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死霊高校

今日はなんとか更新できました。

死霊高校
The Gallows

2015年8月22日日本公開。
ファウンドフッテージ・ホラー。

1993年、高校演劇「絞首台」の上演中に主役の少年が惨事に見舞われる。20年後、同じ舞台で「絞首台」を再演することになった4人の高校生は、公演を中止させるため潜入した深夜の校舎で、かつての惨劇を報道した映像を見てしまう。その直後から出入り口が開かなくなり、さらには一人ずつ首つりの犠牲となり……。(シネマトゥデイより)



先月全米公開されて、初登場5位だった本作。
あまりいい成績とは言えないけど、上位が超大作ばかりだし、
製作費たった10万ドルだと考えれば健闘した方かもしれません。
その製作費も、大半は制作者の地元の友人が出してくれたそうで、
まるで趣味で撮ったのかと思うような低予算ホラーですね。
でもだからってチープなわけでもなく、なかなかいい出来だと思います。
全米公開時の批評家のレビューはかなり厳しかったみたいですが、
昨今のPOVファウンドフッテージ・ホラーとしては上出来な部類です。
最近のPOVはカメラの数が多すぎたりして、都合のいい映像が多いけど、
本作はそういうことが比較的少なく、ありそうな映像がほとんどなので、
臨場感があるし、本来のPOVのマナーにも則っていて好印象です。
物語が薄くなりがちなファウンドフッテージのわりには、
コンパクトながらもなかなか見応えのある物語で楽しめました。
まぁホラーのわりに全く怖くないのは如何なものかと思いますが…。
以下、ネタバレ注意です。

冒頭の映像は、1993年10月29日に撮られたある劇の様子です。
ネブラスカ州ベアトリス高校の生徒たちによる
「絞首台(The Gallows)」という演劇のようすを観客が撮っているのですが、
そのクライマックスで、主人公オーガスト役の男子生徒チャーリーが
絞首台に上がる場面で、装置の誤作動で絞首台の床が開き、
チャーリーが本当に首を吊って亡くなってしまいます。
会場は騒然となりますが、なかなか衝撃的なシーンで掴みは完璧です。
でも舞台上に本物の絞首台を作るのが間違いですよね。
そもそもたぶん主人公が絞首刑に掛けられて終わる劇っぽいので、
この仕組みじゃ、ちゃんと作動させても死んじゃいそうだけど…。
ふつう首吊りのシーンなら、体をワイヤーで固定したりするものなのに、
本当に首に縄を掛けて、本当に底が抜ける絞首台に上げるなんて、
いつ事故が起こってもおかしくない杜撰な管理体制で、学校の責任は重いです。

そして時は流れて2013年。
あり得ないことにこの学校は、もう一度「絞首台」を上演することになります。
20年前にその劇で死亡事故が起きているのに、学校は反省してないのか…。
またガチの絞首台を舞台に作っちゃってるし…。
もちろん生徒たちも昔の事故のことは知っているみたいですが、
むしろそんないわく付きの劇を楽しんでいるようです。
まぁその生徒たちの気持ちはわからなくもないですね。
怖いもの見たさで四谷怪談を演じるようなものでしょうか。
今回ヒロインを演じるのは、やる気満々の女生徒ファイファー。
そしていわく付きの主人公オーガストを演じるのがアメフト部員リースです。
リースは超大根で全く役者には向いていませんが、
どうやらファイファーのことが好きみたいで、立候補したみたいです。
同じくアメフト部員のライアンは劇を撮影するカメラマンになり、
練習風景も密着撮影しますが、彼は単位が貰えるから参加しただけで、
演劇をバカにしており、リースが劇に必死なのも面白くないみたいです。

10月28日、劇本番前日、ライアンはひょんなことから、
劇場の裏口の鍵が壊れていることに気が付きます。
そこで彼は夜中に忍び込んで舞台セットを破壊し、上演を中止させようと計画。
本番で失敗してファイファーに嫌われるかもと考えた大根リースも同意します。
そこにライアンの彼女キャシディも面白がってついてくることになり、
その夜、カメラ持って3人で劇場に忍び込むのです。
カメラなんて持ってったら下手に証拠残しかねないと思っちゃうけど、
それを言ったらファウンドフッテージが成り立たないか。
なぜか電気も付かない劇場に忍び込んだ3人が、舞台上のセットを倒したり、
絞首台を解体したりしていると、どこからか物音が聞こえたので、
慌てて逃げようとドアに向かいますが、そこでなんとファイファーと遭遇。
ファイファーから「こんなところで何してるの?」と問い詰められ、
リースは「劇の練習をしていた」と嘘をついて誤魔化します。
むしろファイファーがひとりで夜の劇場に何しに来たのかと思いましたが、
そこはイマイチはっきり説明されず、なんだか釈然としませんでしたが、
まぁそれも本作を最後まで観ればわかりましたけど、ちょっと不味い演出です。

ファイファーを含む4人は劇場を出ようと裏口に行きますが、
鍵が壊れているはずのドアがロックされていて…。
他の出入口も全てロックされており、どうやら閉じ込められてしまったようです。
更に壊したはずの絞首台やセットがいつの間にか全て元通りになっていて、
ライアンたちはピーターの死霊に閉じ込められたのではと焦ります。
ケータイも圏外だったため、劇場の事務室に電話があると考えた彼らでしたが、
事務室で謎の隠し通路を見つけ、その奥の隠し部屋に入ると、
その部屋のテレビモニターに20年前の事故を報じるニュース映像が…。
どうやらピーターはもともとハングマン(処刑人)役でしたが、
オーガスト役の男子が病欠だったので、代役で出演し事故に遭ったようです。
それを見たリースは、自分の父リックが病欠したオーガスト役男子だと気付き、
チャーリーの死霊の狙いは自分ではないかと思うのです。
リースの父は息子が劇に出演するのに反対していましたが、
表向きの反対理由はアメフトを続けてほしいからだけど、
本当は自分が昔ドタキャンしたいわく付きの役だと知ってたからでしょうね。
いや、それならそれでもっと強硬に反対してないとおかしいかな?
死亡事故の可能性がある役なんて、ぶん殴ってでも止めさせるのが親だし…。

そんな折、キャシディが何者かに一瞬吊り上げられる現象が起こり、
その時は何事もなく助かるも、首にロープを掛けられたような跡が…。
どうやらチャーリーの死霊はハングマンの衣装を着ており、
手には絞首台の首吊りロープを携えているみたいです。
なんだかジェイソンとかブギーマンをイメージした殺人鬼然とした姿で、
なんだかチープというか、あまり怖くないというか…。
もうちょっと死霊っぽいオドロオドロしさがあると良かったです。

ライアンは天井付近に通気口(空調ダクト)があることに気付き、
そこから脱出しようと梯子を掛けて登ります。
その時、よせばいいのに「チャーリー出て来い!」と挑発しながら登りますが、
案の定、チャーリーの死霊の怒りを買い、見えない力で梯子から転落させられ、
足を骨折に動けなくなってしまうのです。
リースたちが応急処置に使えそうなものを探しに行き、
ひとり残された彼は、死霊に吊り上げられ、天井の暗闇に消えてしまいます。
カメラマンの彼が最初の犠牲者になるのは意外な展開でした。
最初に殺されるのは最も劇に不遜なキャシディに違いないと思っていたので。
まぁそのすぐ後にキャシディも殺されます。
やはりひとりになった時に、ハングマンから首にロープを掛けられ、
暗闇の中に引きずり込まれて姿を消してしまうのです。

残されたリースとファイファーは、警報器を鳴らせば警察が助けに来ると考え、
警報器を作動させるのですが、警察ではなくハングマンに見つかっただけで…。
ハングマンに追われてキャットウォークに登った2人ですが、
そこでライアンとキャシディの首吊り死体を発見します。
なんだかこの劇場って、大き過ぎて全容が見えにくいです。
変な隠し通路や隠し部屋もアチコチにあるし…。
ハングマンもキャットウォークまでは追ってこないようで、警報が止んだため、
警察が来たと考えた2人は舞台の上手に降ります。
そしてふと下手側にある裏口を見ると、閉まっていたドアが開いていたため、
2人は舞台を横切って裏口から脱出して、めでたしめでたし。

…と思いきや、外に出たのはリースだけで、
ファイファーは舞台の上で倒れ込んでいるみたいです。
彼女を守ると決心したリースは再び劇場に入り、舞台に向かいます。
リースが舞台で倒れるファイファーに近づくと、急にスポットライトが2人を照らし…。
その光景はまるでオーガストとヒロインの最期の別れとなる劇の一場面です。
2人も何か思うところがあったのか、その場面を再現し、その劇の通りに、
オーガスト役のリースはヒロイン役のファイファーにキスした後、
ヒロインを守るために自ら絞首台に上ります。
そこにハングマンが現れて、リースの首にロープを掛け、絞首刑を執行。
それを見て泣き叫ぶファイファーですが、まるでカーテンコールのように、
絞首台から降りて来たハングマンと並んで客席に一礼するのです。
そして客席からは何者かの拍手が…。

どうやらはじめからファイファーはチャーリーの死霊の味方だったようで、
チャーリーがリースたち3人を殺す手伝いをするために劇場に来たみたいです。
というか、この劇を上演するように働きかけたのもたぶん彼女でしょうね。
どうも彼女の母はチャーリーの恋人だったみたいですが、
(最後に拍手していたのは彼女の母でしょう。)
ということは、彼女もチャーリーの娘(忘れ形見)ということになるのかな?
いや、それだと少なくとも19歳のはずだし、高校生なのはおかしいか?
なんにしても、前述のようにファイファーが夜の劇場に現れるのは不自然で、
観客が彼女にはじめから不信感を覚えてしまうので、
彼女が死霊の味方というドンデン返しもあまり驚くことが出来ませんでした。
やはり彼女が劇場に現れた表向きの理由をちゃんと用意するべきでしたね。
それとライアンとキャシディを殺す動機も弱い気がします。

とはいえ、なかなか面白いPOVファウンドフッテージ・ホラーだったので満足です。

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