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しあわせはどこにある

先週の週末興行成績ランキングには度肝を抜かれました。
『ラブライブ!』という聞いたこともないテレビアニメの劇場版が1位となり、
公開館数が3倍近い注目作『海街diary』を降してしまったのです。
しかも公開2日間で動員数25万人以上だとか。
先週1位のディズニー映画『トゥモローランド』でも公開2日間で19万人なのに…。
『ラブライブ!』とは一体何者なのか、気になったのでwikiで調べたところ、
何かの一大プロジェクトであること以外、よくわかりませんでした。
テレビアニメは深夜に放送しているみたいなので、
『アイカツ!』のような女児向けアニメではないのかな?
どうやら何種類もある前売り特典や入場者特典、
更に割り増し料金のライブビューイングまでして動員数をブーストしたみたいです。
特典商法は褒められたものではないものの、『妖怪ウォッチ』なんかと違って、
金蔓は大きいお友達なので好きに儲けてくれたらいいけど、
あまり映画ランキングを荒らされちゃうと、映画ファンとしてはいい気はしないかな。
「先週1位だったから観に行こう」となる映画でもないし、1位のメリットもないので、
こういう作品は別会計にすることはできないものですかね?
オリコンのCD付きライブチケットはCDランキングの対象外になったけど、
映画興行ランキングも映画付き特典は対象外にしたらいいのに。

ということで、今日は『ラブライブ!』と同日公開でランキング圏外の作品の感想です。
まぁ11位でもないので、『ラブライブ!』のアンフェアな特典商法のせいで
ランキング圏外になったわけではないけどね。

しあわせはどこにある
Hector and the Search for Happiness

2015年6月13日日本公開。
サイモン・ペッグ主演のコメディ・ドラマ。

美貌の恋人クララ(ロザムンド・パイク)と一緒にロンドンで満ち足りた日々を過ごす精神科医のヘクター(サイモン・ペッグ)は、自分を不幸だと思い込む患者たちの話を聞き続けるうちに、自身が幸せを感じられなくなってしまう。充実しているはずなのに自分の人生がつまらなく思えてきた彼は、幸せのヒントを求めて中国、チベット、アフリカなどを巡る旅に出るが……。(シネマトゥデイより)



本作はフランス人精神科医フランソワ・ルロールのベストセラーを
サイモン・ペッグ主演で映画化したイギリス映画です。
サイモン・ペッグのことが好きなのもありますが、
劇場に貼ってあったポスターを見て、面白そうだと思い観に行きました。
素敵な恋人に恵まれていながらも、人生に疑問を感じた精神科医が、
本当の幸せとは何かを探すため、世界各地を旅するという物語ですが、
観る前からオチはわかりきっています。
なにしろポスターに「幸せをさがして(中略)きみにもどる旅」という
キャッチコピーが大きく踊っちゃってますからね。
その宣伝はちょっと無粋かなと思いましたが、
まぁそのキャッチコピーを見なくても大方そんなオチだろうとは思うし、
そのネタバレを差し引いても面白そうな気がしたので観に行きました。

いざ観てみると、やっぱりなかなか面白かったです。
旅の途中で思いがけないアクシデントがあったりして、
ドラマとしても普通に楽しめるものですが、
色々な幸せの在り方が描かれていたり、幸せの格言満載で、
ちょっと幸せについて考えさせられる内容です。
いや、考えさせられるというほど重いものでもなく、全然説教臭くもなく、
ちょっとした人生のヒントを得られるというか、なんとなく前向きになれる映画です。
最近の映画だとベン・スティラーの『LIFE!』に似ているかもしれません。
『LIFE!』に比べると小粒だし、単純だし、着地点も明白なのでハラハラしないけど、
こちらの方が気楽に観れたのでよかったかも。
国際情勢を盛り込んだ、ちょっと社会派なところも興味深かったです。
以下、ネタバレ注意です。

ロンドンで開業する精神科医ヘクターは、同居する献身的な恋人クララのお蔭で、
安心で平穏な日々を送っていますが、そんな変化のない毎日に少し不満で…。
立派な仕事だし素敵な恋人までいるのに贅沢な奴ですが、
その幸せに慣れ過ぎて幸せに鈍感になってしまっているのでしょうね。
彼は漫画『タンタンの冒険』が大好きみたいで、診療所にまで本が置いてあるけど、
冒険願望が強く、タンタンみたいに愛犬と冒険したいのでしょう。
そういえばヘクターを演じるサイモン・ペッグはスピルバーグのアニメーション映画
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』にも出演しており、
当時も『タンタンの冒険』のファンを公言していたと思うのですが、
本作でも取り入れるなんて、本当にファンだったみたいですね。

ある日、女性占い師のカウンセリングをしていると、
彼女から「適当な相槌、口先だけの助言」と指摘されてしまいます。
占い師も客の相談を受けるという意味では精神科医を似たような仕事なので、
仕事の粗に気付いてしまったのかもしれませんね。
彼女は「あなたは幸せを見つける旅に出る」と予言するのです。
普通なら「インチキ占い師の適当な予言」と思うでしょうが、
彼女はヘクターの子供時代のことや、無精子症なことまで言い当て、
どうやらガチで超常的な予知能力を持った占い師みたいです。
ヘクターは動揺し、その後の仕事が全く手に付かなくなり、
「私はどん底で悲惨だ」という常連の患者に対して、
「あんたよりタンタンの方が悲惨な目に遭ってる」と八つ当たり。
それを見た同僚からも心配され、しばらく仕事を休むことにして、
占い師の予言通り、幸せについてリサーチするための旅に出ることにします。

それを恋人クララに告げますが、露骨に嫌な顔されます。
「幸せを探す旅に出たい」なんて、今が幸せじゃないと言ってるようなものだし、
彼に尽くしてきたクララにとっては不愉快な話ですもんね。
しかも折しも、彼女はヘクターが隠していた若い頃の写真を見つけ、
そこに彼が知らない女を親しげに写っていたので、この旅に疑念を抱きます。
でも結局は「やるなら徹底的にやって」と送り出してくれるのです。

どこにヘクターがどこに幸せを探しに行くのかなと思ったら、なんと中国。
幸せ探しの旅だったらインドとかタイとかブータンあたりが定番な気がするし、
中国なんかで幸せなんて見つからなさそうなのに…。
また中国を舞台にして中国で公開して稼ごうと目論んでいるのかと思いましたが、
どうも本作は中国をそれほど好意的には描いていません。
むしろ中国にとって不都合な内容が含まれているので、
本作が中国で公開されることもないような気がします。
ただ幸せを考える上で、貧富の差が激しい中国でのリサーチが
欠かせなかっただけみたいですね。

中国行きの飛行機で航空会社の座席の予約ミスが起こり、
ヘクターはエコノミークラスからビジネスクラスに変更してもらえます。
隣の席は大金持ちの銀行家エドワードでしたが、彼は逆に、
ファーストクラスが満席で仕方なくビジネスクラスに乗っており、
ビジネスクラスの環境に不満たらたらです。
そんな彼を見てヘクターは「比較すると人生台無し」と思いますが、
エコノミーからビジネスにアップグレードされたオマエが言うかって感じです。
ビジネスクラスの環境が悪いのも、主にヘクターのマナー違反のせいだしね。
でもなぜか2人は親しくなり、ヘクターが幸せ探しの旅の途中と知り、
エドワードは「俺が幸せを教えてやる」と言って、上海で2人で豪遊します。
ハイアットホテルを取ってくれたり、超豪華中華料理をご馳走してくれたり、
なぜ会ったばかりの男にそこまでするのか、金持ちの気まぐれはわかりませんね。
エドワードは「幸せは金で買えないなんて嘘だ」と豪語しますが、
たしかにあまり認めたくないことだけど、その通りかもね。
更に「幸せの秘訣は引退しないこと」とも言いますが、それも真理な気がします。
ただ自分で引退できるかどうかを決めれる人なんて限られてますよね。
それにしてもエドワードはヘクターと遊び歩くけど、彼は仕事で上海に来たのでは?
こんなに悠悠自適なら引退してるも同然な気がします。

エドワードに連れて行かれた高級クラブで、
ヘクターは中国人女学生イン・リーと出会い、お持ち帰りします。
母国に恋人置いて来てるのに最低な野郎ですね。
「徹底的にやって」とは言っても、浮気はさすがにダメでしょ。
でも激しいキスを交わしながら2人はベッドインしますが、
いざヤる前にヘクターが酔い潰れ、キス止まりで済みますが、それでも浮気だよね。
朝起きて、シラフに戻ったヘクターは、浮気を後悔するかと思いきや、
イン・リーとより親しくなりたいと考え、更にデートに誘うのです。
ヘクターは「幸せとは一度に複数の女性を愛することだ」と思いますが、
それってイン・リーのこともクララと同じくらい愛してるってことで、
もはや浮気ではなく、全く共感できません。
ところがデート中、イン・リーが実は学生ではなく、
エドワードがヘクターのために雇った娼婦だとわかり…。
「幸せは時として全てを知らないこと」だと悟りますが、これは真理っぽいけど、
この場合は真実を知ったことで目が覚めたんだからよかったんじゃないかな?

傷心のヘクターは上海を離れ、チベットの寺院に行きます。
到着すると修行僧から「月曜は休みだ」と言われますが、
追い返されそうになりますが、寺院に休業日なんてあるんですね。
でも住職からは歓迎してもらえます。
この住職の俳優、どこかで見たことあると思ったら伊川東吾ですね。
チベット人は中国人から迫害を受けていますが、ヘクターがそれを質問すると、
「不幸を避けることが幸福ではない」と含蓄のあるお言葉を頂きます。
風が吹くと僧侶たちが喜び始めるので、一体何故か不思議でしたが、
調べてみるとチベット仏教の祈りの旗タルチョが風で靡くと、
読経した代わりになるからみたいです。(なんか横着ですね。)
劇中で沢山吊られていた五色のボロ切れがタルチョみたいです。

その後、ヘクターは上海から飛行機を乗り継ぎ、アフリカに飛びます。
最後の飛行機が信じられないくらいのボロで、今にも墜落しそうですが、
同乗した女性客は「ボロなのは落ちたことがない証拠」と楽観的。
そんな彼女に幸せとは何か聞くと「子供が護衛なしで学校に通えること」と。
アフリカ某国に到着したヘクターは友人の医師マイケルの勤める
診療所を手伝うことになっていましたが、マイケルにも武装した護衛が付いていて、
女性客が言っていたように護衛もなければ外出も出来ない危険地帯のようです。
近くに野生のライオンがいたりする危険もあるけど、
テロリストもいるような治安が最悪な場所です。
診療所を手伝うヘクターは銃弾の摘出や縫合なども行いますが、
精神科医って外科手術も勉強するのかな?
人々から愛されるマイケルを見て「幸せとは天職に就くこと」と思いますが、
これは本当にその通りだと思いますが、簡単なことではないですね。
ヘクターはマイケルに医者不足だから暫くいてほしいと頼まれますが、
「君は必需品だけど、私は贅沢品だ」と断るのです。
はじめはちょっと意味がわかりませんでしたが、街が豊かになると
精神科医が増えるらしく、貧しい村には精神科医なんて不必要なもので、
なるほど精神科医は金持ちの贅沢品ってことですね。

ヘクターはバーで米国人ディエゴ・バレスコと知り合います。
農業関係の仕事をしているという彼ですが、実は大麻とかを栽培し、
ドラッグの売買をしている麻薬王のようです。
ヘクターは彼に「自分の幸せのために他人を不幸にしてどう思う?」と聞きますが、
いやー、リサーチとはいえ、怖いもの知らずにもほどがありますね。
ディエゴは「俺は需要を満たしているだけだ」と反論しますが、
彼自身、幸せではないみたいで、なんでも妻が精神科医に掛かっていて、
処方された薬を飲んでるけど、どんどん悪化しているみたいです。
なんだかいい気味だと思ってしまいますが、ヘクターは処方箋を見て、
薬の過剰摂取だと助言し、腕のいい精神科医を紹介してあげるのです。
そのお蔭でディエゴの妻は元気を取り戻し、ディエゴも上機嫌です。
まったく、麻薬王を元気づけるなんて余計なことをするなと思いますが、
まぁこの地域は支援物資も届かないらしく、政府からも無視されているので、
薬物でも栽培して収入を得るしかないという事情もあるみたいで、
泥棒にも三分の理ってやつですかね。
ディエゴはお礼に診療所に寄付もしてくれるし、本当は悪い男ではないかも?

ヘクターは飛行機で知り合った女性客に招待されて、
彼女の親族の集まりに参加し、サツマイモのスープを御馳走になります。
しかしその夜、タクシーで宿に帰る途中で、検問に引っ掛かり…。
と思ったら警官に化けたテロリストで、彼らのアジトに拉致監禁されます。
テロリストはヘクターを人質に身代金を要求するつもりでしたが、
顔を見られているので生かしてはおけないということに…。
ちょっとイスラム国の邦人殺害事件を思い出しちゃいましたが、
これだから覚悟もなく危険地帯なんて行ったらダメなんですよ。
しかも渡航目的が「幸せ探し」では同情の余地もありませんよね。
牢に棲みついたドブネズミが懐くほど長い間監禁された末、殺されそうになるも、
たまたまディエゴのペンを持っており、麻薬王の友人と証明され、解放されます。
ヘクターの他人からペンを借りパクする癖が役に立ちましたね。
解放された彼は「幸せとは生きてる実感を味わうこと」と悟りますが、
たしかに真理だけど、その幸せは味わいたくないなぁ…。

もう旅も懲りて、ロンドンに帰るかと思いきや、今度はロスに行くことに。
しかもファーストクラスで優雅にフライトを楽しみますが、
どうやら機内で急病人が出たみたいで「ドクターはいませんか?」と放送が…。
律儀なドクター・ヘクターは名乗り出ます。
専門が精神科ではどうしようもないだろうと思いましたが、
やっぱり専門外のことも勉強しているみたいで、急病人を診察して、
「脳腫瘍の摘出跡が膨張しているから高度を下げて」と的確な助言。
更に到着まで付きっきりで話し相手になり、精神科医としての腕も見せます。
急病人も「話を聞くことは愛よ」と、とても感動したようです。
更に「死を恐れることは生を恐れることよ」と名言も残し、
幸せを調査するヘクターも大いに参考になります。

ロスに到着したヘクターはアグネスに再会します。
元カノなのか片想いの女友達なのかはわかりませんでしたが、
クララが見つけた例の写真に写っていた女性ですね。
彼女は二児の母で、三人目も妊娠中。
夫は数学者で、プール付きの豪邸に住んでいます。
絵に描いたような幸せな家庭で羨ましい限りですが、
彼女自身も「幸せすぎて、この幸せを失うのが怖い」と…。
ヘクターはちょっと複雑で、「もし僕らが…」と言ってしまうのですが、
アグネスから予想外に激怒されるのです。
彼女も当時ヘクターが好きだったようで「何を今更」と思ったのでしょう。
まぁどう考えてもヘクターと結婚するより、今の暮らしの方がいいしね。
金銭的にもだけど、ヘクターは無精子症だから…。
ヘクターは「過去は懐かしいが戻らない」と思うのですが、
アグネスとヨリを戻せたらクララを無視して戻していたのでしょうか?

ヘクターはクララに電話して、今ロスだと伝えると、
彼女は元カノに会うのが目的の旅だと勘違いして激怒し、
今にも別れ話になりそうなほどの痴話ケンカになります。
その後、ヘクターは大学の恩師である、ノーベル賞候補で、
幸福学のアインシュタインと呼ばれるコアマン教授に会いに行きます。
ついでに教授の講義も見学しますが、さすがにいいこと言ってます。
「大人になると幸せは簡単に見つからないので、幸せ探しはほどほどに。」
「他のことをすれば副作用で幸福感が得られる。」って感じの講義です。
たしかにボクも日常生活で幸せを感じることはほとんどないけど、
趣味の映画鑑賞をしている時は幸せな気分になってるかも。
ただし、面白い映画に限りますけどね。
教授は脳の分泌物か何かを計測して幸福度を可視化する実験をしています。
その実験例として、ある日本人の脳の計測結果を発表しますが、
自殺しそうな状態だそうで、日本人は世界で幸福度が低いと思われてるんですね。
ヘクターもその実験を受けてみることになりますが、なぜか解析できず…。
なぜか感情が抑制されているようです。

ところが実験中にクララから電話があり、
「私、子供が欲しいけど、あなたの子は嫌」と別れを告げられます。
ヘクターは驚いて、旅で幸せについて沢山学んだことを説明し、
「君を失うことが最大の不幸、君と添い遂げることが最大の幸福だ」とプロポーズ。
クララの誤解も解け和解するのですが、その時の可視化された幸福度の映像は、
幸せの感情だけではなく、悲しみや恐怖など全ての感情が入り乱れ、
まるで風に靡く五色のタルチョのような映像になるのです。
哲学的というか何というか、ちょっとピンとこない展開ですが、
この状態が真の幸福で、ヘクターはついに幸せを見つけたのですね。
予想通りというか予告通り、「幸せをさがして(中略)きみにもどる旅」だったわけで、
幸せは探すまでもなく一番近くにあったというオチです。
ヘクターはすぐに帰国し、クララと結婚して、めでたしめでたし。
だけどちょっと気になるのは、これでヘクターは幸せだろうけど、
クララが本当に子供が欲しいなら、ヘクターでは彼女を幸せにできない気が…。
まぁ飛行機の急病人も言ってたけど、子供を生むことだけが幸福でもないし、
子作りを楽しむのも幸福だと思えばいいのかな。
ヘクターは浮気性なので、他所でも子作りしないか心配ですけどね。

関連作の感想
タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密

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