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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

初回視聴率16.9%の好スタートを切った日テレのドラマ『デスノート』が、
5話で自己ワーストを更新し、8.2%まで落ち込んだそうです。
ボクも放送開始前はかなり期待していたんですけどね。
原作漫画では天才だった主人公を平凡な大学生に改変し、
新しい『デスノート』になるという触れ込みだったのですが、
蓋を開けてみれば、たしかに主人公の設定は改変されているけど、
展開がほぼ原作のままなので違和感が半端ないです。
凡人のはずなのに天才の原作主人公と同じ行動をするんですから当然ですが、
結局、改変した設定を活かすだけの能力が脚本家になかったのでしょう。
それなら元から設定の改変なんて行わなければいいのに、
それもわからない程度の残念な脚本家なのでしょう。
まぁこれはこれで、漫画実写化のダメな見本みたいな作品で、
ちょっと興味深かったりもするので、とりあえず見続けてますが…。
製作中のハリウッド版『Death Note』は新鋭アダム・ウィンガード監督なので、
かなり期待できそうですが、それを観てドラマの脚本家は反省するといいです。

ということで、今日は漫画実写化映画の感想です。
この映画の特殊造形プロデューサーが、ハリウッド映画と比較されて酷評され、
「じゃあハリウッド映画だけ観ればいい」とブチ切れたそうです。
評価はどうあれヒットしてるんだし、こんなこと言わなければいいのに…。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

2015年8月1日公開。
諫山創の大人気漫画を実写映画化したニ部作の前編。

100年以上前、人間を捕食する巨人が現れ、人類のほとんどが食べられてしまった。生き残った者たちは巨人の侵攻を阻止すべく巨大な壁を3重に作り上げ、壁の内側で暮らしていた。エレン(三浦春馬)やミカサ(水原希子)もそんな中の一人だった。そんなある日、100年壊されなかった壁が巨人によって破壊されてしまう。(シネマトゥデイより)



本作は社会現象的ブームにもなった漫画『進撃の巨人』の実写映画化です。
ボクはそのブームが一段落した頃に原作漫画を漫画喫茶でイッキ読みしました。
既刊17巻みたいですが、14巻くらいまで読んだ気がします。
一回原作漫画を飛ばし読みしただけなので、内容はあまり覚えてませんが、
面白そうだけど絵が下手で読みにくかったという印象でした。
テレビアニメ化もされ、それを二部作に纏めた劇場版アニメも公開されましたが、
アニメなら絵も改善されてるはずだし、ちゃんと楽しめそうな気がしましたが、
劇場版アニメの下巻がDVDリリース時にイッキ見で楽しむ予定です。

今回の実写映画が『進撃の巨人』のセカンドコンタクトになりますが、
実写なら絵も関係ないし、原作よりも楽しめそうな気がした反面、
和製SF大作なので、VFXの出来にはかなり不安もありました。
でもいざ観てみたら、映像的な不安は杞憂でした。
もちろんハリウッドSF大作の技術とは比べるべくもないけど、
日本映画でここまで出来れば万々歳じゃないでしょうか。
たぶん(超大型巨人以外の)巨人の映像をCGIに頼らず、
日本のお家芸である怪獣映画のような特撮を用いたのが正解でしたね。
本作の樋口真嗣監督は日本版『ゴジラ』も撮る予定です。
まぁ巨人はビジュアル的には単なる裸の大きな人間なので、
怪獣スーツを用いる特撮よりも簡単かもしれませんね。
巨人にゾンビ的な動きも取り入れ、不気味さが増していたのもよかったです。

それにグロさもかなり攻めていたのが好印象でした。
巨人は人間を喰いますが、せいぜい丸呑みくらいの描写になると思いきや、
ちゃんと喰い千切っており、切り株描写満載で驚きました。
これで実質全年齢OKのPG12指定はおかしいだろと思いますが、
映倫のレイティングが日本映画に甘いのは今に始まったことじゃないか。
もしハリウッド映画だったら確実にR指定にされるほどのグロさがあるので、
ゾンビ映画的なグロが苦手な人は注意が必要かもしれません。
とにかく映像面では予想を遥かに超えるクオリティだったので満足です。
B級映画としてなら、世界に出しても恥ずかしくない映像だと思います。

B級映画というか、本作にはどこかカルト臭が漂ってますが、
それは脚本を映画評論家・町山智浩が手掛けているからかもしれません。
字幕監修で彼の名前を見ることはあるけど、脚本なんて初めてじゃないかな?
原作者の要望もあって、原作とは設定や展開をかなり変えていますが、
ちょっと町山色が強くなりすぎているところもあります。
映画にセックスとバイオレンスを重視している彼ですが、
本作での攻めた暴力描写は歓迎するけど、
間接的だけど妙に生々しい性的な展開は必要なのか疑問です。
仮にも少年漫画が原作なんだし、もう少し爽やかな恋愛の方がよかったです。

映像はホントに頑張っていたけど、性的な展開も含めて、
ぶっちゃけ脚本は出来がいいとは言い難い気がします。
町山もこんな微妙な脚本を書いてしまったら、
今後、他人の映画を偉そうに批評できなくなるんじゃないかな?
まず物語のテンポが遅過ぎてビックリしました。
二部作ですが、前編で外壁修復作戦まで描き切られると思ったけど、
どうやら前後編全て使って外壁修復作戦を描きそうなテンポで…。
外壁修復作戦は原作で言うところのトロスト区奪還戦になりますが、
巻数で言えば4巻途中までの、かなり序盤のエピソードです。
それを前後編、上映時間4時間以上使って描くなんて悠長すぎます。
巨人の襲撃や巨人とのバトルが時間を割いて丁寧に描かれるのはいいけど、
人間同士の揉め事など、カットしてもよさそうなシーンにも時間割き過ぎで、
だからこそ追加された性的な展開が殊更無用に思えてしまいます。

物語のテンポ以上に拙いのは、本作の世界観や人物設定です。
原作から大きく改変されていますが、改悪ってほどでもないけど、
違和感を覚える改変が盛り沢山すぎます。
たしか原作では東洋人はヒロインのミカサだけで、
主人公含め他のキャラは欧米人(?)という設定だった気がするけど、
本作では全キャラ日本人に改変されています。
まぁ日本映画なので日本の俳優起用するのは致し方ないことですが、
それなら人種以外の設定も日本風に変えるべきなのに、
三浦春馬演じる主人公がエレンとか、その親友がアルミンとか、
なぜか原作のままの欧米的な名前を使ってるんですよね。
それならそれで、全員原作のままの役名にすればいいのに、
最も人気のあるリヴァイ兵士長をシキシマなんて日本名に変えたりと、
一部のキャラは日本名に変えているから違和感が浮き彫りになります。
これなら全員原作のままか、全員日本名に変更してほしいです。
町山曰く、ミカサ以外の原作のままのキャラは全員キラキラネームらしく、
キラキラネームでも苦しいキャラを日本名に変更したそうです。
何だか苦しい言い訳ですが、言い訳というか開き直りかな。
シキシマに至っては改名した理由が他にもあるみたいで、
おそらく人気キャラであるリヴァイのままでは都合の悪い展開、
つまり印象を大きく損なうような展開が用意されているものと思われますが、
どうせシキシマが全ての黒幕だった、的な展開にでもなるのでしょう。

名前以外にも主人公エレンらキャラの性格が大きく改変されていて、
その絡みで違和感を覚える言動も多いです。
特に原作ではエリート集団だった調査兵団が素人集団に変更されたことによる
展開上の違和感がかなり強いです。
例えば巨人と戦うための唯一の武器である貴重な立体起動装置を
こんな役立たずの素人に配給するはずないと思ったりね。
空を飛ぶことも禁止されているのに、壁も飛び越えられそうな立体起動装置を
そんなにホイホイ配るなんてあり得ないです。

しかし性格の変更よりも問題なのは、やはり世界観の変更でしょうね。
この世界は100年ほど前に巨人が出現し、人類は巨人から襲われないように、
三重の高くて頑丈な壁を築き、その中で生活していますが、
原作ではこの100年間に何度も調査兵団を壁の外に派遣して、
人類は巨人とも接触していたみたいですが、本作ではこの100年間、
誰も壁の外に出たことはなく、巨人を見たことがある人も誰もいない設定です。
主人公エレンはじめ、巨人の存在を疑う人間もいるくらいです。
人類が巨人を再び目撃してから、巨人との戦いが始まり、
その2年後に外壁修復作戦が決行されることになるのですが、
人類は巨人の再目撃からたった2年で巨人の弱点を解明したり、
立体起動装置を発明したりするわけで、ちょっと考えにくいです。
最強の男シキシマ隊長もあんなに強いのに、巨人との戦闘歴も、
立体起動装置の使用歴も、最長でも2年ってことになるんですよ。
かなり無理のある設定改変だと言わざるを得ません。

特撮を使った映像は本当に頑張っているのに、もうひとつ残念なのは、
役者の演技でそれが台無しになってしまっていることです。
せっかく巨大な巨人が違和感なく合成されているのに、
役者のブルーバック(?)での演技が下手すぎて…。
もっと目の前に本当に巨人がいるようなリアクションできないものかな?
特に巨人とのファーストコンタクトである超大型巨人との遭遇シーンの、
三浦春馬らエレンたちのリアクションは酷すぎます。
誰も見たことがない巨人に遭遇したら、もっと取り乱して驚くべきなのに、
何あの落ち着き払った薄いリアクションは…。
危機感のない下手な演技のせいで、合成が丸わかりになっちゃってます。
以下、ネタバレ注意です。

外壁の中、言わば三の丸の門前地区で暮らすエレンとミカサとアルミンは、
誰も見たことがない外壁の外を見てみたいと考え、外壁に近づきます。
その時、外壁の上に100メートル級の超大型巨人の顔が現れ…。
超大型巨人は外壁を蹴って半径20~30メートルの穴を開け、
そこから通常の大きさの巨人たちがゾロゾロ侵入してきて、
門前地区の住民たちを喰い荒らし始めるのです。
原作では壁を破ったのは超大型巨人ではなく、鎧の巨人ってやつでしたが、
本作では特殊な巨人のバリエーションを減らしているみたいですね。
あの有名な女型の巨人もおらず、原作では稀な女巨人も沢山います。
それにしてもよくわからんのは、通常の巨人たちが侵入してくる前に、
壁の外から大きな岩が沢山飛んできたけど、あの岩は一体何だったのか?
巨人による投石だとしたら100年間にもっと岩が飛んで来ててもよさそうだし…。
驚いたのはエレンの目の前で、逃げ遅れたミカサが巨人に喰われたこと。
まさかの序盤でヒロインが死ぬ展開には度肝を抜かれました。
こういう原作既読者の裏をかくような改変は面白いです。

三の丸は巨人に占領され、生き残った住民は二の丸に避難し、
巨人から三の丸を奪還するチャンスを窺っていながら2年が経過します。
エレンとアルミンは調査兵団に所属し、外壁修復作戦に志願します。
修復というか外壁を爆破して穴を塞ごうという計画で、
まず爆薬を保管してある三の丸の表町に行き、その後外壁を目指します。
巨人も夜は寝てるので、夜の内に表町まで静かに進軍するのですが、
途中で女性隊員ヒアナが赤ちゃんの泣き声を聞き、救出しようと単独行動に。
エレンも彼女に同行しますが、その泣き声の主は巨人の赤ちゃんで…。
いや、巨人は繁殖しないから赤ちゃん型の巨人というべきかな?
巨大な赤ちゃんはなかなかインパクトがありよかったです。
赤ちゃん巨人が泣き叫んだため、周辺の他の巨人たちも目覚め、
調査兵団は襲撃を受け、隊長以下何人か食べられてしまいます。
驚いたというか、無茶苦茶すぎて唖然としたのは、サンナギという隊員が
背後から襲ってきた巨人を一本背負いで投げ飛ばしたことです。
比較的小振りな巨人でしたが、人間に投げられるなんてあり得ないでしょ。
ギャグにしてもリアリティがなさすぎるし、サンナギは人間じゃないのかな?

生き残った隊員は表町に逃げ込みます。
表町では最強の男シキシマ隊長が待っていて、
右腕の女班長と共に追ってきた巨人たちを斬り殺します。
めちゃめちゃ強い2人ですが、女番長はなんと死んだはずのミカサで…。
驚くエレンとアルミンですが、ボクも間違いなく巨人に食われたと思ったので、
双子の姉妹か何かかと思いましたが、どうもミカサ本人らしく…。
彼女の体には巨人の歯形が残っていましたが、
噛まれてはいるものの、一命は取り留めていたみたいです。
いやー、あれだけ脇腹をガッツリ噛まれたら助かるはずないと思うけど、
なぜ助かったのか、もう少し説明がほしいところです。
まぁその辺も後編の伏線になってるかもしれませんけどね。

エレンはミカサが生きていて嬉しい以上に、彼女がシキシマと出来ていてショック。
そんな彼にヒアナが言い寄ってくるのです。
ヒアナは娘の養育費のために作戦に志願したシングルマザーで、
娘の父親になってくれる人を探しており、傷心のエレンに目を付けたのです。
エレンは廃墟でヒアナに迫られ、事に及びそうになるも、巨人が出歯亀しており…。
エレンに気づかれた出歯亀巨人は、ヒアナを捕まえ食べてしまいます。
残された彼女の幼い娘は気の毒ですが、ちょっといい気味だと思っちゃいました。
ついさっき赤ちゃん巨人の惨劇を招いた張本人のくせに、
その直後に何を男に言い寄ってんだ、と思ってたので。

その出歯亀巨人の襲撃を機に、表町にどんどん巨人が集まって来て、
隊員たちは次から次への無残に食べられてしまいます。
しかし、敵は巨人ばかりではなく、仲間の中にもおり、覆面を被った人間が、
外壁修復用の爆薬を積んだトラックを強奪するのです。
そいつが誰かは本作では明らかになりませんが、たぶんシキシマかな。
トラックはある女性隊員が奪還しますが、彼女は巨人に恋人を殺され逆上し、
結局トラックで巨人に特攻して爆死し、人類最後の爆薬も使い果たします。
この危機的な状況にそんな軽率なことをしでかすなんて、
ハンジやサシャ、もちろんヒアナも含め、まともな女性隊員は一人もいないのか。

エレンも巨人から逃げますが、シキシマに挑発されて奮起し、
立体起動装置を使って巨人に斬りかかるが、巨人に左足を食い千切られ…。
しかし親友アルミンが出歯亀巨人に捕まり食べられそうになった時に再び奮起し、
巨人の口内からアルミンを救出し、代わりに食べられてしまうのです。
残り少ない隊員の脱出経路を確保するため、ミカサが孤軍奮闘しますが、
彼女の立体起動装置がガス切れし、そこを出歯亀巨人に襲われそうになるが、
なんと出歯亀巨人を体内から突き破って、新しい巨人が出現。
この新しい巨人は、言わずもがな、巨人化したエレンです。
巨人化エレンは周りの巨人を次々ぶっ殺し、表町から巨人を一掃します。
普通の巨人より知性的なので上手く立ち回れるみたいです。
しかし完全にエレンの知性のままではないみたいで、巨人一掃後も暴走し、
せっかく助けたミカサを捕まえ、自分で殺そうとしてしまいます。
でもそこで活動限界を迎えたのか、力尽きて倒れ…。
ミカサは倒れた巨人のうなじを切開し、中からエレンを取り出します。
取り出されたエレンは食い千切られたはずの左足も元通りになっていて…。

というところで、本作は終了し、来月公開予定の後編に続きます。
エレンがなぜ巨人化したのか、巨人の正体は何なのか、
壁の外はどうなっているのか、裏切り者は誰なのかなど、
多くの謎を残したまま終了した前編でしたが、
原作もまだまだ謎だらけで完結してないみたいだし、
この実写映画版がどんな結末を迎えるのか気になります。
これらの謎を誰もが納得できるように2時間で纏めるのは至難の業ですが、
町山はちゃんと完結させると言っているので、お手並み拝見です。
BTB方式の映画は、前編で予算使いすぎて後編がショボくなることが多いので、
本作で唯一よかった映像面も後編で劣化しちゃわないか心配です。
何にしても本作をちゃんと評価できるのは後編観てからですね。

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