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新宿スワン

明後日、6月から道交法が改正になります。
主に自転車の違反が厳罰化されるみたいで、
例えばスマホ使用しながら運転してるのを3年で2回取り締まられたら、
自転車運転者講習の受講が義務付けられ、従わなければ5万円以下の罰金です。
信号無視、酒酔い運転、ピストバイク等も同様らしいです。
自転車の事故がなかなか減らないみたいなので仕方ないですね。

我が兵庫県では4月から、自転車保険加入を義務付ける条例が施行されました。
周知不足のせいでボクも最近になって知ったのですが、
道交法改正に合わせ、6月から加入できるように申し込みました。
いろいろな自転車保険がありますが、ボクが申し込んだのは年額2000円で、
損害賠償1億円まで出してもらえるプランです。
もっと年額が安くて、賠償額も低いプランもありますが、
一昨年だったか自転車事故で9000万円以上の賠償を命じられたケースがあるし、
自転車は毎日使っているので、念のために高めのプランを選びました。
ボクはルールを守り車道を左側通行で走ってるし、危険行為もしませんが、
スピードはかなり出しているので、もしもの時は大事故になりそうだし。
まぁ賠償は保険で賄えても、他人を怪我させると寝覚めが悪いので、
6月以降は安心してこれまで以上にぶっ飛ばせる、とは思いませんけどね。
とにかく兵庫県民は条例で義務化されたんだから自転車保険に入りましょう。

ということで、今日は条例違反ギリギリ、いやギリギリアウトな
歌舞伎町のスカウトマンの物語の感想です。

新宿スワン
新宿スワン

2015年5月30日公開。
園子温監督が人気漫画を映画化。

一文なしだが野心だけは人一倍ある白鳥龍彦(綾野剛)は、新宿・歌舞伎町に乗り込んで一旗揚げようと決意する。ひょんなことから彼は、名の知れたスカウトマンとして数々の伝説を持つ真虎(伊勢谷友介)に誘われてスカウト会社バーストの社員に。歌舞伎町をゆく女性たちに声を掛けては、水商売、風俗、AVの仕事をあっせんし、その紹介料をつかんでいく龍彦。さまざまな人物や出来事と対峙(たいじ)しながら、彼はスカウトマンとして、一人の人間として大きく成長していく。(シネマトゥデイより)



本作は『冷たい熱帯魚』や『ヒミズ』を撮った鬼才・園子温監督の最新作ですが、
来月の今頃にはもう最新作じゃなくなってるという…。
なにしろ来月(6月27日)には最新作『ラブ&ピース』が公開されていますからね。
さらにそれも再来月(7月11日)の今頃には最新作ではなく、
再来月には最新作『リアル鬼ごっこ』が公開となり、
さらにさらに9月4日には、また最新作『みんな!エスパーだよ!』が公開という、
4か月間(98日間)で4作も園子温監督作が封切られる無茶苦茶な日程です。
例えば安里麻里監督版『リアル鬼ごっこ』のように、
同シリーズで連続数本封切られることはたまにありますが、
全く別作品でこんなに連続で監督作が封切られるなんて話は
ちょっと聞いたことがないので驚いています。
ただ、前例が見つからないのは、それが無茶すぎる行為だからで、
四足の草鞋を履いている状態で撮られた4作全て出来がいいとは思えません。
ボクはホラー時代以来の監督のファンなので全部観るつもりですが、
1本1本撮られたこれまでの作品だって、全部よかったわけでもないし…。

その4作の中で初っ端となる本作『新宿スワン』ですが、
ボクとしては最も期待薄な作品でした。
多作よりも豪華キャストだし、プロモーションにも力が入ってますし、
ソニーが邦画を配給するのも珍しいことなので自信が窺えるし、
たぶん製作費も一番高いような気がするのですが、ある意味最も手抜きです。
なぜなら本作は園子温が脚本を書いていませんからね。
彼が脚本に一切関わらなかったのは、これが初めてな気がしますが、
映像もさることながら、物議を醸す物語で定評のある彼だけに、
脚本を手掛けないのであれば魅力は半減、いや、四半減です。
今回は用意された脚本を映像化することに徹したのでしょうが、
鬼才の彼にそんな平凡な職業監督になってほしくないです。
まぁ鬼才脚本家でもある彼でも敵わない素晴らしい脚本なら話は別ですが、
今回の脚本にはあの無能脚本家・鈴木おさむが絡んでいるので、
どうせロクな脚本じゃないに決まってるし、期待できません。
その点では4作中で園子温監督ファンが最も期待しているのは
原作なしのオリジナル脚本の次作『ラブ&ピース』で間違いないです。

監督のことは別としても、個人的にイマイチ期待できないのは、
原作というか、本作で扱われている題材に嫌悪感があるからかな。
若い女性を風俗に斡旋するスカウトマンの抗争を描いた物語ですが、
そんな商売ロクなもんじゃないし、そこで働く奴も同様で、
そんな奴らが主人公の物語なんて気持ちよく見れるはずがないです。
主人公の龍彦も元は硬派な男なので、はじめは抵抗があったみたいですが、
彼をスカウトマンにスカウトしてくれた先輩スカウトマンから、
「欲望の需要と供給を満たし、皆を幸せにする仕事」と説明されて納得します。
需要と供給を持ち出すのは如何わしい職業が自己正当化する常套句で、
そんなアホみたいな屁理屈に納得するなと思います。
本作を観て、スカウトマンに憧れて歌舞伎町に行くアホがいないことを祈ります。

アホの龍彦は真に受け「俺がスカウトした子は絶対幸せにする」と誓うけど、
実際は全然そうはなってませんからね。
ヘルス嬢を暴力店長から守ってあげた時に、
「男の子は女の子を守るものだろ」とカッコ付けて言いますが、
つい先日スカウトしたキャバ嬢が自殺したばかりなのに、どの口が言うんだと。
スカウトした女の子が体で稼いだカネの10%を受け取れるシステムらしく、
どんな綺麗ごとを言おうが若い女の子を食い物にしているのは事実だし、
そんな登場人物に魅力を感じるはずないです。
反社会的な人物が主人公ならヤクザ映画やヤンキー映画も一緒ですが、
少なくとも主人公は女を売って稼ぐような男ではないですからね。
ついでに言えば、ヒロインのヘルス嬢やキャバ嬢も、どんな酷い目に遭おうが、
望んで水商売に飛び込んだ以上、自業自得としか言えません。

もう序盤のスカウトマンの心得とか技術とかシステムとか
仕事内容を紹介するハウ・ツーから反吐が出そうでしたが、
そんな不愉快な気持ちのまま約2時間20分の長丁場を耐えるのは辛いので、
途中で頭を切り替えることにしました。
もう龍彦が女の子を店に斡旋したり、その子がその後どうなるかとか、
風俗絡みのことは考えても不愉快になるだけなので、全てスルーし、
ただのスカウトマン同士の抗争として観ようと決めました。
するとどうでしょう、普通にヤクザ映画、ヤンキー映画として楽しめます。
本作は大人版『クローズ』なんて称されたりもしますが、まさにそんな感じ。
なので以下、ネタバレ注意の物語の感想になりますが、
風俗絡みの女性登場人物の存在は一切無視します。
沢尻エリカ演じるヘルス嬢も、真野恵里菜演じるキャバ嬢も、
山田優演じるホステスも一切いないものとして感想を書きます。

金なし職なしの龍彦は、底辺から這い上がろうと考え、
新宿歌舞伎町にやって来ますが、到着早々、アホに絡まれてケンカに。
腕に覚えがある彼ですが、5~6人が相手ではさすがに勝てずボコボコに。
しかしその様子を見ていたスカウトマン真虎に助けられ、
何かを見込まれて、スカウトマンにならないかと誘われ、
真虎が幹部を務めるスカウト会社「バースト」に入社します。
会社なんて看板掲げてますが、実際は反グレ組織みたいな感じですね。
バックには暴力団「紋舞会」が付いていて、会長に上納金を払って営業してます。
スカウトマンは単なる売春斡旋業者なだけでなく、暴力団の資金源なのですね。
いやー、ホントに社会のゴミだなぁ。

そんな紋舞会会長から上納金アップを要求され、困った山城社長に、
真虎はライバルのスカウト会社「ハーレム」を傘下にして稼ごうと提案。
もうひとりの幹部・関も賛成し、ハーレムと揉める絵を描き、
新入社員・龍彦にハーレムのシマでスカウト活動するように命じます。
しかし他社のシマでの活動は協定違反なので、
すぐにハーレムのスカウトマンが飛んできて、龍彦は拉致られ、
ハーレムNo.3の秀吉の前に連れて行かれます。
龍彦は忘れているみたいですが、秀吉は彼に因縁があるみたいで、
彼を必要以上にボコボコにし、指の骨を2本折り解放します。
いやー、ペットボトルにあんな使い方があったとは驚きですが、
本作はバイオレンスに定評がある園子温監督作にしては
暴力描写も緩い(直接的じゃない)気がしますね。
そういえばこんな題材で、園子温監督作品なのにポロリもないし、
全然監督を活かせてないので、なぜ彼に監督を依頼したのか…。

関は龍彦の復讐という建前で、彼を連れて殴り込みに行きますが、
大勢のハーレムのスカウトマン相手に2人では多勢に無勢で、返り討ちに。
しかしそれこそ関の狙いで、バースト幹部である自分までボコられることで、
バーストとハーレムの関係修復を不可能にしたのでした。
組織の規模ではバーストが優っているので、揉めても絶対有利みたいです。
この件を受けて、社長同士で話し合いの席が設けられます。
バーストの山城社長は、ハーレムの松方社長が金欠なのに付け込み、
3000万円で傘下に降るように要求し、松方社長も渋々了承。
ところがそこに真虎がハーレムNo.2の葉山を連れて来て、
「実際ハーレムを動かしているのはコイツ」と紹介。
葉山は「3000万もいらない、無条件で傘下に降る」と提案。
山城社長は喜び、葉山を幹部待遇で迎え、ハーレムを傘下にします。
しかし幹部の関は葉山が同格の幹部になるのが面白くなく…。
バーストとハーレムの抗争が最後まで続くのかと思いましたが、
中盤前にハーレムを吸収合併できちゃったのは意外な展開でした。
もともと真虎と葉山は繋がっていたので、関が揉め事を画策しなくても、
吸収合併できたわけで、関も龍彦もボコられ損でしたね。

もちろん無条件で降る葉山にも思惑はあり、
バーストとつるんで、デカくした後、そっくり乗っ取ろうと、
ハーレムNo.3の秀吉と画策していたみたいです。
真虎はそんな葉山の相棒を警戒し、探偵に秀吉の身元調査を依頼します。
龍彦も秀吉と同僚になってしまったので、指を折られた復讐も出来なくなり…。
そんな折、葉山の発案で、1か月で最も多くスカウトした社員を
幹部に昇進させることが決まります。
これで秀吉を幹部にするつもりのようで、秀吉は他のスカウトマンから、
彼らがスカウトした人数を大金で買い上げ、数字を伸ばします。
そんな方法がありなのかと思っちゃいましたが、
関ら幹部もそのことを掴みながら黙認しているのでOKなのか。
しかし関は秀吉の買取り資金がどこから出ているのか疑問に思うのです。

どうやら秀吉は、シャブを捌いて資金を稼いでいるみたいです。
紋舞会にも内緒でこっそり捌いているので、かなりヤバイですが、
彼の目標は歌舞伎町を牛耳ることみたいなので、
そのくらいの危ない橋は平気で渡るのかもね。
最終目標は全国統一らしく、とんだDQNだなと思ってしまいますが、
別にヤクザに取って代わって裏社会を仕切るということではなく、
全国のスカウト会社を統一したいってことかな?
壮大なんだか微妙なんだか、わからない目標ですね。

関はハーレムにスパイを送り込み、秀吉がシャブを捌いていることを掴み、
証拠を押さえるため、売人を呼び出す段取りを付け、
取引場所のボーリング場で売人を待ち伏せます。
案の定、秀吉が現れましたが、どうも彼の罠だったみたいで、
関は秀吉の部下たちにボコボコにされ、人間ボウリングで病院送りに…。
関も本当はバケモノみたいに強いのですが、スパイが人質に取られ降参。
内面までバケモノみたいな奴と思いきや、意外と人間味のある奴です。
しかしレーンに寝転がされ、ボールを顔面で受ける人間ボーリングは
考えただけでめちゃめちゃ痛いですね。
そのシーンも残念ながら直接描写は避けられていましたが…。

関がやられてしまった山城社長は、紋舞会会長に相談しますが、
逆に会長から「証拠を掴んで早く解決しろ」と一喝されてしまい…。
そんな折、龍彦の知人がシャブ漬けになってしまい、
龍彦はシャブを売りに来た秀吉からシャブの入ったアタッシュケースを奪います。
秀吉には逃げられてしまいましたが、後に向こうから電話があり、
アタッシュケースを2000万円で取引したいと、雑居ビルの屋上に呼び出されます。
そんな折、探偵から真虎が依頼していた秀吉の身元調査の結果が、
なぜか真虎ではなく龍彦のところに届けられ…。
調査報告を読んだ龍彦は、秀吉が中学の同級生・古谷だと漸く思い出すのです。
断片的な回想だったので、細かい経緯はわからなかったけど、
どうも古谷は中学時代の龍彦たちとのケンカで傷害事件を起こしてしまい、
少年院に入れられて人生がめちゃめちゃになり、龍彦を恨んでいたみたいです。
それにしても龍彦って中学時代からモジャモジャの金髪だったとは。
モジャモジャは天パだけど中学生で金髪って、とんでもない不良ですね。
そりゃ大人になったら底辺になるはずです。

雑居ビルの屋上で会った2人ですが、本当に取引するはずもなくケンカに。
中学のケンカ同様、古谷こと秀吉はナイフを取り出しますが、
龍彦に簡単に弾き落とされてしまい、素手での殴り合いになります。
タイマンだとやっぱり龍彦の方が強いみたいですが、
見た目的には綾野剛演じるヒョロい龍彦より、
山田孝之演じるチビだけどガッチリした秀吉の方が強そうです。
龍彦は秀吉をボコボコにしますが、さすが原作が少年漫画だけあり、
「テメェは今日から俺のダチだ、バカヤロー!」とケンカの末に友情が芽生え…。
いやいや、知人をシャブ漬けにしたことは百歩譲って許すとしても、
中学時代に本当のダチを傷害で半身不随にした相手なのに…。
龍彦はアタッシュケースだけ確保し、秀吉を逃がしてあげます。

バーストはシャブ入りのアタッシュケースを回収したことで、
紋舞会に対する面目も立ち、逃げた秀吉は追わないことにします。
龍彦も今回の功績でチーフに昇格し、一件落着ですが、
真虎は龍彦がわざと秀吉を逃がしたことに気付いており、
「俺はどうでもいいが、かえって危ねぇぞ」と警告。
秀吉がまた復讐に来るということかな?と思ったのですが、
危ないのは龍彦ではなく秀吉のことだったみたいで、真虎の読み通り、
秀吉は逃げる途中で何者かに銃殺されてしまうのです。
そのヒットマンが見覚えあるような無いような感じで何とも言えませんが、
たぶん葉山の放った刺客で、口封じされたのでしょう。
そんな感じで本作は幕を下ろします。

いやー、ホントに女性登場人物を無視して感想書けるか自信なかったけど、
ちょっと誤魔化しはあるものの、それなりに書けちゃいました。
まぁそのサブプロットがなければ、本作は単なるヤクザ映画、
あるいはヤンキー映画になっちゃうんですけどね。
とりあえず本作の総括としては「園子温の無駄遣い」の一言です。
来月の『ラブ&ピース』が楽しみだなぁ。

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