作業を省くなどして、打ち上げを急がせますが、やはり点検は大切で、
4週間後に補給ユニット「アイリス」を打ち上げるも異常振動を起こし空中爆発。
ソル186、補給の希望が絶たれたワトニーも死を覚悟し、
チャットでヘルメスの船長に両親への遺言を預けるのです。
そういえば、本作にはワトニーの家族は一切出てきませんね。
登場させれば感動も一入だった気がするけど、その展開は安直すぎるか。

アイリス打ち上げ失敗の生中継を見ていた中国国家航天局。
ライバルNASAの失敗に、さぞメシウマだろうと思いきや、
自国の開発した補給機「太陽神」で協力することを提案します。
またまた出ましたね、ハリウッド映画の中国への媚び売り展開。
巨大中国市場が大事なのはわかるけど、中国が他国のために
人道目的で技術提供するなんてことは、ファンタジーすぎてあり得ないです。
あと最近やっと月に行けただけの中国が独自に極秘開発したブースターで
火星まで行けるなんてこともあり得ないです。
NASAも協力は受けたものの、火星まで行けるかは懐疑的だったのか、
太陽神単体で補給する計画は実行しません。
なんと間もなく帰還のヘリオスに、太陽神で補給物資を届けて、
もう一度火星まで行ってもらうエルロンド計画を実行します。
置き去りに責任を感じていたクルーも全会一致で賛成します。
火星からの帰還で1年かかったのに、折り返して間に合うのかと思いますが、
地球の重力アシストで加速して火星にぶっ飛んで行った方が、
太陽神を火星に送るよりも時間短縮になるみたいです。
つまり太陽神はただ打ち上げられて地球軌道上のヘルメスに補給するだけ。
それなら中国の技術でもなんとかなるかもしれませんね。
でもこれを観た中国人客は不満に思ったんじゃないかな?
まぁ珍しく人道的な善人として描かれてたから喜んだかもね。
ちなみに打ち上げ失敗したアイリスを作ったのもNASAの中国人技術者です。

ヘルメスが補給に成功し再び火星に出発した約7カ月後のソル461、
ワトニーもローバーでスキャパレリ・クレーターへ出発します。
アレス4用に送り込まれていたMAVがクレーターにあるみたいで、
それに乗って火星軌道上まで打ち上がり、ヘルメスに回収してもらう計画です。
もの頃のワトニーは無精髭がモジャモジャで、体もガリガリになってます。
ソル19の時のムキムキだった彼は見る影もありません。
食料節約でガリガリなだけじゃなくて、重力で筋力が衰えたのもあるかも。
でもボディダブルが見え見えの演出だったのは残念。
マット・デイモンに『戦火の勇気』の時のような役作りをしてほしかったです。
ソル538、やっとクレーターまで到着します。
しかしヘルメスは燃料節約のために軌道上には入らないので、
MAVは打ち上げで火星の重力から逃れる必要があります。
そこでNASAはサンプルなど打ち上げに不要な機材は全部捨てろと指令。
更にエアロックも外し、代わりに防水シートを張れと言うのです。
布張りの機体で宇宙に飛び出すなんて常軌を逸してますが、
NASAの科学者の計画だから勝算はあるのでしょう。
そしてソル561、いよいよ火星から脱出する日です。

ヘルメスは宇宙空間で待機し、ワトニーの乗ったMAVを遠隔操作で打ち上げ。
ワトニーは12Gの負荷で肋骨骨折、気絶しながらも宇宙へ飛び出します。
しかし打ち上がったMAVはヘルメスと68キロも離れていて、
ヘルメスはスライサーを噴射して接近しなくては追いつけないが、
2週目なので燃料が帰還分ギリギリしかなく…。
そこで空気を噴出させて推進力にしようと考え、エアロックを爆破。
機内の空気をわざと漏れさせて、MAVに接近します。
ホントに最後まで空気(酸素)の無駄遣いの多い物語ですね。
ルイス船長自ら命綱付きのMMUで船外に出てワトニーを回収しようとするが、
命綱の長さが微妙に足らず、MAVまで届きません。
そこで目を覚ましたワトニーは宇宙服の手袋にワザと穴を開け、
その穴から服内の空気を噴射させて、その推進力で宇宙遊泳します。
ワトニー本人も言ってたけど、本当にリパルサービームで制御しながら
空を飛ぶアイアンマンみたいで面白かったですね。
でも宇宙空間での映像は一昨年のオスカー作品賞候補だった
『ゼロ・グラビティ』の方が凄かった気がします。
火星のシーンでも重力が地球の1/3という印象は受けなかったし、
他の設定はリアルなだけに、もう少し重力にも気を使ってほしかったです。

ルイス船長はアイアンマン状態なワトニーをなんとかキャッチ。
1年半ぶりにクルー6人が再会します。
次のシーンでは地球に戻ったワトニーの姿が描かれますが、
燃料ギリギリと言ってたので心配したけど、問題なく帰れたんですね。
ワトニーは宇宙飛行士候補生に自分の経験を語る講義をします。
なかなか感動的な講義でしたが、その時にデイ1(地球日1日目)と表示が…。
え、帰ってきたその日に講義してるってことなの?
帰還後のリハビリとかしなくていいの?と思ってしまいました。
そして数年後、アレス5が打ち上げられ、本作は幕を閉じます。

ここ最近ではダントツの、とても面白い作品で、オスカー受賞も望みますが、
娯楽色が強すぎるのでアカデミー賞では毛嫌いされるかも。
二年前も同系統の『ゼロ・グラビティ』が候補作中ダントツの面白さだったのに、
社会派なだけの面白くない作品にオスカー盗られたしね…。
何にしても、映画好きなら絶対に観ておくべきマストな作品でした。

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