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アリスのままで

来月公開されるイルミネーション最新作『ミニオンズ』はとても楽しみですが、
その『ミニオンズ』がチキータバナナとコラボキャンペーンを行っていて、
コラボ商品「ミニオン・バナナ」のバーコード二枚を集めて応募すると、
合計3200(ミニオン)名に『ミニオンズ』コラボグッツが当たります。
ボクもそのグッツが欲しかったので、さっそくバナナ2袋購入しました。
しかもこっちのバーコードで応募した方が当たりやすいかもと思って、
高級版「ミニオン・ドルチェ・バナナ」を購入しました。
ボクはキャンペーンなどはけっこう応募しちゃう方なのですが、
やはりそうそう当たるものでもないので、当たればラッキーくらいの気持ちです。
ミニオン・バナナは袋に貼られてあるミニオンのシールも可愛いので、
(ついでにババナに貼られた小さいシールもミニオンのデザインで可愛いです。)
それだけでもけっこう満足しちゃってます。
バナナも久しぶりに食べたけど、美味しかったです。

ということで、今日はMOVIXで観ると映画無料鑑賞券が抽選で当たる
キャンペーンを行っている映画の感想です。
他の劇場でも上映してましたが、キャンペーン目当てでMOVIXで観ました。

アリスのままで
Still Alice

2015年6月27日日本公開。
ジュリアン・ムーア主演のヒューマンドラマ。

50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、大学での講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に家に戻るルートがわからなくなるなどの異変に戸惑う。やがて若年性アルツハイマー病と診断された彼女は、家族からサポートを受けるも徐々に記憶が薄れていく。ある日、アリスはパソコンに保存されていたビデオメッセージを発見し……。(シネマトゥデイより)



本作は第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞したオスカー作品です。
主演女優賞受賞作なのに、他の部門には全くノミネートされていません。
主演がそんなに素晴らしい演技ならば、作品自体ももっと評価され、
作品賞など他の部門でもノミネートされそうなものだけど、
これだと主演女優の演技以外は観るべきところがない作品みたいですよね。
でも何部門であれ、本作がオスカー受賞できたのはよかったと思います。
というのも、本作の監督であるリチャード・グラツァーは、
今年の3月に亡くなってるんですよね。
映画監督として遺作がオスカー作になるなんて、冥途の土産として最高です。
生涯現役だったという証だしね。
授賞式は2月なので、お悔やみ票みたいなものは入ってないと思うし、
主演ジュリアン・ムーアの演技はオスカーに値するものだったので、
純粋に本作が評価されてのオスカー受賞だったと思います。

グラツァー監督は、アイスバケツチャレンジでも有名になった難病
ALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くなりました。
(正確にはALSの合併症で亡くなったようです。)
2011年に発症したらしく、本作の撮影中も闘病していたみたいですが、
難病で亡くなった彼の遺作が、難病と闘う主人公の物語なのは数奇なものです。
いや、自身が難病だったからこそ、この題材を選んだのかな?
ただ、本作で描かれる難病はALSではなく、若年性アルツハイマーです。
どっちがより厄介な難病かは比較のしようもありませんが、
闘病での苦悩や葛藤は共通する部分も多いと思うし、
それが本作にも反映され、リアリティの向上にも繋がり、
オスカーを受賞した主人公の演技にも活かされている気がします。

オスカー受賞した主演女優ジュリアン・ムーアは、
50歳で若年性アルツハイマーが発症した言語学者アリスを演じています。
本作のタイトルは主人公の名前を含んだ『アリスのままで』です。
再来週末に蟻目線カメラで撮影された昆虫ネイチャードキュメンタリー映画
『アリのままでいたい』が公開になりますが、これは確実に昨年大ヒットした映画
『アナと雪の女王』の主題歌のサビの歌詞をパロったタイトルです。
本作も邦題もてっきりその曲「Let It Go ありのままで」のパロディかと思い、
「難病を扱った真面目なオスカー作品になんてことを…」と憤ったけど、
原題を確認すると『Still Alice』だったので、単に日本語に訳しただけですね。
まぁ直訳すれば「まだアリス」だし、全く『アナ雪』を意識してないかは怪しいですが。
(どうでもいい偶然ですが、本作の主人公の娘の名前はアナでした。)
ちょっと面白いのは、本作はベストセラー小説が原作なのですが、
その小説の邦題が『静かなるアリス』なんですよ。
「Still」を副詞ではなく形容詞として訳してますが、たぶん映画版の方が正しいです。
まぁアリスはアルツハイマーの症状が進行して、どんどん無口になるので、
あながち小説の邦題が誤訳だとも言い切れませんけどね。
以下、ネタバレ注意です。

言語学者アリスはコロンビア大学で教鞭を取っていますが、
50歳になったある日、UCLAで言語学の講演することになります。
しかし講演の途中で、どうしても「語彙」という言葉が思い出せなくなり、
何とか語彙力を発揮して「語彙」の言い換えで乗り切ります。
これはアルツハイマーの前兆だったわけだけど、
このくらいのド忘れはボクもブログ記事書いてる時に頻繁にあり、
よく筆が止まるのですが、ちょっと不安になっちゃいますね。
アリスと違って語彙力もないので大変です。
またある時は、キャンパス内をランニングしていると、道に迷ってしまうのです。
ボクもよく道に迷うけど、方向音痴なだけなので知らない場所だけだし、
アリスのように走り慣れたコースで迷うのはかなりヤバいです。

彼女も脳に異常があるのではないかと不安になり神経科医に行きますが、
MRI検査でも脳に異常はなく、ホッとしたのも束の間、
記憶テストの結果が悪く、近時記憶障害を疑われてPET検査を受けることに。
その結果、アミロイド値が高く、若年性アルツハイマーと診断されるのです。
医者はけっこうズバッと告知しちゃうけど、このダメージは相当でしょうね。
アリスは「これまでの人生が消える」と狼狽えますが、
特に彼女の場合は言語学者なので、言葉をどんどん忘れてしまうのは、
翼をもがれた鳥のような、声帯を摘出した歌手のようなショックがあるでしょうね。
なんでも彼女のように教育レベルが高い人の方が進行は早いそうです。
進行速度を緩和させる薬はあるけど、進行を止めることは不可能らしく、
遅かれ早かれ、重度のアルツハイマーになることは確実なようです。
講義の内容も学生に聞く有様で、大学も辞めることになりますが、
周りから変な目で見られたり、厄介者扱いされるのが何より辛いみたいで、
夫に「癌の方がよかった。恥ずかしくないから。」なんて愚痴をこぼしますが、
その気持ちは何となくわかりますね。
癌と違ってアルツハイマーは理解され難いところがあるし、若年性だと尚更です。
本作は患者の視点から描かれていて、患者の苦悩がよくわかるので、
本作を観た人はアルツハイマー患者に対して少し寛容になれるかもしれません。

でもアリスが本当に最も辛いのは、自分自身のことじゃないかも。
彼女の若年性アルツハイマーは家族性アルツハイマーで遺伝するらしいのです。
本人も疎遠だった父親から遺伝していたみたいですが、
片親が家族性アルツハイマーだと、子に遺伝する確率は半々らしく、
三人の子供がいる彼女も心配になり、子供たちに検査を勧めます。
その結果、長男トムは陰性、次女リディアは検査を拒否しますが、
長女アナは陽性で、将来的に100%発症するらしいのです。
ボクは祖父母が認知症だったので、自分や親に遺伝するかもと心配になり、
神経科医に話しを聞きに行ったことがあったのですが、
「認知症は遺伝しない」と言われて安心してたけど、遺伝するものもあるんですね。
しかも検査で発症するかどうか100%わかるなんて、凄いけど怖いです。
ボクだったら次女同様、検査を拒否するかな…。
自分のせいで子供が発症するなんて、親としては相当辛いでしょうね。
長女も自分が陽性だとわかり、まず心配したのは今後生まれる自分の子で、
「人工授精で検査する」と言います。
そんな卵子の段階で発症するか検査なんて出来るんですね。
羊水や胎児の血液検査でダウン症を判定できるというのを聞いたことがあるけど、
これも命の選択になるので、倫理的になかなか難しい問題です。
長女は男女の双子(つまり二卵性双生児)を授かるけど、発症率が半々なら、
もし検査してなければ、双子のどちらかは発症する確率が高いわけだし、
命の選択も已むを得ないことだと思います。
まざ子供の発症を心配していることも、そのうち忘れるんだけど。

アリスは認知症のケアセンターも見学に行きますが、
所員もまさか彼女自身が入所希望だとは思わず、
親を入所させるための下見だと思ったみたいです。
たしかにボケ老人に交じって50歳の彼女がいると変な光景ですよね。
そこで家族からも見放されたボケ老人たちの姿を見て思うところがあったのか、
帰宅した彼女は、家族の名前を忘れた時に見るための
自分宛てのビデオレターをパソコンに保存します。
家族の名前を忘れる前に、そのビデオレターの存在を忘れる気がしましたが…。
アリスは「記憶障害」と書いたブレスレットを身に付けますが、
これは外出中に記憶が無くなった時に誰かに助けてもらえるようにでしょうね。
夫に「娘が来るのはいつだっけ?」と何度も何度も訊いたり、
自宅のトイレの場所を忘れて漏らしてしまったり、
娘にまるで他人のように話しかけたりと、症状はどんどん悪化。
本人も辛いでしょうが、家族はもっと辛いでしょうね。
でも利点もあって、次女の日記を勝手に読んだことで、次女とケンカになっても、
なぜケンカしたのかも、日記の内容も忘れちゃうので、すぐ仲直りできます。
これは一種の老人力ですね。

アリスの若年性アルツハイマーの元言語学者という経歴が買われ、
認知症学会でスピーチする依頼が舞い込みます。
彼女は依頼を受けますが、けっこう進行してるのに大丈夫かと思ったけど、
事前に用意した原稿を読めばいいので、何とかなりそうです。
ただ読んだところには逐一マーカーしないとダメみたいですが…。
彼女のスピーチは、名スピーチで、患者の心境が痛いほど伝わり感動しました。
出来ればここに全文載せたいくらいですが、ちょっと長いので、
アルツハイマーじゃなくても完全に記憶するのは無理でした。
特に印象的のは「私は病気で苦しんでない、闘ってるんだ」って台詞です。
あ、やっぱり一部だけ抜粋しても、あまり感動が伝わりませんね。
元の原稿は学者らしい学術的なものでしたが、次女に助言され、
個人的なものに書き換えたようですが、こっちの方がいいですね。

ある日、アリスが何気なくパソコンを弄っていると、例のビデオレターを見つけます。
案の定、存在も内容も完全に忘れているみたいです。
そのビデオレターは、昔のアリスが家族の名前も思い出せなくなった自分に対し、
「寝室のランプを置いた一番上の棚の中の薬を飲んでベッドに横になれ」
と指示する内容で、どうやら薬の過剰摂取で自殺するつもりのようです。
ケアセンターのボケ老人のような惨めな状況になりたくなくて、
蝶のように短命だけど美しく生きたいと思い、
自分が完全にアリスでなくなる前に死のうと思ったのでしょうね。
昔の自分からのビデオレターを見たアリスは、言われるままにしようとしますが、
その薬の場所を示す指示内容さえもすぐに忘れてしまうので、
何度も何度もビデオレターを見ては薬を探すの繰り返しで、ハラハラします。
一生懸命探すので早く見つけて欲しいような、見つけたら自殺することになるので、
見つからないでほしいような、なんとも不思議な気持ちです。
ついに見つけてしまい、薬を飲もうとした矢先、ヘルパーさんが訪ねて来て、
意識がそちらに向いた瞬間に、薬を飲もうとしていたことも忘れてしまいます。
記憶障害が功を奏しましたね。

医学者の夫はミネソタの研究機関から声が掛かり、引っ越すことになりますが、
重度のアルツハイマーになったアリスを新しい土地に連れて行くのは
妻にとって幸せなのだろうかと悩みます。
結局、カリフォルニアに住んでいた次女リディアが実家に戻って来て、
アリスの面倒を見ることになり、夫は単身赴任するのですが、
今までは凄く献身的な夫だと感心してたのに、ちょっと冷たいですよね。
もうアリスも何も感じないみたいで、文句を言うこともありませんが…。
逆に次女リディアは役者になる夢や恋人を西海岸に残して、
母のために戻って来るなんて、感心しきれないほどの親孝行娘ですが、
二十歳そこそこのお嬢さんが介護に付きっきりなんて可哀想な気も…。
リディアは母アリスに戯曲『エンジェルス・イン・アメリカ』を朗読してあげ、
「何がテーマの物語かわかる?」と尋ねると、母は「愛ね」と答え、
リディアはちゃんと伝わってると満足げなところで本作は幕を降ろします。
『エンジェルス・イン・アメリカ』は同性愛をテーマにした物語と思われますが、
まぁ大概の物語は、突き詰めれば愛がテーマですから、
アリスが本当にちゃんと内容を理解しているわけではないと思いますが、
何となく幸せな雰囲気で終わったのはよかったです。

難病ものは、お涙頂戴が多いのであまり好きじゃないんですが、
本作はそんなお涙頂戴な印象も受けなかったのに、
それでもちょっと泣ける感動的な物語で、なかなか佳作だったと思います。

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