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ブルー2 トロピカル・アドベンチャー

日本でも来週末公開となるピクサーのCGIアニメ『インサイド・ヘッド』が、
全米公開3週目にして、全米ボックスオフィス1位を奪取しました。
初登場時はピクサー史上2番目のオープニング成績にも関わらず、
ダイナソー級の超大作『ジュラシック・ワールド』に踏み潰され、
2位に甘んじましたが、公開3週目にしてついに逆転しました。
これで止まったかに思われたピクサー作品の全作1位記録は継続で、
ピクサー作品ファンのボクとしても、ホッとしました。
でもこのまま今週末も1位でV2達成するのはやめてほしいかな。
というのも、今週末はCGIアニメ『ミニオンズ』が全米公開されるので、
ピクサー以上にイルミネーション映画ファンのボクとしては、
『ミニオンズ』には絶対1位デビューしてほしいので…。

ということで、今日は全米2位だったCGIアニメの感想です。

ブルー2 トロピカル・アドベンチャー
Rio 2

2015年7月3日リリース。
ブルースカイ・スタジオの人気CGIアニメーション映画シリーズ第二弾。

希少種であるアオコンゴウインコのブルーは、愛するジュエルと3羽の子供たちとともに大都会リオデジャネイロで、リンダに飼われてのんびり楽しく暮らしていた。自分たちのほかにはもう同じ種はいないと思っていたが、ある日ニュースで野生の群れがいるかもしれないことを知る。仲間に会える! そう思ったブルーは家族そろってアマゾンのジャングルへと旅立つことに。だが人間との生活に慣れたブルーにとってアマゾンは驚きの連続! ブルーは無事、仲間に出会えるのか!?(シネマトゥデイより)



本作は昨年全米で公開され、『キャプテン・アメリカ2』に次ぐ2位スタートで、
興収1億3000万ドル、世界興収5億ドル以上稼ぐ大ヒットを記録しましたが、
日本では劇場公開されず、ビデオスルーとなってしまいました。
同日リリースの『ヒックとドラゴン2』と同じく、20世紀フォックスが配給ですが、
同社の海外アニメの日本公開に後ろ向きさには困ったものです。
『ヒックとドラゴン2』の場合は「もしかしたら日本公開あるかも」と期待したけど、
本作の場合は、端からあり得ないだろうなと思ってました。
というのも前作『ブルー 初めての空へ』がすでにビデオスルーでしたからね。
前作は本作以上に全米ヒットしており、当初は日本でも公開予定でしたが、
東日本大震災のドサクサに紛れて中止されたんですよね。
劇場公開してない映画の続編が劇場公開されるはずありません。
ただ僅かに望みがあったのは、前作が昨年10月に急に劇場公開されたことです。
ビデオは2011年にリリースされていたので「なぜ今更?」と思いましたが、
もしかしたら続編を劇場公開するための準備かもしれないと期待するも、この様です。
昨年の前作の劇場公開はイオンシネマでのみの限定上映でしたが、
配給も20世紀フォックスは関与せず、たぶん劇場の独自配給だったので、
20世紀フォックス自体は本作の劇場公開なんて微塵も考えてなかったのでしょう。

『アイス・エイジ』シリーズでお馴染みのブルースカイ・スタジオ制作ですが、
前作はブルースカイの中でも最高傑作で、ボクも大好きでした。
しかしその傑作の続編である本作は、前作に比べると少々落ちます。
前作の大ヒットを受けて、惰性で制作してしまった感が否めません。
映像は申し分ないけど、ストーリーがイマイチで、
薄いというか、とっ散らかった印象で、急ごしらえな脚本に思えます。
あと、ミュージカルアニメなのはわかるけど、歌シーンが多すぎます。
歌やダンスは楽しいけど、物語が停滞してしまいがちです。
ここまで多いと、脚本の不出来を歌で誤魔化そうとしている気さえします。
とはいえ、駄作というほどでもなく十分及第点に達しています。
以下、ネタバレ注意です。

ブルーは、リオのジャングルで生まれですが、雛の時に密猟者に捕獲され、
ペットとしてミネソタ州のリンダに飼われた都会育ちのアオコンゴウインコです。
アオコンゴウインコは絶滅危惧種で、前作では繁殖のためにリオに戻り、
最後の野生のメスであるジュエルとお見合いしました。
今は3羽の雛カルラ、ティアゴ、ビアも生まれて、
家族一緒にリオの環境保全センターで幸せに暮らしています。
環境保護運動家のリンダは、鳥類学者の夫チュリオと共に、
保護したアマゾンモリウズラを野生に返すため、アマゾンの奥地に行きますが、
そこでなんと絶滅したはずの野生のアオコンゴウインコを目撃。
その事はすぐにテレビで報じられ、リオのブルー一家にも伝わります。
ジュエルは大喜びで、さっそく仲間に会いに行こうとアマゾン行きの準備。
都会育ちのブルーはイマイチ気乗りしませんが、
元飼い主リンダに会うことも兼ねて、アマゾンに家族旅行することになります。
そこに前作で知り合った友達の鳥たち、オニオハシのラフィ、
キイロカナリアのニコ、コウカンチョウのペドロも同行します。
正直、友達3羽は旅行に同行させない方がよかった気がします。
彼らがいるとキャラが多すぎて、せっかくの可愛い雛3羽の出番が減るので…。
友達のブルドックのルイズは飛べないので置いてけ堀になるけど、
友達3羽も、前作ファンへのサービスで冒頭で顔見世するだけで十分です。

野生のアオコンゴウインコの目撃は喜ばしいニュースですが、
人間の中には喜ばしくないと思っている者もいます。
目撃場所付近で森林伐採を行っていた伐採業者で、
もし絶滅危惧種の生息地が発見されたら、そこ一帯が保護区に指定され、
伐採禁止されるので、アオコンゴウインコを探すリンダたちを妨害しようと考えます。
保護区になったら伐採できないということは、一応合法な伐採業者なのかな?
アマゾンは広いし、あえて絶滅危惧種の棲む森を伐採することもない気がするけど、
アマゾンの森林伐採による環境破壊は深刻なので、
伐採業者というだけで合法・違法問わず悪者として描いているのでしょう。
もう絶滅危惧の有無問わず保護区に指定しちゃえばいいのにね。

その伐採業者が本作の悪者役ですが、悪者は彼ら人間だけはありません。
前作で密猟者のペットとしてブルーを襲ったキバタンのナイジェルも再登場します。
彼は因果応報により羽を怪我して飛べなくなり、どういう経緯なのか、
今はサーカスの見世物でオウム占いをやらされています。
ある日、アマゾンに向かって飛行するブルー一家を目撃し、
ブルーに復讐するためにサーカスを脱走して、アマゾンまで追いかけます。
飛べないのでサーカスにいたアリクイのチャーリーに跨って移動します。
前作ではブルーの方が飛べなかったので、立場逆転ですが、
やっぱり悪者とはいえ飛べないのは可哀想なものです。
それに飛べない鳥なんて只の鳥ですらないので、あまり脅威も感じず、
敵キャラとしてはちょっと微妙かもしれませんね。
ナイジェルはブルーを毒殺しようと考え、ヤドクガエルのギャビを同行させますが、
ギャビはカエルのくせに何故かキバタンのナイジェルにベタ惚れのようです。
しかし彼女は猛毒の蛙なので大好きなナイジェルに触れることも出来ず…。
なんだか『X-MEN』のローグみたいで切ないですね。
まぁ毒がなくとも、キバタンがカエルを相手にするとは思えないけど。

都会っ子のブルーはiPhoneのGPSを頼りにリンダの居場所を探しアマゾンへ。
インコのくせにIT機器を使いこなしてますが、さすがにSiriは無理じゃないかな?
ブルーの言葉は人間には理解できないので、音声認識が出来るはずないです。
まぁもともとインコはお喋りできる鳥ではあるのですが…。
ブルーたちはGPSによる案内でリンダのいる付近まで到着しますが、
リンダよりも先にアオコンゴウインコの群れと出会い、
彼らの生息地である人間の目の届かない秘密の楽園に案内されます。
そこには有難味がないほどのアオコンゴウインコが棲んでいて、
なんとジュエルが雛の時に生き別れた父エドゥワルドが群れのリーダーでした。
娘との再会に歓喜する父は、孫が生まれていたことも感激しますが、
婿のブルーのことはイマイチ気に入らないみたいで…。
昔のジュエルもそうでしたが、野生育ちの父たちには、
都会っ子のブルーは余所者という印象のようです。
ブルーも家族や幼馴染との再会に大はしゃぎするジュエルを尻目に、
群れに馴染めず強い疎外感を感じているみたいです。
恋人の地元や実家に行った時の居心地の悪さは何となくわかりますね。
でもアオコンゴウインコは地球上にこの群れしかいないみたいなので、
ブルーもたぶんこの群れで生まれたんじゃないかな?

エドゥワルドは娘の幼馴染ロベルトに目を掛けていて、
本当ならロベルトに嫁がせたいで、ロベルトも満更ではなく、
ブルーに対し「もし君に万が一のことがあれば、家族は面倒見るから」と…。
エドゥワルドはジャングルで生き抜く訓練をすると言い、ブルーをシゴキます。
ワニの池に突き落としたりと、シゴキというよりイジメ、いや殺害未遂です。
義父はスマホや十徳ナイフなど、人間の道具を使うブルーのことを、
「お前は人間のペットだったのか、人間は家族じゃない」と罵り、
ロベルトに「あいつは仲間じゃない、目を離すな」と見張らせるのです。
ブルーの本作の最大のアンタゴニストは、伐採業者でもナイジェルでもなく、
義父エドゥワルドと恋敵ロベルトかもしれないですね。
針の筵状態で、早く家族とリオに帰りたいブルーですが、
元野生の妻ジュエルは仲間がいるココで暮らしたいみたいで…。

ブルーは妻の気を引こうと、妻の大好物のブラジル・ナッツを探しに行きますが、
ナッツの木は(普通の)コンゴウインコの縄張りで、彼らのボスのフェリペから、
「境界線を守らず、不法侵入して餌を盗んだ」と糾弾され、宣戦布告を受け、
アオコンゴウインコとコンゴウインコは縄張りを賭けて戦争することになります。
またしても敵キャラの登場ですが、いい加減敵が多すぎますよ。
もう少し対立の焦点を絞らないと、物語が散らかりすぎます。
それにしても戦争なんて穏やかじゃないですが、別に殺し合うわけではなく、
サッカー(のような球技)で決着を付けるみたいです。
さすがはサッカー王国ブラジル、鳥すらもサッカーに夢中なんですね。
試合ではロベルトは大活躍ですが、ブルーは監督の義父から足手まといと言われ、
出場させてもらえず、給水係をやらされます。
しかし試合終盤、ブルーは3対3の場面で味方選手の負傷により急遽起用されます。
彼は得意のドリブル(というか空中なのでリフティングか)で敵をゴボウ抜き。
監督からは「ロベルトにパスしろ」と言われますが無視し、
スタンドプレーで決勝点のゴールを決めますが、なんとそれがオウンゴール…。
コンゴウインコに縄張りの一部を奪われ、義父からも
「人間のペットに期待したのが間違いだった」と完全に呆れられます。

ますます居辛くなったブルーは妻ジュエルに「家に帰ろう」と言いますが、
彼女は「ここが家なのよ」と明言し、帰る気はないみたいです。
ブルーにも非はあるものの、これほど四面楚歌では可哀想ですが、
そういう時は友達が慰めてやるものだろうと思うのに、
ラフィ、ニコ、ペドロの3羽は、カーニバルの新メンバーのスカウトに夢中で、
ナマケモノやカメなど、アマゾンの動物たちをオーディションしています。
オーディションに参加したカピバラのクレイラはめちゃめちゃ可愛かったです。
しかしオーディションにジャガーに食われるという衝撃的な展開が…。
でも後に生きていたとわかり安心しました。
そのオーディションに、ぴょんなことからナイジェルも参加し合格しますが、
それがキッカケでブルーへの復讐の機会を得たわけでもないので、
このオーディションのエピソードは全くなくても成立します。
だから尚更、友達3羽が同行する必要性を感じないんですよね。

妻ジュエルが帰らないというので、ブルーも帰らない決心をして、
お別れを言うために再びGPSでリンダを探します。
するとリンダは伐採業者に捕まり、木に縛り付けられていて…。
ブルーは縄を解いてリンダを解放し、彼女は伐採業者を止めるため、
ブルドーザーだらけの森林伐採現場に向かいます。
ブルーは楽園に戻り、義父エドゥワルドに協力を要請。
「あなたはジャングル、僕は人間を知っている。力を合わせれば業者に勝てる」と。
ブルーを人間の仲間だと疑っていたエドゥワルドでしたが、
楽園を守ろうとするブルーを家族だと認めて、群れを率いて伐採現場に。
フェリペ率いるコンゴウインコの群れや、猛獣含むアマゾンの動物たちも駆け付け、
リンダも含めみんなで協力して伐採業者を追い払うのです。

義父やフェリペとも和解し、悪い伐採業者から楽園も守れて、ハッピーエンド。
…と思いきや、やはり最後の敵はコイツ、ナイジェルがブルーに襲い掛かります。
2羽は揉み合いになりますが、ナイジェルの仲間アリクイのチャーリーが、
ヤドクガエルのギャビの毒で作った毒の吹き矢をブルー目掛けて発射。
しかし誤ってナイジェルに刺さってしまうのです。
まさかの決着ですが、ナイジェルは最期まで運のない奴でしたね。
…と思いきや、ギャビは自分をヤドクガエルだと勘違いしていただけで、
実はヤドクガエルに擬態した無毒なカエルで、ナイジェルは助かります。
ギャビも自分が無毒だとわかって、心置きなく愛するナイジェルに抱き付くが、
それを見た鳥類学者チュリオに、カエルと夫婦の奇妙なキバタンとして捕獲され、
研究のためにリオに送られてしまいます。
リンダが野生のアオコンゴウインコの生存を確認したことで、
この一帯は国立野生動物保護区に指定されて楽園は守られ、
ブルーも家族とここに住むことになり、今度こそハッピーエンドです。
なんとなく家族とリオに帰る気がしていたので、
アマゾンに残ることになるのは意外なラストだった気がします。
ブルーは都会っ子で人間くさいところが魅力的なので、
完全に野生に返るのはあまり歓迎できないかも。

歌が多すぎたり、敵が多すぎたりで、物語の纏まりに欠けるためか、
前作に比べると評価も少し厳しめな本作ですが、
それでもビデオスルーには勿体ないほどの完成度なのでオススメです。
本作もヒットしたので3作目の構想も始まっているみたいですが、
今度はもう少し丁寧に脚本を作り込んでほしいです。
さて、海外アニメ映画を日本公開する気がない20世紀フォックスですが、
今年12月、『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』を公開します。
ブルースカイ作品としては『アイス・エイジ3』以来の日本公開で、実に約6年半ぶり。
もし『I LOVE スヌーピー』が日本で大ヒットすれば、
20世紀フォックスも日本での海外アニメ映画に消極的な姿勢を改めるかも。
そうなれば20世紀フォックスがまだ一本も日本で公開していない、
ドリームワークス作品も公開されるようになるかもしれず、
『ヒックとドラゴン2』のような悲劇は避けられるかもね。
まぁ一度ビデオスルーしてしまった『ブルー』シリーズが
今後日本で公開されるのは難しいと思いますけど…。

関連作の感想
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アイス・エイジ4 パイレーツ大冒険
メアリーと秘密の王国

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