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天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬

梅田ブルク7に映画を観に行った時に、本編上映前の新作告知で、
『GAMBA ガンバと仲間たち』というCGIアニメの予告編を観ました。
全く内容は明らかになってませんでしたが、
『STAND BY ME ドラえもん』や『もののけ島のナキ』の白組が手掛けるらしく、
きっと面白い作品に仕上がるに違いないと期待してしまいます。
日本のピクサーこと白組には、ジブリ不在の日本アニメ映画を牽引してほしいです。
(ポスト宮崎駿の細田守監督の『バケモノの子』は全然面白そうじゃないし…。)
ただ、現在放送中の白組が手掛ける深夜アニメ『えとたま』は、
単なるハーレムアニメで「なんだこれ?」と思っちゃいました。
せっかくの日本最高峰のCGI技術を無駄遣いしている印象です。
やはり白組が凄いんじゃなくて、白組所属の山崎貴監督が凄いだけなのかな?

ということで、今日は梅田ブルク7で観たアニメ映画の感想です。
最先端のCGIアニメとはある意味真逆のFLASHアニメですが、
これを観るとアニメの面白さに映像技術は関係ない気もします。

天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬
天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬

2015年5月23日公開。
赤塚不二夫の代表作『天才バカボン』をFROGMANが長編FLASHアニメ化。

天に召されるネロとパトラッシュ。ところが突然、天使の手を振り払ったネロとパトラッシュは悪の手先となって復活し、自分たちを不幸な状況に追い込んだ人間たちへの復讐(ふくしゅう)を誓う。そんなネロとパトラッシュの暴挙を止めるべく、バカボン一家が立ち上がる。(シネマトゥデイより)



TOHOシネマズでもお馴染み『秘密結社鷹の爪』を手掛ける
FLASHアニメ職人FROGMANの最新アニメ映画ですが、
なんと今回は国民的アニメ『天才バカボン』をアニメ映画化しています。
『天才バカボン』は意外にも(?)今回が初の映画化らしいのですが、
まさか初めてがFLASHアニメになるとは、故・赤塚不二夫もビックリでしょう。
しかもまさかの別アニメ『フランダースの犬』とのクロスオーバーですが、
原作者が亡くなっているのをいいことに無茶苦茶しすぎだろ、
と思いながらも、無茶苦茶こそFLASHアニメの醍醐味だったりするので、
何気に楽しみにしていました。

全く接点がないと思われる2本のアニメをクロスオーバーするなんて、
権利関係をよくクリアできたものだと感心します。
フジオプロを説得するのは楽勝でしょうが、
日本アニメーションがよくこの企画に乗ったものだと…。
感動作として名高い『フランダースの犬』をギャグアニメにするなんて、
下手すればオリジナルの評価も下げかねないリスキーな企画で、
権利者としては茶化されたくないと嫌がりそうなものですけどね。
ただ、やはりFROGMANだから許可してくれたのかも。
5作ある『秘密結社鷹の爪』の劇場版もギャグアニメでしたが、
不意に泣かされるようなところもあり、けっこう感動作だったりするんですよね。
本作もベースはギャグアニメですが、油断してたら泣かされます。
本作が『フランダースの犬』を茶化しているのは間違いないけど、
けっこういい話なので、オリジナルのイメージを損なうこともないです。

…なんて書いてますが、実は『フランダースの犬』は見たことがないんですよね。
ネロとパトラッシュが天に召されるラストシーンは、
テレビ番組なので何かにつけて取り上げられているので、
なんとなく知った気にはなってるのですが、本放送は見てませんでした。
日曜夕方に放送されていた、いわゆる「世界名作劇場」の第一作目ですが、
本放送当時はボクもまだ生まれてなかったので見れるわけないけど、
その後、なんどかされたであろう再放送も見る気になれませんでした。
ラストシーンの方を先に知っちゃったので、主人公が死ぬ可哀想なアニメなんて、
子供心に見たいとは思わなかったんですよね。
ボクも「世界名作劇場」の後半の作品はいくつか見ていましたが、
親がいないとか主人公が可哀想な物語は嫌いでしたからね。
(一番好きなのは『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』です。)
なので最後にネロが死んだことは知っているのですが、
なぜ死ぬ羽目になったのかとか、死の経緯はあまり知らず、
本作を観る上ではちょっと不利だったかもしれません。

一方『天才バカボン』の方は、『平成天才バカボン』は本放送を見てたし、
『元祖天才バカボン』も再放送で見た記憶があります。
でも『レレレの天才バカボン』はパパの声優が俳優・小倉久寛になり、
それがイマイチしっくりこなかったので数話しか見てません。
本作ではパパの声をFROGMAN自ら担っていますが、違和感はないです。
違和感がないというか、むしろFROGMANのFLASHアニメでは
彼が一人で主演含め何役も担うのが当たり前なので、これが自然です。
今回はバカボンやネロなど主要キャラを他の人に委ねすぎなくらいです。
でも台詞は、「パパがこんなこと言うかな?」と思うところも若干あり、
特に微妙な駄洒落が多かったのは少し気になったかな。
以下、ネタバレ注意です。

ダンテ率いる悪の秘密結社「インテリペリ」が、
森羅万象百年先まで予測できるコンピュータ「オメガ」を開発しますが、
完成には世界中のあらゆる情報を入力する必要があります。
ところが、世界中でただ1人だけ、どうしても名前のわからない人物がいて、
情報を網羅することが出来ず、オメガを完成できません。
その人物こそ、バカボンのパパでした。
たしかに彼は「バカボンのパパ」としか名乗らないし、本名は不明ですね。
でも何気にバカボンのママや本官さんの本名も知らないのですが、
インテリペリはそこはちゃんと調べられたんですね。

インテリペリは税務署の職員のふりをした手下を送り込んだりして、
パパ本人から本名を聞き出そうとしますが、ことごとく失敗。
ダンテは「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」と考え、
息子バカボンから父親の名前を聞き出す作戦に変更します。
そして子供のバカボンと仲良くなって父親の名前を聞き出すには、
子供を送り込むのがいいだろうと考え、地獄からネロを復活させるのです。
ダンテの側近のレスターなんて、どう見ても子供だし、
こいつを使えばいいだろと思いましたが、吉田くん並みに馬鹿そうなので、
こいつには無理だとでも思ったのかな?

復活させられたネロとは、もちろん『フランダースの犬』の主人公ネロですが、
彼は村人から誤解され、全てを失い、寒い夜に教会のルーベンスの絵の前で、
愛犬パトラッシュと共に力尽き、天使に迎えられた天国に行った、
…と思われていましたが、実は村人からの仕打ちを恨み、
人間への復讐心から悪魔化し、地獄に堕ちていたみたいです。
前述のように『フランダースの犬』を見てないので、
ネロがどんな仕打ちを受けたのかしらないけど、
村人から誤解されて全てを奪われて非業の死を遂げたのであれば、
悪霊化するのもやむを得ないかもしれませんね。
むしろ村人を恨むこともなく安らかに天国に行ったこれまでのネロの方が、
ちょっと聖人すぎてあり得なかったかもしれません。
ダンテはネロと、ついでにパトラッシュも復活させますが、
地獄から悪魔(死人)を呼び出せる力があるなら、
オメガなんて完成しなくても世界征服できるような…。

死の経緯から、人間の悪徳に対して強い怒りを持つネロに協力させるため、
ダンテはインテリペリは世界に蔓延る悪徳をリセットするための組織だと騙します。
その理念は世界平和のために世界征服を企む秘密結鷹の爪みたいですね。
パパはネットに匿名で他人の悪口を書きまくっている悪人だと嘘を教え、
懲らしめるために本名を調べて晒してやろうとネロに持ちかけます。
ネロも「特に匿名掲示板で人の映画を貶すような奴は許せませんからね」と同意し、
バカボンに近づき、パパの本名を聞き出す役目を引き受けます。
掲示板じゃないしコテハンだけど、ネットで映画を貶すこともあるボクとしては
ちょっと耳が痛いですが、悪口と酷評は違う…よね?

ネロはバカボンの通うボケナス小学校に転校生としてやって来て、
バカボンに接近し、パパの名前を聞いてみますが、彼は「忘れちゃった」と…。
バカボンはバカなので親の名前を忘れることもありそうですが、
これはクライマックスの伏線で、本当は忘れたふりをしてるんですよね。
ネロはなんとかパパの名前を調べようと、放課後もバカボンと行動しますが、
下校したバカボンはパパが地球を逆回転させる計画を手伝っていて、
ネロもそれを手伝うことになるのです。
パパは『元祖天才バカボン』のOP曲のように、太陽を西から昇らせたいので、
地球を逆回転させたらしいですが、そんなこと出来るはずもなく…。
無駄だと思いながらも手伝うネロでしたが、バカボン父子と交流するうちに
パパは無茶苦茶だけど悪人ではないんじゃないかと思い始めます。
太陽を西から昇らせたいのも単なるバカな思い付きではなく、
父親紹介の授業で「パパは毎日自由に楽しく遊んでいる」と発表したバカボンが
同級生たちから「お前のパパはロクデナシだな」と笑われたと聞いたパパは、
「どこのパパにも出来ないことをしてやるのだ」と息子と約束し、
それが太陽を西から昇らせるということだったというバカだけど感動的な秘話が…。
まぁ実社会では無職の父親なんてロクデナシには違いなく、
同級生の発言も的を射ていると思うけど、少なくとも息子想いの父親です。

その同級生のガキ大将・西河内ですが、
ベルギー人でペットを連れて学校に来ているネロにも目を付け、
タマゴをぶつけたり、スケッチブックを取り上げたりしてイジメます。
外国人なのは仕方ないけど、犬連れで登校したら悪目立ちしますよね。
まぁネロの正体は悪魔なので、そんなことをしてヤバいのは西河内の方ですね。
ネロから取り上げたスケッチブックを見た西河内は、
そこに描かれた時代錯誤なベルギーの風景を見て、
ネロとパトラッシュが『フランダースの犬』の登場人物だと気付きます。
本物のネロとパトラッシュではなく、そのふりをしている異常者だと思ったみたいで、
学校で言いふらし、ネロは同級生や教員から異常者扱いを受けるのです。
この世界では『フランダースの犬』は出版され、アニメもあるみたいですが、
『天才バカボン』は出版も放送もされてないのかな?

バカボン以外の同級生から異常者扱いを受けたネロは、
村人から受けた仕打ちを思い出し、「人間は弱い者を叩いてばかり」とブチ切れ、
悪魔の姿に変身し、東京上空で旋回し始めます。
その悪魔姿が恐竜みたいな感じで意外過ぎましたが、
もうちょっとネロの面影を残したデザインにしてほしかったですね。
それを見たインテリペリ総帥ダンテは作戦を変更し、
「パパの名前を教えなければ悪魔が東京を火の海にする」と声明を発表します。

時を同じくして、田辺総理が内閣情報局の大沢局長と共にバカボン宅を訪れます。
内閣情報局はインテリペリがオメガを開発しているという情報を掴んでいて、
それを完成させないために局員の神田をパパの元に送り、
名前を絶対に誰にも教えないように説得、監視していましたが、
政府は未来が予測できるオメガは日本の安全保障に役立つと考えを改め、
ダンテと取引し、パパの名前と引き換えにオメガを一台譲ってもらおうと、
パパの名前を聞き出しに来たのです。
パパは勿体ぶりながらも、総理に名前を教えてあげます。
名前を聞いた総理は「なるほど、灯台下暗しだな」と言いますが、
まだこの時点では観客には明らかにしてもらえません。
灯台下暗しな名前って一体どんな名前なんだろうと気になりますね。

そんな折、ダンテ総帥から例の声明が発表され、
天才のハジメちゃんがインテリペリ本部への侵入作戦を立案します。
パパとバカボンが警備が手薄な本部裏口から侵入し、
ダンテのいる指令室にあるオメガに爆弾を仕掛けるという作戦です。
作戦通り指令室に突入したパパとバカボンは、元の姿のネロと再会します。
自分がインテリペリの手下だと知って幻滅したかと問うネロに、
バカボンは「初めから知っていた」と答えるのです。
それ以前に内閣情報局・神田から注意されていたので、
パパの名前を聞いてくるネロは怪しいと思ったみたいですね。
バカボンはバカなふりして、それほどバカじゃないです。
「正体を知っていたけど、友達になりたいと思った」と言うバカボンに
ネロは「君ともっと早く出会っていれば…」と言いますが、
すでに悪魔化してしまっているのでもう手遅れで、
ネロは再び悪魔の姿になり、東京の一部を焦土と化します。

ダンテに殺されそうになるバカボンを救うため、
パパはダンテに名前を教えることにします。
パパの名前は…「バカヴォン」。
なるほど、たしかに総理が言うように灯台下暗しですね。
なにしろ名前が堂々とタイトルに入ってたんですからね。
ただボクは昔からパパの名前もバカボンだと思ってました。
バカボンのパパとは、ムーミンパパと同じで、
バカボンSr.って意味じゃないかと思っていたので。
まぁ「ボ」じゃなくて「ヴォ」だとは思いませんでしたけど。
…と思ったら、その名前を入力したオメガは暴走し爆発。
どうやら「バカヴォン」も嘘の名前だったみたいです。
考えてみたらそれはそうで、パパの本名は赤塚先生が墓まで持って行ったのに、
原作者以外の人が勝手に命名していいはずないです。
というか、パパの本名なんて赤塚先生も決めてないと思いますしね。

街で暴れるネロを説得に向かったバカボンでしたが、
ネロは友達の言葉にも聞く耳を持たず、バカボンを攻撃し始めます。
さすがのバカボンも泣きが入り「パパ、助けて!」と叫ぶと、
パパは西に向かって立ち尽くし、一言「これでいいのだ」と…。
するとパパの体が光の柱に包まれ、なんと西から太陽が昇るのです。
なぜ急に西から太陽が昇ったのか、論理的な説明は一切なく、
本来なら全く納得できない展開ですが、なぜか不思議な説得力を感じます。
なんでしょうね、「これでいいのだ」という言葉の魔法なのかな。
なんだか「そうか、これでいいのか」と思ってしまいます。
ネロもあまりの事態に正気に戻り、「こんなバカなことって…」と呟きますが、
パパは「世界はバカなことばかり。でも、これでいいのだ」と言い、
ネロもよくわからないまま妙に納得してしまうのです。
そして西陽から天使がやってきて、ネロを天国に導きます。
インテリペリの野望も阻止でき、ネロも天に召されて、めでたしめでたし。

正直、無茶苦茶な展開なのに、なぜこんなに感動してしまうのか、
よくわかりませんが、とにかく妙な充実感に満たされるラストでした。
そしてエンドロールで流れるクレイジーケンバンドの「パパの子守唄」が、
またよくわからないけど胸に沁みる超名曲で、ボロボロ泣けます。
(CD化されたら絶対買うのに今のところ配信のみで残念…。)
後日、ボケナス小学校に、お母さんを探して三千里も世界を旅している最中の
転校生がやって来ますが、それはまた別のお話です。
…いや、マルコが登場するかどうかは別にしても、
ホントに続編があったらいいなと思っちゃいますね。
FLASHアニメだから今回の素材を流用したら簡単に作れそうな気も…。

そんな『母を訪ねて三千里』や『フランダースの犬』など、
「世界名作劇場」を制作した日本アニメーションから、
「世界名作劇場」の劇場版とも言えるような新作アニメ映画が公開されます。
7月4日公開の『シンドバッド 空とぶ姫と秘密の島』で、
何でも三部作の一作目になるみたいです。
面白そうな気もしますが、イオン配給のためイオンシネマでの公開となり、
同劇場が近所にないボクは観に行けそうになく、
ビデオリリースまで待つしかなさそうです。
てか、テレビで「世界名作劇場」を復活させたらいいのにね。
どうせフジテレビの日曜日のゴールデンタイムなんて、
クソ面白くないバラエティで視聴率も取れないんだから、
当時みたいに『サザエさん』の後にでも放送したらいいのに。

関連作の感想
秘密結社鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jpは永遠に~
鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス
鷹の爪7 女王陛下のジョブーブ

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