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この国の空

このところ楽しいイベントが連続して、更新を怠ってます。
時間がなくて映画館にもあまり行けてない、
そもそも観たい映画もそれほど公開されてないかもしれない。
今週末もそれほど見逃せない作品も公開されないし…。
まぁ感想を書きたいDVDがいくつかあるので、
来週も暇を見つけて更新したいと思います。

ということで、今日も映画の感想です。

この国の空
この国の空

2015年8月8日日本公開。
高井有一の同名小説を、荒井晴彦が映画化。

終戦が近い東京で、母(工藤夕貴)、叔母と共に暮らす19歳の里子(二階堂ふみ)は、何度も降り掛かる空襲に恐怖し、結婚適齢期なのに戦況が悪化し結婚など望めそうもない状況に不安を抱いていた。そんな中、丙種により徴兵を免除され、妻子を疎開させ一人で生活している隣人・市毛(長谷川博己)の身の回りの世話をすることに楽しみを見いだした里子に、いつしか自らのうちに潜む女性としての本能が芽生え……。(シネマトゥデイより)



もうすぐ終戦の日(15日)です。
この時期になると、あらゆるメディアで戦争関連の特集が組まれ、
平和について考える機会が増えますが、映画も例外ではなく、
終戦の日を前に太平洋戦争を描いた作品が公開されます。
昨年は目立った作品は公開されなかった気がしますが、
戦後70周年である今年は何本か公開されました。
いや、節目の年の割には少ない気もするかな?

ボクもこの時期になると、なんとなく戦争映画が観たくなるのですが、
今年は安保法案の問題があり、戦争映画なら何でもいいとは思えませんでした。
ボクは安保法案成立賛成なのですが、世論は賛否半々のはずなのに、
大半のメディアはまるで反対が世論の大多数であるかのように報じていて、
それにほとほとウンザリしてます。
なので今は反対派がプロパガンダに利用しそうな
反戦とか自虐史観的な戦争映画は観たいくないんですよね。
そんな思いの中で選んだのが先週末に公開された本作です。
もう一本、同日に『日本のいちばん長い日』という戦争映画が公開されましたが、
その映画のトークイベントで反対派の小林よしのりが絶賛してたらしいし、
観てないけどたぶん反対派のプロパガンダ映画に違いないとスルーです。
別に反戦映画が嫌いなわけじゃないので、例年なら観ていたと思うけど…。

その点、本作は戦争映画だけど反戦映画ではない、
というか、戦争映画かどうかも微妙な戦時ロマンス映画って感じの作品です。
人が死ぬわけでもなければ、特に辛いことが起きるわけでもなく、
反戦などイデオロギー的なものは皆無な物語です。
普段ならそんなイデオロギーもないような作品は物足りなく感じるけど、
今の心情としては、これくらいでちょうどいい気がしました。
ただイデオロギーどころか、テーマも明瞭じゃない物語なので、
特に引っ掛かりもないし、よく言えばほのぼのした、
悪く言えば退屈な作品だったかもしれません。

簡単に内容を説明すれば、終戦間近の昭和20年の杉並を舞台に、
母と暮らす19歳の里子が、隣の家に住む妻子を疎開させた中年男・市毛の
身の回りの世話をするうちに、女に目覚めてしまって不倫しちゃうという話。
ほんとにこれだけの内容を130分も使ってまったり描いています。
空襲に遭うようなこともなければ、市毛の妻が出てきて修羅場になることもなく、
かなり平坦で、内容の薄い物語です。
本作の言わんとすることを察するに、戦時下であっても性欲が尽きることはない、
って感じかなと思いますが、それも当たり前の話です。
ただ男が兵隊に取られてしまう時代で、残された女の性の捌け口は限定され、
平時ならあり得ない妻子持ちの男でも対象にするしかない状況です。
市毛は徴兵検査で丙種(不適格)となり、赤紙を免れていますが、
肉体的にはなぜ丙種になったのか不思議なくらい健康な男です。
周りにはライバルなんていないし、きっとモテモテだったでしょうね。
女に目覚めてしまった里子も、彼しか選択肢はなかったわけですが、
母も仕方ないと思っていて、応援(黙認)しているような状態です。
かなり特殊な状況でのロマンスだと思うので、描き方次第で面白くなりそうですが、
本作はその状況を活かしきれておらず、普通のロマンスになってる印象です。

ポスターがあんな感じだし、里子を演じるのは二階堂ふみなので、
市毛を演じる長谷川博己との濡れ場も、相当エロい感じになるかと期待したけど、
揺れ場は一回きり、しかもかなりアッサリしていたので、
『私の男』みたいなのを期待すると物足りないと思います。
よく調べてみたらこの作品はG区分(一般指定)なんですね。
もともとエロに期待して観に行っちゃいけなかったみたいです。
それなら二階堂ふみなんて使うなよと思ってしまいますが、
彼女の事後の入浴シーンは結構セクシーでした。
あと、二階堂ふみの台詞回しが昭和のドラマみたいで面白かったです。
往年の倍賞千恵子みたいというか、下手すると大根ぽく聞こえるけど、
若手屈指の演技派女優なので、昭和臭を醸そうとあえてそうしてるんでしょうね。
でも他のキャストはそこまで昭和ドラマっぽさを強調してないので、
彼女だけ浮いちゃってるので、ちょっとやりすぎかもね。
たぶん当時の人もこんな喋り方はしてないと思います。

そんな里子と市毛が急接近する展開もかなり終盤で、
それまではホントに何も起こらない、坦々とした日常が描かれます。
やはり戦時下で一番困るのは食べ物のことで、食べ物の話題が延々と続きます。
でも里子の家はそこそこ恵まれており、それほど食うに困ることもなく、
飢えによる苦しさが描かれるようなこともありません。
映画の半分くらい摂食シーンかと思うくらい、ずっと何か食べてますが、
たしかに食べているものは粗末っぽいけど、美味しそうに食べるので、
上映中おなかが減って大変でした。

終戦も近づき、市毛の妻子が疎開先から戻ってくる日も近くなり、
里子が「これから私の戦争が始まる」と思ったところで本作は幕を降ろします。
つまり今後、市毛の妻との修羅場を覚悟しているということですが、
彼女にとってはアメリカとの戦争よりも市毛の妻との戦争の方が過酷で、
まるで戦争がもっと長引けばいいのにとでも言わんばかりのラストです。
これを観ていると、戦争ってそんなに悲惨でもない気がしますね。
まぁ戦場の兵士や空襲を受けた人々は悲惨でしょうが、
それ以外の人は、貧しいけど穏やかな生活を送ってそうです。
終戦を残念がるような映画なんて珍しいですよね。

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