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パージ:アナーキー

今日も映画の感想です。

パージ:アナーキー
The Purge Anarchy

2015年8月1日日本公開。
社会派SFアクションホラー『パージ』の続編。

国民の怨嗟(えんさ)や憎悪を発散させ、それによって治安を維持しようと、アメリカ政府は1年に1晩だけ殺人などの全犯罪を認める日パージを制定する。その日を迎え、家路を急ぐものの車がパンクしたために街をさまよう夫婦。何者かに襲われ、拉致されそうになる母娘。武装した男に救われた彼らは、協力し合いながら無法地帯となった街からの脱出を試みる。次々と襲い掛かってくる殺人者たちを倒していくが……。(シネマトゥデイより)



日本では先月18日に公開された『パージ』の続編となる本作。
その間、わずか2週間での連続公開となったわけですが、
もちろん、そんな強行スケジュールは日本だけです。
前作『パージ』は全米では一昨年の6月に公開され、
本作は昨年の7月に全米公開されました。
前作の全米公開後は日本での公開は全く決まってなかったので、
本作が全米公開されたときに評判が良かったため、
急きょ日本でも前作から連続公開しようということになったものと思われます。
つまり前作の公開は本作を公開するための前準備であり、
本作こそが本当に日本公開したかった作品であり、
前作よりも本作の方が面白いということです。

ボクは前作も観ましたが、正直イマイチ面白くなかったです。
なんというか、登場人物の行動が筋の通らないものばかりで、
全く納得できないスリラーだったんですよね。
その点、本作は登場人物の行動が比較的納得できる物語だったので、
前作での不満が解消され、なかなか楽しめました。
前作よりも本作の方が面白いのは間違いないです。
ただやはり前作を観てない人が本作を観に行くはずもなく、
前作を観てイマイチだと思って続編はスルーしちゃう人ももちろんいて、
客入りは前作よりも格段に落ちてしまった印象で…。
ボクの近所の映画館でも、前作は一日二回上映だったのに、
本作は一日一回上映に減らされてしまっていて、
そのせいでボクもスケジュールが合わせにくく、
公開週に観に行くことができませんでした。
出来は前作よりも断然いいのに残念で、せめて本作は、
前作がビデオリリースされてから公開した方がよかった気がします。
本作がこの客入りだと、全米で来年7月に公開される3作目の日本公開も
ちょっと危ぶんでしまいますね…。

経済崩壊後のアメリカは「新しい建国の父」によって統治され、
NFFA(New Founding Fathers of America)として生まれ変わり、
1年に1晩だけ殺人を含む全ての犯罪が合法化される「パージ」が導入されます。
その法律は、それを行うことで普段の犯罪率が減るとか建前は色々あれど、
真の目的は金を掛けて自衛できない貧困層や病人が殺されることで、
財政的支出を減らそうというものです。
前作ではパージの標的になったホームレスを家に匿ってしまったことで、
パージ参加者に狙われた家族の顛末が描かれ、舞台はほぼ室内でしたが、
今回はロサンゼルスの街中が舞台となり、前作より規模の大きな話になります。
前作が第5回、本作は第6回パージとなるみたいで、前作の一年後の話ですが、
イーサン・ホーク演じた前作の主人公は死んじゃってるし、
前作の主人公一家も登場しないので、それほど繋がりはなく、
別に本作から観ても問題ないように思います。
以下、ネタバレ注意です。

ウェイトレスのエヴァは、娘カリと病気の父との3人でアパート暮らし。
パージに参加しない彼女は、パージ開始(午後七時)の二時間前に帰宅し、
家族で朝まで家に籠ろうと考えますが、父がこっそり家を抜け出し、
パージされるためにセレブたちの家に行ってしまうのです。
セレブたちはパージの日に殺人を楽しみたいのですが、
自ら街に繰り出してパージに参加するのはリスキーなので、
こうして先の短い病人と10万ドルでパージさせてもらう契約を結ぶみたいです。
父は娘と孫娘のために自分の命をセレブに売ったわけですね。
ボクは人殺しなんて楽しいとは思えないので、セレブの気持ちはわからないが、
前作のようにセレブが自ら街で貧民狩りをする展開は納得できなかったので、
本作のセレブの行動の方がまだ合点がいく気がします。
それにエヴァの父の気持ちもよくわかる気がするし、やはり前作と違って、
登場人物の行動に対する違和感が薄くなり、感情移入しやすいです。

エヴァとカリの母娘は書置きで父が命を売ったことを知って悲しむ間もなく、
ドアを破って入ってきた隣人の男にレイプされそうになります。
男は普段エヴァに素っ気ない態度を取られていたことに腹を立ててたようです。
前作のラストも隣人トラブルによる悲劇でしたね。
隣人殺しが無差別殺人以外では一番起きそうなパージな気がします。
でもこんなマトモなアパートのドアが簡単に破られちゃうようでは、
貧困層どころか普通の人たちでも相当危ないです。
しかし隣人の男は、後からやってきたヘルメットの黒い軍隊に射殺されます。
救世主の登場か?と思いきや、軍隊は母娘を拉致しようとするのです。
なぜ殺さずに生け捕りにしようとするのか不思議でしたが、
「彼の捜し物だ」とか言ってたので、誰かの依頼で拉致に来たみたいです。
ただのウェイトレスとその娘に何の価値があるのか不思議でしたが、
彼女たちというよりも、そのアパートを制圧することが目的だったみたいで、
どうやらこの軍隊は政府(NFFA)の回し者で、
再開発のために邪魔な住民を追い出してるようです。
それならそれで、やっぱりなぜ殺さないのか不思議ですが、
結局詳しい理由はよくわかりませんでした。

母娘は黒い軍隊によってトレーラーに乗せられそうになります。
トレーラーにはエプロン姿で機関銃を持った男が乗っており、
どうやらその男が黒い軍隊のリーダー格のようです。
パージで使える殺傷武器はクラス4以下と決まってますが、
あんな固定式の大型機関銃もOKなら、実質ほとんどの銃器がOKなのでしょうね。
母娘が拉致されそうになっているところに、一台の車が通りがかり、
その車から降りてきた謎の男が黒い軍隊に発砲し、彼女たちを助けてくれます。
この男は劇中で言及されず名前もわかりませんが、どうやら警官です。
フランク・グリロ演じるこの警官が本作の主人公のようですが、
前作のイーサン・ホークから比べると、キャスト的には地味になった気も…。
パージの夜に車で外出していることからもわかるようにパージ参加者で、
誰かを殺しに向かう途中であり、正義感に溢れる警官というわけでもないです。
母娘を助けたのもたまたまでしたが、乗りかかった船なので、
とりあえず外は危ないから車に乗せてあげることにします。

警官が母娘を連れて車に戻ると、車内にとある2人組が入り込んでいて…。
その2人組、シェーンとリズはごく普通のカップルなのですが、
なぜか奇抜なメイクや仮面をしたパージ参加者の若者に付け狙われています。
パージ開始前に買い物をしていた2人ですが、駐車場で仮面集団に出会い、
目を付けられて車に細工され、帰宅中にダウンタウンでエンコしたみたいで、
パージ開始した途端に襲うつもりの仮面集団に尾行されます。
何もしてないし貧民でもないのに狙われるなんて気の毒でもあるけど、
パージ開始の直前まで外出するのは自業自得な気も…。
しかし仮面集団もパージ開始するまで2人を襲わないのは当然として、
パージ開始前に車に細工するのは立派な器物破損で犯罪じゃないのか?
パージ中以外は誰も法を犯さないのが本作の前提のはずだけど…。

とりあえず警官はこのカップルも車に乗せてあげることにして発車しますが、
エプロン男が機関銃を乱射したため、徹甲弾がエンジンに被弾してしまい、
なんとか逃げ切ったところでこの車もエンコしてしまいます。
車を乗り捨てるしかない警官は母娘とカップルに別行動しようと言いますが、
戦いなれた頼もしい警官から離れたくない母娘は
「知人の家まで私たちを送ってくれたら車を貸す」と提案し、警官も承諾。
カップルも母娘の知人の家で朝まで匿ってもらえることになり、
5人で知人の家を目指し、パージ参加者の闊歩する街を急ぎます。
黒い軍隊や仮面集団の他にも、神の使いを自称するキチガイ女や、
ワイヤートラップを仕掛けて待ち伏せする殺人鬼などヤバイ奴が沢山います。
でも職業軍人である黒い軍隊を除けば、いわゆる無法者みたいなやつばかりで、
前作のように街でマンハントを楽しむセレブはいません。
もうパージも第6回ともなると路上生活者なんかも狩りつくしただろうし、
一般人は家に籠っているので、街中で殺しあってるのは参加者同士な感じで、
もはやNFFAの意図するものではなくなってる気もします。

と思ったけど、路上生活者もまだ残っているみたいで、
彼らは街中を避け、地下鉄の線路内に身を隠しています。
警官ら5人も地下鉄線路を通って安全に知人宅に向かおうとしますが、
パージ参加者も路上生活者の考えることなんてお見通しで、
ある暴走族は火炎放射機を搭載したバギーで線路に入り込み、
線路内の人々を焼き払いながら、警官たちにも迫って来ます。
しかしカップルが根性を見せ、警官から借りた銃でバギーに応戦。
彼氏シェーンが肩に被弾するも、見事に暴走族を撃退するのです。
こんなパンピーにも負けるなんて、情けない暴走族ですが、
パージ参加者って、総じて防御面が疎かですよね。
一方的に殺るだけで反撃されないとでも思っているのでしょうか。

シェーンの活躍もあり、5人は無事に知人宅に到着し匿われます。
知人は家族や親戚と一緒に家に籠っているみたいです。
知人も母娘を家に迎え入れるのはまだわかるけど、
見ず知らずの拳銃持った警官やカップルをよく家に入れますよね。
警官は約束通り車を借りて出ていこうとしますが、実はこの家には車はなく、
あの約束は警官と一緒にいたい母娘の嘘だったのです。
車に乗ってある男を今夜中にパージしに行く予定だった警官は怒りますが、
そんな折、知人の妹が、なんと姉を撃ち殺してしまうのです。
どうやら旦那と姉の浮気に気づき、姉をパージしようと考えたみたいで、
ついでに家族にも発砲し、知人宅は親戚同士で銃撃戦になります。
うんうん、親戚とはいっても全員円満とは限らないし、
パージの夜に集まるのはリスキーかもしれませんね。

そこに警官たちを追って、黒い軍隊も到着し、5人は家を知人宅を抜け出し、
軍隊に見つかる前に逃げようとしますが、仮面集団に見つかってしまい…。
軍隊は交通カメラとかを使えるので警官たちの居場所が掴めるのはわかるが、
なぜ単なる無法者の仮面集団にも居場所がバレるのか謎です。
そもそも他にも獲物はいるだろうに、執拗にカップルを追う理由もわからないので、
偶然逃げたところに仮面集団が居合わせただけと考えるべきなのかな。
5人は仮面集団に捕まり、彼らのバンに乗せられます。
こいつらも軍隊と同じで殺さないで拉致るのかと不思議に思いましたが、
彼ら曰く、自分たちの目的は殺しではなく金である、と…。
なるほど捕まえた人から殺さない代わりに大金を巻き上げるのか、
と思いきや、捕まえた人を人間狩りの主催者に売る、人身売買集団でした。

主催者は5人を買い、セレブが集まる会場で20万ドルの入札に掛けます。
入札したセレブは人間狩りに参加する権利を購入でき、
5人を丸腰で暗い室内庭園に放し、武器を携えて彼らを襲う趣向です。
まぁこれなら丸腰相手だし反撃されにくいかもしれないから、
街でパージに参加するより安全にパージを楽しめるかもね。
セレブは武装しているうえに暗視ゴーグルも付けているから絶対有利だし。
でも窮鼠猫を噛むかもしれないし、完全に安全とは言い切れません。
しかも入札に参加したセレブ姉妹は銃じゃなくて鉈を持ち込んでるし、
そんな近接武器だと丸腰でも反撃されやすいですよね。
前作でもそうでしたが、なぜか女性のパージ参加者は刃物を使うんですよね。
現に警官は隙をついてセレブの一人を倒し、奪ったゴーグルと銃を利用し、
また一人、また一人と襲ってくるセレブを返り討ちにします。

人間狩りに参加したセレブ6人中4人が殺されてしまい、
観戦していた主催者は焦って大勢の武装セレブを室内に投入。
警官たちも必死に応戦しますが、多勢に無勢で窮地に立たされ、
ついにカップルの男シェーンが射殺されてしまうのです。
5人全員生き残ると思っていたので、彼の死は意外な展開でした。
奪った銃も弾切れし、絶体絶命のピンチになりますが、
室内に閃光弾が投げ込まれ、謎の武装集団が乱入してきて、
セレブたちを次々と射殺し、警官たち4人を救出してくれるのです。
この武装集団はパージに抗議する運動家カルメロ率いるレジスタンス軍で、
なんとその中には前作で生き残ったホームレスの黒人の姿もありました。
カップルの女リズはレジスタンスとここに残ると言うので、
警官は母娘を連れて室内庭園から脱出し、主催者の車を奪い逃げます。
主催者のババアをパージすればいいのに、なぜか見逃してやるんですよね。
人間狩りの主催者なんて絶対殺しておくべきなのに…。

陽も昇りはじめパージ終了の午後7時まで残りわずか。
警官は当初の目的である、ある男をパージするべく車を飛ばします。
母娘は「どんな理由でも殺人はダメ」と警官を説得しますが、彼は聞く耳を持たず。
それもそのはず、彼の標的は息子を飲酒運転で轢き殺したのに、
検察のミスで無罪になった男なので、復讐したいと思うのも当たり前です。
息子を失った親ならパージも関係なく復讐したいくらいですが、
彼は復讐したいけど自分が殺人罪に問われるのは嫌みたいですね。
パージ終了まで残り数分、警官は加害者の男の家に侵入し、
呑気に寝ている男にナイフを突き付けます。
しかし結局彼は男を殺さずに家を出るのです。
母娘の「どんな理由でも殺人はダメ」という説得が効いたのかもしれないけど、
もうこの一晩でセレブやパージ参加者など何人も殺してるんだし、
今更「殺人はダメ」も何もあったものじゃない気がするけど…。

警官は男の家を出たところで、急に銃撃を受けます。
彼を撃ったのは黒い軍隊を率いていたエプロン男でした。
パージは人を殺す日なのに人を助けた警官が気に入らなかったみたいで、
ずっと殺す機会を狙って彼を探していたみたいです。
エプロン男が警官にトドメを刺そうとした瞬間、
息子を殺した男がエプロン男を撃ち殺し、彼を助けます。
まさに情けは人のためならず、ですね。
エプロン男が殺されたため、慌てて黒い軍隊が飛んで来ますが、
そこでパージ終了を告げるサイレンが鳴り…。
警官は母娘らから病院に連れて行ってもらい、めでたしめでたしです。
エプロン男に撃たれた時には、これは死んだと思ったけど、
それほど重症でもなかったみたいですね。

なおこの警官はシリーズ第三弾にも登場することが決まっているらしいです。
ただこの後の彼のことが描かれるわけではなく、第三弾は前日譚で、
第一回パージが行われた2017年が舞台になるとのこと。
USAが新しい建国の父によりNFFAになる過程なんかが描かれそうです。
それも興味あるけど、カルメロらレジスタンスの活躍で、
今後パージがどうなるかも気になります。
まぁどのみち第三弾の日本での劇場公開は厳しいでしょうが…。

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