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映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年

来年の更新再開に向けて、昨日からプレ再開しましたが、
久々に記事を書くと時間がかかりました。
こんなに時間がかかるようでは続けていけそうにないので、
なんとか楽な書き方を見つけて、時短したいと思います。

映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年
ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年

2015年12月23日公開。

日曜日の夕方に放送している国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』の
放送25周年記念となる劇場版ですが、劇場版は三作目だそうです。
四半世紀放送してて劇場版が3本しかないテレビアニメも珍しいですね。
まぁ『ちびまる子ちゃん』の後に放送している『サザエさん』は
約半世紀放送してても劇場版1本もないけどね。
しかも本作は劇場版二作目から23年ぶりとなる三作目だそうで、
なぜそんなに長い間劇場版が製作されなかったのか不思議。
…というか、なぜ今更劇場版を製作しようと思ったのか不思議ですが、
おそらくフジテレビの思惑が絡んでいるのでしょう。

フジテレビは本業の凋落が著しく、映画に活路を見出そうとしているが、
ドラマの劇場版を量産するも、あまり成功しているとは言い難いです。
(特に『HEAT』なんて劇場版が白紙撤回されてる始末です。)
しかし近年力を入れている『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』など
人気テレビアニメの劇場版では大成功を収めており、それに味を占めて、
ついに国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』にも白羽の矢を立てたのでしょう。
『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』の劇場版のヒットの要因のひとつは、
原作者が自ら脚本や製作を手掛けていることが挙げられるので、
本作もそれに倣い、原作者さくらももこが脚本を手掛けています。
彼女ははじめ、久々の劇場版化に乗り気ではなかったそうなので、
やはりフジテレビ側が強引に押し進めたのだろうと思われます。
この様子だと『サザエさん』が劇場版化される日も近いかもね。
(まぁ『サザエさん』は原作者を巻き込むことは出来ませんけどね…。)

私も子供の頃は『ちびまる子ちゃん』をよく見ていましたが、
もう十何年も見ていないので、本作も観に行くつもりはありませんでした。
しかしさくらももこのファンの女の子が一緒に観に行こうと言うので、
本当に面白いのかと疑念を持ちながらも観に行くことに。
ただその子に言われて、YouTubeにあった23年前の前作を見たら、
意外にも名作だったので、いざ観に行く時はそこそこ期待してました。
で、いざ観てみたら、期待を超える感動作だったので大満足です。
思わず原作者の描き下ろし漫画を買ってしまうほどよかったです。

ただ作品がよかっただけに、非常に残念なことが…。
客入りがあまり芳しくなかったんですよね…。
クリスマス・イヴに大阪で観に行ったけど、カップルがチラホラいるだけで、
現役視聴者であろうチビッコの姿がほとんどなくて…。
きっとチビッコは本作の4日前公開の『妖怪ウォッチ』に奪われたのでしょう。
世界で記録的大ヒット中の『スター・ウォーズ』にすら土を付ける
妖怪染みた大人気アニメの劇場版に挑むような公開日にするなんて無謀。
本作の内容は夏(夏休み前)なんだから、夏公開すればいいのに…。
週の半ばが公開日の不利はあったとはいえ、先週の週末興行成績の
初登場成績が6位だなんて、本作の出来を鑑みれば不当に低すぎます。
以下、ネタバレ注意です。

夏休み前のある日、お金持ちの同級生花輪クンの家に、
いろんな国の小学5年生6人がホームステイに来ます。
アメリカの少年マーク、インドの少年シン、ハワイの少年ネプ、
ブラジルの少女ジュリア、香港の少女シンニー、
そしてイタリアの少年アンドレアの6人です。
いろんな国と言ってもアメリカ人が2人なのが少し気になるので、
ネプはハワイじゃなくてオセアニアの国の子にしてほしかったかな。
マーク以外の5人は、ゲスト声優としてタレントが声を務めており、
シンニー役のローラの棒読みが少し気になったものの、
もともとみんなカタコトの日本語しか話せないキャラ設定だったので、
それほど致命的なキャスティングにはなりませんでしたね。
ジュリアはなんとなく原作者らしからぬデザインで浮いてる気がしたけど、
原作本を見てみると、かなりデザインを改変されているのがわかります。
原作だと大人びた少女だけど、本作ではポッチャリしていて、
声を務めた渡辺直美に寄せたような気がします。

洋風の大豪邸に住む花輪クンは、自分チでは外国の子たちが
日本の文化を学べないと考え、同級生からホームステイ先を募ります。
まる子たちは花輪クンの家に遊びに行き、外国の子6人に対面しますが、
イタリアの少年アンドレアは「僕はマルコが大好き」と言い、
まる子の家にホームステイしたいと懇願します。
まる子は戸惑うが、花輪クンの執事ヒデじいからも頼まれ、
祖父友蔵が「友人ヒデさんの頼みは断れない」と承諾し、
さくら家にアンドレアがホームステイすることになります。
野口さんのじいさんや佐々木のじんさんもそうだけど、
この作品のジジイ連中はみんな仲がいいですよね。
アンドレアは丸尾クンが是非招きたいと立候補してくれたのに、それを断って、
女の子(姉妹)の家にホームステイしたがるなんて、なんか図々しいね。

まぁアンドレアは別にまる子が可愛いから気に入ったわけではなく、
ただ単に「まる子」という名前(ニックネーム)が気に入っただけ。
彼の半年前に他界した祖父が「マルコ」という名前だったからだそうで、
ホームステイを嫌がるまる子もその話を聞き、彼を受け入れ仲良くなります。
むしろまる子より歳の近いお姉ちゃんがアンドレアをどう思ったのか気になるな。
シンはハマジ、ネプは小杉、ジュリアは野口さん、シンニーはたまちゃん宅に
それぞれホームステイすることが決まり、マークは花輪クン宅に残ります。
みんな個性的な子たちだけど、本作はまる子とアンドレアが中心なので、
他の子たちの活躍の場が少ないのは惜しいですね。

花輪クンは親睦を深めるためにみんなを旅行に連れて行くと提案。
もちろん旅費は花輪クン持ちですが、計15人の旅費をポンと出すとは…。
目的地はマークの提案で京都を予定していましたが、
アンドレアが大阪に行きたいと言い出し、まる子も賛成。
お笑い好きの野口さんとジュリア、たこ焼きを食べたい小杉とネプも同調し、
結局京都組と大阪組に分かれることになります。
アンドレアにはどうしても大阪に行きたい理由があったのですが、
絶対みんなで同じところに行った方が親睦も深まるし楽しいのにね。
京都と大阪なんて目と鼻の先だから、一日で回れるのに。
関西人の私にとっては、まる子が大阪(道頓堀)に来る展開は嬉しいです。
そこをもっとPRすれば、もっと客も入った気がします。
なんば花月ではカウス・ボタン、笑福亭仁鶴、間寛平が本人役で登場します。
本作のED曲を務めるトータス松本も関西弁を活かしてゲスト声優として
道を教えてくれる親切なオッサン役で登場しますが、彼の声は胡散臭いので、
旅行者を騙してどこかに連れて行く悪いオッサンかと思っちゃいました。

アンドレアが大阪に来たがったのは、彼の祖父マルコが若い頃、
カメラマンとして来日した時に世話になった、
道頓堀の居酒屋「のん気屋呑兵衛」に行ってみたいと考えたからです。
しかし店の所在の手掛かりは祖父が当時店からもらった栓抜きしかなく…。
道頓堀の交番に尋ねてみると、のん気屋は20年前に閉店したとわかり…。
当時店があった場所の近所のお好み焼き屋で話を聞くと、
のん気屋はりょうさんとチエさんという夫婦が経営していたが、
息子が上京した時に店を畳んで一緒について行き、
今は上野でスパゲティ屋をやっているらしいです。
のん気屋に行くためにワガママを言って大阪に来たのに結局無駄足。
アンドレアはまる子に謝ったけど、本当に謝るべきは花輪クンでしょ。
まぁ時代設定が昭和50年前後だったと思うので、
ネットも発達してないし、ノープランなのは仕方ないけど…。

旅行を終え清水に戻り、6人の帰国を二日後に控えた夜、
まる子はアンドレアと2人で、巴川の灯籠流しを見に行きます。
お別れの日が迫り、灯籠を流してしんみりする2人。
この短いホームステイで、友情以上の感情が芽生えている気がします。
祭の混雑で逸れないように手を繋ぐ2人の姿にはジーンとしました。
またこのシーンで流される原作者作詞の大原櫻子の歌「キミを忘れないよ」が
とても状況にマッチしていて、感動が増幅し、ボロボロ泣けます。
「繋いだ手の愛しさがたぶん恋だということに、まだ気づかない夏の始まり」

帰国の日、まる子たちは羽田空港まで見送りに行きますが、
6人はそれぞれ便が違うので、空港に朝9時に到着するも、
アンドレアは午後6時の便に乗るので、けっこう時間があります。
そこでまる子は、せっかく東京まで来たのだから、待ち時間を利用し、
一か八かのん気屋夫婦のスパゲティ屋を探しに行こうと提案し、
アンドレアと友蔵と3人で上野まで行くのです。
上野のスパゲティ屋という情報だけで店名もわからないのに、
またしてもノープランすぎる無謀な行動です。
実際アメ横などで適当にイタリアンの店に飛び込んだりもするも、
当然そんなに簡単にのん気屋夫婦の店に当たるはずもなく…。
しかし友蔵は、りょうさんチエさん夫婦の名字がわかれば
電話帳で探せるのではと気付き、道頓堀のお好み焼き屋に電話し、
りょうさんのフルネームが緑川良次だと教えてもらいます。
電話帳で名前を見付け自宅に電話するも、店に出ているのか留守。
でもその住所から店の場所の当たりを付けることができました。
道頓堀に行った時に夫婦の名字も聞いてなかったなんて抜けてますが、
オッチョコチョイな彼ららしい気もしますね。

しかし飛行機の時間も迫り、昼食抜きで空腹なまる子を気に掛け、
アンドレアはもう店探しは諦めて空港へ戻ろうと言い出します。
友蔵もアンドレアの気持ちを汲み、上野で何か食べて戻ることになり、
入る飲食店を物色していたら、「マルコ」という店名のスパゲティ屋を発見。
そここそのん気屋夫婦の経営するスパゲティ屋だったのです。
夫婦はマルコから得意料理のスパゲティ「マルコ・スペシャル」を伝授され、
この店をオープンしたらしいです。
夫婦は友人マルコの孫アンドレアが訪ねて来たことを喜び、
「マルコ・スペシャル」を振る舞い、アンドレアは「お爺ちゃんの味だ」と感動し、
夫婦に出会えた彼らは急いで空港に戻るのです。
夫婦が居酒屋からスパゲティ屋に業態変えるほどだから、
「マルコ・スペシャル」って相当美味しいのでしょうね。
なんだか無性にスパゲティが食べたくなって、帰りにパスタの店に行って、
「マルコ・スペシャル」そっくりのピーマン入りナポリタンを食べました。
クリスマス・イヴだったからもっといいもの食べたらいいんだけど、
美味しかったし、一緒に観た子も喜んでくれたからよかったかな。

そして空港に到着し、搭乗に向かうアンドレアを見て、
まる子は「行かないで。もっと一緒に遊ぼうよ」と涙を流します。
そんなまる子にアンドレアは優しく「一生忘れないよ」と言い、
のん気屋の栓抜きを渡して再会を誓うのです。
なんとも感動的な別れのシーンでした。
…でも、灯籠流しのところの方が感動したかな。
物語的には仕方がないけど、灯籠流しの後に店探しを挟まず、
すぐに別れに繋げた方が感動が畳みかけられて泣ける気がしました。
あとまる子に栓抜きを贈るのもどうなんでしょうね。
栓抜きはマルコとのん気屋夫婦の友情の証の品であって、
まる子とアンドレアの友情の証には違う物の方がいい気が…。
例えば大阪旅行でまる子から貰ったお土産の変な人形とか…。
まぁ泣いてるまる子の顔見るだけでめちゃめちゃ感動したけどね。
まる子ってたまに可愛いよね。

イタリアに帰国したアンドレアは両親に
「日本でお爺ちゃんの名前と同じニックネームの女の子に会った」と報告。
「マルコっていう子なの?」と驚く両親に、
アンドレアは「本当は"ちびまる子ちゃん"っていうんだよ」と…。
…まさか、アンドレアはまる子の本名覚えてない(知らない)のか?

かなり泣けたし笑えるところも多かったので佳作だと思うけど、
公開時期の失敗でヒットは見込めそうにないから、『ONE PIECE』のように
今後も劇場版がコンスタントに作られることにはならないかもしれません。
別に毎年劇場版を公開してほしいとまでは思わないけど、
この水準の劇場版なら、たまには観たい気がしました。

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