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メイズ・ランナー

全米公開中の大注目作『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』が、
ボックスオフィスで公開3週目にして早くも首位陥落です。
しかも一気に3位転落で、今週末日本公開の『ピッチ・パーフェクト』の続編と、
来月日本公開の『マッドマックス』に敗れてしまいました。
現時点で今年最大のヒット作なのは間違いありませんが、
最終興収は4億5000ドル程度に留まりそうで、6億ドル越えの前作には遠く及ばず、
『アイアンマン3』に毛が生えたほどの成績で終わりそうな予感です。
アメコミ映画は先のことを発表しすぎなのがよくないのかも。
どう考えたって『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』よりも
来年公開の『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』の方が盛り上がりそうだし、
そんなのが先に控えていたら、『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』なんて
前座扱いになっちゃって盛り上がりませんよ。
しかも『アベンジャーズ』シリーズは2019年までスケジュールが発表されてて、
ある程度のファンじゃないと「付き合い切れない」と思ってしまいそうです。

ということで、今日は2017年まで続編のスケジュールが決まっている
全米初登場首位作品の感想です。

メイズ・ランナー
The Maze Runner

2015年5月22日日本公開。
ヤングアダルト小説原作のSFアクションスリラー。

そびえ立つ壁や毎晩変化する構造を持つ謎の巨大迷路に月に1度、自分の名前以外何も覚えていないランナーが送り込まれてくる。やがて団結し始めた彼らは迷路の仕組みを調査し脱出法を見いだそうとするが、迷路の扉が閉まる夜までに帰還しないと命の保証はない。生き残りを懸け巨大迷路に隠された謎を解き明かそうとするランナーたちの運命は……。(シネマトゥデイより)



本作はアメリカでベストセラーとなったヤングアダルト小説の映画化ですが、
他のYA原作映画同様、一作では完結しません。
本作は原作が三部作だったので、映画も三部作構想になっています。
なので三作も付き合う気がないなら、端から観ない方がいいかも。
それにYA原作映画は何部作構想で製作されても、
一作目がコケて続編が頓挫し、物語半ばで中途半端に終わる例も少なくないので、
(例えば『シャドウハンター』や『ヴァンパイア・アカデミー』など。)
出来れば何部作構想で製作せずに、一作目だけは一話完結にして欲しいです。
本作の場合は運よく一作目(本作)が全米一位となり、
問題なく二作目が製作され、ほぼ完成しているみたいですが、
まだ二作目の成績次第では完結編の三作目が製作されるか楽観できません。
たぶん大丈夫だとは思いますが、続編がまたヒットしたらしたで、
三部作が前後篇になったり、四作目、五作目と引き伸ばしが行われるんですけどね。
ちなみに本作の原作は三部作終了後に前日譚も執筆されており、
実質五作目まであるみたいなので、映画も三部作で終わるとは思えません。
三部作で終わるとしたら、二作目で及第点を取り、三作目でコケた場合ですね。

あまり何部作構想とか謳うと、客も最後まで付き合うのが面倒に感じるので、
日本では続編に続くことを悟られないように宣伝するのが一般的ですが、
本作は宣伝や予告編で三部作であることをちゃんと表明していることからも、
三部作を全うできるという自信が窺えます。
ただ三作目まで製作されたからといって、それが全て日本でも上映されるかも疑問。
全米でいくらヒットしても、日本でもヒットしなければ次回からはビデオスルーです。
特に本作を配給する20世紀フォックスは日本での配給に後ろ向きなので、
本作がちょっとでも成績が悪ければ、二作目の劇場公開は危ういかも。
なにせ世界的大ヒット作『ヒックとドラゴン2』ですらビデオスルーにする会社ですから。
ただでさえ日本はYA原作映画がヒットしにくい国だし…。
ボクは初日に観に行きましたが、あの客入りはちょっとヤバいかも…。
…いや、三部作を表明しているわりには入った方かな?

ボクもそんな不安定なYA原作映画はあまり好きじゃありませんが、
洋画ファンとしては全米一位の作品を見逃すわけにもいかず、
半ば義務感のような気持ちで観に行きました。
でも予想以上に面白かったかもしれません。
他のYA原作映画よりも比較的楽しめた気がします。
それはたぶん、『ハンガーゲーム』や『ダイバージェント』など、
YA原作映画は女性主人公が主流なのに対し、本作の主人公は男です。
なので男のボクとしても、感情移入がし易いのかもしれません。
まぁちょっと設定的に主要登場人物がほぼ男という、
『遊星からの物体X』を彷彿とさせる男臭さ、暑苦しさがありますが、
多くのYA原作映画の欠点は、すぐにロマンスを絡めようとすることなので、
まるで男子校のようなロマンスが起こりにくい設定の本作は好印象です。
以下、ネタバレ注意です。

高校生くらいの少年トーマスは、何者かに記憶を消された状態で
ボックスと呼ばれるエレベーターに乗せられ、ある原っぱまで送られます。
そこは巨大なメイズ(迷路)の真ん中にあるグレードと呼ばれる場所で、
自分と同じようにして先に送られた少年たちがほぼ自給自足の生活しており、
ここのリーダーのアルビーは、トーマスを新入りとして仲間に迎えてくれます。
どうやら月一で新入りが必要物資と共にボックスで送られてくるそうで、
3年前に初めてここに送られたのがアルビーだったみたいです。
つまり最大で36人くらいここに送られてきたはずですが、
死んだ人も多いはずなのに意外と人数が多い気がしました。
どうも送られてくる人は人種を問いませんが、男だけみたいです。
まぁこんな閉鎖空間で男女が共同生活をすることになると、
いろいろややこしい問題が発生して、こんなに纏まらないでしょうね。
でもみんな多感なお年頃なのに、全く女っ気がないのは可哀想かも。

彼らも当然こんなところから脱出したいと思っていますが、
グレードの四方を高い壁に囲まれ、その壁のひとつには扉がついており、
扉の向こうには巨大なメイズが広がっているので簡単には脱出できません。
もちろん彼らも3年間、手をこまねいたわけではなく、ランナーと呼ばれる男たちが、
メイズの構造を地道に調べ、毎日出口を探しているのですが、
夕暮れになるとメイズの扉が閉まり、メイズ内にグリーバーという怪物が跋扈するため、
毎日夕暮れ前には調査を中断してグレードに引き返す必要があります。
しかも夜のうちにメイズの構造が変化してしまうんだから大変です。
とまぁ大まかに言えば、そんなメイズからどうやって脱出するかという、
『CUBE』みたいなシチュエーションスリラーですね。
…いや、命懸けで迷路を解くデスゲームものかな?

トーマスも脱出方法を考え、「壁を登ればいいのでは」と考えますが、
副リーダーのニュートは「蔦が壁の途中までしか生えてないから無理」と一蹴。
でも蔦を伝って壁を登りきるのは無理かもしれないけど、
グレード内の森の木でハシゴでも作れば楽勝で登れる気が…。
『進撃の巨人』の街を囲う壁なんかよりも全然低いですし。
おそらくこのメイズはギリシャ神話のクレタ島のラビリュントスがモチーフで、
(怪物グリーバーは差し詰めミノタウロスですね。)
迷路は高い壁で作られているだけで屋根はありません。
だからイカロスのように飛べば簡単に脱出できますが、
ダイダロスのように翼を作るのは無理だとしても、壁の上に立てたら、
出口を見つけるのは無理でも、メイズの構造を把握するのは簡単です。
なぜ3年間、誰もハシゴを作ろうとしなかったのか謎すぎますが、
たぶんそれは映像化したことで露見しやすくなる攻略法なのでしょう。
小説だったら「登れないほど高い壁」と書くだけで解決ですからね。
他にも長く監禁されているのに少年たちが小奇麗すぎるとか、
映像化したことでリアリティがなくなるところが多いですが、まぁ仕方ないか。

本当はランナーをしたいトーマスでしたが、農作業を任されます。
ある日、肥料を調達するためグレード内にある森に入ると、
ランナーのベンが「俺は見た、お前が悪い」と叫びながら襲って来ます。
慌てて周りの仲間がベンを押さえ込み、事無きを得ますが、
なんでもベンはメイズの怪物グリーバーに刺されたみたいで、
アルビー曰く、グリーバーに刺されると正気を失ってしまうらしいです。
でも後に明らかになる真実から言ってしまうと、アルビーの説は全く逆で、
皆ここに送られた時に記憶を消されているけど、グリーバーに刺されると
その記憶が蘇るみたいで、つまり正気を失うどころか正気に戻るのです。
つまりベンの「お前(トーマス)が悪い」というのは真実なんですよね。
実はトーマスは彼らをここに送り込んだ側の人間ですが、
彼ら同様、記憶を失っているので自覚はありません。
なぜトーマスも送り込まれたのかまでは本作で描かれていませんが、
それは二作目以降で明らかになるということかな?
可哀想にベンは夜のメイズに追放され、グリーバーに襲われて死んだようです。

夜のメイズに入ってないはずのベンがグリーバーに刺されるのは妙で、
昼間にもグリーバーが活動している可能性があることになります。
それを調べるためアルビーはランナーのリーダーであるミンホと2人で、
昼のメイズを調査しに入りますが、夕暮れになっても帰ってこず…。
しかし扉が閉まり始めた時、アルビーを担いだミンホが入口付近に戻って来るが、
どうも扉が閉まるのに間に合いそうもなく…。
アルビーはどうやらグリーバーに刺されたみたいで動けないようだけど、
刺された人はどうせ追放されるんだから、アルビーを見捨てれば、
ミンホは扉が閉まる前にグレードに戻れたはずなのに、考えられない判断です。
しかしもっと考えられないのがその様子を見ていたトーマスで、
なんと扉が閉まる直前、彼は2人を助けにメイズに飛び込むのです。
当然扉は締まり、3人は夜のメイズ内に取り残されることになりますが、
会ってまだ2日くらいの2人のためになぜそんなことをしたのか、
勇敢というよりも愚かな奴だと思ってしまいました。

メイズで一晩乗り切るしかない彼らは、とりあえずアルビーを隠そうとしますが、
そこにグリーバーが通りかかり、ミンホはアルビーを見捨てて逃げ出します。
そこで見捨てるなら扉が閉まる前に見捨てろよって感じですね。
トーマスは一人でアルビーを隠しますが、グリーバーに見つかり追い掛けられます。
誰も見たことがないグリーバーはどんな姿の怪物かと思いましたが、
蜘蛛と蠍を合わせて巨大にしたような感じというか、
『スターシップ・トゥルーパーズ』のアラクニドバグズっぽい印象です。
ちょっと在り来たりなデザインで面白味に欠けるかな?
それこそミノタウロスみたいな強烈な個性が欲しかったです。
グリーバーから追われたトーマスは、なんとメイズの構造が変化するのを利用して、
グリーバーを閉じる壁に誘い込み、壁で挟んで圧死させるのです。
そして見事に一晩乗り切り、再び開いた扉からグレードに戻りますが、
グリーバーを殺した男は初めてだそうで、ミンホからランナー入りが認められます。
ついでに昼にグリーバーの死体を調べると、どうやら人工的に作られた怪物で、
体内から筒状の機械を見つけ、それはメイズの出口の鍵かもしれないみたいです。

しかしグリーバーを倒したトーマスを英雄視する仲間がいる一方で、
グリーバーを殺したことで共存関係が壊れたのではないかと考える仲間もいて、
その代表格の男ギャリーは、トーマスを罰するべきだと主張します。
もう彼は脱出するのを諦め、グレードで平穏に暮らしたいと思っているようで、
見た目はガキ大将みたいな感じなのに、とんだ臆病者ですね。
そんなギャリーを演じるのはウィル・ポールターですが、
若手ばかりの本作で唯一知ってる俳優でした。
彼ほどガキ大将が似合う俳優もなかなかいません。

そんな折、月一のはずのボックスが早くも送られて来て、
中にはなんと初めての女の子の新入りが…。
男子ばかりの中に女子を放り込むなんて、猛獣の中に生肉を放り込むようなもので、
とんでもないことが起こるのではないかと思いましたが、意外とみんな紳士的で、
その娘テレサを取り合って争うような見苦しい展開にはなりません。
それはそれで不自然な気もしましたが、後に男子たちの経緯を知れば納得です。
おそらく彼らはみんな童貞で、恋愛経験すらなさそうなので。
ボックスには「彼女で終わり」というメモもあり、もうボックスは届かないみたいです。
もう今後物資はもちろん新入りの補充もなくなるわけですが、
女がいたら自分たちで新入り作れるだろって意味かと思ってしまった
下衆な自分にちょっと幻滅です。
まぁ実際なぜテレサで終わりなのかは明らかにされませんが、
どうやら彼女もトーマス同様、元は送る側の人間だったみたいです。

テレサのポケットにワクチンらしきものが入っていたので、
一か八かグリーバーに刺されたアルビーに投与することに。
ランナーになったトーマスはミンホと一緒にメイズに調査に入り、
鍵と思われる機械の反応に導かれるように奥へ進んでいくと、
行き止まりに到着しますが、鍵のお蔭でそこに新しい道が開きます。
でもグリーバーの棲み処かもしれないと考え、一度グレードに引き返します。
戻るとワクチンが効いたのかアルビーが目覚めていて、
やはり記憶が戻っているみたいで、トーマスを見た彼は
「お前は彼らのお気に入りだ」と言って青ざめるのです。
トーマスが送り込んだ側の人間だと思い出したみたいです。
そんな折、夕暮れになってもメイズの扉が閉まらなくなる状態となり、
夜になってグリーバーが数匹、グレードに侵入してきます。
そしてモブキャラたちを次々とぶち殺し、更にアルビーも浚われます。
なんとか20人ほど生き残りますが、トーマスはグリーバーから捥げた針を拾い、
アルビーのように記憶を取り戻すため自分に刺すのです。
たしかにグリーバーに刺されたら記憶は戻るのですが、
普通ならアルビーが記憶を取り戻したのはワクチンのお蔭と思うはずなので、
この時点でトーマスが自分に針を刺すのはおかしい気がします。
まぁすぐにワクチンも射つけど、普通ならワクチンを射つだけじゃないかな?

トーマスは自分が「WCKD計画」という送り込む側の人間だったと思い出します。
ここの少年たちは幼少期から何かの実験台にされていたみたいで、
このメイズ送りも実験のひとつで、トーマスとテレサも実験台でしたが、
実験を行う連中に気に入られて、実験を行う側になれたみたいです。
新しくグレードのリーダーになったギャリーは、トーマスとテレサを生贄にし、
グリーバーの怒りを鎮めようと考えますが、その案に反対する人もいて、
彼らはギャリー派とトーマス派に二分されます。
ギャリー派はグレードを出る気はないみたいですが、
トーマス派(13人くらい?)はメイズの例の新しい道を調べることにして、
数匹のグリーバーに遭遇し、何人か失いながらも新しい道を通り抜けます。
すると露骨に「EXIT」と書かれた出口を発見するのです。

その出口の扉を抜けると、中は監視室のようで、なぜか死体が沢山転がっていて、
更にWCKD計画の責任者を名乗る女性エヴァ・ペイジのビデオメッセージを発見。
ペイジ曰く、地球は太陽の影響で荒廃し、人々は飢餓に苦しみ、
更に「フレア」と呼ばれるウィルスが蔓延して、人類滅亡の危機らしいが、
そんな中でウィルスに耐えられる子供が生まれ、それがここの少年たちで、
WCKD組織は少年たちに幼少期から様々な実験をして、
なぜ彼らがウィルスに耐えられるのか、調査しているらしいです。
このメイズ送りも過酷な状況下での彼らを観察するのが目的のようですが、
どう考えても、この実験でウィルス耐性の謎なんて解明できるはずないですよね。
こんなの花粉症にならない人を猛獣の檻に放り込んで、
なぜ花粉症にならないのかを解明しようとしているようなものですからね。
メイズの存在は本作最大の謎だったわけですが、イマイチ納得できない説明です。
その説明の後、ペイジは拳銃自殺し、ビデオメッセージは終了します。

事実を知り呆然と立ちすくむトーマスたちですが、そこにギャリーが現れます。
結局ついて来たのかと思いきや、どうやらグリーバーに刺されており、
トーマスらに拳銃を向けて撃とうとします。
トーマス派のミンホがギャリーに槍を投げて刺し殺しますが、
その瞬間ギャリーも発砲し、トーマスの親友チャックが被弾し死にます。
もうミンホがチャックを殺したようなものですが、
ミンホってランナーのリーダーの割に色々残念な奴ですね。
それにしてもチャックやギャリーのような主要キャラが一作目で死ぬなんて、
ちょっと意外な展開でした。
その直後、武装した傭兵部隊が突入してきて、トーマスらを確保。
彼らは軍用ヘリに押し込まれて拉致されます。

…と思ったら、この傭兵たちはトーマスたちを救出に来たみたいで、
WCKD計画に敵対する組織の者なのかな?
出口の監視室の死体も彼らの仕業みたいです。
ただ、責任者ペイジは狂言自殺だったみたいで、
彼女が「フェーズ2に移行する」と言い、本作は終了します。
どうやら続編ではトーマスたちがヘリで連れて行かれた先で、
更なる実験を受けさせられることになるんでしょうね。
本作終了後の予告編を観る限りでは、
今度の舞台はメイズ(迷路)ではなく、砂漠(スコーチ)らしいです。
うーん、なんだかあまり面白そうな予感がしませんね…。
でも本作を観るまでは三部作かけてメイズ脱出する物語かと思ったので、
一作目でメイズ脱出して終わったのは、区切りがいいので良かったかも。
後引く展開じゃないので、ここで終わってもいい気もします。
トーマスやテレサの経緯など明らかにされてない謎はまだまだ多いけど、
気になるかと言われたら、それほどでもないですもんね。

でもなんだかんだで二作目『メイズ・ランナー/スコーチ・トライアル(原題)』も
観に行くことになると思うので、本作を復習のためにもう一度観なくて済むように、
今回は感想も詳し目に書いたので、長くなっちゃいました。
二作目は今年9月に全米公開、日本公開は未定です。

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