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天才犬ピーボ博士のタイムトラベル

今週末は映画を観に行けなかったので、
更新間隔を空けすぎないために、今日はDVDの感想で繋ぎます。
来週はイベント目白押しで慌ただしくしているので、
映画を観に行けるかわかりませんが、もしかしたら明日の夕方に行けるかも。
オスカーの本命の映画の公開も始まってるし、早く観に行きたいです。

天才犬ピーボ博士のタイムトラベル
Mr Peabody Sherman

2016年12月2日ビデオリリース。

2014年に全米公開されたドリームワークス・アニメーション(DWA)の作品。
日本では劇場公開されず、昨年末にビデオリリースとなりました。
DWAと配給契約する20世紀フォックスは、アニメの日本公開に消極的なため、
DWA作品はことごとくビデオスルーになりますが、本作も御多分に漏れず…。
DWA作品としては、世界的ヒット作『ヒックとドラゴン2』の一本前の作品ですが、
なぜか本作の方が遅いビデオリリースになりました。
『ヒックとドラゴン2』は日本のファンから、早期リリースを熱望されていたので、
その声に応えて順番が逆になったのかもしれませんが、
本作がリリースされた12月1週目は、20世紀フォックス配給の
ブルースカイ・スタジオ作品『I LOVE スヌーピー』の公開週だったので、
同じ少年と犬の物語ということで、リリースを合わせたのかもしれません。
同じく古くから愛される犬キャラクターと言っても、
日本で人気のあるスヌーピーの映画は劇場公開されるけど、
日本での知名度イマイチなMr.ピーボディはビデオスルーなんですね。
かく言う私もスヌーピーは知ってるけどMr.ピーボディは知りません。

Mr.ピーボディは60年代にアメリカで放送されていたカートゥーンのキャラです。
こうしてリバイバルされるくらいだから、アメリカでは人気があったのでしょう。
生前だからわからないが、たぶん日本では放送されてないんじゃないかな?
それにしてもオリジナルに定評があるDWAが版権ものに手を出すのは珍しい。
『ヒックとドラゴン』や『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』も原作はあるものの、
テレビアニメ作品を原作にするのは初めてのような気がします。
極端な話、あのDWAが劇場版を作ったようなものですからね。
最近、オリジナル新作は不振なので、安易に版権ものに頼ったのでしょうか。
その甲斐あってか、全米ボックスオフィス初登場2位ながら、
2週目で逆転し、首位を奪取することができました。
ただ全米興収は1億ドルをギリ超えた程度で大ヒットしたとは言い難いです。
しかも原作がアメリカ以外では知名度なさすぎるためか、
世界興収は過去10年のDWA作品の中では最低の成績で、
版権もの作戦は成功したとは言えなさそうです。

私も版権ものなのに原作を知らなかったが故に、
本作の独特な設定を受け入れるのに時間がかかりました。
なにしろ犬と少年が親子というあり得ない設定ですからね。
ソフトバンクのCMにすら強烈な嫌悪感を覚えてしまう私は、
アニメなので幾分マシとはいえ、この設定に違和感を覚え、
序盤はモヤモヤして全く楽しめませんでした。
見ているうちに徐々に慣れるものの、最後まで納得はしてません。
導入部分でこの独特な設定をもう少し丁寧に説明してくれていたら、
多少はすんなり受け入れられたのかもしれませんが、
やはり客が原作を知ってることありきで制作されてるんじゃないかな?

たぶん捨て犬だったピーボは、犬の保護センターに収容されますが、
賢ずぎて犬らしさがないため可愛げがなく、新しい飼い主が見つからず、
人間に頼らずに生きていくことにします。
ピーボは何か国語もの人間の言葉を操り、ハーバード大を首席で卒業し、
数々の発明でノーベル賞を受賞し、各国首脳の顧問を務め、
大実業家でもあるので、もはや賢い犬ってレベルではなく、
人間も含め世界一の、…いや、生物史上最高の大天才に違いありません。
頭がいいだけではなくスポーツも芸術も万能でオールマイティです。
しかし犬である彼が、なぜ全知全能で生まれたのか全く説明されず、
いまいち受け入れがたい設定なんですよね。
せめて何かの実験台だったとか、超常現象に巻き込まれたとか、
アメコミ的なスーパーパワーの説明付けがほしかったです。

ある時、ピーボは路地裏で人間の捨て子シャーマンを拾い、養子にします。
法廷で養育権をもらうのですが、やはり犬と人間の父子なんてぞっとしません。
判事は「子供が犬を家族に出来るなら逆も然り」と養育権を認めますが、
どうにも無責任な気がして、この父子を認める気になりませんでした。
判事の無責任さよりも、ピーボに対して犬の分際で人間を育てるなんて、
本当にその子の将来を考えてのことかと不快感を覚えてしまい、
自分勝手で好きになれない主人公だなと思っちゃったんですよね。
気に入らない主人公には感情移入できないし、もう物語を楽しむのは困難です。
ピーボもシャーマンを息子として育てるつもりのわりには、
パパと呼ばれるのを嫌い、自分のことを「ピーボ博士」と呼ばせます。
たとえ人間でも、そんな養父には親としての自覚を疑ってしまいます。

ピーボ博士はシャーマンに歴史の勉強をさせるために、
タイムマシン「モドリン(WABAC)」を発明し、フランス革命を実際に見に行き、
マリー・アントワネットに会ったりと、2人で歴史上の人物に会いに行きます。
その時はマクシミリアン・ロベスピエールにアントワネットの取り巻きと間違われ
ギロチンで処刑されそうになったりするけど、ピーボ博士の天才的頭脳で、
どんなヤバい状況でも難なく脱出できてしまうのです。
ピーボ博士があまりにも全知全能すぎて、どんな危機的な状況になっても
全く緊張感が感じられないので、ちょっと退屈ですね。

7歳になったシャーマンは小学校に通うことになりますが、
歴史の授業で初代大統領ジョージ・ワシントンについて習う時、
先生から「彼が折ったのは何?」と問われた同級生の女の子ペニーが
「サクラの木です」と答えると、シャーマンは「出典不明!」を叫びます。
どうも彼はモドリンでジョージ・ワシントンと話したことがあり、
その逸話が作り話であるという知識をひけらかしたかったみたいです。
恥をかかされたペニーは、昼休憩の時にシャーマンに
「お昼はドッグフードじゃないの?あなた犬でしょ?」と嫌味を言います。
彼が犬の養子だと知った上での差別的発言ですが、
正直、シャーマンの自業自得でいい気味だと思ってしまいました。
調子に乗って女の子に恥をかかすようなガキはムカつきますからね。
2人はケンカになり、シャーマンがペニーの腕に噛んで怪我させます。
やはり犬の息子、ペニーの嫌味は的を射てますね。
しかし犬呼ばわりされて怒るシャーマンも、内心は犬を蔑んでしょうね。
本当にピーボ博士を父親と認めてるんだろうか?

シャーマンの保護者として校長室に呼び出されたピーボ博士。
ピーボ博士はケンカの原因を聞いてショックを受けます。
頭がいいのに、こんな起きて当然の事態を全く想定してなかったのか…。
校長室には児童保護局のグラニオン女史も来ていて、
彼女は、この件はシャーマンの育て方が悪かったから起きた、
やはり犬に人間の子育ては無理ではないか、
明日家庭訪問して少しでも問題があればシャーマンを取りあげる、と宣告。
ピーボ博士はグラニオンが来る前にペニーと和解しようと、
自宅であるNYのペントハウスに彼女の家族を夕食に招待するのです。
その席で、ピーボ博士はペニーの両親に楽しんでもらおうと、
世界中の楽器を自ら演奏するのですが、逆に彼女の父の怒りを買います。
私もこれは技術をひけらかしているようで、不愉快だと思いました。
ピーボ博士は知識人にありがちな、慇懃無礼なところがありますよね。
しかしピーボ博士のカイロプラクティック(整体)が気に入られて、
ペニーの両親との関係が好転するのです。
大金持ちなんだから大金積んで示談すればいいのに。
催眠術を使えるみたいだからそれで解決してもいいし。

親同士が和解していた頃、シャーマンとペニーは子供部屋で話し合います。
シャーマンがジョージ・ワシントンに会ったことがあると聞いたペニーは、
「私も会いたい」と言い、2人でピーボ博士に内緒でモドリンを使うことに。
ワシントンにも会い、色んな時代を回って、モドリンに夢中になったペニーは、
特に古代エジプトが気に入って、現代に帰ろうとはせず…。
困ったシャーマンはひとりで現代に戻り、仕方なくピーボ博士に相談し、
2人でペニーを連れ戻すため紀元前1332年のテーベに向かいます。
モドリンを操縦できないはずのシャーマンがシレッと乗りこなせてるのは何故?
ピーボ博士ももっとシャーマンを説教した方がいいです。

紀元前1332年の古代エジプトでペニーは「ハトシェプト姫」を名乗っています。
たしか史実でも女性ファラオにそんな名前の人がいましたよね。
ペニーがその女性ファラオだったというネタなのかな、と思ったら、
そういうわけでもなく、ツタンカーメンことトゥト王に見初められて、
婚約者になって豪遊していました。
シャーマンたちが迎えに来たが、贅沢な暮らしを手放したくないと拒否。
ピーボ博士は「ネタバレだけどツタンカーメンは早死にするよ」
「王が死ぬと妃も殉死させられ、ミイラにされるよ」と彼女を説得。
たしかこの婚礼を強引に進めようとした大神官アイが
ツタンカーメンを暗殺したんでしたっけ?
早死にしたくないペニーはシャーマンたちと現代に戻ることを同意。
婚礼儀式の最中に逃走し、モドリンに乗り込みます。

ところが現代に向けてタイムトラベル中にモドリンが動力不足に…。
一旦動力補給するために、どこかの時代に寄ることになり、
1508年、ルネサンス時代のフィレンツェに降ります。
ここビーボ博士の友達がおり、なんとそれはレオナルド・ダ・ヴィンチ。
ビーボ博士は多くの歴史上の偉人と知り合いのようです。
ライト兄弟、ベンジャミン・フランクリン、ゴッホ、ベートーベンなど、
発明家や芸術家と交流してる様子も回想で描かれていますが、
その中でシェイクスピアの代筆をするシーンもあるので、
これまでの偉大な発明や有名な美術作品の多くに、
ピーボ博士が関わっていたという設定なのでしょう。
ダ・ヴィンチの元に訪れた時も、名画「モナ・リザ」の制作を手伝ってます。
ピーボ博士はダ・ヴィンチに協力してもらって動力を作る機械を制作。
2人の天才がどんなすごい機械を作るのかと思いきや、
ただモドリンをぐるぐる回転させるだけの大きな機械で拍子抜けです。
どうやら遠心力を動力にできるみたいです。
まぁ動力が遠心力ならどんな時代でも作り出すことが出来るし、
ある意味、よく考えられた仕組みなのかもしれませんね。
というかピーボ博士は石とか牛脂だけで簡易モドリンを作れるみたいです。

再び現代に向けて出発するも、途中でブラックホールと遭遇。
全力で逆進して回避したものの、紀元前1184年の古代ギリシャに緊急着陸。
シャーマンはピーボ博士と口論になり、モドリンを飛び出してしまいます。
その時代では、たまたまトロイア戦争が始まろうとしており、
彼はシャルマノスと名乗り、アガメムノン率いるギリシャ軍に加わります。
トロイア戦争なんて神話上の架空の戦争なのに、
まるで史実のように登場させるのはどうなんでしょうね。
歴史学習アニメ的な雰囲気の作品なので、これを観た子供が真に受けそう。
まぁギリシャ神話は大好きなので、面白い展開ではありましたが…。
(エディプスの家は超気まずい、とか小ネタが笑えます。)
トロイの木馬で敵城内に進入したシャーマンを助けに、ピーボ博士も突撃。
しかしピーボ博士は木馬諸共、崖から転落してしまいます。
そこでシャーマンはピーボ博士を助けるために、ピーボ博士に助けを求めようと
まだピーボ博士の生きていた出発直前の現代に戻ります。
でもピーボ博士は無事なんですよね。
あの崖から転落してなぜ無事なのかはわかりませんが、
全く無傷で生還し、簡易モドリンで出発前の現代に戻って来ます。
もう頭がいいとかのレベルではなく不死身で、本当に全知全能なのでしょう。

ところが、自分の存在する時間に行くのは禁止されており、
別の時間軸の自分と接触すると、矛盾を解くためもう一人の自分と合体し、
時空連続体が過度な負荷で避け、過去に戻れなくなってしまうみたいです。
タイムトラベルものではありがちですが、急に新しい設定を足されると、
まるで後付したみたいであまり上手い脚本だと思えなくなりますね。
よくわからないが、過去には戻れないけど過去からはどんどん来れるようで、
ダ・ヴィンチ、ロベスピエール、ツタンカーメン、アガメムノンなどが、
ワームホールの裂け目から現代のNYに落ちてきます。
他にもアインシュタインやニュートンなんかも落ちてきますが、
今まで出てこなかった歴史上の人物がクライマックスで急に出てくるのも、
あまり上手い脚本とは言えない気がします。

タイムトラベルに失敗したモドリンは墜落し、NY市警に包囲され、
ピーボ博士は児童保護局グラニオンに捕まってしまうのです。
彼女から逃げようとした時に彼女の腕を噛んでしまったので、
人を噛んだ犬として保健所で殺処分されることになるでしょう。
しかし「犬が人間の父親になろうなんて烏滸がましい」というグラニオンに対し、
シャーマンは「僕も犬だ」と反論するのです。
「ピーボ博士のように家族を愛するのが犬なら僕も犬になる」と。
それを聞いたダ・ヴィンチやアガメムノン、街の人々も「私も犬だ」と次々と賛同。
シャーマンを犬扱いしたペニーまでも「私も犬よ」と賛同してくれるのです。
敵対するロベスピエールやツタンカーメンも賛同するのは意味不明ですが…。
しかしグラニオンは聴く耳を持たず、ピーボ博士を連行しようとするが、
ワームホールから落ちてきたジョージ・ワシントンが
「全ての人間と一部の犬は平等だ、ピーボ博士に恩赦を与える」と宣言し、
同じく落ちてきたリンカーンとクリントンも賛成。
グラニオンも3人の大統領命令には逆らえず、ピーボ博士を解放してくれ、
めでたしめでたし、…とはまだいかず、
裂けた時空連続体をどうにかして元に戻さなくてはいけません。

シャーマンは「過去に行けないなら未来に行けば」と提案。
よく意図のわからない提案でしたが、ピーボ博士は同意します。
モドリンを未来に向けて飛ばすと独自の重力場が生まれて、
時空連続体の裂け目に反作用を与えることができる、と。
また後付けのような理屈で、全く納得は出来ませんでしたが、
その方法でワームホールの裂け目を閉じることに成功し、
歴史上の人物たちも自分たちの時代に戻っていきます。
アガメムノンは戻る間際に一目惚れしたグラニオンを拉致し、
シャーマンがピーボ博士から取り上げられることもなくなり、
これで本当にめでたしめでたしです。
いや、グラニオンを連れ戻さないと歴史が変わる気が…。
アガメムノンとグラニオンが結婚したらエレクトラが生まれなくなるし…。
まぁ神話上の人物だから歴史とは関係ないか。
それ以前からピーボ博士は歴史に影響与えまくってるしね。

それにしても、やっぱり犬の親と人間の子供の親子は受け入れ難いし、
タイムトラベルの無茶苦茶な設定が納得できないのは仕方ないとしても、
ペニーが一方的に改心して、彼女に恥をかかせたシャーマンの方は
一切謝ってないのも納得できません。(彼は悪いとも思ってない。)
やっぱりあまり上手い脚本ではないですね。

コメント

一応日本でも放映されてたみたいですよ。ただ、フリントストーンだとか鉄腕アトム並みに古いですが.......

  • 2017/01/18(水) 13:11:37 |
  • URL |
  • 名無し #-
  • [ 編集 ]

名無しさんへ。

私は『フリントストーン』というアニメも知りませんが、
『鉄腕アトム』並みに古いとなると60年代ですか。
半世紀以上経って劇場版になっても、昔そのアニメが好きだったから
本作を鑑賞したなんて日本人はいないかもしれませんね。
2009年の『ATOM』ですら全くヒットしなかったし。

  • 2017/01/19(木) 00:43:16 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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