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7500

前記事の通り、先週末は観たい映画が全く公開されませんでしたが、
一週間以上も映画館に行かないと禁断症状に陥る映画中毒なので、
何でもいいから観に行こうと考え、観に行きました。
まぁ何でもいいと言っても、なるべくなら少しでも興味あるものがいいので、
先週末の封切作の中から、けっこう真剣に選びましたけど。
それで押井守監督の『東京無国籍少女』か清水崇監督の『7500』で悩みました。
こういう場合は手軽に観に行ける方を選ぶことが多いですが、
どちらも同じ映画館で上映されていたので条件は一緒です。
結局『7500』の方を選んだのですが、その決め手となったのは上映時間でした。
『東京無国籍少女』が85分、『7500』が79分で、どちらも短い映画でしたが、
そもそもそれほど期待してない作品なので、もし退屈な場合に備えて、
少しでも短い作品の方がいいんじゃないかと思ったんですよね。
まぁもうひとつ決め手がありましたが、それは本文で。

ということで、今日は全く期待してなかった『7500』の感想です。

7500<ナナゴーゼロゼロ>
7500.jpg

2015年7月25日日本公開。
清水崇監督のアメリカ製パニックホラー。

5月12日、ロサンゼルス発東京行きのヴィスタ・パシフィック7500便が飛び立つ。機内では、友人と旅行をするブラッド(ライアン・クワンテン)とピア(エイミー・スマート)夫妻、神経質な女と気弱な夫、人形師など、乗客それぞれが思い思いの時間を過ごす中、突然激しい乱気流が巻き起こる。ほどなくして奇怪な出来事が次々と起こり始め、機内はパニックに陥り……。(シネマトゥデイより)



本作は『呪怨』の清水崇監督がアメリカで撮った作品です。
清水崇監督の劇場作品は全部観ているので、
普通なら本作も問答無用で観に行くところですが、
前述のように観に行く予定はありませんでした。
というのも、本作はアメリカでテレビ放映された2時間ドラマを、
日本では劇場公開しているだけの作品なんですよね。
ハリウッドデビュー作『THE JUON/呪怨』で日本人監督で唯一、
全米ボックスオフィス1位を取った彼ですが、そんなアメリカでも、
今となってはテレビ映画しか撮らしてもらえないとは落ちたものです。
まぁ日本でも前作『魔女の宅急便』でかなり評価下がったけどね。

それでも観に行ってやろうかと思ったのは、
前述のように同日封切りの他の作品が弱すぎたのと、
あるタイムリーな出来事があったからです。
いや、タイムリーなんて言うと語弊があるかもしれませんが、
本作が公開された翌日、調布市住宅街に飛行機が墜落する事故があり、
かなり大々的に報じられましたが、その報道を見て、
飛行機墜落を扱った本作を観てみようと思ったんですよね。
それとは別に、春にも韓国の航空機が広島で着陸失敗する事故もあったし、
身近(日本)で航空事故が続いて、飛行機に対する疑念が膨らんだこともあり、
不謹慎ですが、それらが本作を観に行く後押しになったのは間違いないです。
まぁ飛行機の舞台にしたスリラーなんてありがちすぎて、新鮮味がないけどね。

本作は劇場上映するために撮ったけど、出来がイマイチなのでテレビ落ちした、
…という類のテレビ映画ではなく、三大ネットワークCBS製作なので、
端からテレビ映画として製作されたものだと思われます。
そのためかなり低予算だと思われますが、
それをあまり感じさせない出来になっている気がします。
舞台も飛行機の中だけのシチュエーションスリラーなのも、
予算節約のための手段のひとつだと思われますが、
もともと低予算が当たり前なJホラー出身だけあって、
金を掛けなくても怖がらせることに長けた監督ですね。
いや、怖いと言うよりもミステリアスな感じの物語ですが、
テレビ放映する作品なので、あまり怖くは出来なかったのかも。
清水監督が本気を出せば、低予算でももっと怖くできたはずですしね。
以下、ネタバレ注意です。

舞台はロサンゼルス発、羽田行きのビスタパシフィック航空7500便。
さすがは日本人監督だけあって、ちょっと日本を絡めてますね。
ただ日本行きの飛行機なら帰国する日本人客がもう少し乗ってそうだけど、
ほとんどいないし、日本人キャストはひとりも起用されていません。
アジア人の主要キャストもCA役の韓国系女優ジェイミー・チャンのみで、
なんだか少し残念ですが、清水監督の作品常連のアイツがカメオ出演してます。
アイツといっても人間ではなく『戦慄迷宮3D』や『ラビット・ホラー3D』に登場した
ウサギのヌイグルミのことで、乗客の女の子の持ち物として少し登場します。
特に怪奇現象に絡んでくるわけでもありませんが、嬉しいファンサービスです。
たぶんアメリカ人視聴者にはほとんど伝わってないと思いますが…。

出発から暫く後、突然機体が激しく揺れ始めます。
今にも落ちそうなほどの激しさですが、なんとか持ち直し、
機長が言うには子の揺れは乱気流の影響だったみたいです。
怨霊の仕業かと思いましたが違いましたね。
しかしその直後、エコノミー席のインテリマフィア風の男ランスが、
突如「息が出来ない」ともがき苦しみ始めたので、
すぐにCAが「お客様の中に医療関係者はいませんか?」と機内放送。
ファーストクラスにいた救命士ブラッドが駆け付け、
近くの席の新婚さんの夫リックも手伝って、心停止したランスを調理室に運び、
AEDを試みますが、時すでに遅く、彼は死んでしまうのです。
原因不明の心停止ですが、乱気流の影響か、怪奇現象の仕業か…。
機長の判断で引き返さず、日本まで遺体を乗せたまま航行することになり、
ファーストクラスに遺体を安置するため、ファーストクラスの客に
クーポンを渡してエコノミー席に移ってもらいます。
もし飛行中に死人が出たら、航空会社はこんな対応をするのかな?
死人にファーストクラスなんて贅沢だし、客室に遺体があるのは嫌なので、
遺体なんて貨物室にでもぶち込んどけばいいと思うんだけど…。

その後、CAがペットボトルが凹んでいることに気付きます。
救命士ブラッドも酸欠で自分の爪が青く変色していることに気付きますが、
どうやら機内の気圧が急低下しているらしく、機体も客が浮くほど降下し始め、
酸素マスクも投下されますが、少し遅かったのか気絶者続出です。
妙な霧のようなものも発生しており、今回は怪奇現象に違いないと思いましたが、
機長曰く、どうやら前回の乱気流の影響で気密が破れたのが原因みたいで…。
逆に怪奇現象じゃなくこんなことが起こることの方が怖いかもね。
その後、なんとか機体を安定させ、気圧も落ち着きます。
客も落ち着きを取り戻しますが、新婚さんの妻リズのラップトップに
死んだランスの影が映り込む怪奇現象が…。
やっぱりランスの死は怪奇現象によるものなのかな。

乗客の青年ジェイクは遺体が安置されているファーストクラスに忍び込みます。
そんな不気味なところになぜ行きたがるのかと思いましたが、
どうやらランスが付けているロレックスの腕時計を失敬するつもりのようです。
彼は日頃から盗品の売買をしており、ランスの腕時計に目を付けたみたいです。
でも腕時計を盗むついでに遺体と記念写真まで撮るんですよね。
そんなことをしたら盗みの証拠になりそうなものなのにね。
しかしその撮影をした時に、何か怪奇現象が起こってジェイクは姿を消し、
ついでにランスの遺体も消えてしまうのです。
CAはランスの遺体がなくなっていることに気付き、
羽田に着く前に見付けないと大変なことになると機内を探し始めます。
どうやらいなくなったジェイクが悪ふざけで隠したと思ってるみたいです。
その頃、ジェイクの隣の席の女性ラクエルがトイレに行くと、
個室内にまた妙な霧が立ち込め、霧の中から謎の腕が現れて…。
どんどん怪奇現象が頻発してホラー映画らしくなってきました。
CAが窓からF-16発見する現象は、ちょっとよくわかりませんでしたが…。

救命士ブラッドが席で暇潰しに映画を観ていると、モニターにランスが映り、
彼はランスのことが気になって、リックたちと一緒に荷物を調べてみることに。
その映画ですが、調べてみたところ1963年のホラー系テレビドラマ
『トワイライトゾーン』のエピソード「2万フィートの戦慄」だそうです。
飛行機での恐怖体験を描いたドラマですが、
飛行機搭乗中にわざわざこんなドラマを見るなんて変な奴です。
ランスは離陸前に「なぜ金髪じゃないんだ、目玉刳り貫け」みたいな
穏やかじゃない電話をしていたので、ボクはマフィアかと思ったのですが、
ブラッドたちが彼の荷物を調べると、中から少女の人形が出てきて、
彼が人形デザイナーだということが判明します。
離陸前の電話は「人形の目玉を刳り貫け」ってことだったんですね。
その人形は、リックの隣の席のゴス少女曰く「Shinigami(死神)」だそうです。
たぶんこの死神人形が機内に持ち込まれたことが怪奇現象の元凶ですが、
どうせならもう少し死神らしい人形にしたらいいのに、少女の人形なんて…。
むしろここで例のウサギのヌイグルミでもよかったかも。

CAもランスの荷物が気になり、貨物室の荷物を調べに行きますが、
そこで超常的な何かに襲われます。
コックピットも超常的な何かに襲われ、機長らも死亡。
もうひとりのCAもキャビネットに吸い込まれ乗員全滅。
その頃ブラッドたちはトイレでラクエルの遺体を発見した後、
エコノミー席に戻ると、上客も全員死んでいて…。
更に自分たちの席には自分たちの遺体があり…。
どうやら実は気圧低下で急降下した時に乗員乗客全員死んでいたようです。
つまりそれ以降の怪奇現象は全てブラッドたちの死に際の幻覚で、
超常的な何かは存在せず、怪奇現象も起きてはおらず、
整備ミスと乱気流で機密が破れたことによる事故だったというオチです。
この飛行機のフライトナンバー「7500」は、ハイジャックの航空コードらしいので、
怨霊によりハイジャック的な物語かと思いましたが、
ハイジャックなんて関係ない事故オチだったのは意外だったかも。
ただこの手のサイコなオチはスリラーではありきたりなので新鮮味はないかな。
でもホラーのわりにはわかりやすく、納得できるオチだったと思います。

乗員乗客全滅しても飛行機は自動操縦で飛び続けており、
そのうちガス欠で太平洋に墜落する見込みらしいです。
CAが見たF-16戦闘機はその様子を確認しに来たみたいですが、
ガス欠を待つよりも撃墜しちゃった方がいい気がします。
日本まで十分に行けるだけの燃料は積んでいるはずなので、
太平洋に墜落するとは言い切れない気がするし…。

それほど面白いわけでもないけど、端から期待してなかったので、
思ったよりは楽しめた気がします。
特に序盤のランスの死や気圧の低下あたりまでは、
一体何が起こっているのかとワクワクしたしね。
とにかく今回はテレビ映画だったとはいえ、清水崇監督は数少ない
世界に挑戦している日本人映画監督なので頑張ってほしいです。
でも彼は今、なぜかテレビゲームの開発をしているらしいです。
『クロックタワー』シリーズの最新作『ナイトクライ』ってゲームらしく、
それ自体は面白そうな気もするけど、ゲームより映画撮ってほしいです。
海外進出するには全く相手にされない日本映画よりも
比較的注目される日本のゲームの方が楽だと思ったのかな?

関連作の感想
戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH
ラビット・ホラー3D

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