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ホーンズ 容疑者と告白の角

シネリーブル梅田とテアトル梅田は、毎週火曜がハッピーチューズデーで、
カード会員の料金が1000円になるお得な日です。
なのでシネリーブルかテアトルで観たい映画があれば火曜日に行きます。
今日も観たい映画があったのでシネリーブルに行ってきたのですが、
台風6号が大阪に接近していて天候が悪かったです。
台風が来るとわかっていたら観に行くのも諦めていたのに、
シネリーブルは三日前からネットで座席予約できるので、
予約した先週土曜日には台風が来るとは思わなくて…。
台風6号が発生したのはニュースで知っていましたが、
土曜日の時点ではもう少しスピードが遅い予定だったんだけどな。

でもまぁ台風というわりには風もそんなに強くなくて、
ちょっと強めの雨って感じだったので、傘一本で余裕で観に行けました。
グランフロント大阪が出来てからは、その軒下を歩いていけば、
ほとんど雨に降られることなく駅からシネリーブルまで行けるようになったしね。
グランフロントを買い物で利用したことはないけど、雨よけとして重宝してます。

ということで、台風の中観に行った映画の感想です。
ハッピーチューズデーなのに客も少なくて落ち着いて観られてよかったです。

ホーンズ 容疑者と告白の角
Horns.jpg

2015年5月9日日本公開。
ダニエル・ラドクリフ主演のダークファンタジー・スリラー。

恋人メリン(ジュノー・テンプル)を何者かに殺害された上に、容疑者にされてしまったイグ(ダニエル・ラドクリフ)。苦しい日々を過ごす中、彼の額に突如として角が生えだす。次第に太く大きくなっていく角に恐れおののくイグだったが、その角にどんな相手であろうとも真実を語らせてしまう不思議な力があることに気付く。角を使ってさまざまな者たちの思惑を引き出し、そこから生まれる新たな疑惑に直面するイグ。やがて事件の真相に近づいていくが、それはあまりにも悲痛で凄惨(せいさん)なものだった。(シネマトゥデイより)



スティーブン・キングの息子ジョー・ヒルの小説『ホーンズ 角』を映画化した本作。
あのスティーブン・キングの息子が小説家だったことも知りませんでしたが、
たしかに作風もちょっと親父さん譲りな気がしますね。
親父さんの小説は何度も何度も映画化されていますが、
たぶん息子の小説の映画化は初めてなんじゃないかな。
スティーブン・キング原作の映画と言われると、なんだか観たくなりますが、
その息子が原作の映画と言われても別に食指は動きません。
宣伝とかで「スティーブン・キングの息子」と謳われているだけでも、
「なんだ親の七光りかよ」と思っちゃうし、むしろ逆効果です。
普通に「ジョー・ヒルのベストセラー小説を映画化」と謳ってくれた方が、
ジョー・ヒルのことは知らなくても興味が湧くのに。

それなら、そんな七光り原作の映画をなぜ観に行くのかですが、
やっぱり主演がダニエル・ラドクリフだからですかね。
『ハリー・ポッター』シリーズ全8作で10年間主演を務めた元子役で有名で、
当時は大人気で、最も稼ぐハリウッドスターランキング上位の常連でしたが、
当たり役が当たりすぎると言うのは怖いもので、シリーズ終了後、
『ハリポタ』以外の作品でも主演をしますが、いまいちパッとせず…。
シリーズ終了後1作目のホラー映画『ウーマン・イン・ブラック』では
なんとか初登場1位となり、なんとか及第点を取りましたが、
その次の『キル・ユア・ダーリン』は目も当てられないほど悲惨で…。
なにしろゲイ映画で、ラドクリフ大好きなポッタリアンをもドン引きさせました。
今週末から金曜ロードSHOWでシリーズ1作目から連続放送されたり、
USJのアトラクションも大人気で、依然『ハリポタ』人気の根強い日本でも、
『キル・ユア・ダーリン』はビデオスルーになったくらい悲惨な出来で、
ボクもこれを鑑賞した時、ラドクリフは映画俳優として終わったと思いました。
(その後、実際に彼の活動はスクリーンから舞台に移りましたね。)

そんな終わった映画俳優の主演作をなぜ観に行くのかですが、
仮にも子役時代から観ていた子なので、なんだか気になるんですよね。
メンタルが弱いみたいで、私生活でも心が病みまくってるみたいだし、
際どい発言も度々あって、お騒がせタレント化しそうで危なっかしく、
なんだか放っとけない気持ちにさせられます。
特に作品選びや役選びの迷走っぷりにハラハラさせられます。
おそらく当たり役すぎた子役のイメージから脱却したいと焦っているようで、
『ウーマン・イン・ブラック』で急に無精ひげの父親役を演じたり、
『キル・ユア・ダーリン』で男同士の濡れ場をしちゃったりするんでしょう。
しかし『ハリポタ』で彼のファンになった人たちはそんなの望んでないはずで、
結局見放されてしまい、本作なんて全米初登場29位です。
もうアメリカでは彼の名前で客を呼べなくなってしまった証拠です。

一方、『ハリポタ』シリーズで10年間ヒロインを演じたエマ・ワトソンは
見事に子役から女優への転身を果たしていますが、
それはやはり急激な子役イメージ脱却を謀らなかったからでしょう。
彼女はシリーズ終了後の一作目は脇役として出演して別現場の経験を積み、
その後もまずは学生役として徐々に大人の女優に転身してます。
非常に理想的な子役脱却方法だと思いますが、それでも彼女とて、
完全に脱却は出来ず、『ノア』とかディズニー映画『美女と野獣』の実写版とか、
客が望む『ハリポタ』同様のファンタジー路線に戻りつつありますからね。
自分の望む役しかしないのも立派だけど、客の求めに応じるのがプロです。
本作でそのことにラドクリフも気付いたのかもしれません。
本作はダークファンタジーなので、これまでの主演作に比べると、
『ハリポタ』のファンタジー路線に近い気がします。
本作で彼が演じた主人公もパーセルマウス(?)なところとか、
『ハリポタ』の主人公に通じるところもありますしね。
もし『ハリポタ』終了後の一本目が本作だったなら、
急激な客離れもなく、本作も大ヒットしていたに違いないです。
その後ダークファンタジーと親和性の高いホラーに移行すれば、
徐々に子役から大人の俳優に転身できたはずです。
今後もダークファンタジー『フランケンシュタイン』などにも出るみたいだし、
またポッタリアンが振り向いてくれる時が来るかも?

内容もスティーブン・キングっぽいモダンホラーな設定で、
一見するとミステリーのようだけど実際はコメディで、
『ハリポタ』終了後のラドクリフ主演作の中では最も楽しめました。
いや、『ハリポタ』シリーズの後期よりも面白かったかもしれません。
以下、ネタバレ注意です。

ある日、森の中のツリーハウスの下で若い女性メリンの遺体が発見され、
警察は彼女の幼馴染で恋人のイグが容疑者だと考えます。
保釈中のイグは無実を訴えますが、ご近所さんもマスコミも彼を犯人扱いします。
幼馴染のリーが公選弁護人となり、裁判で争うことになるのですが、
なんと鑑識ラボが放火され、遺体に付着した犯人の生体サンプルまで焼失し、
イグの無罪を立証することは非常に困難な状況です。
荒れた彼は幼馴染のグレンナと寝ますが、朝起きると額から角が生えており…。
ところが驚いたのは本人だけで、グレンナをはじめ周りの人々は
「角だね」くらいの薄いリアクションで、リーに至っては角が見えないようです。
しかし角が生えて以来、周りの人の行動がおかしくなるのです。
邦題に「容疑者と告白の角」という副題がついていますが、
この角は周りの人間に真実を告白させる魔力があるようです。

いや、告白させるというよりも欲望に忠実になるみたいで、
隠していることを我慢できずに喋っちゃうような感じですね。
他にも食欲や性欲も抑えられなくなります。
もっと厳密に言えば、七つの大罪を抑えられなくなるみたいで、
この角が悪魔の力によるものということなのでしょう。
追悼式でマリア像を蹴り壊したことで、悪魔に憑かれたのかな?
角が生えてるのは嫌でしょうがある意味便利な能力です。
お腹が痛いと言いながらドーナツを犬食いするグレンナや、
角の治療そっちのけでセックスし始める医者と看護婦、
イグへの独占取材を求めて殴り合うマスコミ連中、
保険金目当てで自分の店を放火するバーテンダーなど、
彼の周りの人々の奇行が笑いを誘います。

角について医者からも神父からも匙を投げられ、
誰にも頼ることができず実家に帰ったイグですが、
今まで庇ってくれていた両親からも「消えて」「失望した」と言われ…。
なんと鑑識ラボを放火したのは父で、息子が犯人の証拠を始末しようとしたようで、
やはり両親も息子が真犯人だと内心では疑っていたみたいです。
その証拠は息子が犯人じゃないことを示すものだったのにね。
両親の本音まで引き出せ、角の力を確信したイグは、
その力を使って自ら真犯人を捕まえようと考え、人の集まるバーに行き、
客から、事件の直前にイグがメリンを車で強引に連れ去るところを見たと
パブのウェイトレスが言っていた、という情報を得ます。

そのパブでは事件当日、イグがプロポーズをするつもりでしたが、
メリンから「他に好きな男がいる」と別れ話をされ、愕然とした彼は、
ひとりで車で去ったはずだったので、ウェイトレスの話は事実無根です。
角の力でウェイトレスを尋問すると、すぐに嘘だと認めます。
目立ちたがりの彼女は重要証人になって、テレビにも出たかったので、
こんなとんでもない嘘を付いたみたいです。
パブにはイグの兄テリーもいたので、ウェイトレスの嘘の証言を暴くため、
ミュージシャンの兄が演奏しているジャズバーに会いに行きます。
でも別にここで暴かなくても、ウェイトレスが証言台に立てば、
被告人席のイグの角の力で彼女は真実しか言えなくなるんじゃないの?
真犯人が明らかになるかはわからないけど、裁判でこの角さえあれば、
少なくともイグの無罪は明らかになるはずですよね。

角の力で兄テリーに話を聞くと、なんとメリンを車で連れ去ったのは彼で、
メリンを森の中で降ろしたというのです。
兄がそれを証言してくれたら、端からイグが疑われることもなかったのに、
なんだかめちゃめちゃ怪しいですが、本人は「殺してない」と言い張ります。
角の力で嘘はつけないはずなので、彼が殺してないのは本当なのでしょう。
でもメリンを降ろした後、彼はその場で寝てしまったそうで、
目が覚めると助手席に血の付いた岩があり、彼の手も血に染まっていたそうで、
もしかしたら無意識のうちに殺したのかもしれません。
兄はドラック中毒なのでその可能性も十分考えられます。
怒ったイグはクラブの外で兄をぶん殴りますが、そのケンカを誰かに通報され、
幼馴染の警官エリックに逮捕されてしまいます。
弁護人リーのお蔭で釈放されますが、メリンの十字架のネックレスを
なぜかリーが持っていたので問い詰めると、彼は自分とメリンとの関係を示唆。
イグはメリンの浮気相手がリーだと考え、愕然とします。
リーは角が見えないのに角の力は受けてるんですね。

完全にキレたイグは、サタンの化身である蛇を体に巻き付け、
ピッチフォークを手に、自分を苦しめる奴らを裁こうと決意します。
角が悪魔っぽいからって、わざわざベタな悪魔の格好をするところが笑えます。
まず嘘の証言をするウェイトレスの顔を蛇に噛ませ、
容姿に自信があり目立ちたがりな彼女の美貌を台無しにします。
続いて自分を逮捕したエリックに角の力でゲイだとカミングアウトさせます。
でもこれはエリックの相棒もゲイで、ゲイカップル成立しちゃったので、
裁きどころかエリックとしてはむしろ有難かったかもね。
保身のために真実を隠した兄テリーにも容赦せず、
彼の欲求を抑えられなくし、ドラッグを大量に服用させて廃人にするのです。
そして最後に、メリンとの関係を隠していたリーを呼び出します。

リーからメリンの十字架を取り上げると、彼にも角が見えるようになりました。
イグがリーに触れると、彼の記憶を読み取ることが出来るのですが、
どうやらリーも事件当日パブに来ていたみたいで、
メリンを乗せたテリーの車を追って、森までついて行い、
更に降車した彼女を追って森のツリーハウスまで行き、声を掛けます。
どうやらリーはメリンと両想いで、自分のためにイグと別れたと勘違いし、
そこで彼女に関係を迫るのですが、拒否られて逆上し、彼女を石で殴り殺します。
その罪を着せるため、テリーの助手席に凶器の石を置いておいたのです。
これが事件の真相だったわけですが、ちょっと納得できないかも…。
遺体に犯人の生体サンプルが残っていたということはレイプしたはずだけど、
逆上して速攻殺したのでそんな暇はなかった気がするし、
もし死姦とかで残ったとしたら、決定的すぎる証拠になるけど、
それをイグの父が焼失させたのは偶然だったはずで、犯行がお粗末すぎます。
それにイグに十字架のことを問われた時も、リーは関係を示唆しただけでしたが、
普通ならあそこで真実を言ってしまってもおかしくないはずです。
まぁ十字架の力で角の魔力が及ばなかったのかもしれないけど、
それならメリンとの関係も示唆するはずないし…。

リーの犯行の経緯には納得できなかったものの、
真犯人の本命は彼だと予想していました。
といっても、犯人の予想は的中しても動機は全く違いましたが…。
幼馴染のリー、エリック、グレンナ、兄テリーの誰かが真犯人で間違いないけど、
小さい頃にリーがイグのせいで指を二本も失う事故にあっていたので、
イグを密かに恨んでいるに違いないと思ったんですよね。
実際はその件は恨んでなく、痴情も縺れでメリンを殺したのですが、
なぜわざわざリーに疑いが向くようなエピソードで逆ミスリードを誘うのか…。
というか、後々全く活かされない指を失ったエピソードは必要だったの?

真実を知ったイグは激怒し、ピッチフォークでリーに殴りかかりますが、
リーは係留用のチェーンを拾って反撃し、逆にイグがボコボコに…。
あんな極太チェーンで殴り続けられたら普通死にますが、
悪魔化しているためかイグはかなりタフです。
とはいえ、動けないほど痛め付けられ、ガソリンをかけて火を付けられます。
リーはイグが犯行を自供し、焼身自殺したという筋書きを立てていました。
あれだけ燃えたので死んだと確信し、リーは去りますが、
イグは悪魔化してタフなので全身火傷を負いながらも密かに生き残ります。
そんなに強いなら、普通の人間のリーに負けるなよと思っちゃいますが…。

黒焦げのイグはメリンの父に真犯人を教えに行きますが、
父も娘の遺品からイグ宛ての鍵を見つけ、渡してくれます。
ついでにリーから奪い返した十字架も「君が持っていろ」と言ったので、
イグが十字架を首にかけると、火傷は完全に治癒し、更に角も無くなります。
ボクとしては角はあった方が便利だと思いましたが、
イグは角が消えて嬉しいみたいです。
メリンの遺品の鍵はツリーハウスの床収納の鍵で、
そこにはイグ宛ての一通の手紙が入っていました。
別れを告げた理由が書かれて、どうやら他に男がいるのは嘘で、
自分が癌を患っているので、プロポーズを受けたら、
イグを悲しませることになると思い身を引いたそうです。
パブで別れを切り出した時には、最低の女だなと思ってしまいましたが、
本当はなかなか切ない理由があったのですね…。
ただ、この手紙をイグが読むのは何年も何十年も先を想定して書いたようですが、
何年も先なら、この手紙を入れた床収納の鍵がイグに渡ることはない気が…。

イグはリーに会いに行き、殺害現場まで連れて行きます。
復讐するのかと思いきや、「正しいことをするチャンスをやる」と自首を促すが、
リーはこの期に及んで犯行を否認するのです。
よく意味がわからないけど、イグを焼き殺そうとしたことも覚えてないとか…。
そこに散弾銃を持った警官エリックと兄テリーが乱入し、リーを捕まえようとするが、
エリックは簡単に銃を奪われ射殺され、テリーも足を撃たれて動けなくなり…。
もちろん銃口はイグにも向けられますが、イグは再び悪魔の力に頼るべく、
十字架を外すと、なんと角ではなく背中から天使の羽が生えるのです。
しかし羽で飛んだ直後、羽が燃え出して堕天し、全身悪魔の姿に変わります。
完全悪魔化したイグには銃なんて無効で、リーは大きな角で刺され、
その傷口に蛇が侵入されて絶命するのです。
まぁ復讐は叶ったわけですが、ボクとしてはちゃんと法で裁くべきだと思うので、
真犯人死亡で解決というのはちょっとモヤモヤしますね。
その直後、イグも悪魔化に肉体が耐えられなかったのか、炭化してしまいます。
真犯人も容疑者も死亡ではメリン殺しの真相も裁判で明らかにならなそうで、
イグの疑いがちゃんと晴れるのかちょっと不安です。
まぁメリンの父には真相を伝えてあるから大丈夫かな。

ラストシーンは天国でイグとメリンが再会し、イチャツキますが、
悪魔に身を落としたイグを受け入れるとは、天国も意外と寛容です。
イグの言うように、あの角は本当に悪魔の呪いではなく、
神の祝福だったってことなのでしょうか?
まぁ魔王サタンも堕天使で、元は最も神に近い大天使だったわけだし、
イグが完全悪魔化する時に一瞬天使になったことでもわかるように、
神(天使)と悪魔なんて紙一重で、どちらの力に頼ろうとも、
死ねば行きつく先は皆一緒ってことなのかもね。
真犯人を暴くミステリーとしてはもっとテコ入れした方がいいし、
最後の完全悪魔化はファンタジー色が強くなりすぎな気がしないでもないけど、
なかなか笑える楽しいダークファンタジー・コメディでした。
どちらかと言えば子供ウケしそうな設定の物語だと思うのですが、
ボカシが入るような性的表現もあるのでR指定になったのが残念です。

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