ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

トップ・ファイブ

けっこう前にキングギドラのアルバムCDをネット通販で予約したのに、
発売日を過ぎても全然送られてこないなと思ったら、
どうやら発売延期になっていたみたいです。
キングギドラはZEEBRA、K-DUB SHINE、DJ OASISからなる
日本語ラップの代表的グループですが、現在は活動休止中で、
今回のCDも1995年にリリースされたファーストとリマスタリング盤なので、
制作が遅れるはずもないし、何で発売延期になるのか理解できません。
日本語ラップの制作遅れでの発売延期は日常茶飯事なんですけどね。

まぁ今でこそほとんど関心がなくなってしまったものの、
一時は日本語ラップにめちゃめちゃ嵌っていたので、
キングギドラのファーストもオリジナルを持ってはいるのですが、
盤面が劣化したらしく、プレイヤーによっては再生できない状態で…。
樹脂にデータを記録しているCDの寿命は10年と言われてますが、
1995年のCDなので20年も経ってるため、それも仕方ないです。
日本語ラップに対する興味が薄れた今でも、青春の曲なので残しておきたくて、
リマスタリング盤を買うことにしたのですが、他のCDも軒並み10年以上経つし、
数百枚全てを買いなおせるはずもなく、いつダメになるか戦々恐々です。
一応大切なものはパソコンに取り込んであるけどね。
当時はCDは一生ものだと思って買い漁ってたのですが…。

ちなみに当時ボクが好きだった日本語ラップグループのTOP5は
キングギドラ、BUDDHA BRAND、RYHMESTER、KICK THE CAN CREW、
NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDで、この辺は今でもよく聴きます。
ということで、今日は好きなラッパーTOP5を語る映画の感想です。

トップ・ファイブ
Top Five

2015年5月27日リリース。
クリス・ロックが監督・脚本・主演を務めたコメディ。

シリアスな俳優路線に転向しようとしていたコメディアンのアンドレは、セレブ婚約者との結婚式がTV中継されるのを機に、主演映画を宣伝しようと計画する。イメージアップのためにNYタイムズの女性記者チェルシーから取材を受けるが、かつてリアリティショーやラジオで人気を博したコメディへの想いを問われ迷いが生じていく。やがて、彼女の自然体で飾り気のない生き方に影響されたアンドレは、過去の自分と向き合おうとするが……。(シネマトゥデイより)



『アダルト・ボーイズ』シリーズなどでお馴染みのコメディ俳優クリス・ロックが、
監督と脚本も務めた主演作ですが、完全にアフロアメリカン向け映画なので、
やはり日本での劇場公開は見送られてしまいました。
まぁクリス・ロックの出演作はことごとくビデオスルーになっているので、
日本での知名度はほとんどないので、アフロアメリカン向けじゃなくても
彼の主演作が劇場公開されることはあり得ないかな。
全米ボックスオフィスも初登場4位と微妙な成績だったので、
ビデオスルーすら危ぶまれてもおかしくない作品でしたが、
続編にも言及されるほど評判はよかったみたいなので、
日本でも思い切ってビデオスルーしてくれたのかもね。
でもアフロアメリカン向けの本作を日本人が楽しめるかどうかは微妙です。
ブラックカルチャー、特にHIPHOPに興味がある人なら楽しめそうだけど…。

過去には『ヒップホップ・プレジデント』(もちろんビデオスルー)などでも
主演・監督・脚本を務めたクリス・ロックですが、
今回取り上げるネタは自身の出自でもあるスタンダップ・コメディです。
元スタンダップ・コメディアンで、コメディ映画に出演して大人気になった主人公が、
コメディを卒業して本格的な俳優になろうとする物語ですが、
そう聞くとなんとなく、ヒーロー映画出身の俳優が演技派俳優になりたいと
悪戦苦闘する姿を描いたブラックコメディで前年度のオスカー作品でもある
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を思い出しますね。
本作もそんな感じの作品なのかなと思っていたのですが、全然違いました。

クリス・ロック自身も「スタンダップ・コメディのネタを映画にした」と言っていますが、
「コメディ俳優あるある」を詰め込んだようなコメディ映画です。
なので何本ものネタをただ繋ぎ合わせただけのような印象で、
物語はないに等しく、一本の映画としての面白味はあまり感じられません。
個々のネタについては面白いものもないわけではないが、
黒人差別ジョークとか、やはりアフロアメリカン向けのネタなので、
黒人客にはウケるでしょうが、日本人としては苦笑するしかないです。
タイトルの『トップ・ファイブ』の意味も、黒人の中で流行っている(?)
歴代HIPHOPアーティストのTOP5を言い合う遊びから付けられてますが、
本作はそんな黒人の内輪ノリで書かれた映画って感じです。
まぁクリス・ロック自身が身近な出来事をネタにしているため、
コメディ俳優というかハリウッドセレブの日常を垣間見れるので、
映画ファンとしは多少興味深いところもありますけど…。
以下、ネタバレ注意です。

スタンダップ・コメディ出身の黒人コメディアン、アンドレ・アレンは、
コメディ映画にも進出し、『ハミー・ザ・ベア』シリーズが大ヒットして、
タイム誌から「アメリカ一愉快な男」に選出される人気スターになります。
しかし本人はコメディを卒業し「もっと啓発的な作品に出演したい」と考え、
奴隷反乱ハイチ革命の革命家ブークマンの伝記映画『蜂起』に出演し、
その公開が週末に迫っているため、プロモーションに躍起です。
でもファンは彼に深刻な役を望んでおらず、『ハミー』の続編を心待ちにしています。
演じたい役と望まれる役が違うことはありがちな話ですよね。
ボクは山田孝之のファンだけど、彼のコメディ映画を観て好きになったので、
最近のシリアスな役の多い彼には「なんだかなぁ」と思いますが、
彼はもともとコメディ映画が好きじゃないようなことも言ってるんですよね。
なのでアンドレのファンの気持ちもよくわかるのですが、
ちょっと不思議なのは『ハミー』で大人気になったことです。
その作品は『テッド』みたいにクマのハミーが大活躍するコメディなのですが、
ハミー役がアンドレで着ぐるみで出演してるんですよね。
ハミーが人気キャラなのはわかるけど、顔も出てない中の人も人気者になるかな?
街中でもアンドレは気付かれた人々から「ハミー」と呼びかけられるけど、
セス・マクファーレンを見かけても「テッド」なんて呼びかけませんよね。

『蜂起』が公開される週末には、LAでアンドレの結婚式も予定されています。
結婚相手はリアリティ番組で人気のエリカ・ロングなので、
結婚式にもリアリティ番組の撮影が入るのはもちろん、
アンドレのバチェラーパーティにも撮影班が密着し、
さらに彼女は新婚旅行までテレビ局に売ろうと思っています。
さすがリアリティ番組の出演者だけあってプライベート売りまくりです。
アンドレはこんな女性の何がいいのか不思議ですが、
まぁ結婚は映画の話題集めになるかもしれませんね。
ただマスコミは映画よりも結婚の話題ばかり取り上げてしまうようで、
あまりプロモーションにはならないみたいです。
日本でも映画とかドラマのスタートに合わせて話題集めのために
熱愛報道などゴシップネタを流すことがありますが、
そんな宣伝に頼る作品の出来なんて推して知れるし、逆効果だよね。

NYでのプロモーション中、アンドレはNYタイムズから密着取材を申し込まれます。
NYタイムズの映画批評で、ジョーンズという記者からいつも叩かれている彼は
あまり乗り気ではありませんが、『蜂起』の宣伝になるかもしれないし、
担当記者もチェルシーという美人記者なので了承することに。
ところがチェルシーは全然映画のことは質問してくれず、
やはり結婚のこととか、彼が断酒中のこととか、プライベートな質問ばかりで…。
まぁ彼女も『蜂起』なんて誰も期待してない映画は興味ないのかな。
でもアンドレがブルース・ブルースに紹介された娼婦から、
レイプで訴えられた話は興味津々で、彼自身には関心があるみたいですが、
どうやらスタンダップ・コメディアン時代のファンのようです。

そんな彼女と映画談議をするシーンも多いですが、
アンドレはビル・マーレイやチャップリンを尊敬しているみたいですが、
白人の名前が挙がってくるのは少し意外でしたね。
黒人ではエディ・マーフィをマイケル・ジャクソンより上だと評しますが、
この評価もかなり意外な気がすますが、どうやらアンドレ演じるロック自身が、
エディ・マーフィに見初められて映画デビューしたらしいので、
その敬意を役に代弁させているのでしょう。
『猿の惑星』を「黒人が世界を乗っ取る映画で人種差別的」と言いますが、
それもロック自身が本当に思ってることなのかもしれません。
ただ『猿の惑星』が人種差別的なのは間違いないけど、
黒人差別ではなく日本人差別を描いているんですけどね。
でも『猿の惑星』の公開翌日にキング牧師暗殺があったという話は初耳で、
「暗殺犯が映画を観た」という説は飛躍しすぎですが面白いです。
これぞスタンダップ・コメディのネタって感じですよね。

アンドレは実家のある公営団地によることにします。
実家では幼馴染が集まって、TOP5談義に花を咲かせます。
アンドレのTOP5は、JAY-Z、ナズ、スカーフェイス、ラキム、ビギー。
たぶんロック自身のTOP5でもあると思うけど、意外とベタですね。
JAY-Zは本作の音楽プロデューサーも務めています。
仲間からは他にもフリック・リック、ケイン、KRS・ワンはTOP5に外せないなど、
大盛り上がりですが、こんなTOP5談義はやる分には面白いけど、
傍から聞いてる分には不毛な議論で全然面白くないですね。
黒人キャストだらけの本作の撮影中も、TOP5談義ばかりしていたそうで、
それが高じて本作のタイトルになっちゃったとか…。
黒人のHIPHOP好きは本当に凄いんですね。

ホテルで『蜂起』のプレス会見が行われますが、
集まったマスコミも「ハミーは出ますか?」とか「ハミーの続編は?」とか、
『蜂起』には関心のない質問ばかりで、アンドレもウンザリです。
会見後、ホテルのロビーで密着記者チェルシーの恋人ブラッドに遭遇。
どうやら彼はおホモだちとホテルで過ごしていたみたいで、
チェルシーは恋人がゲイだったことにショックを受けます。
まぁ普段からプレイ中に「ケツに指入れて」とか言われていたので、
薄々は勘付いていたみたいですが、ついに破局します。
その後、慰めてくれたアンドレといい雰囲気になって…。
しかしアンドレがチェルシーからケータイを借りるのですが、
つい彼女の上司(編集長)からのメールを読んでしまうのです。
そこには「ジェームズ名義の批評はまだか?」と書かれていて…。
アンドレの映画を酷評していたNYタイムズの記者ジェームズは
チェルシーの別名義だったことに気付いて激怒し、彼女を置いて去ります。
まぁ騙されていたのは気分悪いだろうけど、
酷評にいちいち腹を立てているようではアンドレもダメだね。
と言いたいところですが、彼女の批評は確かに酷いです。
「ビン・ラディンも裁かれたがアンドレはいつ裁かれる?」
「彼の映画は人類に対する犯罪だ。」って感じの痛烈な酷評で、
映画を酷評することも多いボクもさすがにそこまでは書いたことがないけど、
それを影響力の絶大な紙面で書くんだから恨まれても当然か。
『ハミー・ザ・ベア』シリーズはたしかに陳腐なコメディ映画っぽいけど、
ビン・ラディンと並ぶ犯罪者扱いされるような映画ではなさそうなのに…。

チェルシーと別れたアンドレは『蜂起』公開初日の映画館に行きますが、
そこには長蛇の列が出来ていて…。
しかしそれはタイラー・ペリーのコメディ映画『BOO』の客の列で、
案の定『蜂起』は公開初日から悲惨なほどガラガラ…。
それにしてもタイラー・ペリーの映画は本当に人気があるんでしょうね。
やはりアフロアメリカン向けコメディなので日本では全然公開されないばかりか、
ビデオスルーにもならないのでボクもほとんど観たことがないけど、
ボックスオフィスでいつも2位とか3位なので気になります。
客入りにショックを受けたアンドレは断酒中なのに酒を買いに行ってしまうが、
酒屋で「ハミー・ザ・ビア」なる酒を見つけてブチギレ、店内で大暴れするのです。
断酒中に自分の映画が勝手に酒とコラボしていたと知ったら、そりゃ怒るよね。
アンドレは通報されて留置所に入れられてしまいますが、
式を間近に控えた婚約者エリカも大激怒です。
結婚をリアリティ番組に売った彼女にしたら、新郎が前日に逮捕されるなんて、
逆に美味しいネタな気もするのですが…。

アンドレはすぐに保釈され、エリカの言付け通りバチェラーパーティに出席。
そこには友人のアダム・サンドラーやウーピー・ゴールドバーグも出席しています。
こんな豪華なバチェラーパーティだったら、テレビ局も撮影したくなるよね。
でも撮影なんてされたらハメも外せないし、あまり楽しくなさそうです。
パーティにチェルシーも来て、アンドレに謝罪します。
どうやらスタンダップ・コメディ時代のファンだった彼女は、
映画進出してからのアンドレに不満があったみたいで、
なぜ昔の輝きを失ったのか知りたくて密着取材したみたいです。
これまでの酷評もファン心理の裏返しだったわけですね。
アンドレはスタンダップ・コメディ時代は、酒を飲んでステージに立ってましたが、
断酒したことでシラフで客を笑わせられる自信がなかったらしく、
コメディを卒業したいと思ったのもそれが原因みたいです。

その後、アンドレはチェルシーを連れてコメディ・セラーに行きます。
明日のスターを夢見るスタンダップ・コメディアンが鎬を削る演芸場です。
彼はステージに飛び入り参加し、十数年ぶりにネタ披露しますが、
シラフでも客は大ウケで、「まだイケる」と自信を取り戻すのです。
まぁ正直、ボクはあまり面白いネタだとは思えなかったけど、
日本人はアメリカ人とは笑いの文化が全く違うので、
あまりスタンダップ・コメディを面白いとは感じないのも仕方ないかな。
なぜアンドレが再びステージに立つ決心をしたかというと、
留置所にいた時に、隣の牢に入っていたDMXと交わした会話の影響です。
DMXは「型に嵌ることに逆らう君をリスペクトしている」と言ってくれ、
「俺もラップに飽きたから別の面を見せたい」と
チャップリンの「スマイル」を歌うのですが、これが聴くに堪えない下手さで…。
DMXのラップが大好きだったアンドレも唖然とした様子で、
たぶん「別の面を見せるのはダメかも」と思い、自分の現状を客観視し、
自分の土俵であるコメディをもう一度頑張ろうと思ったのでしょう。

ステージを大成功させ、チェルシーを自宅に送ってあげるのですが、
別れ際にアンドレは彼女に「君のTOP5は?」と尋ねます。
彼女は、ソルト・ン・ペペ、ア・トライブ・コールド・クエスト、ザ・ルーツ、
パブリック・エナミー、カニエ・ウエストと答えますが、
なかなか個性の出たTOP5だとは思ったものの、この流れだったら、
そこにアンドレの名前でも出てくるものと思ったので意外な答えでした。
まぁアンドレはHIPHOPアーティストじゃないから当然といえば当然ですが、
それならラストでこんな質問をする意味もわからないし…。
ちなみにカニエも本作の音楽プロデューサーです。

チェルシーと別れた後、結婚式のあるLAに向かう途中、
婚約者エリカが選んだギフトバッグを確認すると、ウォッカが入っていて、
断酒中のアンドレは呆れてしまい、LAに向かうのをやめて、
チェルシーの家に引き返し本作は終了します。
中身がないと思った割には、感想もけっこう書けました。
思い返してみると、思ったよりはストーリーもちゃんとあったのかも。
でもやっぱりそれほど面白かったわけではないかな。
まぁ「人類に対する犯罪」と思うほど酷くもなかったけどね。
前述のように続編も計画されているみたいですが、本作の続編よりも、
何気に面白そうだった劇中劇『ハミー・ザ・ベア』を長編化してほしいです。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1541-d76f968b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad