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ステップ・アップ5 アルティメット

『ベイマックス』のTSUTAYAレンタルランキングが6週連続首位を記録したそうな。
劇場公開時も初登場から2週は『妖怪ウォッチ』に首位を譲りましたが、
その後6週連続首位を記録した大ヒット作なのに、
まだこんなにレンタルする人がいるんですね。
劇場で観た人もレンタルするかもしれないけど、未鑑賞者が多いはずなので、
なんとかその人たちを劇場に呼べたら、もっと映画が盛り上がる気がします。
特に洋画はレンタルで強く、劇場公開は弱いですが、
洋画のレンタル開始が邦画より早いのが影響していると思うので、
レンタル開始を遅らせれば劇場に来てくれる人が増えるかも。
洋画を劇場で観る人が増えたら、ビデオスルー作品も減るはずだし、
劇場で観る派の映画ファンとしては嬉しいのですが。

ということで、今日はビデオスルーになった洋画の感想です。

ステップ・アップ5 アルティメット
Step Up All In

2015年6月3日日本公開。
青春ダンス映画『ステップ・アップ』シリーズ第5弾。

ショーンは、マイアミでの成功を経て、今度はハリウッドを目指し、彼のチーム“ザ・モブ”をロサンゼルスに連れてきた。しかし運に恵まれず、最終的にメンバーは彼を残してマイアミに戻ることに…。その後ショーンは、ラスベガスでのデビューをかけたダンス・コンテストの開催を知るが、出場するには新しく仲間を集めなければならなかった。そこで友人のムースに助けを求め、アンディを紹介してもらう。そして更に仲間が加わり新チームを結成、ラスベガスを目指すことにー。しかし彼らがラスベガスに到着した時、そこには親友のエディが率いる“ザ・モブ”も来ていた。ショーンは“ザ・モブ”とのダンス・バトルを迎える…。世界中から選考を勝ち抜いたダンサーたちの“究極(アルティメット)”のダンス・バトルが始まる! (公式より)



人気ダンス映画『ステップ・アップ』シリーズ最新作の本作。
…いや、元人気ダンス映画シリーズというべきかもしれません。
2006年公開のチャニング・テイタムの出世作である第1作目が大ヒットし、
毎回主人公を変えながら続編を重ねた本シリーズでしたが、
全米興収は下降する一方で、5作目となる本作は初登場6位、
全米総興収約1500万ドルという、1作目の1/4にも満たない成績で…。
これではもはや人気シリーズとは呼べないでしょう。
興収は右肩下がりな一方、制作費は右肩上がりで、
1作目の4倍近い予算が投じらたにも関わらず、儲けは1/4では、
もうシリーズ続行は不可能と考えても間違いないでしょう。

シリーズ最終作となったに違いない本作ですが、製作サイドも予見していたのか、
まるでシリーズの集大成のような内容になっています。
タイトル(原題)も『Step Up: All In』で、直訳すれば『ステップ・アップ:全部詰め』。
過去のシリーズのキャラたちを沢山登場させています。
なんとなく『ワイルド・スピードMAX』みたいな感じですね。
今回は主人公を変えることなく、前作の主人公ショーンを続投させ、
ヒロインとして2作目のヒロイン(主人公)であるアンディを再登板させ、
前作ではカメオ同然だった3作目の主人公ムースも大きく扱われます。
他にも十余人ほど過去のキャラが登場し、一緒に踊るのですが、
やはり少し物足りないのは、ファンが最も再登場を望んでいる
テイタム演じる1作目の主人公タイラーは顔を出さないことでしょうね。
最後くらいはカメオでいいから出てほしかったけど…。
タイラーの妹カミールは前々作に続き登場しますが、
1作目から出演するキャラは彼女だけなのも寂しいです。
しかも1作目当時は完全に子役だったので、当時の面影もないし…。
まぁ1作目以外の主人公3人は揃い踏みなので、「All In」を銘打つには及第点か。
以下、ネタバレ注意です。

ショーンが振付師を務めるマイヤミのダンスチーム「THE MOB」は、
前作での活躍で注目され、スポーツメイカーのCMに出演。
調子に乗ってLAに進出してしまいますが、世の中そう甘くはなく、
毎日受かりもしないオーディションの日々で、家賃にも事欠く始末。
ジャスパー率いるLAの人気チーム「グリム・ナイツ」にもダンスバトルで惨敗し、
エディやジェイソンたちはマイヤミに戻ることにします。
しかしダンスで成功する夢を諦め切れないショーンはLAに残留し、
優勝すればベガスのショーと3年契約できるテレビ番組のダンス・コンペ
「ボーテックス」の出場チーム募集告知を発見します。
『ステップ・アップ』シリーズは若者たちがダンスに打ち込み、
プロになるサクセス・ストーリーですが、ダンサーなんて仕事は不安定で、
プロになったところで食っていけるわけではないみたいですね。
また底辺からのスタートなんて、前作の努力はなんだったのかと思いますね。
正直、今回のコンペに優勝したところで、3年間は食い逸れないだけで、
3年後は今の生活に逆戻りなんじゃないかと心配しちゃうし、
むしろダンサー寿命は短いし、3年後は体力的にも今より大変になりそうな…。

ショーンはボーテックスに出場したいけど、もうTHE MOBはいないし、
ひとりでは出場できないために、新しいチームを作ることにします。
その間、友人ムースの祖父母の経営する社交ダンス教室で
雑用の仕事をさせてもらいながら、チームメイト探しをします。
ショーンはムースとは面識あるけど、そんなに仲良しだったっけ?
たしかTHE MOBの仲間であるジェイソンとムースが元チームメイトで、
その縁で前作でちょこっと会っただけだった気がしますが…。
ショーンはもちろんムースも新しいチームに誘いますが、
天才の彼でも「ダンスは稼げない」と断られてしまうのです。
ムースは何を作ってるかわからない謎のラボでエンジニアをしていて、
同棲中の恋人カミールのためにも、ダンスは続けられないと…。
まぁその判断は間違ってないけど、彼の祖父母はダンスで稼いでるよね。
ところがカミールはムースがダンスを続けることを応援してくれ、
ショーンと一緒にヴォーテックスを目指すことになるのです。
カミールも(たぶんかなり稼いでいる)プロダンサーの妹だから、
ダンサーに対して寛容なのでしょう。
兄テイラーよりムースの方が正直ダンスは上手いしね。

顔が広いムースは、知人のダンサーたちに声を掛けてくれます。
まず最初に声を掛けたのは、2作目のヒロインである親友アンディです。
彼女も2作目で所属チームがプロになりましたが、
ハードな練習で靭帯を切ってしまいチームを去ったらしく、
今は食べるために仕方なくファッション誌の撮影助手をしています。
2作目で成功したはずの彼女が、まさか夢破れちゃっていたとは…。
結局、彼女、ムース、ショーンと、成功したはずの過去3作の主人公が、
ダンスで生活できていないなんて、全く「ステップ・アップ」じゃないですね…。
まぁ当時のアンディとショーンの相手役であるチェイスとエミリーは
現役プロダンサーとして大活躍しているみたいですけどね。
ちなみにチェイスとエミリーは本作に登場しません。
本作ではアンディとショーンのロマンスが描かれるので、
2組とも(相手がプロで大成したことで)破局したことになっています。
あのハッピーエンドの後まさか別れていたなんて、あまり嬉しくない設定です。
ダンスどころかロマンスも「ステップ・アップ」できてなかったとは…。

続いてムースは3・4作目に登場したロボットダンサーのヴィラド、
3作目に登場した双子のダンサーのサンティアゴ・ブラザーズ、
2~4作目に登場した日系人ダンサーのジェニー木戸、
2・3作目に登場したブレイクダンサーのモンスター、
2~4作目に登場したヘアーを誘います。
過去作で活躍したダンサーが総登場でテンション上がりますが、
皆すごいダンサーのはずなのに、ダンスでは生活できないみたいで…。
あと、新しいチームには本作から登場する新キャラとして、
アンディの友達のモヒカン女性ヴァイオレットと、ヘアーの同僚ゲ-ジ、
そしてダンス教室で社交ダンスの講師をしている変人チャドが加わり、
総勢12人で、チーム「LMNTRIX(エレメンドリックス)」を発足させます。
ちょっと女性メンバーが3人なのは少ない気がするし、
アンディ以外の2人は美人でもないので、チームに華がない気がするけど、
なかなか個性的な12人で面白いチームではないでしょうか。
なぜかアンディとショーンがリーダー争いしますが、
ほとんどムースの知り合いなんだから、ムースがリーダーになるべきだよね。

LMNTRIXはビデオ審査用のビデオを撮り、ヴォーテックスに応募。
見事に審査を通過し、会場となるベガスのシーザーズパレスに呼ばれます。
しかしビデオ審査合格チームの中には、憎きグリム・ナイツの姿も…。
更に驚いたことにエディ率いる古巣THE MOBまで出場するみたいで、
かつての仲間と戦うことになりショーンは複雑な心境に…。
もちろんエディたちもショーンが自分たちに声も掛けずに、
新しいチームで出場していることに不快感を露わにしています。
それも当然で、とりあえずTHE MOBに声掛けてみるのが筋ですよね。
上手くいけばTHE MOBとして出場できて手っ取り早いし。
予選では8組くらいがショーケースを行い、視聴者投票で4組が準決勝進出です。
予選通過した4組は、女性のみで構成されたディヴァイン・インテンション、
優勝候補グリム・ナイツ、シェーンの古巣THE MOB、そしてLMNTRIXです。
予選の様子はLMNTRIXも含めダイジェストで描かれますが、
それを見た感じではダンゴ状態な印象で、どこが通過してもおかしくなかったけど、
やっぱり女性のみのディヴァインは華があった気がしますね。

予選通過後、LMNTRIXは準決勝に向けて特訓しますが、
ショーンはアンディを宙に投げて一回転させる大技をしたいと言い出します。
しかしアンディは過去に故障でチーム脱退した苦い経験があり拒否。
怪我よりも仲間を失うことが怖いみたいで、優勝より仲間と考えるアンディと、
何が何でも絶対優勝を掲げるショーンと衝突します。
そんな折、ムースまでがベガスでハメを外してしまい、
そこを恋人カミールに目撃され、LAに帰る彼女を追い掛けてチームを離脱。
準決勝を前にチームのメイン3人がバラバラになっちゃいますが、
やっぱりムースが抜けたのは痛い戦力ダウンですね。
好青年を絵に描いたようなムースがあんな失態はあり得ない気がするけど、
展開的には彼がいたら準決勝楽勝になっちゃうから仕方ないか。

準決勝ではTHE MOBと一騎打ちのダンスバトルになります。
ムースを欠いたLMNTRIXでしたが、かなり大健闘します。
ボクの印象ではダンスの種類もバラバラで個性派集団のLMNTRIXより、
THE MOBの方が統一感があってよかった気がします。
でもTHE MOBのエディは前作では裏方のイメージがあったので、
ちゃんとダンスも出来るのは意外だったかも。
ただやっぱりダンスシーンだと、ダンスが上手い人に焦点が当たるので、
俳優が務める主要キャラよりも本職ダンサーの脇役の方が目立ちますね。
ショーンは性懲りもなくアンディに大技を迫りますが、やはり拒否られ…。
そこでチームワークが乱れたので、これで負けかなと思ったけど、
何とかTHE MOBを降し、決勝進出するのです。
この判定はちょっと納得できませんが、主人公チームが準決勝敗退では
物語にならないから仕方ないか。

準決勝後、ヴォーテックスの司会者アレクサとグリム・ナイツのジャスパーが
イチャついているところを木戸が目撃してしまいます。
どうやらヴォーテックスは出来レースで、アレクサ御贔屓のグリム・ナイツが
優勝することが決まっているヤラセ番組のようです。
アレクサとジャスパーももっと人目のないところでイチャつけばいいのにね。
このダンス・コンペが出来レースだと知ったLMNTRIXでしたが、
優勝よりも仲間と楽しみたいアンディは「実力を見せつけてやろう」と言いますが、
ショーンらは優勝賞品のベガスでのショー3年契約のために出場したので、
「やってられない」「恥をかくだけ」と決勝戦を蹴ってLAに帰るつもりです。
しかしショーンは応援に来ていたムースの祖父母から、
「あなたは勝ちに拘りすぎ」と嗜められて、考えを改めます。

そしてまずTHE MOBのエディに謝罪しに行くのです。
準決勝も実力で勝ったんだし、ショーンがTHE MOBに謝る必要はない気が…。
どのみち出来レースなら尚更ですが、本当の「All In」になるには和解が必要かな。
LMNTRIXの仲間にも「大事なものを見失うところだった」と決勝出場しようと説得。
アンディとも和解し、カミールと和解したムースも戻ってきます。
更にTHE MOBも合流し、「どうせ出来レースだから好き勝手やろう」と、
LMNTRIXとTHE MOBの合同チームで決勝に向かいます。
やっぱりTHE MOBのエディとジェイソンとは同じチームじゃないと、
「All In」なチームとは言えませんよね。

決勝戦はショーケースで、先行はグリム・ナイツです。
ジャスパーよりも軟体ダンサーのダンスがキモ凄かったです。
そしてLMNTRIXの出番となり、まずショーンがステージ上でマイクパフォーマンス。
「よく出来たストーリーだった」と出来レースであることにチクリと嫌味。
でもそれを糾弾するつもりはないみたいで、
「勝ち負けを忘れて楽しもう」とショーを開始します。
ファイヤーダンスとか技術よりも演出で魅せている感じで、
ダンス勝負としてはちょっとどうなのと思いましたが、
ベガスのショーのオーディションと思えば、派手な方がいいかな。
途中でTHE MOBも飛び入りし、グリムからは「ルール違反だ」と言われますが、
どうせ出来レースなので全くお構いなしです。
THE MOBだけじゃなくて、準決勝でグリムに負けたディヴァインも
いつの間にか飛び入りしていましたが、女性ダンサーが大幅増で、
かなり華やかだし、総勢30人近いので圧巻のパフォーマンスです。
こっそりムースの恋人カミールも加わってましたね。
一方で、メンバーが増えたことにより、個人技を見せ難くなり、
せっかくの個性派集団LMNTRIXの特徴が薄くなってしまった印象も…。
ただやはり主人公のショーンとアンディには最後に見せ場があり、
アンディの方からあの危険な大技をしたいと提案し、見事に成功させ、
2人はそのまま熱烈なキスを交わし、大喝采を浴びます。

LMNTRIXの合同チームのパフォーマンスは大盛り上がりで、
出来レースのヤラセ番組にも関わらず、主催者のホテルの鶴の一声で、
彼らの優勝が決まり、めでたしめでたし。
でもイマイチめでたい気がしないのは、本作でプロでも生活できない
ダンサーの苦しい現況が嫌と言うほど描かれてしまっているので、
彼らが今の仕事を捨ててダンサーになることが本当に正しいとは思えないし、
過去作のように成功なんて一時的なものだと思えてしまうからかな。
ショーンとアンディも過去に一度プロダンサーと破局していて、
プロ同士の交際の難しさも描かれていて、この恋も長続きするとは思えないし…。
正直、本作はダンサーという職業に夢を持てなくなる映画だと感じます。
夢のために頑張る若いダンサーを描き続けてきたシリーズの最終作が、
そんな夢のない内容でいいのか疑問ですが、
シリーズに憧れてダンスを始めてしまった若者に、
最後に厳しい現実を教えるのも大切なことかもしれませんね。

まぁシリーズがこれで最後というのは、ボクがそう思っているだけのことで、
実際は第6作目も作られるかもしれませんが…。
本作も悪くないと思ったし、好きなシリーズなのは間違いないので、
続くなら続くでもちろん大歓迎です。
特に好きなキャラであるムースを演じるアダム・G・セヴァーニを観る機会は
ほぼこのシリーズしかなかったので、名残惜しいしね。

関連作の感想
ステップ・アップ4 レボリューション

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