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悪党に粛清を

明日、海外ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』シーズン2の
7巻から11巻までがDVDレンタル開始になります。
シーズン2もいよいよ大詰めで、とても楽しみです。
シーズン3の日本リリースはまだまだ先だと思うので、
次はどの海外ドラマを見始めようかと考えていますが、
やっぱり22日からレンタル開始の『GOTHAM』は外せないですかね。

海外ドラマといえば、マッツ・ミケルセンがレクター博士を演じた『HANNIBAL』が
シーズン3で打ち切られてしまうそうです。
打ち切りが決まった直後にサターン賞のテレビドラマ賞を受賞(連覇)しており、
評価はかなり高かったみたいですが、視聴率がイマイチだったようで…。
視聴率が作品の出来に比例しないことの、いい例です。
とはいえボクも『HANNIBAL』はレンタル開始直後に見始めましたが、
実はシーズン1の半分で止めちゃってるんですよね。
別にイマイチだったからではなく、見続けるつもりはあったのですが、
シーズン1前半を見終えて、シーズン1後半のリリースを待つ間に
『ブレイキング・バッド』に嵌ってしまって、そちらにウツツを抜かしていたら、
前半の内容を忘れてしまったので、後半を見始めることが出来なくなって…。
そのうち再チャレンジするつもりだったけど、打ち切られちゃったか…。
日本では来月からシーズン2のレンタル開始でしたが、
打ち切りなんて聞くと、見る気も完全に萎えちゃいました。

ということで、今日は『HANNIBAL』のマッツ・ミケルセン主演の映画の感想です。

悪党に粛清を
The Salvation

2015年6月27日日本公開。
マッツ・ミケルセン主演の西部劇。

1864年、ジョン(マッツ・ミケルセン)と兄のピーター(ミカエル・パーシュブラント)は、祖国デンマークで兵士として勇敢に戦った。戦争に嫌悪感を抱いた彼らは新天地を求めアメリカ西部に移住し、ジョンは1871年にようやく妻と息子をアメリカに呼び寄せる。だが、駅での再会の喜びもつかの間、親子3人は帰りの駅馬車でならず者と同乗することになり……。(シネマトゥデイより)



第67回カンヌ国際映画祭にも出品された本作。
西部劇なので、てっきりハリウッド映画かと思ったけど、実はデンマーク映画でした。
マカロニ・ウエスタンならぬ、スモーブロー・ウエスタンですね。
(デンマークの名物料理はスモーブローしか知らないです…。)
ラース・フォン・トリアー監督作品以外のデンマーク映画を観るのは初めてかも。
でも西部劇なので、舞台は西部開拓時代のアメリカだし、
主演も国際的なデンマーク人俳優のマッツ・ミケルセンで、
主な言語も英語なので、一見するとハリウッド映画と大差はないかな。
いや、昨今は本家ハリウッドでもあまり観られないような、
なかなか骨のある西部劇で、非常に楽しめました。
以下、ネタバレ注意です。

1864年、戦争に敗れ、兄と一緒にアメリカに移り住んだジョンは、
1971年に祖国から妻子を呼び再会し、家まで駅馬車で行くことに。
ところが刑務所から出たばかりの悪党2人組が割り込んできて同乗することに…。
悪党は女に飢えていたのか、ジョンの妻にチョッカイ出してきます。
ジョンは下手に刺激しない方がいいと考え、ある程度のことは見過ごしますが、
悪党が急に「暑いな、脱げ」と、夫と息子の前で妻をひん剥き始めるのです。
射撃の名手であるジョンは、我慢できずに悪党に銃を突き付けますが、
子供が人質に取られてしまい、悪党と妻子を乗せた馬車から蹴り落とされます。
そして息子も殺されて馬車から捨てられ、妻はレイプされた上に殺されてしまい…。
ホントに見てるだけでムカムカするような最悪な悪党ですが、
なるほど、ジョンがこいつらに復讐するという物語のようですね。

…と思ったら、蹴落とされたジョンはすぐに立ち上がり、馬車を追いかけて猛ダッシュ。
なんと馬車に追いついて、逃げ出す悪党をハチの巣にするのです。
「え、もう復讐完了しちゃったの?」と、まさかの展開で驚いちゃいました。
それにしても悪党も、御者まで殺さなければジョンに追いつかれなかったのに、
殺すにしてももうちょっと離れてからにすればよかったのにね。
…というか御者殺す理由が全くないけど、そのくらい無茶苦茶な悪党だったわけか。
しかし妻子が殺した、これ以上ない仇に復讐を果たしちゃったら、
この後どんな悪党が登場したとしても、それほど盛り上がらない気がしました。

翌日、町では支配者デラルー大佐が悪党2人を殺した犯人を捜しています。
どうやら悪党の一人が彼の弟(もう一人は手下)だったみたいで、
としあえず二人殺されたので、見せしめに町人を二人殺すと言い出し、
キーン町長に誰を犠牲にするか選ばせます。
町長は老い先短い雑貨屋のお婆さんと、両足切断した農場主を選びます。
選ばれた人は気の毒だけど、町にとって実害の少なそうなチョイスだと思いました。
デラルーは公衆の面前で2人を射殺した後、老人と障害者では足りないと、
見物人を適当に一人撃ち殺すのです。
町人三人殺したことで、弟殺しは不問になのかと思いきや、やはりそんな甘くなく、
保安官に犯人を生け捕りにするように命じ、それまで用心棒代を二倍にすると…。

ジョンは妻子を埋葬し、兄ピーターと共に、この地を離れて西部に向かうことに。
旅費にするため町長に家の土地を売ろうと町に寄りますが、
その後、兄もろとも保安官に逮捕されてしまうのです。
なぜデラルーの弟殺しがバレなのか不思議ですが、
逃げるようにこの土地を去ろうとしてたら怪しまれて当然か。
でも証拠もないし、シラを切ればよかったのに、ジョンは兄を助けるため自白し、
すぐさまデラルーに引き渡されるのです。
この保安官は神父でもあり、正義感も強そうだし、味方になるかなと思ったけど、
デラルーに立ち向かうほどの根性はないみたいで…。
デラルーに引き渡されたジョンが、どんな酷い拷問を受けるのかと思いきや、
広場に打ち込まれた杭に縛り付けられて放置されるだけでした。
たしかに炎天下の中で放置されれば、苦しいし遅かれ早かれ死にますが、
愛する弟が殺されたら自分の手で直接仇を討ちたいと思わないのかな?

暫くして杭に縛り付けられたジョンのところに、キーン町長がやって来ますが、
彼を心配して様子を見に来たのかと思いきや、
彼に渡した土地の代金を「君には必要ないだろ」と盗んで去っていくのです。
町長もデラルーに悩まされる被害者の一人かと思ってたのに、とんだ下衆野郎です。
それどころか、町長は実はデラルーとグル(デラルーの手下)でした。
どうやらこの町の地下に石油が埋蔵されているみたいで、
デラルーは油田開発業者の依頼で土地買収をしていて、
わざと町人を苦しめたり用心棒代を増額することで地価を下げ、
町人たちが土地を町長に売って引っ越すように仕向けているようです。
極悪人の割には回りくどい方法で買収していますね。
キーン町長が見せしめに殺される2人に障害者を選んだのも、
その男が役立たずの障害者だからではなく、農場主だったからで、
案の定、殺された男の家族は土地を町長に二束三文で売って引っ越しました。
ついでに葬儀屋を営んでいるので、デラルーが町人を殺せば稼げます。
キーン町長は表向き町人想いの善人面している偽善者で、
ある意味、表立って恨みを買っているデラルーよりも性質が悪いです。

杭に縛られて放置されたジョンはどんどん衰弱しますが、
兄ピーターが保安官事務所を脱走し、見張りを殺して救出してくれます。
そして2人で逃げるのですが、兄はデラルーの追っ手に捕まり、
引きずり回しの刑で殺されてしまいます。
兄の犠牲のお蔭で生き残ったジョンは、デラルーを粛清しようと決心します。
ジョンは別に町を救いたいとか思っているわけではないので、
デラルーと戦う目的は兄の復讐のためだけですが、
(あと杭に縛られて放置の刑の恨みもあるかもしれませんが、)
やっぱり妻子を殺されたことの遺恨に比べると動機が弱い気がするので、
クライマックスもデラルーの弟に復讐した時ほど盛り上がらない気がします。

まずジョンはキーン町長の葬儀屋を訪れて、町長とデラルーの繋がりを暴き殺害。
町長を入れた棺桶をデラルーに送りつけます。
町長はデラルーより性質の悪い悪党なので、これは痛快でした。
その後、雑貨屋で銃や石油など武器を購入するのですが、
雑貨屋の店員も復讐に協力したいと申し出ます。
彼も祖母を殺されたので、デラルーを恨むのはわかるけど、
そもそも祖母が殺されたのは、ジョンがデラルーの弟を殺したことで、
デラルーが町人2人殺すと言い出したからですよね。
祖母が殺される原因を作ったジョンに恨みこそすれ、協力申し出るかな?
結局、雑貨屋の彼は陽動作戦の囮となり、デラルーの手下に撃ち殺されますが、
なんだかジョンにいいように利用されちゃった感じです。
ジョンは手下を皆殺しにして、デラルーとの直接対決になります。
しかし危うく殺されかけたところ、背後からデラルーの情婦がデラルーに発砲し、
怯んだところをジョンがトドメを刺して、復讐を完遂するのです。
そしてジョンはその情婦と共に、西部に旅立ち、終劇です。

この情婦は本作のヒロインなのですが、最後の最後まで感想に出さなかったのは、
ボクにはちょっと意味がわからないキャラだったからです。
彼女は昔、先住民に目の前で両親を殺された時に泣き叫んだため、
先住民から舌を切り落とされ喋ることが出来なくなります。
なかなか壮絶な過去ですが、今時先住民を野蛮人扱いする西部劇も珍しいです。
その先住民から彼女を助けたのがデラルーの弟で、妻になるのですが、
夫の死んだ後(夫の服役中もかな?)はデラルーの情婦だったみたいで、
「姫」と持て囃されて、いい暮らしをしていたみたいです。
でも何が不満なのか、急に列車に飛び乗って、デラルーから逃げようとしますが、
すぐ連れ戻され監禁されますが、デラルー復讐に来たジョンに救出され、
ジョンのピンチの場面でデラルーに発砲して彼を助けるのです。
兄を殺されたジョンがデラルーを恨むのはもちろんわかるけど、
命の恩人の兄であり、これまで唖で顔に傷のある自分を世話してくれたデラルーを
なぜ裏切って殺そうとしたのか、よくわからなかったんですよね。
それに復讐後、なぜジョンの旅についていくのかもわからないし、
妻を失ったばかりのジョンが彼女を旅に連れて行く理由もわかりません。
デラルーが町人を苦しめることので得た恩恵を受けていた彼女は、
最後に保安官が言うように、デラルーの一味で間違いないと思うのに…。
そういえば、ジョンが自分をデラルーに引き渡した保安官に復讐しなかったのも、
ちょっと納得できなかったかも…。

とはいえ、なかなか硬派なノワール西部劇で概ね満足でした。

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